2008.10.22(Wed)

『バトルスター・ギャラクティカ 第19話“地球への道(前編)”』

 前回の第18話“ファーム”は、タイトル通り、なかなかグロかった。まさに産む機械扱いなところが、ギーガーの描くバイオメカノイドを彷彿とさせて、ちょっと懐かしかったりもしたが…。
 サイロン(♂)×ヒト(♀)の受胎には成功していないのに、サイロン(♀)×ヒト(♂)がOKなのには、やはり何か理由があるのだろう。いまだにその子供の姿がどんなものなのかが意図的に明らかになっていないところが、結構怖かったりもするのだけれど。
 そしてラスト、“ブーマー”の死体を見て泣き崩れているアダマ司令官が、坂上二郎さんに見えた事も、忘れないように記しておこうと思う。自分を撃った“ブーマー”、サイロンだった“ブーマー”、でも2年間、ギャラクティカのクルーとして信頼していた“ブーマー”、アダマ司令官の脳裏にはそうした様々な思いがぶわっと渦巻き、感極まったのであろう。でも二郎さんに見えてしまったのでせっかくのしんみりした場面が、いろいろ台無し orz...(二郎さんが悪いわけじゃないだけに、ちょっと悔しい)

 そして今回、第19話“地球への道(前編)”。大統領側とギャラクティカ側に分かれた船団の、それぞれの事情。個人的には数話前に大統領を牢屋にぶちこんだあたりから、アダマ司令官の判断にしっくりこない何か違和感のようなものを持っていたのだが、あれは大統領と神話を結びつけるための製作側による前振りだったような気もしてきた。違和感は、そこに至る必然性が、あまり感じられなかったからだと思う。もうちょっとうまいシナリオを用意すればよかったのに、少々残念な気もする。

 しかしまぁ、最後にアダマ司令官が元に戻ったのが救い。アダマ司令官ほどの人物でも、時には判断を誤り、苦悩するのだというのを見せたかったのだろうなと、良い方向に解釈しておく。


2008.9.17(Wed)

『バトルスター・ギャラクティカ 第14話“船団崩壊”』

 いよいよ待望の『BATTLESTAR GALACTICA』第2シーズンが、Super! drama TVで放送開始。
 第14話“船団崩壊”というタイトル通り、惑星コボル軌道上に新たに出現したサイロン母艦から逃れるため、一斉にジャンプで退避した残存人類の船団だったが、座標計算のパラメータ更新の不備で、ギャラクティカだけが本来の退避座標にたどり着く。他に船影なし。

 漆黒の宇宙空間に、ギャラクティカ1隻だけしかいないという孤独感。船体の色が、旧作の明るいグレーとは正反対の、黒に近いダークグレーというのも、じつに効果的に作用している。あまりに静かで、寂しげで。それでも、両舷の発艦ポートを展開している姿は、戦闘艦らしい“牙”が感じられてぞくぞくした。

 他の船団の転移座標を算出するためには、元の位置まで戻らねばならない。しかし、そこにはサイロンの母艦がいて、しかも座標計算には12時間もかかるのだという。いったいどれだけ複雑な計算なのか。
 とはいっても船団を見つけなければならないわけで、戻らざるを得ない。そのためには、座標計算の時間を短縮するしかない。そこでゲータに閃きが訪れる。

 「艦内のコンピュータをネットワーク接続して、並列計算させればいいじゃん」

 サイロンはマシンだけに、電子戦に長けている。ゆえに、ギャラクティカのコンピュータは、すべてスタンドアロンである。これらを接続し、並列計算させれば、座標計算時間は、驚きの10分にまで短縮できるらしい。
 しかしネットワーク構成にすれば、サイロンの攻撃コードが侵入してくる。閉じたネットワークにも外部から侵入できるのかという疑問は、この際置いておくとして、ゲータは入念に幾重にもファイアウォールを噛ませて防壁を築く。

 元の座標に戻り、戦闘開始。
 さっそくサイロンの攻撃コードが、ギャラクティカのファイアウォールへの侵食を開始する。赤い色で示されるサイロンの攻撃コード。緑色の防壁。徐々に赤が優勢となってゆく様は、日本の有名な某アニメーションのワンシーンを彷彿とさせる。

 防壁を突破されるぎりぎりで計算完了。ネットワークを遮断。そしてジャンプ。

 転移先には、人類の船団がいた。
 宇宙に残された、4万ちょっとのヒトという種族。それでも、どこかほっとする瞬間であった。


2008.4.23(Wed)

『バトルスター・ギャラクティカ 第12話,第13話“コボル上陸作戦(前後編)”』

 『BATTLESTAR GALACTICA』、先々週に前編が放送され、この時にはちょうどみこりんが地上波の仰天ニュース系の番組を見たいというので、私の方はPCに録画するだけにしておいた。そして先週の水曜日、その録画しておいた前編を見、番組後のテロップで後編の放送は1週延びて今日であることを知り…。

 そして本日、いよいよ“コボル上陸作戦(後編)”。
 人類発祥の地とされる、惑星コボル。しかし軌道上にはサイロンの母艦が1隻。
 ギャラクティカ側のラプター3機で編成された上陸部隊は、結局、1機のみ半壊しつつも地上に到達。なにやらストーンヘンジっぽい遺跡のようなものが。あるいはギリシア神話系な石造りの建物っぽいものもあり。No.6に導かれるままに進むバルター博士の目には、時間を遡って遺跡が生きていた頃の光景が広がり、その神殿と思しき建物の奥に、ゆりかごが1つ。「私たちの娘」と、No.6は言った。

 一方、惑星カプリカでは、シャロン・バレリーの胎内に、もう1つの新たな生命の兆し。やはり前編のあれは、お約束中のお約束だったようだ。いよいよ新人類の誕生なのか。人間型サイロンがつくられた背景には、どうも“神”の存在があるようだが…。“神”って、誰、というか何。とても気になる。
 以前、“スターバック”が自分のものと思われる小さな神の像に祈っていた場面では、ヒンズー系な“神々”のような姿かたちをしていたようだが、単なる宗教上の“神”というより、実在の“何か”という気もする。
 大統領に命ぜられて“スターバック”がカプリカに取りに戻ったアポロの矢。古代の遺物が、実際の何かの役に立つっぽい設定が、かなりそそられる。“スターバック”の機体が、奪取してきたあのサイロン戦闘機で固定になるのかというあたりも、要注目。

 そして今回初めて内部が明らかとなった、サイロンの母艦。雰囲気的に、1作目の『エイリアン』を思い出してしまった。なんというか生物的な構造材。いまにも粘液がしたたってきそうなぬるぬる感。ひょっとして母艦そのものも、サイロン戦闘機などと同様、半生物な仕様になってたりすると実に面白いのだが。でかいし。爆散する瞬間、“でかるちゃー!”と叫び声が聞こえてきそうなところも、なかなか。
 そのサイロンの母艦を核ミサイルで破壊したシャロン・“ブーマー”・バレリーは、ついに自分がサイロンであることを自覚した…。って、めっちゃ気になるシーンで“つづく”。しかも第1シーズン、ここで終了。第2シーズン放送まで、しばしのおあずけである。ものすごい寸止め。なんというじらし方。

 うーん………、マンダム。そう呟かずにはいられない。


2008.3.26(Wed)

『バトルスター・ギャラクティカ 第10話“聖なる預言”』

「会見の演壇の上をヘビがはい回っていた」
「何匹です?」
「12匹ほど」
「ご冗談を。ピュティアのつもり?」
「ピュティアって誰?」
「預言者の1人です。
 3600年前、ピュティアは人類の追放と復活を預言し、神々は人類を新天地へ導く指導者を任命しました。
 指導者にはヘビの幻覚が見えます。
 その数は“2”と“10”。
 事が始まるしるし。」
「予言書に?」
「指導者は新天地に着く前に重病で亡くなるとか。でも、あなたは重病じゃないでしょ?」

『BATTLESTAR GALACTICA 第10話“聖なる預言”』より

 遥か昔、預言書に書かれていたことが、ついに現実のものとなるのか。12惑星の残存人類による新天地への脱出と、その指導者に見えるという10と2の蛇の幻覚、そして、12機のバイパー・マーク2によるサイロン基地への攻撃。
 奇妙に符合する“12”の数字。

 ヒト型サイロンには、“ゴースト”が存在するのか否か。高度に知能化されたプログラムと魂の境界線とは何か。
 サイロン占領下の惑星カプリカにおける、シャロン・“ブーマー”・バレリーの、あのシーンはもしかして“お約束”というやつではないのか。新人類誕生も間近なのでは…。と、いろんな妄想膨らむ『BATTLESTAR GALACTICA』。

 残り2回分の超光速航行しかできないほどの燃料不足に陥っている船団は、何年分にも相当する大量の燃料となる物質を蓄えた小惑星を発見するも、すでにそこにはサイロンの基地があった。
 基地を破壊し、燃料を手に入れるためにアダマ司令官は、“スターバック”に作戦立案を指示する。戦力で劣るギャラクティカに、勝算はあるのか。しかも“スターバック”自身は、まだ膝の怪我が癒えておらず、実戦に出られない。

 技量では“スターバック”に劣るのではないかと思われる“アポロ”が、プライドを刺激されてちょっといじけつつも、「やっぱ自分ではダメなんじゃ…」と不安感に苛まれているところが、なかなかかわいい。そんな息子を勇気付けるアダマ司令官が、じつに渋い。まさに父親の鏡。こ、こうありたいと思う…

 さて、今回はバイパー・マーク2の表現(扱い)が、これまでになくツボだった。
 囮の船体から本命の攻撃隊として出現する12機のマーク2のシーンとか、もう鳥膚もの。
 そしてなにより、敵基地に潜入する時の、マーク2の機動が心地よい。飛行機というよりは、どっちかというと『逆襲のシャア』等で表現されていたようなモビルスーツの動きに近い。うにょんと自在に空間を動くところが、まさに機動兵器かくあるべしみたいな感じで、旧作のバイパーとは一線を画す表現方法だったと思う。すばらしい。

 それにしても、大作映画でもない、普通のドラマ作品でここまで凝ったことのできるアメリカのコンテンツ産業の、底力を思い知らされた気がする。日本の現状(というか惨状)を思うに、クリエイターを正当に評価しなかった(扱わなかった)上の方の連中の罪はとても重いと言わざるを得ない。まぁこれは、技術職全般に言えることなのかもしれないけれど…


2008.3.5(Wed)

『バトルスター・ギャラクティカ 第7話“裏切りの告発”』

 先週はうっかり時間を忘れて水曜日放送分を見逃した『BATTLESTAR GALACTICA』だが、リピート放送が土曜日にあったので、無事、事なきを得た。サブタイトル“魔女狩り”の通り、潜入したサイロン工作員のギャラクティカ内部での自爆事件により、ヒトにそっくりなサイロンの存在が明るみに出ることとなり、サイロン狩りが行われることに。
 しかしながら結局、追求はその方法のまずさゆえ、アダマ司令官により中止命令。結果的に、上官思いの部下1名が、無実にもかかわらず階級剥奪のうえ投獄という事で幕引き。

 自分がサイロンであるという自覚のないギャラクティカ内部のシャロン・“ブーマー”・バレリーは、部下の身を挺した庇い立てで目が覚めたチーフに距離をとられることになった。一方、サイロン占領下にある惑星カプリカでは、サイロンであるという自覚のもとに行動しているもう一人のシャロン・“ブーマー”・バレリーが、男を手玉にとりつつあり。
 対照的な二人のシャロンの存在が、今後、どう展開してゆくのか、興味深いところである。

 そして今週の第7話“裏切りの告発”。ギャラクティカ内部にいる、もう1人のサイロン、“No.6”。これまでバルター博士の目にしか見えていなかった彼女が、突如、実体をもった存在として姿を現す。
 結局、彼女はバルター博士の“自分が人類抹殺に加担してしまったことの告発”への恐怖を取り除いてやることに成功したわけだが、その意味するところは何か。毎回、冒頭ナレーションで語られる“サイロンの計画”が、着々と進みつつあるという漠然とした思いはあるのだけれど、それが何なのか、今現在、私には想像がつかない。
 なんだか、わざと人類を追い詰めているものの、全滅させるのが主目的でもなさそうだし…。もしや懐かしの『ガルフォース』ばりに、新しい種の想像とかいう方向にいったりは…。

 でも私にとって当面の最大の謎は、“なぜ行為中のサイロンの女の背骨は赤く光るのか?”ということだったりするのは、秘密だ。


2008.2.22(Fri)

『バトルスター・ギャラクティカ 第5話“帰還不能”』

 さて今週の『BATTLESTAR GALACTICA』は、先週からの続き、サイロン機との交戦で勝利したものの機体を損傷した“スターバック”が、月(先週は惑星かと思ったのだが、衛星の方だったようだ)の重力に引かれて落下していったところから。
 どうやら無事にパラシュートで着地できた模様。大気内でも飛行可能なバイパーゆえ、常にパラシュートは装備しているという設定なのかもしれない。だがここの大気に酸素はなく、バックパックの酸素ボンベが空になったら即、死である。バイパーは落下の時に焼けてボロボロ、おそらく再起不能。救助を待つしかないのだろうか…。しかし、先週ラストの落下シーンを、今一度思い出してみると、“スターバック”が撃墜したサイロン機も、同じように落下していったはず。あれが何かの伏線になってそうな予感がひしひしとする。

 一方、ギャラクティカの方では、行方不明になった“スターバック”の捜索が続けられている。酸素ボンベの残り時間が迫り、捜索に保有戦闘機のほとんどと、哨戒機も使い、さらには民間船も加わっているため艦隊がばらけて、今ここでサイロンに襲撃されたら危険なのではないかという大統領からの(ある意味当然ともいえる)指摘等もあり、次第に追い詰められてゆくアダマ司令官と“アポロ”。そしてついに時間切れ。
 しかし、「予備の酸素ボンベがあるはずだ」と、捜索続行を指示するアダマ司令官。もし行方不明になったのが“スターバック”ではなかったとしたら…。死んだ息子の婚約者だった“スターバック”だからこそ、司令官は私情を優先させているのではないか…。そしてついに堪忍袋の緒が切れた大統領が乗り込んでくる事態に。

 アダマ司令官には、生き残ったわずか4万数千人の人類を守る義務がある。“スターバック”の捜索打切りを指示するアダマ司令官の、苦渋に満ちた演技が大変渋くてよい。
 だがしかし、今回の見せ場は、やはりなんといっても、サイロンの戦闘機の秘密が一部明らかになったことであろう。

 月で不時着しているサイロン機を発見した“スターバック”。弾丸はモノアイ付近に命中しており、なぜか血液らしきものが垂れている。機体の損傷はそれくらいで、他に目立った外傷もない。ここまでの展開から予想できることといえば…

  • 機体からサイロン兵が分離して襲い掛かってくる。
  • この機体を操縦(?)して帰還する。

 の、いずれかであろうと思われる。
 しかしここで重要な疑問が…。サイロン兵って、この機体そのものじゃないん?

 最初の放送で、宇宙空間に曝露された赤いモノアイを見たときから、私はサイロン機って機械化された戦闘機だとばかり思っていたのだけれど、穿たれた穴から垂れている血液らしきものを見るにつけ、“ヒトとそっくりなサイロン”という、今作の新しい設定を思い出すことになる。
 “スターバック”が機体側面のボタンを押すと、機体のパネルが開き…、そこにあったのは“肉”であった。

 ぱっと見、人型をしているようにも思えない。一部しか画面に映ってないし。でも、何らかの有機生命体(あるいは機械との融合生命体とでもいうべきもの)が、この機体を操縦していたことは間違いなさそう。
 穴をふさぐ“肉”を、ナイフでざくざくと切り開いてゆく“スターバック”。そしてついに、コックピット内部へと潜り込むことに成功。“脳”と思われるパーツを、がこっと取り外し、機体の外へぽーい。なかなか豪胆である。

 コックピット内には、なにやらパイプがぞろぞろと垂れ下がっている。たぶん、このパイプが内部のパイロットと思われる物体に接続されていたのだろう。なんか血糊でべとついてるし…。そして重要なポイントは、機内には酸素供給用のパイプもあったということである。酸素を必要とするあたり、いよいよ生物と機械の融合生命体を彷彿とさせる。でもこのおかげで、酸素切れの危機は切り抜けることが出来た。
 ところで機体の操縦だが、いわゆる操縦桿らしきものはないのだが、どうやるのだろうか。“スターバック”は、おもむろに垂れ下がったパイプを捻ってみている。

 機銃発射。
 ふむふむ。なんかよくわからないけど、パイプに力を加えることで操作できるっぽい。“スターバック”は、おそるべき野獣の勘で、機体の操縦方法を身につけてしまっていた。さすが一騎当千のパイロットである。

 ギャラクティカが、まさに超光速航行に入ろうという時、“敵機発見”。それはもちろん“スターバック”の操縦するサイロンの戦闘機なわけだが、事情を知らないギャラクティカ側から見れば、当然、敵襲である。
 出撃する“アポロ”。
 “スターバック”は、どうやって自分が敵ではないことを知らせるのだろう。私が中学生の頃に見た『マクロス』でも、やはり同じように敵機をぶんどって帰還するシーンがあったのだが、あの時は、機体を左右に振って味方であることを知らせていた(と思う)。でも今度のは、そんな方法が通用するようにも思えないが…。

 結果的に、“アポロ”は、その機体に“スターバック”が乗っていることを知ることになる。その方法とは…。
 あまりにわかりやすく、しかも意表をついていたので、よし。
 来週、サイロン戦闘機ば詳細に分解調査されることになるのだろうか。あるいは“魔女狩り”というサブタイトルから想像するに、これまで極秘だった“ヒトにそっくりなサイロン”の存在が公にされるのかもしれない。
 期待して待つとしよう。


2008.2.15(Fri)

『バトルスター・ギャラクティカ 第4話“悔恨の祈り”』

 さて今週の『BATTLESTAR GALACTICA』は、第4話、“悔恨の祈り”。
 とあるパイロットの1000回着艦で賑わう、着艦デッキ。おそらくそのほとんどが同僚のパイロットなのであろう。ワゴンに乗ってぐーるぐーるしている画面にまじって、カメラがそのすぐそばに保管されている武器と思しきものを映し出す。…ま、まさか。
 悪い予感通り、武器(ミサイルっぽい形状をしていたが、ドローンだったらしい)のフックが壊れて暴発。パイロット達目掛けて突き進む。

 ただでさえ少ないパイロットの数が、半減とまではいかなかったものの、大幅に減り、保有戦闘機数(40機弱)よりも少ない事態になってしまった。そういえば、元祖ギャラクティカでも、パイロットの数が足りなくなってしまい、急遽パイロット養成をしなければならないはめになってたエピソードがあったなぁ…、なんてことを思い出す。

 新装版の『BATTLESTAR GALACTICA』でも、同様にパイロット養成を行うことになるのだが…。教官に選ばれた“スターバック”は、以前、婚約者であり、訓練生でもあった彼を、パイロットの適正がないのを知りつつテストに合格させ、結果、事故で失うことになった過去がある。という伏線が、以前すでに張られていたので、いつかはこれが使われるのだろうなぁと思っていたら、今回このような形で出てきたか。確かに、これはちょっとドロドロ。死んだのがアダマ司令官の息子であり、“アポロ”の弟であるということから、最初からその辺の確執が描かれていたし。でもすでに“アポロ”はその事実を、“スターバック”本人から懺悔のような形で伝えられて知っており、彼はそのことを乗り越えたように思われるが、アダマ指令官はまだそのことを知らない。

 息子の死の真相を知ってもなお、“スターバック”を信頼することができるだろうか。…そのあたりの苦悩も、きっと乗り越えてゆくのだろうけれど、今回はその“スターバック”が候補生の教習中に、敵機と遭遇。1(+1)vs8で勝利したものの、機体は撃墜した敵の機体と接触し、動力停止。眼下の惑星の重力に引かれて、落ちてゆく。

 怖すぎである。宇宙空間から、大気圏突入、摩擦熱で焼けてボロボロになってゆく機体から、脱出。ものすごい高さである。高所恐怖症の人なら、これだけでショック死するであろう。
 脱出したはいいけれど、宇宙戦闘用の装備なのに、パラシュートは付いてるんだろうかという不安もあり。背中にしょったバックパックがなんとなくそれっぽいが…。
 次回も見逃せない。

落ちてゆくバイパー・マーク2


2008.1.31(Thr)

『バトルスター・ギャラクティカ 第2話“ウォーター”』

 シャロン・“ブーマー”・バレリー、コールサインとして残るブーマーは、旧作では男だったが、今作では美女である。しかも彼女はサイロン。でも、本人にその自覚はまだ現時点ではないような感じ。操られているのか、それとも二重人格のようになっているのかはまだ不明。

 冒頭のナレーションで、“サイロンのコピーの数は計り知れない”というのがあって、一瞬考えた。ヒトと見分けが付かないサイロンって、12体なんじゃ…。もしかして、12体というのはオリジナルの数で、その劣化コピーみたいなのはうじゃうじゃいるということなんだろうか。すると、“ブーマー”はコピー版サイロンなのか…?
 まだまだ謎多し。

 さらに、“ブーマー”が破壊工作に使用した爆弾が、常に1個、彼女の身近にひょっこりと残ってるのは何故か。水タンクを破壊した際の残りがバッグに残ってたのは、単に余ったのかなと思えなくもなかったけれど、ラプター内部に設置されてたやつは、ちかちかと赤いランプを点滅させていたことから起爆装置の時限装置が作動していたのでは?
 自分で自分の搭乗する機体に爆弾しかけるというのもなぁ…。謎すぎる。もしかして、まだギャラクティカ内部にはサイロンのコピーがいるということなのだろうか。それとも水を発見させないために自爆指令が出ていた……、のかなと思えなくもない。けれどもサイロンとしての自覚がない彼女には、その指令を遂行することができなかった、と。

 次回の波乱を予感させる終わり方だった。
 み、見逃せない。


2008.1.23(Wed)

『バトルスター・ギャラクティカ 第1話“33分の恐怖”』

 超光速航行“ジャンプ”を使用すると、転移先を把握することは理論的に難しいはずなのに、なぜか転移先にことごとくサイロンが出現する。それが転移してちょうど33分後なので、“33分の恐怖”か。なるほど。
 33分ごとにジャンプで逃げないといけないため、ギャラクティカのクルーは不眠作業132分とかテロップが出ている。約5日間…。
 そういえば、数年前に陸自のとある行事を見学した際にも、1週間以上の不眠作業というのがあったことを思い出す。有事の際には、こういう状況はあり得るので、そういう訓練があるのだろう。

 ギャラクティカと船団を組んでいる残存人類の数が、大統領搭乗船“コロニアル・ワン”のホワイトボードに記されている。5万人を切り、戦闘の度に着実に減ってゆくのを見るのは、静かな怖さがある。
 船内に無数に貼られた、死亡あるいは行方不明者の写真。
 核爆弾を搭載して船団につっこんでくる、ちょっと前まで味方だった船。
 9.11から、アフガン、イラクへと続くリアルの戦争を彷彿とさせるシーンだ。この番組が放送され始めたのが2003年12月だから、時期的にもなにか符合するものを感じてしまう。

 ラストでは、初めて船団に新しい命が生まれた。プラス1されるホワイトボードの数字。たった1つだけだけれど、重い。なぜか、涙が溢れて止まらなかった。

 今日はリアルであまりに哀しい事件があった事を、記事で読んでいたから…。


2008.1.16(Wed)

『バトルスター・ギャラクティカ 序章(後篇)』

 さて、“後篇”である。生身のヒト型をしたサイロンの存在という新作オリジナルな設定が、じつに緊張感を盛り上げてよい。果たして誰がサイロンなのか。主要キャストの中に混じってたりは…、と思っていたら…………。最後の最後で、あぁぁぁぁぁ。やはりそうきたか。じつにうまい配役である。

 生き残った数万の人たちを生かすために、超光速航行のできない船に乗った数千人を犠牲にしなければならない苦汁の決断。とても重い選択だ。ジャンプに備えてカウントダウンする最中にも聞こえてくる、置いていかれる人達の声が、ぎりぎりと胸を締め付けてくる。

 未知宙域へ超光速航行で脱出を試みる、人類。待ち構えるサイロンの戦闘母艦と無数の戦闘機群。盾となって降り注ぐミサイルを阻止するギャラクティカ。今回の戦闘シーンも圧巻であった。特に、ギャラクティカの対空砲の、ものすごい弾幕はド迫力。弾幕薄いとか、そういう台詞が出てくる隙すらないほどの密度で放たれる、無数の砲弾。
 特に、今回はこの画像のように、船体中央の砲座から放たれた1対の砲弾の速度でカメラをぎゅんと引きながら、映像をぶらしつつ、ギャラクティカを画面中心に据えたままという構図は、奥行き感、スピード感溢れるもので、迫力満点だった。日本のアニメが得意としてきたような演出である。カメラワーク上手すぎである。

 来週から、レギュラー放送開始。見逃せない。

対空砲を放つギャラクティカ


2008.1.9(Wed)

『バトルスター・ギャラクティカ 序章(前篇)』

 今夜、SkyPerfecTV!の Super! drama TV にて、『バトルスター・ギャラクティカ 序章(前篇)』が放送される。その名が示すとおり、この作品は30年前の『宇宙空母ギャラクティカ』のリメイクである。この新作がアメリカで放送されたのは、2003年12月。以来、待つこと4年ちょい。じつに長い待ち時間であった。

 PCにて録画しつつ、鑑賞する。

 …………、こ、これはっ!

 途中、みこりんが「怖い」と言うので寝付くまで画面を消しておいたりしつつも、物語の背景はだいたい把握できているので、なんとかついていくことができた。がしかし、こいつは正直ぶったまげた。おそるべき完成度というか、近年まれに見る傑作なんじゃなかろうか。
 重厚な音楽。アダマ艦長をはじめとするキャスト陣の渋い演技。“戦争”というものの、恐ろしさ。惑星全土に投下される核兵器の圧倒的な破壊力と、それをただ見ているしかできない虚無感への感情移入。
 戦闘機に組み込まれたサイロンの不気味さ。旧作では人型をしたサイロン兵が戦闘機を操縦していたが、今作では機体と一体化されたロボット兵器として扱われており、宇宙空間に曝露された赤いモノアイが、とてつもなく怖かった。そしてサイロンによりコンピュータを無力化された人類側の攻撃部隊が、なすすべなく破壊されてゆくさまは、心の底からぞっとした。
 この流れがあることで、ジャンクと化していた旧型の戦闘機と、老朽艦で退役予定だった空母ギャラクティカが生き残るという設定がものすごく生きてくる。レーザー兵器ではなく、あえてミサイルと実弾兵器を使った戦闘シーンというのも、生々しくてよい。

 さらに、見ていて常に緊張感が漂うのは、絶妙なカメラワークによるところが大きいと思われる。手持ち撮影しているかのように、終始、微妙に画面がぶれるのだ。CGの部分にもこれは適用されているので、おそるべき臨場感がある。解説等を読むと、これは意図的にこういう撮影方法がとられたらしい。没入感200%増しである。

 そして今回の作品中で、もっとも私のツボをついた箇所は、これ。

核ミサイルを迎撃する“スターバック”機

 スターバックが操縦する旧型戦闘機“ヴァイパー・マーク2”が、ギャラクティカに向けられた核ミサイルを迎撃するシーン。機体各部のスラスターが噴射されているのが見える。こういう細かい部分で手を抜いてないところがじつによい。
 それにしても核の直撃を受けて耐えてしまうギャラクティカって…、めちゃくちゃ頑丈。いにしえの、某宇宙戦艦を彷彿とさせるタフネスぶりである。

 “後篇”は、来週のこの時間。見逃せない。


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