2004.6.3(Thr)

 異形の生物が、人を生きながらに食い尽くし、さらなる変態を遂げ、襲いかかってくる、というようなぬるぬるとした濃密な闇ばかりが強調された悪夢に苛まれ、夜明けまで半ば意識朦朧とした状態で布団の中で苦悶していた。強烈な吐き気に耐えつつ、どうにか落ち着いて眠ろうと努力してみたのだが、悪夢はしつこく私の脳内に取り憑き、離れては行かなかった。

 やがて耳元で目覚ましのコールが鳴り始める。もぞり、と、隣の布団でみこりんが身じろぎしたのがわかった。そのまましばしコール音は続き、やっと起き出したみこりんによって、スイッチは切られる。午前6時、起きなければ。

 目覚ましを止めたみこりんは、そのまま私の布団に潜り込んできて、すぅっ…。もしや二度寝してしまうのか、と不安になった頃、「おはよー」と起きあがった。やはり我が家で一番の早起きは今日もみこりんである。
 みこりんに続いて私も起きあがり、朝食の準備にとりかかった。

 悪夢を見たことを、みこりんに話して聞かせると、みこりんは自分は1度しか恐い夢を見たことがないと言って、私が恐い夢ばかり見るのを不思議がった。ふと気になったので、みこりんの夢には色がついているのか聞いてみると、ついていたりいなかったりするとの答え。ふむふむ。

 ちなみに、みこりんに「お化けが人をたべちゃう夢だった」と言ったところ、「そんなん、ぜんぜんこわくないやん」と笑われた。うーん、みこりんの想像する“お化け”っていうのは、絵本に出てくるような可愛らしいやつのことなのかも。

 ところで私がこんな悪夢を見たのは、何故か、と考えるに、やはりどうしても1日に起きた事件のことが影響しているような気がするのである。学校内で6年生の女の子が、同級生の首をカッターナイフで深さ10cmも切って殺害した、あの事件。子供の首で10cmといえば、ほとんど半分切られたも同然ではなかろうか。首の骨でたまたま刃の侵入がそこで止まったと考えたほうが自然ともいえる状況だ。首を切り落とすつもりだったのでは…、という考えは、あの日、ニュースで事件を知ってからずっと私の頭の中に残っている。

 先月、テロリストがアメリカ人の首を生きながらにナイフで切断するシーンをWebサイトに載せた事件があった。そのことと、今回のことが、どうしてもリンクしてしまう。あまりにも軽々しく人命が損なわれている世界の現状。子供達にどうやって命の大切さを教えるのかという重要な問題。いろんなことがごっちゃになって、みこりんをうまく育てられるのか、ということまでが気になる今日この頃。

 ところで、今回の事件では、加害者は普通の女の子であったというような報道がなされている。が、本当に“普通”だったのか?

 たとえば、下の記事をちょっと引用してみよう。

<小6同級生殺害>「4日前に殺すつもりだった」と供述

◇クラス替えのない小さな「密室」の友人関係

 「うぜー(うっとおしい)クラス」。同級生同士の殺害事件で2日に家裁送致された長崎県佐世保市の小学6年女児(11)は、自分のホームページ(HP)に同級生たちへの激しい憤りをつづっていた。学年が上がってもクラス替えのない小さな「密室」の友人関係にもがいていたのか。

 「〇〇姫」

 家裁送致された女児や被害者の御手洗怜美(さとみ)さん(12)らメール仲間は、互いの名前にこんな呼び名をつけてやりとりしていた。

 はた目には少女らしい仲良しの2人。女児は怜美さんのように授業参観でも進んで手を上げる快活なタイプだった。だが、教師の目には「非常に明るい半面、暗いところがある」と映った。

 <うぜークラス つーか私のいるクラスうざってー>。女児は昨年12月、自分のHPに気持ちをぶつけている。

 同級生たちをののしる言葉がさらに並ぶ。

 <下品な愚民や>

 <喧嘩(けんか)売ってきて買ったら「ごめん」とか言って謝るヘタレ(根性なし)や>

 <高慢でジコマン(自己満足)なデブス(デブでブス)や>

 女児は今年5月、HPで物語も書いている。題名は「BATTLE ROYALEー囁(ささや)きー」。残虐シーンが社会問題化した映画「バトル・ロワイアル」になぞらえ、同じクラスの中学生同士が、ただ一人の生き残りをかけて殺し合う。

 登場人物は男子18人、女子20人。1学級しかない大久保小の6年生と構成は全く同じだ。物語は一人の女子生徒だけが生き残ったところで終わる。女児はこう記している。<私は……殺し合い、なんて、人を奪うことは許されないので殺し合いなんてしません(何きれいごと吐いてるんだ)>

毎日新聞 2006.6.3 記事より

 私には、とても“普通”とは思えない。それとも世間の一般常識では、こういうのはもはや“普通”なのだろうか?そうだとしたら…、世も末である。せめてみこりんは、こんなふうに育ててはなるまい。

 それにしても、今回の事件でも、やはり加害者側の親は、謝罪なしか。校長が実名、顔出しで謝罪しているというのに、親が“だんまり”とはどういうことか。まさに、この親にしてこの子あり、ではないのか。


2004.6.4(Fri)

 小学校の歯科検診の結果、みこりんの歯について少々コメントが付いていたので、かかりつけの歯科医に診てもらうことにした。現在、みこりんの前歯は、上1本の乳歯が抜け、下は4本目の永久歯が生えて来つつある。この4本目の永久歯がちょっとくせ者で、乳歯が抜けてないのにずんずん伸びてくるものだから、いまでは永久歯の方が背が高い状態になっているのだった。ちょうど乳歯と永久歯がカミソリの二枚刃みたいな具合で、間に挟まれた歯茎が、ちょっと痛そう。
 たぶん、この部分が要チェックなのだろうなぁと思いつつ、待合い室にて順番を待つ。みこりんは「抜いてくれるかも知れない」という私の言葉に、ちょっとどきどきな様子。

 いよいよ順番が回ってきた。診察台によじのぼるみこりん。あーんと口を開けて、先生によるチェックが始まった。この先生、早口なのがちょっとあれなのだが、親切丁寧に説明してくれるので、ありがたい。
 “医師の診察が必要な乳歯”とコメントされていた部分は、やはり下の前歯のことだった。が、じきに抜けるので、問題なしとのこと。もしも7月になっても残ってたら、また来てくださいということだった。その時には、たぶん抜歯ということになるのだろう。みこりん、一安心。

 ここで先生の診察は終わり、あとは歯科衛生士さんによるいつもの歯磨き指導。来院前に、歯を磨いてきたはずなのだが、赤い液をつけてみると、結構、磨き残しがあることがわかる。
 新しく手渡された歯ブラシで、再度、みこりんが磨いてみると、あっさりと磨き残しはなくなった。どうやら歯ブラシに問題があったらしい。やはり歯ブラシはこまめに新品と交換しなければならないようだ。

 最後に、“歯石”とコメントがあった部分を機械で削り、診察終了。みこりんの歯の健康は、こうして守られてゆくのであった。


2004.6.5(Sat)

タマネギ

 なにやら梅雨に入ったとかなんとかで、いつのまにやら季節も夏を間近に控えた今日この頃。すっかり忘れていたのだが、市民農園で栽培しているタマネギが、そろそろ収穫時期を迎えているはずだった。いや、もしかしたらすっかり時期を外してしまったかもしれない。明日は雨と、天気予報が告げているので、掘り上げるならば今日しかなかった。

 きっと雑草も、とてつもないことになってそうだったが、とりあえず今日のところはタマネギ収穫だけに主眼を置いて、作業しよう。そういうわけで、クワやら何やらの道具は積み込まず、収穫用の袋と、みこりんのおやつだけをクルマに乗っけて、いざ出発。明日が雨とは思えないほどに、猛烈な暑さで照りつけてくる太陽が、とてもまぶしい。

 さて、市民農園では夏物野菜の苗がすくすくと育っている。が、中にはさっぱり放置状態のところもあったりして、落差が大きい。我が家の借りている一角は、と見れば、一面を緑の絨毯で敷き詰めたみたいに背の低い雑草がはびこっていた。

 肝心のタマネギはどうか、と見れば、「ち、ちっさー」。ミニタマネギかと見紛うほどの、こじんまりサイズ。中にはでっぷりと太ったものもあるにはあるのだが、大半が直径5cm付近のもの。私のタマネギ栽培歴の中でも、最低の出来であった。
 まぁそれでも、収穫時期を逸してなかっただけ幸いだったのかもしれない。さっそく家族みんなで、ぐりぐりと収穫開始。土が固く、すぽっと抜けないため、みこりんの“か弱い”手では、ちょっと苦労しているようだ。

 昨年ならばクルマのトランクにぎっしりといった感じになったものだが、今年のタマネギは、スーパーの袋1つ分にきっちりとおさまってしまった。この分では、秋までに使い切ってしまいそうな予感。

 収穫を終えると、しばし草引き。背の高いものと、他区画との境界付近を中心に、ばさばさと抜く。その間、みこりんは草の間から飛び出してくるカエルを捕まえようと、右往左往。やっと捕まえた茶色いカエルを手に戻ってくると、そのヒンヤリとした手触りを確かめるかのように、さわさわと撫でていた。みこりん、(生きている)虫は苦手だが、カエルは全然平気らしい。ちなみに、ミミズに触るのも大丈夫なみこりんだが、カナヘビ君などのトカゲは怖い。どこに“怖い”と“怖くない”の境界線があるのか、まだまだ謎が多いみこりんであった。


2004.6.8(Tue)

Jupiter

 火曜日は、みこりんのエレクトーン個人レッスンの日。というわけで、音楽教室までみこりんを送っていったあと、レッスンが終わるまでの30分間、私は駐車場にて待っているわけなのだが(個人レッスンに親は同席しない)、これがまた昨今の気温上昇のせいか、猛烈に暑い(もろに直射日光が当たるところしか駐車スペースがなかったのだ)。
 もちろんエアコンを効かせれば快適な車内を維持できるが、30分間もアイドリング状態で駐車場に停めておくのは、はなはだ周囲の迷惑になるであろう。ここはじっとガマンである。シートを最奥まで移動し、窮屈な足元に余裕をもたせたうえで、持参してきた本を開く。以前、買ったきりでまったく読む時間のなかった『新宿鮫VIII 風化水脈』(大沢在昌 著)だ。

 新宿付近の地図でも持参して読むのが正しい読み方なのかもしれないな、と思いつつ、ぎっしり詰まった活字を追う。額から眉毛にかけて、つつっと垂れてくる汗が、少々うっとうしい。
 それにしても暑い。このままここにいては、脳が干上がるのではないかと、不安になるほどに、車内の気温はぐんぐんと上昇してゆく(ような気がする)。……、ふと気が付いて、ドアをちょっと開けてみた。「す、涼しい!」思わず声に出して言ってしまうほどに爽やかな風が、その隙間から車内を満たす。この駐車場は隣が畑になっていて、青々と茂った農作物がすぐ近くまで来ていた。そのおかげか、コンクリートに熱せられた外気を押しやってしまうほど涼しい風が流れていたのだ。

 涼風のおかげで、なんとか30分間を耐えきることが出来た。でも、本を読むのが遅い私は、はじまりから27ページしか進んでいなかった。総ページ数484のこの本を読み切るには、いったい何回、みこりんをここに送ってこなくてはならないだろう…(いや、本はどこでも読めるんだが、ついそんなことを考えてしまう)。

 さて、レッスンを終えて戻ってきたみこりんは、夏頃に予定されている発表会の曲が決まったことを報告してくれた。「じゅぴたー」だと、みこりんは言った。ほほぅ、ジュピターというと、あれかな、ホルスト作曲の『惑星』に入ってる“木星”か。たしか今年の春の発表会では、高校生のグループが弾いてたが、あんな長いのを、みこりんが弾けるのだろうか?と思いつつ、手渡された楽譜に目を落とす。
 全部で5ページあった。作曲 G.Holst と書いてあるので、間違いなく『惑星』の“木星”なのだろう。エレクトーン用に編曲(というか抜粋?)されているらしい。これくらいならみこりんでも大丈夫なのかも。でも一度、本物を聞かせておいた方がいいかなーと思いつつ、家に到着。幸い、ホルストのCDは持っていた。私がまだ中学生の頃、『惑星』をFMラジオで初めて聞いたときの、不思議な感動は今でもよく覚えている。当時、クラシック音楽にはほとんど興味がなかったのだが、この『惑星』だけは、妙にSFチックで私の心を揺さぶったものだ。

 CDをプレーヤーにセットし、“木星”のトラックを選択、再生。「これが、ほんものの“もくせい”だよ、みこりん」と言う私に、みこりんは「リズムがぜんぜんちがぅ!」と驚いていた。どうやら、今日、先生に模範演奏をしてもらったらしい。「そんなに違う?」いぶかしむ私。なんか妙な…

 あとでLicが教えてくれたことには、木星は木星でも、“Jupiter”名で平原綾香が歌った方の“木星”なのだった。な、なるほど。


2004.6.11(Fri)

故障

 数日前から、Lic用のPCが突然ブルースクリーンになったり、電源が切れてしまうという症状が出ていたのだが、今宵、ついにその不調はピークを迎えたらしい。電源が切れたまま、なかなか再起動せず、再起動したとしても、ブートの途中あるいはOS起動の途中で、また電源が落ちるという具合である。
 ブルースクリーンになった時のエラーメッセージによれば、どこか重要なOSの一部が読み込めない、らしい。ハードディスクが壊れつつあるのか、それとも電源が逝ってしまったか…。でもこの電源は、あとから買い直した“いい部品”である。そうそう簡単に壊れるとは思えない。となるとハードディスクっぽいが、ブートの途中で電源が落ちるというのは、ハードディスク以前の問題のような気もする。

 とりあえずPCのカバーを外し、中をチェック。マザーボード上の赤いLEDは電源を入れると点灯しているようだが…。懐中電灯片手に、じっくりチェックしていると、なにやら怪しげな液体が漏れたような痕を、マザーボード上に発見したのである。その痕は、電解コンデンサのところから発しているようだった。しかも、よくよく見れば、ずらっと並んだ電解コンデンサの一部が、妙に膨らみ、その表面に内部から漏れ出したと思しき液体が固形化したような物体が付着している。むむむ、こいつが原因か。

 どうやらマザーボードが逝ってしまったと結論付けた私は、さっそくソフマップのサイトにアクセスしていた。善は急げ、である。いま付いているCPUやらメモリやらを、そのまま載せ替えることができるマザーボードを捜したところ、なかなか良さそうなのを1つ発見した。価格も1万円を切っていて、懐にも優しそうだ。というわけで、さっそく注文。

 新しいマザーボードが届くまで、Licが FINAL FANTASY XI をプレイするために、普段はWebの閲覧と動画の変換用に使っているPCに、急遽ゲームをインストールすることになった。このPCのグラフィックボードは、Licと私のPCについているものより、1世代古いため、快適なプレイは望めない。混雑した狩り場でPTしようものなら、とても遊んでいられないだろう。とはいえ、ソロでスキル上げとか、素材狩りとかなら、十分である。まったくFFXIが出来ない状況よりは、数倍マシであった。

 ここ最近は、LicとセットでPTする夜が続いていたが、しばらく休憩になりそうだ。


2004.6.13(Sun)

マザーボード到着

 金曜夜に注文して、到着したのが今日の午前中。いつもながらソフマップはスピーディな対応である。さっそくマザーボードの交換作業に入ろう。

 マザーボードは、その名の通り、PCにとっては重要なパーツである。ここにCPUやらメモリやらグラフィックボードやらLANカードやら、ハードディスクやら、あらゆる装置が集結されている。これを交換するには、それら装置を、すべていったん外してしまわねばならない。が、幸い、このPCはゲームプレイを主眼に置いて組み立てたものなので、フロッピーディスクドライブとか、CDドライブといったものは取り付けておらず、拡張スロットに刺さっているのも2枚のカードだけである。交換作業は、比較的ラクといえる。

 作業そのものは、10分ほどで終了した。カバーを開けたまま、まずは電源オン。ブートの後、OSローディング…。順調順調、と思っていたら、OS起動の途中で、例のブルースクリーンになってしまった。うむぅ。
 いったんリセット。再起動。おぉ、ちゃんとリセットも再起動もするではないか。やはりマザーボードが逝ってたのだな、と実感しつつ、OSの起動画面を待つ。が、今回もやはりブルースクリーンで停止。その後も、何度かリセットを繰り返したが、リセットと再起動自体は正常に行われることを確認した。マザーボードの問題はクリアできたらしい。となると、これはハードディスク上に、なんらかの問題が起きているとしか思えない。

 というわけで、ハードディスクの再フォーマットと、OSの再インストールを試みることにした。CDドライブを付けてないマシンなので、CDドライブを唯一取り付けてある私のPCのカバーを外し、コネクタを付け替える。そこにOSのCDをセットし、起動。あとは退屈な再フォーマットと再インストールの世界。
 各種セキュリティパッチをすべて当て直したところで、ハードディスクのチェックに入る。再フォーマットしたにもかかわらず、何カ所か壊れている部分があるようだ。しかも、チェックのたびに、新たなエラーが起きているような気がする。

 どうやらマザーボードだけでなく、ハードディスクにも問題があったようだ。
 いったんCDドライブの結線を元に戻した私は、再度、ソフマップのサイトにアクセスする。今度はハードディスクを買わねばならない。壊れたハードディスクは昨年夏の時点で120GB1万2千円のものだったが、もはや120GBの製品を見つけるのも容易ではなかった。1年で180GBが一般的となったらしい。値段は昨年の120GBより、若干安いくらい。あとはどのメーカーにするかだが、感覚的にIBM(HITACHI)を選んだ。壊れたのがMaxtorということもあり、同一メーカーのはちょっと避けたいという本能である。

 LicとFFXIでPTするのは、もう少し延期。


2004.6.14(Mon)

というわけでJupiter

 みこりんの発表会用楽曲“Jupiter”が、オリジナルの“木星”ではなく、平原綾香の歌った“Jupiter”の方だというわけで、LicがレンタルCD屋で借りてきたものを聞いてみる。ふむふむ、なるほど、たしかに楽譜の通りだ。みこりんも安心して、聞いている。

 しかし改めて聞いてみるに、あの“木星”にこういった歌詞が着くというのも、なにやら新鮮な。というわけで、PCの方でデータ吸い上げ。ハードディスクにWAVE形式でそのまま保存。近頃はMP3に変換するのも面倒なので、容量に余裕があるのをいいことに、無圧縮で保存するようになった。無圧縮でも62MBしかないので、動画を保存するのに比べると、ぜんぜん余裕。5〜6年前には、62MBなんていうと、メインメモリの容量よりでかいわけで、それから考えたら、なんか、こう、もうどうでもいいや、みたいな。


2004.6.16(Wed)

ハードディスク到着

 壊れつつあるハードディスクには、パーティションを2つ切ってあり、OSをインストールしてある部分と、動画データを保存してある部分があった。このため、新しいハードディスクも、同様の構成にしておくのが便利である。というわけで、壊れつつあるのと、新しく到着したのと、2つをマザーボードに接続し、フォーマット、OSインストール、データの移動を行うことにした、のだが…

 新しいハードディスクは160GBである。いわゆる137GBの壁が存在する。幸い、マザーボード上のBIOSは、この160GBを正常に認識した。が、OSの方が、「そんな容量は知らない」と言う。たぶん、これを認識させる方法はあるのだろう。が、なんだかもう残り20GB程度を救済するのに余計なエネルギー使うのも面倒だったので、そのまま総容量137GBのままでフォーマットした。1パーティションを10GBにして、残りが127GBである。余裕も余裕。動画保存用には、いずれ専用のファイルサーバを当てる予定なので、当面問題なければ、まったく無問題なのであった。

 LicのPCは、これで完全復活を果たした。今宵から、FFXIのPT再開である。


2004.6.19(Sat)

『シン・マシン』

 朝のメールチェックで、懐かしい名前を見つけていた。大学時代のサークルの後輩からである。前作『歩兵型戦闘車両〇〇(ダブルオー)』に続き、ついに2冊目の本が出るというのだ。しかも今回は早川書房である。素晴らしい。

 というわけで、新刊紹介。

『シン・マシン』(著:坂本康宏)

 著:坂本康宏

 ぜひご一読を。

定植

 この春から、みこりんには『チャレンジ1年生』と、『1年の科学』を購読するようにしている(前者は、学校の勉強を補強するもの、後者は純粋な科学雑誌)。それぞれの付録で、ミニヒマワリとミニトマトの教材が付いてきており、みこりんは教材付属の小さなプラ鉢でこれまで育てていたのだが、あまりにも地上部が大きくなりすぎ、ちょっとでも風が吹くと、ころんと転がってしまうほどになっていた。そろそろ植え替えしないとなぁ、と思っていたのだが、みこりんもやはりそう思っていたらしく、今日、みこりんから言い出して、一緒に植え替えすることにしたのだった。

 今年は、私が夏物の花を育ててないため、南に面した花壇がそのまま空いていた。雑草に埋もれたそこを、ちょちょいと整理してきれいにし、みこりんがそのちっこい手で穴を掘り、鉢から植え替え。“ひまちゃん”と書いた、小さなラベルも一緒に添えて、完成(みこりんは、ミニヒマワリに“ひまちゃん”という名前を付けてあった)。

 さて、みこりんのが終わると、次は私の番である。じつは私も夏物野菜の苗を、4つばかり育ててはいたのだが、買ってきたままの状態でそのままに…。ゴーヤにキュウリにトマトにナスに。都合4つの苗を持って、東側の菜園1号へと向かう。
 ほんとうは先週にでも堆肥を混ぜておかないといけなかったのだが、こうなっては仕方がない。急遽、堆肥をクワで混ぜることにする。さくさくとやっていると、「みこりんもー」と言うので、クワを持たせてやった。

 さっくさっくさっく

 クワを持つ手も、かなりしっかりした感じ。やはり一年生になると、ひと味違うらしい。
 土の中から、さまざまな虫がわらわらと出てくる。その中に、ちょっと細長くて足のいっぱいあるやつを見つけたみこりんが、「むかで?」と聞く。たしかに外見はムカデに似ているが、それはヤスデであった。ヤスデはムカデのように噛まないから大丈夫と言うと、さっそく触って確かめている。ヤスデは触ると丸まったりしたような記憶があるのだが、ここにいるやつは、のったりのったり歩いたきりで、まるまる気配なし。ヤスデにもいろいろあるらしい。

 堆肥を混ぜ終わり、次に定植。ゴーヤとキュウリは、フェンス際の『完璧な防壁』に絡ませる予定なので、支柱はいらないのだとみこりんに説明すると、ふむふむと納得している様子。
 ふと目を菜園2号の方に転じたみこりんが、何かを見つけたらしく、つつつと寄ってしゃがみこむ。「これは?」と指さしたソレは、私にもなんだかわからないもの。植物の苗であることは間違いないのだが、堆肥置き場から自然に生えてきていたものなので、種類が特定できないのだった。双葉の形からして、キュウリあるいはスイカ、ひょっとしたらカボチャなのかもしれないが、さて、どんなものに育つのだろう。

 堆肥置き場から生えてきた植物で、菜園2号の方に移植したものは、この謎なやつの他に、ジャガイモとトマトがある。いつもながらジャガイモは、皮の切れっ端から芽を出してきていて、その生命力の強さには驚かされる。その他に、移植はしなかったものの芽を出していたのが、文旦(ブンタン)であった。文旦とは、外見はハッサクのようなミカンの仲間である。味はややあっさりしていて、それほど酸味が強くないので、食べやすい。でも皮が分厚いので剥くのに手間がかかる。
 庭がもう少し広ければ、この文旦の芽も移植できただろうに、残念ながらこれ以上“木”系のものを育てる場所がない。可哀想だが、抜いておいた。

 木といえば、菜園の隣に植えてあるプラムの木に、梅のような実が5つばかりついていた。みこりんは、さっそく「たべたい」と言うのだが、もっと赤くならなければ食べられない。というか、みこりん、この実をまったく食べたことがないなんて言うのだけれど、どうやら3歳頃の記憶はすっかり薄れてしまったらしい。ウッドデッキにビニールプールを広げて水浴びしながら、木からもいだばかりのプラムの実を囓ってたあの頃のことは、このまま思い出されることなく記憶の奥底にしまわれてしまうのだろう。願わくば、今年のプラムの実が落果することなく食べられますように。


2004.6.21(Mon)

台風が来た日

 季節外れの台風が近づいているらしいことは知っていたのだが、朝、みこりんを送り出す時間になっても警報が出ないため、そのまま学校へと向かわせた。雨風ともにほとんどなく、これぞまさしく嵐の前の静けさといった感じである。

 それから二時間ほどして、リビングの電話がなった。学校からである。授業を中止して、子供達を集団下校させることになったらしい。学校から家までは、子供の足でおよそ40〜50分かかる。窓の外を見やれば、さっきまでの穏やかな風景が一変しつつあるのがわかった。庭の木々が強風にあおられて、みしみしと大きく揺れている。雨粒も、徐々に激しさを増しているようだ。

 やがて玄関のチャイムが鳴り、みこりん帰還。心配したほどには濡れ鼠になっていない。
 「たいふうって、いつくるの?」と、みこりんが聞くので、Webで現在の天気図を出して見せてやった。いま、ちょうどこのへんに台風がいるのだよと、指さしてみせる。「どんどんちかづいてきてる」みこりんは何やらうれしそう。私は庭木が風で折れてしまわないかと心配で、窓の外から目が離せない。いつぞやの台風の時に、根っこごと斜めにかしいだコニファーなどは、要チェックである。

 こういう日に限って、買い置きの食料がほとんどなかったりするのは、お約束。仕方がないので、みこりんと二人、具の入ってないラーメンで空腹を満たした。

 窓の向こうは、いよいよ本格的な暴風雨になりつつあった。青い実をつけたプラムの木や、ブドウの木のことは、みこりんも少しは気になるようで、私と一緒にサンルームの向こう側を覗いて見ている。そして、しきりと「これが、たいふう?」「たいふう、もうきた?」と言う。どうやらみこりんの理解では、何か実体のあるものが“台風”ということになっているらしい。
 ふいにみこりんが「あ」と言って、上を向く。「ん?」つられて見上げる私の目に、信じられない光景が。

 窓枠から雨漏りしている。いったいどこから雨水が浸入してきたのか。怖い想像が、脳裏をよぎる。もしや2階部分から浸水していたりは…。大急ぎで2階の各部屋をチェックしてみたが、こちらは大丈夫らしい。ふむ。とにかく、この雨漏りをなんとかしないと、水浸しになってしまう。風呂場から洗面器を持ってきて、雨漏りの下に置いた。

 ぴちゃ。ぴちゃ。ぴちゃ。

 今度は座敷の方から異音がする。ま、まさか…
 障子を開け、窓枠を見上げると、ぽたぽたとしたたる雨水の列。ここもかっ。
 不安になったので、隣のみこりんの部屋の窓枠も確認してみると、案の定、こっちも雨漏りしている。どうやら一階部分の南に面した窓枠には、すべて浸水が起きているようだ。どうりで障子に、時々、何かが垂れてきたような痕がついていたわけだ。おそらくこの雨漏りは、この家が出来た当時から、ずっとあったのだろう。なんてこった。

 雨と風はいよいよ激しさを増し、閉め切ったサンルームの中にまで、水しぶきが入ってくるようになった。そんな中でもウズラ達は、のどかにチップ浴びを楽しんでいる様子。野生の鳥や獣たちは、今頃、大変な思いをしているだろうになぁ、と、ついそんなことを思ってしまうのであった。

 *

 夕方。米は十分にあったので、それを炊き、おむすびにしてみこりんと食べた。雨はいつのまにか止み、風もさほど気にならなくなっている。私は、庭と家の状況を確認するため、外に出た。
 コニファーは無事だった。が、2本植えてあったプラムのうち、北側の1本が、ものの見事に横倒しになっていた。地上3m近い木だけに、少々押したくらいではびくともしない。むぅ、こいつはちょっとやっかいだ。
 玄関の方に回ってみると、こちらでも傾いている木があった。玄関脇に生えてきていた白花のニセアカシアが、支えの杭ごと斜めになってしまっている。こちらは地上4m、ますますやっかいなことになりそうだ。おまけに桃花の方のニセアカシアが、ちょうど半分くらいのところで、ぼきっと折れてしまっていた。ただでさえ葉っぱをつけた部分の少ない木なのに、よりによって一番健康そうな箇所をもっていかれるとは…。

 玄関から庭の方に回ろうとして、唖然となった。ここには木製のフェンスに、木戸を取り付けてあるのだが、フェンスごと斜めになっているのだ。フェンスの足にはコンクリートのブロックをセメントで固めて埋めてあったのだが、コンクリートブロックごと引き抜かれるような形になっていた。恐るべき風のパワーである。そしてその向こうでは、雨樋が外れて落下していた…

 直撃コースではなかったというのに、今回の被害は想像以上にひどかった。傾いた木は、一人ではどうにもならないので置いておくとして、フェンスだけは修復しておかないと、『完璧な防壁』に穴が空くことになり、野良猫の侵入を許してしまうだろう。
 さっそくシャベルでフェンスの脚の部分を掘り返してみた。まるで豆腐を掘ってるように柔らかい。水でふやけたような土が、持ち上がったフェンスの脚の下に入り込んでしまっているのだ。肘まで泥の中に腕をつっこんで、さらさらの泥をかき出す、かき出す。
 これでどうにかフェンスも元通り。あとは落ちた雨樋と、雨漏りの件だが…、ま、とりあえず今日はこんなところで。


2004.6.25(Fri)

 みこりんは小さい頃からバッタが苦手だった。それは今でも変わらないらしく、体長5ミリくらいの赤ちゃんバッタにも怖がる始末。でもクワガタやカブトムシは飼ってみたいと思っているらしい。庭のプラムの木に、蜂蜜塗っておいたら来るかもしれないと、本気でその作戦を実行に移しそうな勢いである。そんなみこりんのために、黒光りした甲虫を1匹、庭で発見したので見せてやった。きっとみこりんは甲虫系は得意なのに違いない。そう思ったからだ。

 ところが、ひとめ見るなり「こわぃ」と言う。このゴミムシは、遠目にはコクワガタと見紛うほどに似ていると、私なんかは思ってしまうのけれど、みこりんはゴミムシはイヤらしい。
 ふむ。チョウチョがいいなと、みこりんが言うので、ちょいと外を散歩してくることにした。昨年までアブラゼミの抜け殻が大量にあった近くの空き地の林は、今では新築の家に置き換わってしまっているため、虫がいそうなところとなると、裏山まで行かないとダメかもしれない。
 みこりんと二人、手をつないでアスファルトをてくてくと歩いていると、その上をさかさかと横切ってゆく黒光りした甲虫、発見。「あ、むし!」とダッシュするみこりん。その小さな手で、ぐっと甲虫の背中を押さえ、確保した模様。どうやってつかめばいいのかと問うので、脇腹を親指と人差し指で持てばよいのだと教えてやった。

 甲虫を捕まえたみこりんは、しげしげとその姿を眺めている。ぜんぜん怖くないらしい。何故だ。さっき私が庭で捕獲して怖がられたゴミムシと、その手の中のゴミムシは同じ種類なのに。

 ゴミムシにさよならして、しばらく行くと、みこりんがまた虫を発見していた。こんども甲虫である。土の上をもそもそと歩いているその姿は、なんとなくコメツキムシをミニサイズにしたような感じだが、なんという虫なのかは私にもわからない。ところがみこりんはその虫を慣れた手つきで捕獲すると、こう言った。「このむし、におってみー」…、まさか。イヤな予感がしたが、鼻を近づけてくんくんくん。…「くっ」なんとも異様な異臭がする。カメムシだったんかい。
 みこりんは、本当は虫にとても興味を持ってるんじゃないかと思った瞬間である。でもどうしてバッタをあんなに怖がるのかは、今でも理由がわからない。


2004.6.27(Sun)

切断、ニセアカシア

 先週の台風で杭ごと傾いてしまった白花ニセアカシアを、撤去することにした。二階の窓まで届くほど育った木を、元に戻すのはとても無理。それにそもそもこの木は、地下茎で勝手に増殖したものなので、最初から位置的なバランスが悪い。切ってしまうことに、多少抵抗感も薄れ気味。

 直径15cm。ノコギリの刃を入れる。ニセアカシアという木は、さほど堅い木ではないので、人力のノコでもさくさくと刃が進む。ところが、2/3ほど切ったところで、ノコがぴくりとも動かなくなってしまった。
 切断面が自重でずれた結果、ノコの刃を圧迫する形になってしまったようである。手で押し上げてやれば、なんとかなりそうだったが、あまりに重いので危険を感じて止めた。こういう場合は、逆方向の斜め上から切るのがよさそうだ。作業再開。
 ほどなく、木はずしりと傾き、切断された。

 続いて桃花ニセアカシアに移る。これは幹の真ん中へんからまっぷたつに折れており、まさに首の皮一枚でかろうじてもっている具合。手の届かない位置で折れているので、そばで見ていたみこりんが、「あれもってこー」と言う。アレとは、高枝切りバサミ。紐で引っ張ると先端部の刃が上下して、手の届かない枝でも切り落とせるアイテムである。しかもノコを装着可能なため、ちょっと太いやつでも大丈夫。

 みこりんはこの紐を引っ張るのが、とても好きなのだった。今回もいそいそと紐に手をかけて、ぐぐぐっとやっている。ところが、折れ具合が微妙で、なかなか刃が入らない。仕方がないのでノコを装着して、ぎこぎこ切断することにした。切りくずが頭上から降ってくるのが、なんとも悩ましい。

 家の前の歩道に並べた木の山から、細かな枝を取り除き、材木として使えるようにするのに約20分。炎天下の作業は、なかなか堪える。しかしこの材木、当面使う予定がない。困ったのは置き場所だ。長さ2m、ひとかかえ分の丸太の山は、結局、玄関の脇、Licが煉瓦を敷き詰めて作った通路に置いた。かなり邪魔だが、他に適当な場所もないので、しばらくこのままにしておくほかなさそうだ。


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