2007.9.1(Sat)
結晶の展示
みこりんの夏休みが、もうじき終わる。近頃は夜ともなると、めっきり気温も低下して気分はもうすっかり秋な気配。網戸にやってくる夜の虫達も、セミよりはリーリーと鳴く虫の方が多い。にゃんちくんが日課のように行っていたシャドーハンティングも、そろそろおしまい。
夏休みといえば、自由研究。みこりんの学校では“宝物”と称されているのだが、始業式には結果をまとめて持っていかねばならない。
みこりんは塩の結晶をテーマに選び、1ヵ月半の長きにわたって塩の結晶が育つ様を、静かに見守ってきた。塩の飽和水溶液の上澄みと、沈殿物の混じったのと、2つのカップにおける比較。結果は、沈殿物の混じった方には目立った結晶は生成されず、ごちゃっとした状態のままらしい。上澄みの方には、底のほうに、わりと美しい形状の結晶が何個が出来ていた様子。みこりんはそれを1週間、2週間という期間ごとに分けて取り出しており、結晶の成長の様子をまとめることにしたようだ。
しかし、結晶をノートにそのまま貼ったら「溶けるよね?」と、みこりんは心配している。それで、何か手頃な密封できるモノを朝から探していたらしい。
私は即座に種を小分けにする時に使う透明な小さいビニール袋のことを思い出していたのだが、ここはひとつみこりんにまかせておくことにする。
やがて、自室でがさごそと捜索活動を繰り広げていたみこりんが、たたたたっと駆け下りてきた。「おとーさん!これなら大丈夫?」と差し出したもの。それは、まさに私が思い描いていたのとほぼ同じの密封できるタイプの小さいビニール袋だった。いったいそれをどこで…、と言いかけて、思い出した。たしかこれは学研の科学の付録で、宝石(鉱石)が毎号付いて来てた時に、そのパッケージとして使われていたやつだ。それが証拠に袋の裏側には“アメジスト”と印刷がほどこされてあった。中に入ってるのは塩の結晶なんだけど、それはそれで、なんとなく美しく見えてくるから不思議。
部屋から発掘してきたそれらの袋で、みこりんの塩の結晶は大事に守られノートに貼り付けられることだろう。再利用しやすいので、学研の付録は私も子供時代、いろいろ取って置いたなぁ…、なんて古い記憶を呼び覚ましてみたり。
明日、夏休みの最後の一日は、エレクトーンの発表会で〆
みこりんの仕上がり具合は順調な様子。思う存分、『帝国のテーマ』(by FFXII)を聴衆に披露するがよい。
2007.9.2(Sun)
発表会当日
朝からしとしと雨の降る、夏休み最終日にはまったく不似合いな天候で今日が始まった。
発表会に備えてLicとみこりんが美容院に出かけている間に、今週のミニトマトを収穫しようと庭に出てみると、こぼれ種で増殖しまくっているゴーヤの実が、黄色く熟してしまっていた。そろそろ食べないとなぁ、なんて思ってる間に食べ頃を逃してしまったようだ。黄色くなった実は、例によって内側から爆発したように破裂し、内部の禍々しいまでに赤い種が露出。けっこうグロい。しかしこれでまた来年も、こぼれた種でゴーヤが育つというわけだ。ありがたやありがたや。
小さな森のように脇芽伸び放題のミニトマトは、そろそろ打ち止めのようで、熟した実は1ダースにも満たなかった。先週までは毎週ザル1杯分くらいは採れていたので、ちょっと残念。
ところでこのミニトマトの上にまでゴーヤはその枝を這わしてきており、そこからぶらーんとぶら下がったおいしそうな緑色の実を、2つほど発見。まさに食べ頃サイズ。こいつはラッキー、というわけで、さっそく収穫しておいた。
今年は割りと頻繁に草引きしたせいか、地表はまだ土色の部分が多い。けれども近頃の雨のせいか、雑草達の勢力が盛り返してきつつあり。来週は気合いれて草引きしなければならないようだ。
そろそろ時間になったので、発表会会場に向かった。みこりん達は美容院から直接来ることになっているため、ちょっと早めに出かけて席を確保…、しておこうと企てたものの、なぜか後ろの方の席しかとれず。小ホールの座席数は、意外に少なかった。
前の席の人々の頭の影を縫うようにビデオカメラを三脚にセットし、プログラムにLicが丸をつけてくれた子の演奏を順に撮ってゆく。エレクトーンの子と、ピアノの子が混在しているため(ちなみに今日のはソロ発表会)、三脚の位置を頻繁に変えねばならないのが難点だが、一番困ったのは前列の方で三脚使ってるにも関わらず液晶ビューをぱかっと開けたままにして撮ってる人かな。後ろの席から見たら、相対的に液晶ビューが被写体である演奏者を覆い隠す割合は大きくなるので。できれば液晶ビューは閉じて撮影して欲しいと思う今日この頃。…とはいえ、昨今ではファインダー覗き込んで撮影してる人の方が少数派みたいだから、液晶ビューがどれほど邪魔になってるか気付いてない人が多いのかも。
さて、いよいよみこりんの名前がコールされて、舞台に登場。美容院でかけてもらったばかりのストレートパーマにより、いつも爆発気味な頭はすっきりとまとまっていた。
演奏曲、『帝国のテーマ』は重厚なイメージで、明るいノリの曲が多かった中では割と変化があってよかったと思う。演奏そのものも、ほぼノーミスでクリア。そして脚鍵盤の高下駄も、今回の演奏会で見納めである。10歳になって、みこりんも大きくなった。
前回、今日と、続けてFFXIIから曲をチョイスしたみこりんだが、次回の発表会ではどんな曲を選ぶんだろうか。個人的には『宇宙空母ギャラクティカ』のメインテーマを希望…、って今回、ギャラクティカで検索かけてて見つけたページが面白かったのでぺたぺたっと貼っておこう。ギャラクティカマグナム、最高(もちろん本物にそんな武器はついてないけど)。
2007.9.3(Mon)
エアコンと偏頭痛
新学期初日、晴れ渡った空から容赦なく、まばゆい太陽光が「喝っ」と降り注ぐ恐るべき夏日であった。それでもみこりんは、元気よく登校していった。これが若さというものか…。もっとも、私も寒いのよりは暑い方がむしろ得意な体質なので、実際のところあまり困ってはいないのだけれど。
問題は、職場の冷房である。バブルがはじけてからエアコンの設定温度は厳しく28度厳守になってはいるものの、200〜300人単位で入れるぶちぬきのどでかいワンフロア丸ごとを冷やすエアコンのことゆえ、局所的には妙に冷え込んだりしてしまうのである。
ちょうど私の斜め上方の天井に、エアコンの冷気排出口があったりするものだから、設定温度よりはかなり低めの冷気が「こぉぉぉぉぉぉ」と一日中、当たりっぱなし。そのせいで、頭の右半分は冷え冷え、左半分はぬるいという、微妙に気持ち悪い状況で過ごさねばならぬ。朝から夕方まで、およそ10時間以上。
背後に陣取っている部署からは、相変わらず電話で取引先にぐちぐち文句言ってたり、不必要なまでにでかい声で高笑いしたりする声等が途切れることなく続いている。科学の耳栓をもってしても、時々我慢の限界を超えて、殺意を覚えてしまったりすることもあるのだが、そういう時には、いったん席を外し、窓の外でも眺めながら大きく深呼吸。
*
ふぅ、今日も一日仕事が終わった。
帰宅。
偏頭痛にしてやられてしまっていた。そらまぁ、頭の両側であれだけ温度差があって、ずーっと風に吹かれてりゃそうもなるか。
いつものように特製の頭痛薬飲んで、寝た。
2007.9.4(Tue)
わらわらと
ピピピピピと、風呂場からの呼び出し音がリビングに鳴り響く。何事かと駆けつけてみると、みこりんが「クモがいっぱいおる」と言う。いつものようにハエトリグモか何かがひょこひょこ飛び歩きしてるのかと思ったら、「何十匹もおるんよ」とのこと。
何十匹…。まさか風呂場でクモの卵が孵ったんじゃ…。
みこりんが指差す浴槽の壁面を見る。じっと見る。
んー…?疲れ目と、加齢による視力低下も相まって、さっぱり見えない。く…
仕方がないので、みこりんにクモの居場所を教えてもらうことにした。
こわごわ接近してきたみこりんが、「そこっ」と人差し指でぴしりとポイントした箇所を、じぃっと見つめてみた。私の想像するクモの子の姿は、やはり見えなかったのだが、透視でもするかのようにさらに気合を込めて見ていると、やがて光学迷彩の効果が切れかかった何かが、ぶん、という音と共に出現したかのようにぱらぱらと私にも見えるようになってきたのだった。
ほとんど透明というか、白っぽい、非常に視認性の悪い色彩をしていた。ゲジゲジの子のようにも見えたが、脚がさほど多くはなかったので、やはりこれはクモの子なのだろう。脚の先まで入れて、体長約5ミリくらい。気が付けば、そこここにいた。たしかにこれは、何十匹もいそうである。
これだけわらわらいると、救出とかどう考えても無理そうなので、無難にシャワーで退室していただくことにする。
しゃわわわー、と念入りに何度も何度も風呂場全体に水を流し、クモの姿が見えなくなるまでその作業を続けた。
さすがにもういなくなっただろう。みこりんもちょっと安心したように、体洗いの続きにとりかかっていた。しかし…
それから3分後、クモの子はまるで瞬間移動してきたかのように、またしてもぽつりぽつりと姿を現したのである。き、奇怪な。いったいどこから湧いてきているのか。クモの卵らしきものはなかったはずだが…。もしかしてタイルの微小な亀裂の中に卵があったのかも?
みこりんにとって、しばらく入浴中は気が抜けない日々が続きそうである。なにしろクモは、みこりんの苦手な生物トップ3に入ってるくらいだし。
2007.9.5(Wed)
マイギルド
近頃みこりんがはまっているネットゲームの“野菜村”にも、やはりユーザーが作成可能なコミュニティがあって、それはギルドと呼ばれている。FFXIで言うところのリンクシェルのようなものらしい。
ギルド作成には、レベル50以上であることと、ゲーム内通貨として機能している賞賛値が10000ほど必要だと、みこりんは言っていた。
じつはみこりん、自分のギルドを作るのが当面の目標なのだった。そのために、せっせとレベル上げに励み、50は楽々とクリア。残るは賞賛値を貯めることのみとなり、釣りしたり、ゴミ拾いしたり、クエストをこなしたり、賞賛値を得るための並々ならぬ努力を続けてきたのであった。
そして今夜、みこりんは何やらすごいアイテムを釣り上げた。
そのまま使っても便利なアイテムっぽいのだが、売っても結構な賞賛値が貰えるらしく、悩んだ末に、みこりんはお店にダッシュ。賞賛値をゲットし、ついに10000を越えた。
さっそくギルドの作成にとりかかるみこりん。ギルド名は以前から考えてあったようで、さくっと決まり。次にアイコンの作成。ギルドのシンボルとなるので、こいつは重要な作業である。みこりんも、慎重に形状や色彩を組み合わせてみて、試行錯誤を繰り返し。
およそ30分くらいかかっていただろうか。ようやく気に入ったアイコンができたらしい。
こうして無事、みこりんのギルドは完成した。
出来たばかりの弱小ギルド。でも、最初の一歩を踏み出さねば、何事も始まらない。みこりんは、自分の足で一歩踏み出した。
2時間後、一人、ギルドメンバーの勧誘に成功した模様。みこりん、結構大胆である。♀マークの効果もあるのだろうけれど。みょーなのがひっかからねばよいが…、と、ちょっと心配しつつ見守ることにしようと思う。
2007.9.6(Thr)
ソリッドスティトサヴァイバー
秋といえば、運動会の季節。今年、みこりんの学年ではソーラン節を踊るとかで、日々練習に余念がない。とはいえ、体育の時間だけでは先生も不安があるのだろう。希望者には、当日使うソーラン節の音楽をコピーしてくれることになったようだ。これがあれば、家でも練習ばっちり。
というわけで、みこりんに「CDちょうだい」と言われた。
CD……。その言葉にちょっと衝撃を受ける。
そうか、録音といったら、もうカセットテープの時代じゃないんだね。わかってはいるつもりだったけれど、リアルな現実をつきつけられて、初めて理解できた気がした。
CD-Rのブランクメディアは、普通にストックしてあるというのが昨今の常識なのか。いやたしかに、うちにもあるけど、太陽誘電製だし。こういう時のために、激安なのも買っておかないといけないのかも。……、しかしあと数年もすれば、CDの存在そのものが忘れられて、普通に携帯音楽プレーヤー(というかメモリ記憶式の録音再生機器)必須みたいなことになってたりしそう。
2007.9.7(Fri)
消えたヤツ
歯磨きのため、洗面台方面に向かっていたはずのみこりんが、猛ダッシュで戻ってきた。いったい何事が起きたのか。
私は、戻ってきたみこりんに導かれるまま、洗面台の前に立つ。
ここに、ヤツがいたらしいのだ。ヤツといっても、脚のたくさんある長いヤツではなく、かさかさと動き、時には飛んだりする方のヤツである。
じっと洗面台付近を見回してみたが、ぱっと見、ヤツの姿はなさそうな…。気配を察知して逃げたか?しかし、みこりんは慎重に、「ほら、そこっ」と私の背後からびしっと指差してくれていた。
その指先からビームが伸びていると仮定して、着弾点に視線を移動。「…お、おぉぉ」
たしかに、ヤツがいた。でも、まだこいつは黒光りするにはちょっと早い、赤いヤツだった。それでも大きさは、ほぼ成虫に等しいくらいある。
ヤツは洗面台の内側に、ぺっとり貼りつく様にして、たたずんでいる。悟られないように、そろりと腕を伸ばしてその向こうに置いてあるティッシュボックスから、ティッシュを3枚ほど抜いた。それを重ねて右手に持ち……、狙い定めてしゅっと腕を振り下ろす。
やったか!?ヤツがいた場所を正確に押さえたはず。
しかし、なんだか手応えがない。おそるおそるティッシュをつまんだ手を引き戻し、内部をチェック。
からっぽだった。…う、嘘だ。逃げたとしても、その姿は少なくとも私の視界内では捉えていない。
みこりんも呆然としていた。やはり見失ってしまったのは同じっぽい。
ヤツは消えた。どうやって逃れたのかはわからないが、ヤツの捕獲には失敗した。
あとでホイホイを設置しておかねばなるまい。みこりんの、不安な夜は続く。
2007.9.8(Sat)
赤い夜
不安げな色をたたえた雲が、大空を分厚く覆っていた。わずかに西の空が、うっすらと青いのが救い。でも案の定、夕刻、激しい雨と雷がやってきた。
学校の宿題で、“月の観察”をしなければならないみこりんは、不安げに暗い空を見上げている。果たして見えるのだろうか。
*
そして夜、雨は止んだ。雷もいずこかへと去っていった。しかし、雲はいまだ停滞中。
みこりんと一緒にウッドデッキにて、上空を見上げてみる。月はどこだ。
星1つ見えず。もちろん月の姿は、どこにもなかった。そもそも月がこの時間帯に見えているのかどうかをまず調べるべきのような気もしたが、宿題に出るくらいだから夜に見えているにちがいあるまいという前提で。
がっかり気味のみこりんだったが、月よりも、もっと興味深いものに気付いたらしい。
それは、南に広がる山々の稜線から、立ち上るように赤い光が空に向かって発せられていることだった。ぼぅっと薄く、それでいて、不思議と明るい、微妙な輝き。
「あれは何?」
そう問いかけるみこりんに、私は「街の明かりが反射してるんだよ」と言ってみる。たぶんそうなんだろうと思いつつも、確信があるわけではないのだけれど。
しかしみこりんは、街の明かりはこの時間(夜中の10時過ぎ)にはほとんど消えているのではないか?という疑念があるらしい。たしかにそう言われてみれば、そんな気もしてくる。ただ、あの街は、ここからずっと遠くにある都会の明かり。不夜城の明かり…、のはず。それにしても、なんて赤さだ。さっきの雨で湿気て、波長の長い光がよりよく見えているのだろうけれど、なんというか…、不気味な赤い光だった。いまにも夜空から、巨大な船体が降下してきても不思議ではないほどの、非日常の光景。
明日、月は見えるだろうか。心配しつつ、寝た。
2007.9.9(Sun)
草引き
昼間は晴れ。こんな時に庭仕事なぞしようものなら、たちどころにひどい頭痛に襲われそうなので、夕方まで待ち、草引き開始。
東側の菜園から手始めに、地表を覆い始めていた草をぶちぶちと抜く。ドクダミが次々に復活しつつあるのに驚かされる。根こそぎ抜いたつもりだったのだが、わずかに残った根っこから、おそるべき生命力で再生を果たしたというのか。
ぐるっと回り込んで南側。こっちは背丈の低い、いわゆるメジャーな雑草が地表を覆いつくそうとしていた。ちょっと見ない間にこの有様とは。ウッドデッキに出てきて私の作業を見ていたみこりんが、「もうそんなに草生えたの!?」と驚いている。花壇に植えてあった黄花コスモスも、いつのまにか消滅していた。バラの“ブルームーン”は、夏の間、葉っぱをすべて落としていたが、暑さが少し和らいできたこともあってか、新芽が所々に見受けられた。この調子で復活を遂げて欲しいものだ。
そして玄関側。こちらのミニバラは、完全に雑草の山に埋もれていた。肥料を全部雑草に吸われた感じ。というわけで、雑草を抜き抜き。地下茎で増殖を始めていたハリエンジュの若木も、早めに撤去。これを放置しておくと、秋も深まる頃には恐ろしいことになってしまう。ハリエンジュの生長スピードはとても早い。
草引きが終わった頃、空は黒雲にみるみる覆われ、またしても激しい雨と雷。
月は、今宵も見られず。
2007.9.10(Mon)
かぐや/H-IIA13号機 打上げ特設サイト
月探査機『かぐや』を搭載したH-IIAロケット13号機の打ち上げが、迫る。打ち上げ日時は9月13日(木)10時35分47秒。
“かぐや/H-IIA13号機 打上げ特設サイト"にて、打ち上げライブ中継が行われる。ぜひ見なくては。
無事、打ちあがりますように。
月といえば、今朝、月の観察ができていないことを気にしていたみこりんだったが、帰宅してから聞いてみたところ、同様に月が見えなかったクラスメイトは結構いたらしい。まぁ、あの空模様ではいたし方あるまい。
ところで今宵は新月だとか。新月前の、切れそうなほどに細い月とあれば、なおさら見えにくかったに違いない。
2007.9.11(Tue)
キーボード入力
ちょっと前まで、みこりんのキーボード入力は、こんな感じだった。
“…こ・…ん・…に・ち・…は”
それが今では、こうだ。
“こにーちは!"
子供の上達能力の高さには、相変わらず驚かされる。オンラインゲームの“野菜村”でチャットを楽しんでいるうちに、いつのまにか超高速に上達してしまったらしい。でも、ローマ字の小文字を覚えきってないので、日本語の入力方法は結局、“かな入力”に落ち着いてしまったようだ。
“かな入力”なので、アルファベットと日本語の混在入力の時に、ちょっと不便そうだが、この子達の世代は普通にキーボードの“ひらがな”と“アルファベット”の双方の位置を覚えてしまって、混在してても特に不便は感じないかもしれないな…、と思ったりもし。
実際、みこりんにローマ字の文字列を入力するように言うと、「もにのら…」といった感じに口頭で“かな”キーの刻印の方を暗唱しつつアルファベットを打ち込んでいるのである。私はローマ字入力に特化してしまっているので、最初“かな”→“アルファベット”の対応に気付かず、「みこりんが謎の呪文を唱えてる!」と、びっくりしたものだ。
タイピング速度、今年中に抜かれそうな予感。
2007.9.12(Wed)
今日のにゃんちくん
みこりんに言わせると、前脚を“へ”のような具合にちょいと曲げてるところがポイントらしい。
くつろいでいる猫には癒しの効果がある(と思う)。
*
安倍総理、辞意を表明。
官僚の官僚による官僚のための政治が、またぞろ大手を振って復活するのだろう。そして土下座外交に逆戻りか。後になって気が付いても遅いのに。
今はただ、心より「本当にお疲れ様でした」と言うしかない。
2007.9.13(Thr)
Opera 9.5 Alpha 1
ブログツールのWordPressについて、今年の5月31日の日記で次のように書いたのだが…
1つのエントリー単独で表示させた場合、ナビゲーションリンクがアクティブにならないのだ。IEで表示させた時には問題は起きない。Operaだと起きる。しかも不思議なことに、一度そのページをリロードすると、リンクが生き返るという謎。
『ひみつ日記』 2007年5月31日の日記より
その問題の起きるOperaには、その後、最新版(Opera 9.5 Alpha 1)が出ているので、こいつで、もう一度確認してみることにした。じつはこのAlpha1の変更履歴を眺めていて、こんな一節があることに気が付いたから。
Support overflow in inline-table and inline-block elements, which fixes unclickable links and truncated content on Dell.com
Changes since Opera 9.23
“クリックできないリンクが解決”、なんだか思いっきりWordPressの件と似ている。
α版なので、いつも使ってるOperaとは別ディレクトリにインストールして、以前作ったWordPress(ME 2.2.3)のブログにアクセス。エントリー単独の表示にして、ナビゲーションリンクを…、「ぽちっとな!」
お、押せた!
というわけで、早く9.5が正式バージョンになって欲しい今日この頃。
2007.9.15(Sat)
ひょっこり現れたもの
夕方、自転車で散歩に出かけていたみこりんが、なにやら慌しく戻ってくるなりこう言った。
「おとーさん、キノコ生えとったで、見にいこ!」
空き地に生えていたらしい。というわけで、私もみこりんが見つけたというキノコを見に、一緒に出かけることにした。
徒歩、約2分。団地内には、まだぽつぽつと空き地があって、その1つの地面から、1本、にゅっと顔を出していたのが、この白いキノコである。かなりでかい。お店で売ってる椎茸など比較にならないほどの、大きさだった。
それにしてもなんだか柔らかそうで、とてもおいしそうな…。さっそくケータイをカメラモードに変形させて激写。
撮影が終わるのを待っていたかのように、みこりんが傘の部分に手をかけ、ぴりっと上方向に引っ張ってみている。見た感じそのままの柔らかさだったようで、あっさりと傘は割けた。その内部構造を指でぷにぷにと確認しているみこりん。「綿みたいに柔らかい」と、みこりんは言った。
そうやってぷにぷにしているうちに、このキノコをどうしても持って帰りたくなったらしい。抜いても大丈夫かとやや不安そうに聞いてくるので、普通にすぽっと抜けば大丈夫と答えておく。それにしてもこのキノコ、まさに大地を割って突如巨大化したかのように、根元には土がぼこっとめくれていた。なんというか、この形状のまま地面の中から湧いて出たかのよう。
みこりんがキノコの柄の部分を持ち、そろりと引き上げてみたところ、意外にあっさりとキノコは抜けた。石突の部分に若干もけもけとした部分があり、土を抱え込むような構造になっていたが、普通の植物のようにしっかりとした“根”に相当するものはないようだ。ちょっと強い風が吹いたらすぐに倒れてしまいそうなくらい、繊細なつくり。
収穫したキノコを自転車のカゴに入れて、さらに周囲の空き地を何箇所か探ってみる。すると、さらにもう1つのキノコを発見。傘の部分が先ほどのより細く、ロケットのような具合に地面から生えていた。傘の開き加減以外は、色も大きさもさっきのキノコと瓜二つ。
これもみこりんの手により、収穫された。
*
その後、キノコがどうなったかというと…。玄関先に傘と柄の部分を分解した状態で、並べられていたのだった。みこりん的には、こうしておけばキノコが庭にも生えてくるということになっているらしい。
胞子を飛ばすにはまだちょっと早いような気もするのだが、過去、我が家の庭にも似たような感じのキノコが生えたことはあるので、もしかするともしかするかもしれない。
2007.9.16(Sun)
『サバイバルキッズ〜Lost in Blue』
天空を分厚く覆った黒雲によって、昼間でも部屋の灯りが必要になってしまうほどだった。しかも時折、スコールのごとき激しい雨、雨、そしてまた雨の一日。
みこりんがDS Liteで、何かゲームを始めたようだ。起動音から察するに、それは去年買ってきた『サバイバルキッズ〜Lost in Blue』に違いあるまい。たしかサバイバルに行き詰って、長いこと放置していたはず。
そっと背後から画面を覗き込んでみると、無人島生活はゲームスタートから、まだ三日しか経っていない。それでいて空腹度やら体力やらといった生き残りに不可欠なステータスは、どれもこれもからっけつ。今にも死にそう。………あ、死んだ。
このゲームは、無人島に流れ着いた少年と少女が協力してサバイバルを生き抜き、島を脱出することがクリアの条件。そのためには、なにはなくともまず体力その他のステータスをアップさせるべく、食料集めが重要になってくる。でも、みこりんはまだ食料集めに不可欠な重要アイテム、木の棒を見つけていなかった。
木の棒は尖った石とあわせて加工することで、銛になる。この武器があれば、魚を捕獲できるようになるため、生存率の大幅アップも間違いない。
みこりん的には、早く探検したいらしくて空腹にも関わらず動き回るものだから、結果的に途中で力尽き、死亡→ゲームオーバーという無限ループに陥っているのだった。
はやる気持ちはわかるけど、ここはぐっと我慢して体力温存、というか体力を整えてからじゃないと…。さり気なくそんな感じのアドバイスをしてみるのだが、木の棒をゲットできていないのでワカメとかキノコとか、いまひとつ腹の足しにならないような食べ物ばかりしか入手できず。
みこりんなりに、攻略サイトを検索してみようとしたらしい。でも、Yahoo!きっずでは、かなりのサイトがフィルタにひっかかってしまうのか表示できず(攻略サイトの中には18禁ゲームの情報も載せてたりするので、そういうのも一因かもしれない)。
いよいよ行き詰ってしまって不機嫌モードに突入したみこりん。
*
その間に、私がさくっとぐぐってみたところ、アイテム入手ポイントを示した地図の載った攻略サイトを発見。Tipsやら攻略情報を斜め読みして、ざざっと全体の流れを記憶する。
1時間後。
そろそろ機嫌が直ってきつつあるみこりんに、その地図を見せてやった。
真剣に見入っているみこりん。さっそく木の棒のありかを示した場所に、探検に出かけたらしい。ところが、そこには何もなかった。木の枝はあったけど、木の棒はその周囲では発見できず。
はたしてみこりんは次にどうするのだろうと観察していると、攻略サイトの地図は頼りにせず、やはり我流でいくことにしたらしい。地図の下に“この地図はまだ不完全です”と書いてあったのを見て、すぱっと見切りをつけたようだ。切り替え早っ。
結構ポジティブシンキングなタイプなのかも。
“野菜村”のギルドマスターとしての振る舞いなんかを見てても、何かこう、自分の考えていることに向かってさくさくと進行させてるみたいだし(その代わり、ちょっとギルドメンバーを置いてけぼりにしてしまいそうな傾向はあるけど)。
みこりんの動向に注目な今日この頃。
2007.9.17(Mon)
みつめる瞳
カレンダーでは祭日、しかし今日は普通に出勤日である。その代わり、GWやお盆休みや年末年始に、どかっと続けて休暇になるので、悪くはない。朝の渋滞もないし、有給休暇で休む人も多いので、いつのも大部屋の騒々しさも、ちょっとだけましになる…、かと思いきや、一番声のでかい人は今日も朝からハイテンションのため、“科学の耳栓”が欠かせないのは同じだった。…あぁ、集中できる静かな仕事部屋が欲しい。
*
目を酷使して帰宅。最近、無意識のうちに、液晶画面に顔を近づけて文字を読んでいる時があり、どきっとする。しかも睨み付けるような感じに目玉に力を入れているため、顔の筋肉やら肩、首筋の筋肉にいたるまで、ぎしぎしと軋みを上げそうに硬くなってしまっている。硬くなった筋肉は、例のセルシンで、だいぶましにはなるのだが、やはり眼鏡作ったほうがいいのかもしれない。
そんなことを思いつつ、食卓で夕食を食べていると、なんだか視線を感じる。殺気とかそういうんじゃなくて、なんとなく「あ、見られてる」みたいな。
みこりんがこっそり覗いてるのかな?と、顔を上げてぐるっと視線を巡らしていると、視線の主、発見。
にゃんちくんだった。リビングと和室との境界線付近でじっとたたずみ、こちらを見上げている。距離にして約3メートル。何か物言いたげな表情だったが、まん丸な瞳でまっすぐに見つめられると、ちょっとどきどきしてしまう。それにしても、猫や犬などの動物は、なぜ相手の“目”を見ればよいというのを知ってるんだろうか。目が、視覚を司るセンサであると、どうして知りえたのだろう。
私もにゃんちくんを見つめ返していると、にゃんちくんもいっそう興味を示してじっと見つめ返し返し。こういう時、犬だったら喜んでダッシュしてくるところだが、猫は基本的にツンデレなので、自分から擦り寄ってくることはそうそうない。
にゃんちくんに見つめられたまま、夕食は進み、味噌汁をずずーっと飲んで顔を上げたら、さっきまでいたはずのにゃんちくんの姿が消えていた。まるで幻であったかのように、静かに、気配をまるで感じさせることなく、にゃんちくんはいずこかへと去って行ってしまったようだ。
はっ、そういえば今夜のおかずは魚だった。ひょっとしてにゃんちくんは、そのおこぼれにあずかろうと待機していたんじゃ……。
季節が秋へと移ってゆくと共に、にゃんちくんの食欲も日に日にパワーアップしている。あり得なくはないかもしれない。
2007.9.18(Tue)
Saturn's Moon Iapetus
探査機カッシーニが送ってきた、土星の衛星イアペタス(Iapetus)の最新映像“Saturn's Moon Iapetus Is the Yin-and-Yang of the Solar System”は、なかなか興味深い。
もともとこの衛星が白と黒のツートンカラーになってるらしいことはわかっていたみたいなのだけれど、今回の探査機の接近はこれまでにない近距離まで寄って撮影しているので、くっきりとその表面の様子が見て取れる。
本当に白と黒に、きれいに分かれてるところが、なんとも不思議。
ちなみにTechnobahnの記事には、次のような見解が述べられていた。
この黒い部分に関して、カッシーニ探査衛星の画像解析を担当している米スペースサイエンス研究所(Space Science Institute)の担当者は、恐らく、2〜3メートルの深さしかないのではないかと見ている。ただし、2〜3メートルの深さしかないのにも関わらず、なぜ、真っ黒にしか写らないのかに関しては分からないとしか答えようがないとしている。
『アーサー・クラーク本人もびっくり! 土星のナゾの衛星イアペトゥス』Technobahn 2007/9/15 00:20
ただ、この日本語訳のソースが何なのか記述されてないので、本当にSSIの担当者がこういう内容のことを言ってるのかどうかは不明。JPLのニュースリリースには書かれてないようだが…。Arthur C. Clarkeが“びっくり”しているのは、本当らしい(ソースはこちら)。
探査機カッシーニが送ってきた画像データはまだまだあるので、その解析途上、もしも衛星イアペタス表面に、黒くて黒くて黒くてとても黒いモノリスのような物体が立っていたと想像するとき、私は興奮を抑えることが出来ないだろう。あぁ、宇宙は謎で満ちている。
2007.9.19(Wed)
IDとパスワード
クラスの子がやってるというので、新しいオンラインRPGをインストールして今日から始めたみこりん。ゲームの名前は“チョコットランド”、ハンゲームが元締めのいわゆるプレイ無料、アイテム課金のタイプ。キャラの雰囲気が、どことなくエミル・クロニクル・オンラインを彷彿とさせる辺りに、ちょい懐かしい思いになったりもし。
ところで今回、ハンゲームのアカウントをみこりん用に取得したわけだが、みこりんには1つ気になる点があるようだ。それは、「自分のアカウントIDが、他人にもわかるようになってる」ということ。“野菜村”のネットマーブルではアカウントIDは、キャラクタデータからは見えない仕組みになってたようで、その違いに気付いた模様。なかなか鋭いみこりんである。
みこりんは、「IDが知られると、パスワードをいろいろ試されたら入られてしまうんじゃないの?」というあたりを心配していた。たしかにIDがわかってると、あとはパスワードを総当りで試されたら、一致してしまう可能性はある。
「だから、パスワードは他人には想像しにくいものにしておく必要があるんだよ」と、改めて教えておいたが、みこりんがよもやそんな心配をするとは想像してなかったので、けっこう驚いた。学校の図書館で、ネットのセキュリティ対策の本でも読んで知っていたんだろうか。あるいはもはやこの世代は直感的に、“そういうもの”だと理解してるのかもしれない。なにしろ産まれた時からインターネットが存在していた時代の人類だから。
実際、アカウントハックの被害にあってキャラ削除されたり、アイテム転売されたりといった被害は日常茶飯事っぽいので、やがてIDとパスワードに替わって、一般家庭のネットにも生体認証システム必須な時代になってゆくのだろう。3年後くらいには?…、案外10年経っても、今のままだったりしそうな予感もあるのだが、さて、どうなることやら。
2007.9.20(Thr)
参加賞
帰宅するなり、廊下を駆けてきたみこりんに「おとーさん、目ぇ閉じて着いて来て」と言われた。何だろう?と思いつつも、しっかと両目を閉じてまっすぐ廊下を付き抜け、リビングへ。
なにかごそごそと音がする。何を見せてくれるのかちょっとわくわくしつつ待っていると、やがて「目開けてもいいよ」と来たので、すぱっと高速に瞼を開く。
お、おぉぉ!
みこりんが両手で捧げ持つようにしているのは、新品の工具セットだった。
収納ケースは3つのパーツに分けれており、左側にはラジオペンチとニッパー、そしてピンセットのセットが収まっていた。真ん中がボックスレンチのセット。右側が精密ドライバーセット。なかなか豪勢な品である。今、私物のニッパーを会社に持っていったままになってるので、このセットに含まれているニッパーはかなり重要アイテムかもしれない。
学校で描いて、何かのコンクールに応募した絵画作品が、これに化けたのだという。
すごい賞を取ったのかと一瞬思ったけれど、どうやらこれは参加賞らしい。なんて太っ腹な。
私にもこの工具、使わせてくれるとのことなので、ありがたく使わせてもらうこととしよう。
2007.9.21(Fri)
頭の上にいたもの
お昼過ぎから、右胸がずきんずきんと痛む。鈍痛というか、ちくちくではなくて、どーんどーん、みたいな。そのうち食道付近が、きゅーっと引き絞られるような具合に胸板中央やや右方面がぎりぎりと違和感ありまくり。そんなわけで、姿勢も自然と右側に傾くようになっていた。でもまぁ、激痛ってわけでもないため、例の肩凝りの薬で勤務時間を乗り切り、帰宅。
食道の違和感は消えた。しかし、右胸のどーんどーんは、遠くで和太鼓をどんどこどんどこ叩かれてるみたいな雰囲気で、ずっと継続している。体の奥深くというよりは、なんとなく肋骨から、その太鼓の音が響いてきてるような気もする。
じわじわっと痛み量が蓄積してきたのか、じっと座っているのもしんどくなってきたので、早々に床に就く。体の右側を下に、うつ伏せにしていると、少しだけ痛みも和らぐ感じだ。
*
自分の心臓の音を聞いているうちに、いつのまにか眠っていたらしい。…いや、まだ眠りの中にある、というべきか。
これは夢だ、と自分で明確にわかっていてもなお、起きる気配はなく、夢の進行を、夢の中の私の視線で眺めている。
どこかの座敷に、Licの親戚と思われる人々がそれぞれテーブルを前にして、座っている。
私の向かいに座っていた30代に見える女性が、じっとこちらを見ているのが妙に気になった。その視線は、私ではなく、私の頭上を射抜くような傾きを持っていたから。…でも、その目つきはとても穏やかで、存在自体が神、みたいな安らぎを感じていた。
「…(何か聞き取れない単語)…あぁ、もういなくなったみたいですねぇ」
と、その女性が言ったのを聞いている私。何?何がいなくなったって?夢を見ている私本人は何のことかわからなかったのだが、夢の中に出てきている私はその意味を理解している様子で、「そうですか、もういなくなりましたか」なんて答えている。
うーん、いったい何がいたんだ。めっちゃ気になる。
私の内なる声が通じたかのように、その女性はさらに言葉を続けていた。
「えぇ、以前は頭の上に、鬼がこうやって座ってました」
お、鬼…。私の頭を椅子代わりに座っている鬼の図が、脳裏に浮かぶ。
そうか、鬼か。鬼がいたのね。夢の中とはいえ、なにやら気色悪い。
やがて場面が切り替わり、ここからの記憶はひどく曖昧でよく覚えていない。ただ、久方ぶりに、金縛りにあってしまい、手足の自由が利かずに「どうしたものか」と眠い頭で悩んでいたのは、ぼんやりと覚えている。
うつ伏せで寝たのがまずかったのかも。
翌朝、晴れ。関節の節々が微妙に痛い。風邪の諸症状に似ているなぁ…、って、思いっきり風邪じゃん、と一人つっこみなどしつつ、起き上がり。
この3連休中に、治さねば。
2007.9.22(Sat)
パンクラティオン
今月初旬のバージョンアップで、FFXIに、とある機能が実装された。その名も“闘獣試合「パンクラティオン」”。
- パンクラティオン
- 魔獣マスターとなったPCが強化したモンスター「魔獣」を持ち寄り、闘獣場のステージで闘わせるコンテンツ。
FFXI世界であるヴァナ・ディールの各地に棲息しているモンスター達を、カメラ(獣写器)でフィルム(獣影板)に焼付け、そのフィルムを現像してもらうと出来るのがポケモ…、もとい、魔獣鏡である。この魔獣鏡は複数所持できるが、試合に出せるのは“公式魔獣鏡”として登録したもののみ。でもまぁ、公式にしたり、公式から外したりというのは係員にトレードするだけで変更できるため、あまり違いは重要ではない。
いつもなら狩りの対象となる(あるいはタコ殴りにされてこっちが戦闘不能にさせられる)モンスターを、フィルム(獣影板)に焼き付けると「封獣板」になるというのが、このコンテンツに深みを与えている模様。「封獣板」になる時、モンスターの特性に応じた獣性というステータスが付加されるのだけれど、これがまた多岐に及んでいるらしく、Wikiの方でも今なお日々更新中だったりする。しかもその獣性は、ある制限内で、複数組み込むことでモンスターを独自に強化することが可能。となれば、組み合わせは、両手両足で数えてもぜんぜん足りないくらい、ものすごい数であることは間違いあるまい。獣性は、まったく同じモンスターを撮影した場合でも、得られるものがいろいろと違ってるようなので、こういうところがさらに収集欲を刺激しているのだろう。
で、公式魔獣鏡にしたモンスター同士を、試合会場で互いに戦わせることができる…、ってそれ思いっきりポケ○ンみたいな。
「FFXIでもポケモンできるようになったよ」、というのをLicに教えてもらったみこりんは、瞳を輝かせて「やる!」と立ち上がった。でも、今、みこりんのキャラはポケ○ンスタジアムの設置されている街にはいない。歩いていくには遥か遠く、船で行かねばたどり着けない東方の遠い遠い街に、スタジアムはある。
幸い、HP(ホームポイント:冒険中に戦闘不能になると戻ってこれる場所)が、その街に設定されていたので、さくっと低レベルにジョブチェンジして近場のモンスターに特攻すれば一瞬でスタジアムには辿り着けるだろう。しかし、これまたちょっとまえのバージョンアップで、みこりんのいる街からスタジアムのある街までテレポしてくれる機能が実装されていたのだ。これを利用しない手はない。さっそくみこりん自らキャラを操作して、そのテレポしてくれる人の所まで行ってみたのだが…、どうやらこのキャラではテレポに必要なクエストをクリアしてなかった模様。
スタジアムのある街と、自分の母国とを自在にテレポできるようになったら今後もいろいろと便利だろうというわけで、さくっとクエストを終わらせてしまうことにする。
内容はいたって簡単。街中の十数人のNPCに話しかけるだけでOK。NPCの場所は、ぐぐれば簡単に見つけることができるため、その地図を表示してやると、みこりんが自分でクエストクリアする気になったようだ。
みこりんがクエストを進めている間、私は他のことをやってたのだが、しばらくしてみこりんから救援要請があった。曰く「どうしても入れない場所がある」んだそうな。
ふむ…。みこりんの母国はサンドリア。サンドリアは、“港”、“北”、“南”、そして“城”の4つのステージによって構成されているわけだが、この中で“城”はちょっと特殊な位置づけとなっており、ぺーぺーの冒険者では入ることが許されない場所なのであった。念のため、みこりんのステータスをチェックしてみると、ミッションランクは1。あぁ、これでは入れないのも無理はない。
たしかミッションランクを2にすれば入れたような。遠い記憶を手繰り寄せ、急遽、みこりんキャラでミッションを進めることにする。ランク5必須とかだとちょっとアレだが、1つだけ上げればいいんだったらこの際やっちゃおうというわけで。
ランク1で出題されるミッションは、レベル一桁台でもそこそこ進めることはできる難易度のため、レベル21のみこりんキャラならさほど問題はない。ただちょっと移動に時間を食ってしまうのが難点といえば難点。しかも記憶を頼りに始めちゃったものだから、ミッションの進行に必要なイベントをすっとばしてて、また現地まで戻ったりなんかしつつ。
ランク1最後のミッションは、バトルフィールドでの対戦。さすがに白魔21歳のみこりんだけではちょっと不安があるので、私のキャラを同伴させる。結果、クリアタイム更新。近頃は新規加入者さんも少なく、ミッションをやる人も減ってるのかも。
こうして無事ランク2になったみこりん。でも、今日はこれだけで時間をとりすぎてしまったため、ポケ○ンゲットの旅は、また明日。
2007.9.23(Sun)
マンドラゴラ vs ダルメル
無事、ポケ○ンスタジアムに到着した私とみこりんは、さっそくカメラ(獣写器)とフィルム(獣影板)を手に入れ、旅に出た。このヴァナ・ディールの地にて、みこりんのキャラ(白魔21歳)でも比較的安全にポケ○ンゲットが可能な場所で、なおかつ、移動がラクで、さらに、みこりんの希望するキュートなモンスター“マンドラゴラ”がいる所といえば…、ブブリム半島であろう。
というわけで、スタジアムのあるアトルガンの街から船に乗り、ブブリム半島上陸。
砂塵吹き荒れる大地に、ぽつぽつとマンドラゴラの愛らしい姿が見え隠れしている。ここのモンスターのレベルなら、みこりん単独でもたぶんなんとかなるとは思う。が、安全を期してまず、私がマンドラゴラに弱体魔法を撃ち込み敵のターゲットを引き付けた後、睡眠魔法でぐっすりと眠ってもらうことにする。
情報によれば、敵の正面から撮影した方が撮影成功率は高まるらしい。眠らせてあるので、どこからでも撮り放題だが、二人そろって正面から激写しまくり。撮影に成功した「封獣板」をアイテム欄から確認してみると、たしかに獣性がいろいろ違うものが撮れている様だ。
獣性付加のため、そばを通りかかったゴブリンも、ついでに撮影。
みこりんがちっこくて可愛いマンドラゴラなら、私は図体のでかいダルメルかな、と思い、放浪していたはぐれダルメルも数枚、フィルムに収めたのだった。
スタジアムに戻るなり公式魔獣鏡にしてもらって、二人対戦モードで試合にエントリーしてみた。この「パンクラティオン」が実装された直後など、人が多すぎてエントリーするだけでも大変だったらしいが、今でも空きがない状態(びっしりと予約で埋まってる)で、試合が終了したあとのわずかな瞬間を狙わないと登録できないほどだった。さすがポケ○ン人気はすさまじいものがある。
1回の予約で約42分待ち。時間まで、他のモンスター同士の対戦など眺めつつ。
自分の順番が回ってくると、画面にメッセージが流れるのでわかりやすい。しかし、音でも知らせてくれると、もっとわかりよいのに。
青と赤のコーナーに分かれて、それぞれの司令塔へ移動。やがてレフェリーにコールされて、みこりんのマンドラゴラ(レベル2)が登場してきた。ぴょこぴょこ歩きが、愛くるしい。
対して、私のダルメル(レベル3)は、ふつーに野生動物である。
いざ、対戦。
ダルメル圧勝。
このあとも何度か対戦したが、すべて私のダルメルが勝ってしまった。そのため、さらにレベル差が開いてしまうという状況に(レベル差が近い場合、勝者に手厚く経験値が入る代わりに、敗者には薄く。逆にレベル差が大きい場合は、負けた方に手厚くというシステム)。
マンドラゴラは育て上げると結構強いらしい。でも、今は低レベルなので、体力勝負みたいなところがあり、あまりその実感がない。
その夜、みこりんは新たなるポケ○ンゲットの旅に出かけたのであった。
2007.9.24(Mon)
コース vs ダルメル
昨夜遅く、みこりんがゲットしてきた新たなるモンスターは、乾燥した岩山付近に夜だけ出没するという、凶悪な“コース”であった。
見るからにおどろおどろしい暗黒騎士。でも、みこりんはこの姿の虜になってしまったらしいのだ(昨日の観戦中に見かけて一目惚れ)。愛くるしい“マンドラゴラ”とは対極に位置するような気もするが、みこりん的にはOKのようだ。
私のダルメルは、レベル5。みこりんの新たなる刺客“コース”は、レベル7。今度こそ、みこりんのモンスターが勝つに違いない。レベル差2もあるし。
いざ、対戦。
暗黒騎士らしく、みこりんのコースは攻撃魔法を詠唱してくるが、レベルがまだ低いこともあってダメージはあまり与えられていない。かたや私のダルメルは、バーサーカーのごとく荒れ狂い、コースをその長く逞しい前脚で踏み潰す。
結果、私のダルメルの勝ち orz...
魔獣鏡にしてもらってから判明したのだが、みこりんのコースは獣性付加のための必要ポイント上限が、現時点で17しかなかった。同レベルの他のモンスターはその3倍くらいは平均的に持っているため、これはちょっと予想外。獣性を付加して強化しようにも、高性能な獣性は必要ポイントがでかいので、つけられない…。うーん。
結局、コースと3度戦い、3度とも私のダルメルの勝ち。レベル6になってしまった。ますますみこりんの勝つ状況は遠くなりにけり。
その夜、みこりんは新たなるポケ○ンゲットの旅に出かけたのであった。三度目の正直、なるか。
2007.9.25(Tue)
月光
「今夜はお月見だよ」と、みこりんに言ってみたところ、「そうかー、それでススキ取ってる人おったんやね」と何事か納得している様子。
ススキか。そういえば、昨日みこりんも、近所のお友達と一緒に空き地でススキを何本か摘んできていて、箒を作っていたような。見せてもらったが、とてもきれいなススキで、穂が出てきたばかりのような雰囲気だった。やはり今頃が旬なのかもしれない。
皆が寝静まった真夜中、一人庭に出て、ケータイをカメラモードに変形して、はるか頭上に煌々と輝く月光を撮ってみた。露出などまったくいじっていない完全オートで撮っているため、月表面の詳細な模様などはまったく見えなくなってしまっているが、それほど今宵の月は明るく輝いていた。
完全な満月まであと二日。狼男の血を引くわけでもあるまいに、なぜか昔から満月の夜は無性に血がたぎる。不思議なめぐり合わせであることよ。
2007.9.26(Wed)
猫の季節
めっきり秋も深まりゆくこの季節、夜ともなればもはや扇風機が不要なほどに涼しい、いやむしろどっちかというと寒いほどの風が通り過ぎてゆく今日この頃。これまでは床の上にぺったりと寝そべっていることの多かったにゃんちくんが、近頃ではちょっと私が目を離すと、こんな風になってしまっているのだった。
にゃんちくんがぬくぬくと丸まっているのは、私のPC操作時に使用している座布団である。普通の座布団の上に低反発マットを乗っけてあるので、寝心地も格別によいのであろう。しかも温かい。
こうなってしまうと、無下にどかせるわけにもいかず、仕方なく私がにゃんちくんとPCの間にできたわずかな隙間に中腰でしゃがんで操作することになってしまうのであった。じつに苦しい体勢になるのがちょっとアレだが、眠る猫には勝てず。そういえば昔、大学の頃、サークルボックスに居ついていた猫が、とある女子部員のスカートの裾の上で眠り込んでしまい、動くに動けなくなってしまったということがあったなぁ…。その時に聞いた話では、眠る猫には勝てず、そうやってスカートの裾の上で眠られてしまった場合、わざわざスカートのその部分をハサミで切って猫の眠りを妨げなかった、という逸話があるとかないとか。その当時はまさかそんなと思って聞いたような気がするのだけれど、今こうしてにゃんちくんに座布団を取られてしまうと、その心境がなんとなくわかるのだった。
眠り猫、最強。
2007.9.27(Thr)
『よくわかる現代魔法―jini使い』
木曜日は、みこりんの音楽教室個人レッスンの日。みこりんを送り届けたあと、レッスンが終わるまでいかに時間を使うか、だが、やはり私の場合は読書がもっとも適していると思われる。そのつもりで読みかけの文庫本も持参してきているし。
ここの音楽教室は、以前にも書いたように、エントランスがおしゃれ空間になっているため、私には非常に似つかわしくない。が、すでに時は9月も終盤、午後7時前とあっては、すっかり日も落ち、クルマの中で読書というわけにもいかず、みこりんと共に、建物の中に入ることにした。
フロントの先生に、みこりんが出席簿に判子を押してもらっている。意外なことに、その他に人の姿はなく、みこりんが個室へと消えてしまうと、なんだかものすごく異世界な雰囲気。適度に加減された照明と、低く流れる自動演奏のピアノの音楽、そして床や壁や調度品が木で出来た、ちょっと広めの空間。スタンリー・キューブリックの映画に出てきそうな感じ。
私はできるだけ音をたてないように、丸太で出来た椅子を引き、腰掛ける。そして、本を開いて数行読んだあたりで、徐々に作品世界に没頭していくのであった。
本のタイトルは『よくわかる現代魔法―jini使い』(著:桜坂 洋)。現代魔法がコンピュータによって実行されるプログラム(コード)によって発現するという設定上、このシリーズのサブタイトルは、ここまでプログラミング言語に関するものばかりとなっている。ただ、今回のjiniや、作中でさりげなく触れられている“Javaリング”とかは、今となってはかなり古典な部類に入る用語かもしれない。
あぁ、なにかもみな、懐かしい…
ま、そんなことはともかくとして、作品世界は古ぼけてはいないので安心だ。前作に引き続きゴーストスクリプトとして蘇った凶悪な古典魔法使いと、情報として存在してはいるものの適合するデバイスが存在しないために使えない魔女のライブラリという設定は、なかなかツボをついているように思う。SF作家の谷甲州が書いてみせた、光速を超えて移動するヒトの情報体にどことなく似た雰囲気を感じる。
はたしてjini使いの女の子は、魔女のライブラリの適合デバイスとして生贄となってしまうのだろうか。
これから、というところで、みこりんのレッスン終了。今日の読書はここでおしまい。
2007.9.28(Fri)
初飛行
7月初旬のロールアウト式典より実質3ヶ月弱、そのうちの1機種の初飛行が本日行われた。ロールアウト式典の時には、その情報が社内にも行き届いて見学者なども募られていたりしたのだが、今回の初飛行はじつに控え目に、どっちかというとむしろ目立たないように細心の注意が払われたのではないかと思われるほど、地味に当日を迎えることになった。だから、今日が初飛行実施日だと知らなかった社員も結構いたかもしれない。
そろそろ飛ぶらしいという情報を聞き、じっと耳をそばだててみたりもしたが、F-15のような爆音を轟かせるエンジンではなさそうで、よくわからず。本当に飛んだのだろうか。いや実際、無事に飛べるのか内心冷や冷やしていた人があちらこちらに…。
やがて、社内放送が流れる。
曰く、「初飛行成功せり」。当初は5分飛んで速攻で降ろさないとやばいんじゃ…、などという不安な声もあったとかなかったとか。しかし、飛行時間はおよそ1時間に及んだという。おぉぉ。機長の名前も併せて読み上げられていた。まだ世界に1つしかない、実際に飛べる“白い”試作1号機を操縦するというのは、どれほどの緊張があるのだろうか。想像も付かないが、まさに命がけである。無事に着陸することができて、本当によかった。
とはいえ、まだまだ前方の山は険しく、油断大敵。
2007.9.29(Sat)
運動会
運動会当日。空は、どよーんと暗い灰色の雲に覆い尽くされていた。そのせいもあってか、微妙に肌寒い。普段なら、まだTシャツ1枚で過ごせるはずなのに、今朝は上着を1枚着込まねば耐えられそうにない。
テントの場所取りはLicがやってくれていたので、私はお弁当を作りに戻るLicとタッチ交代でPTAの業務をこなす。その傍ら、みこりんの出場時には片手に常備したビデオカメラで記録する。みこりんには数日前から、「みこりんだけ撮らないでよー」と言われていたので、みこりんの前後のクラスメイトや全体像などもわかるように引きで撮ったりもしつつ。
団体種目の大縄跳びに、CDに音楽を焼いてきて独自に練習もしていたソーラン節など、実際に広い運動場で見ると、かなり動きがダイナミックに進化していることが実感できる。もう小学4年生だものなぁ…。来年は、運営の仕事もこなす5年生か。月日の経過を如実に思い知らされる。
演技途中で、小雨がぱらついてきた。その状況をみて、プログラムが雨天用に切り替えられる。順番がかなり入れ替わったのだが、さほど混乱もなく順調に進行していったのは、さすがだ。数日前から天候が雨模様だったので、雨天用プログラムの現実的な想定もされていたのであろう。
*
結局、雨は本降りになることなく、たまーにぽつぽつ来る程度で運動会も終盤を迎える。6年生による鼓笛隊が廃止になったことや、雨天プログラムで進行を急いだこともあってか、例年よりもかなり早く、最終種目の選抜リレーとなった。
足に自信のある子が選ばれているだけあって、小学生といえどもかなり白熱した展開を見せるので、毎年けっこう盛り上がる。みこりんも足はクラスの中では速い方らしい。なので「リレーに立候補してみたら?」と聞いたこともあったのだが、みこりんは「立候補して出て、それで負けたら恥ずかしいから…」と自分から手を挙げることはなかった模様。まぁ気持ちは分かる。
今年、みこりんは念願の白組だった。そして、結果発表。
白組優勝。
*
運動会も終わり、テントの撤収も終え、帰宅。
その頃から、両脚になんだか違和感があったのだが、やはりこれはどうも筋肉痛らしい。PTAの業務でちょっとグラウンドを走っただけでこれか orz...
思いっきり駆け回っていたみこりんは、まったく平然としているのとは、ものすごい対照的。こ、これが若さというものか…。
でもすぐに筋肉痛になったのは、まだまだ若い証拠なのだと思うことにして、今日のところは早々に寝た。
2007.9.30(Sun)
アプカル vs ダルメル
さて、1週間ぶりのヴァナ・ディールの地において、みこりんとポケモ…、もとい、「パンクラティオン」で対戦することにした。
先週、みこりんは新たなるモンスターをゲットしてきており、さっそくそれを公式魔獣鏡にしてもらっている。そして私は、秘蔵の獣性“ドレッドスパイク”を宿した封獣板を、みこりんに手渡したのであった。「これを使いたまえ」
- ドレッドスパイク
効果時間中、被物理ダメージの何割かをドレインするバリアを張る。一回の効果内で吸える最大量は決まっており、おおよそ最大HPの半分。
闇耐性や魔法耐性が無い敵であれば、概ね被物理ダメージの100%吸収出来る。
FF11用語辞典より
つまりドレッドスパイクとは、敵の攻撃によって受けたダメージの何割かを、相手から吸ってしまうという魔法なのである。獣性レベルに応じて吸う量もがんがん増えてゆくらしいので、低レベルのうちから装備させておくのが吉(獣性レベルは、試合ごとに1つレベルアップする)。
みこりんの新たなるモンスターは、ドレッドスパイクに身を包んだ“アプカル”(レベル6)だ。
アプカルは、全身緑色をした、地球上の生物でいうところのペンギンに近い外観をしている。ゆえに、そこそこ愛らしい。でもこいつは格闘タイプのモンスターなので、見かけによらず強いはず。
対する私のモンスターは、ダルメルがすでにレベル8になってしまっているので、このまま対戦させてはみこりんの方が分が悪い。そこで、私の手持ちのモンスターの中から、同じくレベル6のカニを選抜し、こいつと戦わせてみることにする。ちなみに、このカニ、付加してある獣性は、ストンスキンとファランクスである。その言葉のイメージ通り、この獣性は受けるダメージを一定値までカット&常時一定値カットの、防御に特化した仕様となっている。カニはもともとジョブがナイトなうえに、耐久値が高めに設定されているので、ただでさえ硬い。はたしてみこりんのドレッドスパイクの効果やいかに。
いざ、対戦。
序盤、みこりんのアプカルはカニの攻撃を受ける度、ドレッドスパイクによってぎゅんぎゅんとカニの体力を吸っていた。…が、ストンスキンとファランクスによって守られているため、吸う量がほとんどゼロ。そのうち、効果時間が切れ、持久戦にもつれこむ。
きわどい勝負だったが、私のカニが勝ってしまった。防御が攻撃を上回ったようだ。しかし、一撃のダメージ量はみこりんのアプカルの方がカニを上回っており、格闘家ゆえに手数も多め。しかもこの対戦で、ドレッドスパイクのレベルも上がった。
案の定、その後の対戦では、みこりんのアプカル圧勝であった。みこりん初勝利。もらえる経験値が100と、これまで敗戦続きだったみこりんにとってはものすごい量(同レベルで負けた場合は5しかもらえない)に、無邪気に喜んでいる様子。うんうん、よかったねみこりん。
レベル差が僅差の場合は、勝者に手厚く経験値がふるまわれるため、連戦連勝であっというまにレベル差が2開いて、みこりんレベル8になってしまった。
ついに、私のダルメルを出す時が来たようだ。
いざ、対戦。
ダルメル必殺の前脚蹴りが炸裂する…、も、アプカルのドレッドスパイクの効果は格段にレベルアップしており、どんどんダルメルの体力が吸われてゆく。攻撃力はほぼ互角。
ここで攻撃重視の指示を出すと、もしかするとダルメルが勝つかもしれないが…。私はあえてダルメルには防御主体の指示を出しておくことにした。今日は、みこりんのアプカルをレベルアップさせる事にしよう。
結果、みこりんのアプカル勝利。来週の対戦では、レベル10台に手が届きそうである。