1999.11.1(Mon)

そぉ〜

 お風呂上がり、いつものようにみこりんを寝かしつける。今夜はなかなか眠くならないらしい。豆球の薄暗い灯りの中で、みこりんの黒い瞳が野生動物のように輝いていた。
 それでも20分ほどすれば、すぅすぅ寝息が聞こえてくる。やっと寝てくれたようだ。そぉっと体を起こし、リビングへ下りようと布団から這い出して……。

 視線を感じる。動きを止めて、そろりと振り返ると、布団の中からこちらをじっと凝視するみこりんが見えたのだった。「おとうしゃん」と泣き声である。行ってはいかんらしい。しょうがないので、再び布団に逆戻り。みこりんを寝かしつける作業に戻った。

 その後、何度か寝たのを確認して寝室を出ようとしたのだが、3度にわたりことごとくみこりんに捕まってしまったのだった。今宵のみこりんは、なかなかに鋭い。

 さらに一時間後。今度こその思いを込めて、気配を殺して息を止め、察知されないように移動を開始。布団の海を渡り終え、ふすまに手をかけた時点で振り返り、もう一度確認する。大丈夫、みこりんは熟睡しているようだ。そのままふすまを開け、廊下へと抜け出してゆく。引き留める声はなく、ついに寝室からの脱出に成功した。長く苦しい戦いであった。
 で、やっとの思いでこの日記を更新したのだが、なぜか今日はプロバイダが不調である。何度トライしてもログオンできない。なんとも悔しい結末であった。


1999.11.2(Tue)

スパロボ64

 明日は文化の日、今宵は心おきなく夜更かしができる。だが、みこりんを寝かしつけているうちに、自分も寝入ってしまったらしい。ふいに気が付けば、真っ暗な布団の中であった。枕元の目覚まし時計を鷲掴みにして、時間を確認。ほっ、まだ午前1時になったばかり。夜はまだまだこれからだった。

 リビングに降りてきてしばし考える。何をすべきだろうか、と。今やりたいことは、3つある。どれも甲乙つけがたい重大事項だ。悩んだ末に、スパロボ64を起動する。朝までスパロボをやり倒すルートを選択した。

 第2話からやり直しである。ゲイル先輩がらみで、何かイベントがあるのではないか?と思ったのだ。しかし、説得コマンドも出ず、仕方がないので前回同様、撃破した。第3話は、増援の位置も数も分かっているので、今回は手こずることなくさくさく進む。再びゲイル先輩登場、今度こそとレイズナーを隣接させるも、やはり何事も起こる気配なし。3度ほど反撃しないで待ってみたが、変わりそうにないので結局V-MAXで派手に散らしてあげた。
 続く第4話、先の戦闘でゲイル先輩が戦死したので、ついにジュリア姉さんが出撃してくる。再びレイズナー隣接。今度も何も起こらない。すでに気力は150を突破してびんびんである。5回目の交戦まで待ち、ゲイル先輩同様V-MAXで沈めてしまう。なにやら後味が悪い。ほんとうに、後で“じつは生きていた!”になってるのかどうか気になるところだ。

 第5話からガンダムWな展開である。本編は、ほとんど見ていないのでいまいちノリが良くない。ようやくカミーユ登場。だが、いまさらガンダムmkIIを物々しく登場させてもなぁ…、という醒めた感覚だけが残った。この段階で mkII だけということは、Z やら ZZ などの登場はいつになるんだろうか。エマさん用に出さざるを得なかったとはいえ、mkII は補充で確保できるとか、そういったストーリーでもよかった気がする。カミーユ参戦の理由づけに困るんだろうけど、そこをなんとかするのがプロのシナリオライターの仕事じゃないのか。ガンダム、ガンキャノン、ガンタンクはオマケみたいに入手できるんだし…。と、いろいろ不満もあるが、つい続けてやってしまいたくなるのがスパロボの恐ろしさである。登場人物やロボットが全てオリジナルだったりしたら、とてもやってられないはずなんだが。

 あぁそれにしても、今夜はとても冷え込んでくる。上半身は分厚い半纏を着込めば大丈夫だが、問題は脚である。身をよじりながら寒さに耐えつつプレイしていたのだが、じつは床にはホットカーペットが敷かれていたのだった。電源入れれば極楽気分になれたというのに、その事実をすっかり忘れていた私は、結局朝まで寒い思いをしてしまったのである。大失敗であった。


1999.11.3(Wed)

かかみがはら航空宇宙博物館

 結局、徹夜してしまった。少しでも寝ておこうと思ったが、あまりに素晴らしい朝の日差しを見ていると、そんな思いも吹き飛んでしまう。太陽を浴びながらの庭仕事は、何事にも代え難い充足感を与えてくれるのだった。

 たっぷりお日様の力を吸収したあとは、午後からお出かけである。久しぶりに、岐阜方面へ熱帯魚・海水魚のショップ巡り。だが、クルマを運転していると、温かな気温と街路樹の影で定期的に遮られて明滅する太陽光が、まさに催眠術を施すように包み込み…、行きはなんとかたどり着けたが、ショップからの帰りはLicにバトンタッチ。私は助手席で夢の中。行き先はLicにお任せだ。

 サイドブレーキが引かれる音で目を覚ます。広い駐車場のようである。目の前には、見覚えのあるラブホテル。瞬時に、ここが“かかみがはら航空宇宙博物館”の駐車場であることを理解した。そういえば、お昼ご飯のあと、みこりんに飛行機見る?なんてLicが聞いていたのを思い出す。
 博物館内部に入るには入場料がいるのだが、屋外展示の各種航空機とアスレチックで遊ぶのは無料。小さい子には、博物館より、こっちのほうが面白いだろうし、ちょっとした休日の午後を過ごすにはもってこいなのだった。

 まずは売店チェック。館内に設置されているが、入館ゲートより手前にあるので、開館時間には誰でも入ることができる。かなり狭いのが難点だが、いろんな飛行機関連グッズが並んでいるので、好きな人が見ればかなり楽しめるはず。私もつい、精密モデルの前で釘付けになってしまった。もう少し種類があるといいのに。マニア受け度と、一般受け度との兼ね合いで、少し中途半端になっているような気もする。聞くところによれば、関東方面にも似たようなコンセプトの航空関連の博物館ができたらしく、ここの売り上げも落ちてきているのだとか。ここはひとつ、博物館の展示内容に合わせて、大型航空機、回転翼機、クラシック機、そしてT-4ブルーに、さらに特化したほうがいいかも(今でもT-4ブルー関連のグッズは充実してはいるのだが)。

 博物館の方も、バックアップしている川崎重工が宇宙関連には極端に弱いため、あえて航空宇宙と併記しないで、航空一本で攻めてみるのも手ではある。宇宙の展示スペースを、もっと別の航空機用にするとかね。でも、宇宙という響きは、それだけで未来志向のイメージがついてくるので、子供受けはするのだろう。営業戦略的に、外せないんだろうな。それに加えて、YAC(日本宇宙少年団)の存在。宇宙を切ってしまえば、名誉館長を松本零士氏にやってもらう理由づけが苦しくなる。一番いいのは、川崎重工が宇宙分野で飛躍的に伸びることなのだが、日産の宇宙部門を手に入れられなければそれも難しい。どうなることやら。

 みこりんは、ジャンボ機と空港車輌のミニカーがセットになったオモチャを手にとっていた。ミニカーに惹かれているらしい。買ってもいいかな、と思っていると、箱を置くみこりん。飽きたらしい。そのまますたすた店を出て行ってしまった。ではそろそろ、屋外展示のほうに戻るとしよう。

 普段見慣れない大型機に、みこりんはどう反応してくれるだろう。しかし、みこりんは目ざとくアスレチックのほうに滑り台があるのを発見。「あっちいく」と言って、もはや飛行機など眼中にないもよう。うーん、こいつはしまった。それでもなんとか興味を持ってもらおうと、操縦席を見せてやる。こういうメーター類が大好きなみこりんのこと、少しは見入ってくれるのではないかと思ったのだ。
 「お!」とみこりんが操縦席内部を指さした。その先にあるのは、操縦桿。いや、たぶんみこりんが気になってるのは、その脇にくっついてる操作レバーだろう。外見、戦闘機の操縦スティックになってるので、うちにあるジョイスティックとそっくりなのだ。みこりんは、ジョイスティックをマイクのようにして遊ぶのが好きだった。だが、興味を惹かれたのもつかの間、はやくも自分がアスレチックに行こうとしてたのを思い出したらしい。「いこ!いこ!」と、手を引っ張ってゆく。

 途中、内部が開放されたYS-11があったので、「飛行機に乗ってみよう」と誘ってみたら、嫌々しつつも少しは興味が出てきたらしく、ついてきてくれた。じつは私も旅客機の内部は初めてなのだ。これまで民間の飛行機には一度も乗ったことがないので、写真でしか見たことがない(もちろん軍用機でも、飛んだことはないのだが)。
 座席は昔の新幹線より狭かった。これがYS-11だからかどうかは、私にはわからない。Licによれば、今のジャンボでもエコノミーは大して変わってないそうだが。空の旅も、なかなか大変だ。みこりんも、座席に座って「ばぁ!」なんて遊んでいたのだが、急に思い立ったように席を降り、「おりよ!」と一言。アスレチックを忘れてなかったようだ。

 機体後部から降りると、その隣には大型輸送ヘリKV-107が、後部ハッチを開いて鎮座している。あれにも乗ってみようと、みこりんに言うと、「のれないよぅ」なんて答える。あれがヘリコプターであることは、みこりんもわかっているのだが、“乗るもの”という認識はないようだ。「乗れるんだよ〜」と手をひっぱっていくと、スタッフジャンパーを着たおじさんが2名、機体に接近してゆくのが見えた。閉館時間になったので、ハッチを閉めるらしい。ついでなので、ハッチを閉じる様子を見学する。外部電源を接続して、一連の閉鎖シーケンスが始まった。みこりんも、なんだか興奮しているようす。やはり動くモノには弱いらしい。

 さて、ようやくみこりん待望のアスレチック到着。駐車場が閉まる時間まで、遊んでしまう。
 来週は岐阜基地で航空祭だ。みこりんは、T-4ブルーの演技や地上展示を楽しんでくれるだろうか。基地内部にアスレチックはないので、今日のように気が引かれる事もないとは思うが、やや心配。みこりんが生まれた年に、じつは航空祭に連れて行っているのだが、その時はベビーカーに乗ったままの赤子だったし、記憶などももちろんあるまい。願わくば、大きくなっても一緒に航空祭に行ってくれるような女の子に育ちますように。


1999.11.4(Thr)

お芋の歌

 先日来、みこりんが口ずさんでいる「お芋の歌」だが、あれには1番2番があるらしいことがわかった。

 1番の歌詞はこうだ。「おいも ころころ ちゃちゃちゃ うっ!」

 2番の「おいも どんどん うっ!」とは、節の数が合わない。たぶん、2番の歌詞に抜けがあるのだろう。
 どちらも、「うっ!」のところで、脚をきゅっと上げるのは共通している。みこりんが、ちっちゃい脚をちょろっと上げる仕草は、じつに可愛らしい。それにしても、この歌、異様に語呂がいい。気が付くと、私もLicも、口ずさんでいるのだ。この歌の創作者は、みこりんの保育園の先生なんだろうか。それとも童謡か。だが、全国的に流通しているとも思えない…。いずれにしても、恐るべき歌には違いあるまい。
 さぁあなたも一緒に口ずさんでみよう。せぇのっ「おいもころころちゃちゃちゃ!うっ!」これでインプット完了、あとは無意識のうちに口ずさんでいる自分に気づくことになるであろう。その時、振りもつければなおよい。「おいもころころちゃちゃちゃ」の部分は、「いーとーまきまき」でおなじみの、両の拳を、ぐるぐる回転させるだけなので、簡単だ。

東芝問題

 といっても、例のビデオの件ではない。先頃アメリカで和解に至ったFDCに関する訴訟のことだ。
 実害が発生していなくても、アメリカでは理論的に起こりうると判定されれば、訴訟になるという点が、今回のポイントである。しかも陪審員制度と、懲罰的賠償金制度の相乗効果で、負ければ1兆円超の賠償金を支払わねばならない恐れがあったという。和解金だけでも、東芝の10年にわたる北米におけるノートパソコンの利益を帳消しにする金額なのだ。いかに凄まじい額か想像できる。

 東芝が和解したことを受けて、似たような訴訟が相次いで起こされたらしい。こういった風潮が定着すれば、我々消費者にとっても百害あって一利なしだ。原告の連中は、いってみれば新たなる悪質な総会屋とでもいうべき存在である。
 深刻な不具合とか、生命にかかわる問題でもなく、理論的に起こりうる些細なエラーを見つけだし、それをネタにゆする。手段は正当な裁判とはいえ、中身はタチの悪い脅迫である。企業がそういう訴訟を防ごうと思えば、製品の検査項目をクリティカルレベルの低いものまで、なにもかも網羅しなければならず、結果、それらはコストに反映する。原告以外には、誰も幸せにならない由々しき事態だ。

 検査内容を、製品の中身すべてにわたりチェックするのは当然だというような理想論は、モノを作ったことのないヤツのいうことだ。どんな製造物であれ、設計・製造それぞれの工数に匹敵するだけの検査時間を、今でも通常はかける。もちろんすべての論理的整合性をチェックするわけではない。そんなことをすれば、検査だけで、全工程の大部分を食ってしまっても不思議ではないからだ。だいたい、通常想定しうる組合せ検査を通れば、おおむね問題はないとしなければ、精密回路の組合せである現在の工業製品など、おおよそ永遠にリリースなどできはしまい。
 今回の出来事を、最近続発している企業側の不始末と関連させて、マスコミ連中や市民団体とやらが後押ししなければよいのだが。何事も、バランスが大事である。


1999.11.5(Fri)

キムチ鍋

 みこりんが生まれるまでは、秋から冬の我が家の夕食といえば、キムチ鍋であった。寒い季節には、やはり体を芯から熱くさせる食い物がいい。作り方もいたって簡単で、普通の鍋物の出汁の代わりにキムチの素やら味噌やらを適量混ぜるだけでOKというのが、定番化した理由の1つでもある。
 ただ、乳児や幼児には、この辛さは致命的ということもあって、ここ2シーズンほど見かけていなかったのだが、今夜は珍しくキムチ鍋であった。昨日から、みこりんがお腹を壊して特別メニューを食べているので、メインの食い物をみこりんに合わせる必要がなかったからというのが、その理由らしい。

 いつもは、私やLicが食べているものに異様な関心を示すみこりんだが、今夜はなぜかおとなしい。自分用の茹でうどんが気に入っているのか、それとも辛さを察知して近寄らないようにしているのか定かではないが、好都合である。じっくりとキムチ鍋を堪能することとしよう。
 量にして軽く4人分はあったと思うのだが、結局、私とLicの2人で、ほぼ食べ尽くしてしまった。とろとろになるまで煮込まれたキャベツが美味いのは当たり前だが、長ネギがこれほど素晴らしい食材であるとは、キムチ鍋に出会うまで想像もつかなかったことである。それまでの長ネギに対する認識といえば、しゃきしゃきの歯ごたえがあって、噛んでも噛んでも噛みきれない、なんのために食べるのか理由が見いだせない食材ベスト5に入っていたほどだ(ちなみに食べる理由の不明な食材ナンバー1は、ナマコである)。それが今年、自宅の菜園で太葱を栽培するまでに至っている。素材が本来持つ特性も重要には違いないのだが、やはり料理はその調理法に極めて影響されやすいのだろう。そう思えば、子供の嫌いな食べ物の上位を占める食材は、よい調理法に恵まれなかったということだろうか。腕のいい料理人が調理すれば、嫌いな食材でも食べることができるようになったという例は、けっこう見かけるし。

 ニンジンにしてもピーマンにしても、非常にシンプルで、どう調理しても味などそれほど変わりそうにないにもかかわらず、歴然たる違いが出るあたりに、料理の奥深さを見る思いがするのであった。野菜嫌いな子供が増えたのは、上手な調理法を既存の料理本が示せなくなったからではないか?と、ふと思ったりもするのである。野菜そのものが、昔とは品種も異なり、味も香りも変わっている。昔懐かしのお袋の味も、時代と共に変えなければならない部分があるのかもしれない。


1999.11.6(Sat)

徹夜

 結局、今週もまたスパロボ64で徹夜してしまった。
 OVA版ジャイアント・ロボ登場。しゃべらないスパロボ64にあって、『ま゛』の声は効果音扱いになっているのかしっかり再現されている。いや、これはおそらく開発スタッフにジャイアント・ロボ狂がいて、どうしてもしゃべらせたかったに違いあるまい。戦闘CGも、異様に手をかけてあるしなぁ。現在のところ、ストーリーにほとんど絡んでいないので、若干浮いた存在なのが、ちょっと残念。

 アムロが、ようやく出撃してくれた。しかし、このMSはぜんぜん記憶にない。もしや今回のスパロボではνガンダム出なかったりして…。ガンダムmkIIが、Gディフェンサーのおかげで活躍しまくりなのを見ていると、そんな気さえしてしまう。あえて主力ガンダムを出さずにストーリー展開してしまうのも、けっこういいかもしれない。

 エレ様とシーラ様の選択。悩むことなくシーラ様コースを選ぶ。ん〜、シーラ様の顔グラが…。今回、顔グラの出来がキャラによってものすごい差があるのが気になる。

 ダンクーガ、なぜ必中を最初から持ってないのだ。これではぜんぜんレベルアップしないではないか。ダイガンよりも、断空剣で、ばしばし斬りまくりたいのに。しかもアシの遅さが致命的。うーむ、どうしたもんか。

午前中

 朝、しばし仮眠をとったのち、目覚める。みこりんが何度も起こしにやってきてくれたので、いつまでも寝ているわけにいかなかったのである。
 週末恒例の液肥やり。みこりんもお手伝いしてくれた。だが、そろそろ秋も終わり。液肥やりも、今週で最後だ。

 ウッドデッキ横に並べて置いてあるゴミ収納ケースが、じつは一番日当たりがいいのではないか?ということに今更ながら気づく。さっそく移動だ。こんないい場所を、ゴミ箱で埋めておくのは罪である。ついでに、中身の不燃ゴミを整理。みこりんが、ハムスターケージの蓋を発見してしまった。下のケース部分は壊れたので廃棄したのだが、蓋だけがまだここに残っていたのだ。みこりんが、蓋を手にして玄関に向かう。「それゴミだよ」と言っても、「ごみちがうよ ちゅーちゃんのおうちだもん」と言って聞かない。やはり自分で納得してもらうほかあるまい。廊下に置いてあるハムスターケージを前にして、みこりんが悩んでいる。どれも蓋がついているので、自分の持ってきた蓋の置き場所がないことに気づいたのだ。なんとか蓋を当てはめてみようとするのだが、無理がある。やがてみこりんは、蓋から手を離したのだった。

午後

 昨日、不在通知の入っていた郵便物を取りに、郵便局へ。受け取ってきたLicによれば、印鑑不要だったそうな。なんでも、郵便物がポストに入らなかったので持ち帰っていただけだったらしい。なんとも融通の効かないことである。ポストに入らなければ、玄関脇にでも置いてくれればいいのに。印鑑の必要な郵便物ではないのだから、それで問題あるまい。大豪邸で、玄関まで徒歩30分とかいうのなら話は別だが、我が家の玄関とポストの間は、たかだか3歩でたどり着けるのだから。

 届いた郵便は、国華園で注文していた『チリーアヤメ』の球根であった。桃の下にでも植えようかなと思っていたのだが、同封されていた説明書によれば“関西以西では露地で越冬可能”と書いてある。ということは、ここ岐阜では屋外栽培は不可能ってことだ。うーん、そうだったのか、下調べが不十分であった。でも、まぁいい。ロックガーデン向きの小形の花なので、寄せ植えには最適だろう。鉢植えも悪くない。

 本屋のあと、レンタルビデオ屋に寄る。カート・ラッセル最後のアクション映画とかで予告なども頻繁に流れていた『ソルジャー』を借りた。さて、どんなもんだろうか。

『ソルジャー』

 夕食後、地上波も衛星波もTVがつまらないので、みこりんがまだ起きていたのだが借りてきた『ソルジャー』を見ることにする。
 予告編の印象では、『ユニバーサル・ソルジャー』のようなものの宇宙版を想像していたのだが…。

 やや“強化兵(と言っていいのかどうか)”の設定が不明瞭な気がした。ただの優秀な兵士と、どこが違うのか?ということである。ランボーのほうが、よほど人間離れしているかも…。ただの優秀な兵士であることが、悪いのではない。そのほうが派手ではないが、じっくり見せる演出が可能なので、私的に評価は高くなるのだが、どうも今回のはその辺りが中途半端な感じである。
 新型の強化兵(DNA操作していると言っていたので、強化兵でいいのだろう)が、民間人相手に戦闘力を駆使したのが、この映画の最大の過ちであろう。強化兵である必要がどこにもないではないか。相手が弱いので、ポテンシャルを最大まで発揮することなく、単に火器の力だけで殺戮を行っているのでは、まったく面白みに欠ける。それに戦闘の理由づけにも乏しいため、ストーリーが一気に陳腐になってしまっているのだ。

 そう、この映画には強烈な敵が存在しない。旧型兵に対して、新型の強化兵を対比させているのだが、『ターミネータ2』のような1対1ならともなく、軍隊を扱う以上、これでは不十分である。廃棄惑星には、強敵が必要だった。

 『…不時着した難民達は、その強敵と猛烈な嵐の両方に怯えて暮らしていた。そこにカート・ラッセル演じる旧型兵が廃棄処分され、彼の登場により一方的に殺戮されるだけの難民達にも、一縷の生き残る望みが見えようとしていた。そこに着陸してくる強化兵達。強敵と遭遇、すさまじい死闘が繰り広げられる。だが、最後には強化兵と旧型兵との連携技で、かろうじて敵を撃退。しかし、強敵の背後には新型強化兵を生みだした上官の妖しい影が…。』

 やっぱりこういったシナリオのほうが、面白いような気がする。兵士を、徹底的に“悪”として描くことで、旧型兵(カート・ラッセル)の情感の芽生えを描きたかったんだろうことは推測できるが、それさえも失敗しているのでは、救いようがない。


1999.11.7(Sun)

がばっと飛び起き

 サンルームへと急ぐ。時計はすでに午前11時。こんなに寝過ごすとは思ってなかったので、サンルームのガラス戸は閉め切ったままだ。吊したままのピーコがアブナイ。
 はたしてピーコは、水入れのそばでいかにも暑そうである。もともと暑い国の鳥とはいえ、いきなりの温度変化は身体に悪い。温度計は、36度をさしていた。
 ただちにガラス戸を全開にして、ピーコを涼しい地面に置いた。羽根を広げて体温を発散させるピーコ。まるで真夏の光景だ。

 10分ほどして、ピーコが元気な声でさえずるのが聞こえてきた。ほっと安心。すでに11月とはいえ、サンルームは油断禁物である。夜は、家の中にピーコを取り込むようにしなければ。夜間気温も、10度を下回るようになってきたし。

 今日は天気もいいので、砂ネズミ&ロボ達の小屋掃除。さっそくみこりんがお手伝いにやってきてくれた。もうお手伝いも慣れたもので、小屋掃除の手順も覚えているらしい。ちゃんとケージをホースの水で洗ってくれたりもする。使えるみこりん。
 夜、寒くないように、たっぷりチップを入れておく。いつもの1.5倍〜2倍増しだ。チャッピーは、さっそく穴掘り作業に取りかかった模様。本能が刺激されるのだろう。元気に動き回っているネズミ達を、そばのケージで丸くなっているにゃんきちくんが、じぃっと見つめていた。じゃれつきたいのが、ひしひしと伝わってくる。
 にゃんきちにはペットヒーターが入っているが、ネズミ達にもそろそろ防寒対策を考えねば。

移動

 夜間気温が10度を切るようになってきたので、サンルームのワーディアンケースをリビングへと移動させることにした。今年のセントポーリアは総じて生育が良く、リビングに入れると日当たりが悪くなるのが気になるが、気温低下は命取りになりかねない。手遅れになるまえに、環境に慣らしておかねば。

 ワーディアンケースの下の水受けには、まるで抹茶を溶いたような真緑の液体が溜まっていた。まず、こいつを処分しないと始まらない。肥料成分がいい感じに蓄積されているのだろう、すさまじいコケである。こうならないように、こまめに溜まった水を処分しないといけないのだが、つい忘れてしまうのだ。だが、今日はLicの素晴らしい提案があった。この受け皿の上に、適当な容器を並べて置いて、水を捨てやすいようにすればという案だ。簡単だが、確実な方法に思える。さっそく対処しなければ。

 受け皿の水を捨てたら、中身をいったん全部出して、ワーディアンケースの移動である。移動先は、PCデスクの後ろ、窓際である。17インチモニターのお尻が出っ張っているので、ちょうどいい隙間になっているのだ。
 秋の夕暮れは早い。あっというまに太陽は没し、もはや暗がりが支配するサンルームで、着々と作業は進む。セントポーリアを元通りに戻し、観葉植物をいい具合に配置しなおして完了。これで冬越しの準備は万全である。

餌やり

 夜、にゃんきちをケージから出してやる。さっそく家の中を探検に出かけるにゃんきちくん。その間に、餌の準備だ。今日も、みこりんがお手伝い。
 食器を洗って、ケージの掃除をしていると、みこりんが猫缶を手にして、あけてという。おそるべきは、その時のみこりんの言葉である。

 「おとーさんはそうじしてるで、えさ、みこりんがやってあげる」

 ここまで言われては、もはやみこりんに任せるほかあるまい。缶を開け、「やってね」とお願いした。以前、手を切らないようにちょびっとずつ出すようにとの言いつけを、今日もちゃんと守って、小さな指でちょっとずつつまんで食器に移しはじめるみこりん。これなら安心である。私はトイレ掃除にとりかかることにした。

 みこりんが、急に怒ったような声を出す。なんだろうと見てみると、にゃんきちが探検から戻ってきて、横からつまみ食いしているのだ。みこりんは、まだにゃんきちがそばにくると恐い。なんとかあっちいってもらおうと必死である。
 最近は、言葉だけでなく、「しっ しっ!」と手で追い払うことも覚えたみこりん。今日もにゃんきち相手に「しっ!しっ!」とやってみるのだが、餌が絡むと動物はしぶとい。容易にはどいてくれそうにない。まだにゃんきちのほうが、みこりんに勝っているようだ。

 幸い、にゃんきちの気まぐれで、また探検に行ってしまったので、みこりんが無事最後まで餌やりを済ますことができたのだが、なんと缶を洗うところも忘れていなかった。とってもおりこうさんなみこりんであった。


1999.11.8(Mon)

ソフトウェア特許

 Y2K問題対策では、年号の内部表現を2桁から4桁に変更するのがポピュラーな手法だが、たまに入力データそのものが2桁にしか対応してなくて、内部処理で4桁にしようとしても原理的に不可能な場合もある。そうした場合、どうやるかといえば、こういうふうに場合分けするのが手っ取り早い(原理を示すもので、実際の対処方法がこうなっているわけではない)。

 if(Year > 80) 1900年代として処理
 else 2000年代として処理

 入力された値が、例えば“80”よりも大きければ、それは1900年代と見なし、それ以下ならば2000年代にしてしまうのである。もちろん、この手法では2080年に、再び西暦2080年問題が存在することになって、エレガントな方法ではない。だが、実際問題2080年まで当のソフトウェアが稼働し続ける可能性は極めて低いはずなので、よしとするのだ。
 おそらく同様の課題を与えられれば、大多数のプログラマは、上記のような対処をするだろう。いわば、誰でも思いつく方法といえる。しかも難易度でいえば、極めて容易な部類でさえある。

 ところが、この手法はアメリカで特許になっているらしい。Windowing(Date Windowing)と呼ばれるこの特許の持ち主が、近々大々的な特許料徴収の準備を始めると報じられていた。恐るべきことである。
 このような1分もあれば誰でも思いつくような手法が特許になってることは、明らかにおかしい。特許で保護すべき優れた発明とは、とうてい思えないからだ。まともなエンジニアであれば、馬鹿らしくてこんな手法をわざわざ特許申請などできまい。
 このような状態が野放しになっていれば、いまにプログラマは、がんじがらめに手足を縛られ、特許料の支払いなしには1行たりともソースコードを入力できなくなってしまうのだろう…、というのは大げさにしても、あらゆる場面でいちいち特許になってないかどうかを確認しながら開発しなければならないのは悪夢である。優れたアルゴリズムなどであれば、使わせてもらうのに多少の出費が必要というのも、まだ納得できるが、現状はどうも安易な金儲けの発想ばかりが鼻につく。

 だが、その対極にあるオープンソースの動きが確実なものになってきているのも、興味深いことである。つまらぬ特許を防ぐ確実な方法は、やはりソースコードの公開に尽きる。だが、まだまだソースコードが完全添付されているものは少ない。特にソース添付のないシェアウェアでは、金を払ったはいいが怪しげな挙動を発見したときなど、作者に不具合報告をするしか手はないのだが、一向に改善されない場合もあり、なんだか気分が悪い。どんなソースコードを書いてるのか見せてほしいと思ってしまうのだが、ソースを公開したがらないのはアイディアを盗まれるのが怖いというより、別の理由がありそうな気もするな。というわけで、最近いろいろ自分用にツールを開発中の日々なのであった。

分岐点

 スパロボ64、OZに入るか、そのまま反乱軍で居続けるかの選択である。戦略的にはOZに入るのが正しいと思うのだが、反乱軍のままっていうのもなにやら魅力的…。でも結局、OZの道を選んでおいた。もし、反乱軍のままなら、バッドエンディングだったんだろうか。ちょっと気になるところ。

 だんだんパイロット同士のレベル格差が目立ってきた。これで強制出動とかあったら、大変だ…。
 ………、ありそうだなぁ。


1999.11.9(Tue)

バイクとクルマ

 帰り道、前方車両の動きがなにやら妙である。何度となくセンターラインを越え、大きく左を開けようとしているのだ。いったい何やってるのだろう。
 その車の前には、バイクが一台走っていた。バイクの前にはさらにもう1台の車がいて、流れに乗った走りになっている。バイクは、真っ黄色のボディというのが変わっているくらいで、いたって普通のオンロード400ccクラスと思われた。

 先ほどから左を開けようとしていた車は、どうやらバイクが目障りなのだろう。なんとか追い越せないかとプレッシャーをかけているにちがいあるまい。私もバイクで走っているとき、こういう無謀な車に何度か遭遇したことがある。不思議なことに(というか当たり前のことというか)、いかにも走り屋仕様のクルマやスポーツカーで、そういう無様にバイクを煽ってくるやつには滅多に遭遇しない。バイクにつっかかってくるやつは、たいがい中年のおっさんで、地味なクルマであることが多いのだ。
 やつらがなぜバイクに執拗な攻撃を加えるか、理由はいろいろ考えられるが、少なくともバイクごときに負けるものかという心理が働いていることは、容易に察しがつく。なぜなら、バイクにしかそういう無謀な幅寄せや、煽る行為をしないからだ。相手がクルマだと、おとなしい。じつにわかりやすいチンピラの行動原理である。

 さて、目の前で繰り広げられている、バイクとクルマの小競り合いだが、先頭車両が左折して路地に消えたことで、新しい展開があった。バイクを追い越そうと、猛烈な加速(といっても所詮は一般大衆車レベル)をかけるミニバン。だが、パワーウェイトレシオで明らかに有利なバイクは、そのときにははるか前方をかっとんでいたのだった。ノーマルなミニバンが、直線コースの加速でバイクに勝てる道理はない。まぁ、それほどバイクに対して無知であればこそ、バイクを煽ったりできるんだろうけど、見ていて情けなるほど格好悪い出来事であった。

 私が学生時代を過ごした愛媛県の県庁所在地は、バイクがやたらと多かった。大学の駐輪場など、まさにバイクの見本市状態で、あらゆるマシンが並んでいたものだ。地方の中心市街とはいえ、交通機関の未発達もあり、貧乏学生にとって、バイクは貴重なアシだったのだ。
 卒業して、いま住んでいる岐阜へとやってきてまず驚いたのが、バイクがほとんど走っていないことだった。たまにバイクの排気音が聞こえたかと思えば、迷惑なだけの暴走族ばかりであった。バイクを煽ってくるクルマというやつに、頻繁に遭遇するようになったのも、こちらに来てからのことである。学生時代は、たいがいクルマのほうがバイクを避けて走っていたので、そのあまりの認識の違いに最初は驚いたものだ。たぶん、原チャリしか“バイク”を知らないドライバーがほとんどなのだろう。それにしても、規定速度オーバーで走行中にもかかわらず抜きにかかるクルマが多いのは、いったいどうしたことか。当然抜けるわけもなく、しぶしぶ元のラインに戻るのだが、車間距離などあってないかのような状態で追随してくるので、こちらとしてもやむなく前方のクルマをゴボウ抜きして、集団から抜け出さねばならなくなる。バイクに慣れていないというより、ハンドルを握ると性格の豹変する一般人が多いのかもしれない。きっとそうだ。その証拠に、この付近、中部地区は、毎年交通死亡事故ワースト1の座を争っているではないか。チンピラ走行するクルマが多けりゃ、死亡事故も増えて当然だ。

 交通事情はともかく、一番驚いたのは、ガソリンスタンドの兄ちゃんが、バイクの燃料タンクの位置、キャップの開け方など、基本的な事を知らなかったことだ。ガソリン給油のたびに、セルフサービス状態になってしまうのは、なんだかわびしいものがある。
 今年は全国的にバイクの登録台数が低下しているとか。一人で移動するには、クルマよりバイクのほうが圧倒的に経済的、もう少し税金安くするとか優遇措置が検討されてもいいような気がする。


1999.11.10(Wed)

ユーザーインタフェース

 会社帰りに図書館へ寄る。今日が返却期限なのだ。
 調べたいことがあったので、検索システムを使ってみることにした。夜なので、端末はどれもがら空きである。手近な1つに陣取り、いざ入力!

 いつもの癖で、両腕をキーボードを打ち込む位置に構えてしまってから気づく。このシステムにはキーボードがなかったのだ。モニタ画面に、タッチパネルが装備されているらしい。どこにもそういう説明がついてないので、やや不親切。GUIを見る限り、Windows と思われる。たまにダブルクリックを強要する論外なタッチパネルのインタフェースシステムがあるが、ここのシステムはまともそうだ。シングルクリックで、さくさく動く。みこりんでも、文字の意味は不明ながら、それなりに画面を進めることができるのだ。

 さて、検索メニューである。トップから1クリックなのは、まぁ当然。文字入力は、あいうえお順のひらがなオンリー。縦並びに“あいうえお”とあるので、やや面食らう。いや、五十音表としては一般にこっちのほうがなじみやすいんだろうけど、GUIの文字並びが、すべて横書きなので、違和感あり。ゲームで多用されているような、横並びの“あいうえお”でも良かったような気がする。

 会社でメモってきた書名を入力。あるだろうか?検索実行ボタン触れる。おぉ、検索速度は、かなり早い。一瞬で結果が表示された。少なくとも1秒程度はタイムラグがあると予想していただけに、これは意外だった。
 検索結果では、本の作者や発行年月日など基本的事項のほかに、この図書館における収納場所も、グラフィカルに表示できる機能があった。欲を言えば、書架の何段目にあるかという情報もあればよかったのだが、大まかな書架の位置が示されるだけでも、かなり探す手間は省けるというものだ。あと欠けている情報といえば、本の内容紹介だろう。せめて目次一覧は欲しかった。まさかいまどき本のインデックス程度の情報も、出版元などでは電子データになってないとか?旧態依然の日本の出版業界のことだから、ぜんぜん電子化されてない可能性はあるなぁ…。

 探していた本2冊のうち、1冊は蔵書にあることがわかったのだが、もう1冊は置いてないらしい。さっそくリクエストカードに書いて提出しておく。このカードだけ見ると、リクエストすればたいてい入庫するような感じなのだが、はたしてそんなおいしい話はあるのだろうか。いろいろリクエストして確かめてみるとしよう。

 0歳から貸し出しカードを作ってくれることが判明したので、さっそくみこりん用のを作っておく。一人5冊までという制限があったので、みこりんの絵本を借りるために、自分用のを1冊減らしていたのだが、もうその必要はないのだ。貸し出しは、バーコードをなぞるだけで終わり。なのに、本の表紙の裏側には、図書カードらしきものがついているのが謎だ。いったいこのカードは何に使うんだろう。


1999.11.11(Thr)

夢の中

 「楽しい体外離脱」というページを発見、一瞬“トンでも系”かと思ったが、少しアプローチが違うようだ。この主催者は、こう主張しているのだった。「金縛り中で見る周囲の情景や、体外離脱は、すべて幻覚である」と。幻覚とわかったうえで、これを楽しもうというのが趣旨らしい。すべて“幻覚”で片づけてしまっているあたりは、“トンでも系”とどっこいどっこいなのではあるが、次のような文章に目が止まった。曰く「夢の中や体外離脱中では重力を感じることがほとんどない。それは、脳が作り上げる幻覚が、重力による要素を再現するのが難しいからではないか」。

 自己暗示や催眠において、腕が石のように重くて動かない、立っていられないほど重力を感じるという現象が一般的に起こせる以上、この言い分には最初から無理がある。とはいえ、夢の中で、重力をどのように感じているか?と考えたとき、あなたは明確に思い出せるだろうか?
 私の場合、起きても明確に覚えている夢のほとんどは、悪夢か不条理系の不安な夢だ。その夢の中では、たいてい何かに追いかけられる。必死に走って逃げようとするのだが、まるで深いプールの中で走ろうとするかのごとく、いっこうに踏ん張りが効かず、思うように走れなくて恐怖することになっている。ちょうど、重力がなければこんな風になるだろうという、そんな現象である。

 だが逆に、高い場所から一気に落ちるという夢も見る。これなど、すさまじい重力感なしには語れない。だが、落ちる時、私はたいてい頭からとか、腹這い状態で、足から落ちたという記憶はないのだ。ここで私は1つの仮説に思い至る。夢の中における重力表現は、人間の寝る姿勢に重大な影響を受けているのではないか?つまり、立って眠れば脊椎方向への重力表現は容易に発生し、横に寝れば、脊椎と垂直方向への重力表現が感じやすい。普通、人間は横になって眠る事が多いので、夢の中では日常で受けるような重力表現を感じにくくなってしまっている…。あ、なんかとても安易な仮説だなぁ。立って寝るのはなかなか面倒なので、立証する気が起きないのが致命的。

 宇宙空間で眠る宇宙飛行士が、どんな重力感覚を夢の中で感じているか、ちょっと興味がわいてきたのであった。

スパロボ64“そしていなくなった”

 ネタばれ注意!



 スパロボ64、ドレイク軍との最終戦である。結局、トッドにはこれまで2回ショウで説得しているが、今回は説得コマンド出ず。条件が足りないらしい。もともとあまり思い入れのあるキャラではないので、資金・経験値稼ぎの役に立ってもらうことにする。が、案の定、ハイパー化。黒騎士も、ハイパー化。アムロやカミーユをもってしても、“集中”だけでは回避できない。しょうがないので、先にウィル・ウィプスを沈めることにする。グレート、マジンガーZ、レイズナーの波状攻撃で順調に削り、ついに破壊!おぉ、浄化だ。シーラ様…。

 暗転から復活した画面上、オーラマシンは影も形もなくなっていた。
 あぁ、ショウ・ザマもいなくなってしまうのかぃ。ダンバイン、ビルバインにつぎ込んだ改造費は、ハンパじゃないのに…。もう戻ってこないのだろうか。ビルバイン、2話分しか登場してないのに。うーーーーむ。

 明神タケル、最初からゴッド・マーズ連れては来なかったか。いつ出てくるんだろうな。
 ところでダンクーガである。飛行ユニット装着後、運動性を上げまくってみたら、めちゃめちゃ使える機体になった。60%ほどの命中率でも、断空剣は当たりまくる。順調にレベルアップする獣戦機隊。必中なくても、このぶんなら苦労しないかも。


1999.11.13(Sat)

岐阜基地航空祭

 昨日は雨模様だったので心配していたが、見事な秋晴れに恵まれ、絶好の航空祭日和である。T-4ブルーの演技と、ようやく航空祭で飛んでくれるXF-2目当てに、お昼から出かけることにした。
 今年はみこりん、異様に気合い十分であった。なにしろ、11時半ごろからすっかり行く気まんまんで、クルマのチャイルドシートに乗って待っていたのだ。1時間近く、あんまり静かにしているので、寝てしまったかと思ったほどだが、しっかり起きていた。覗きに来た私と目が合うと、一言「ひこうきみにいこ!」。よしよし、すぐ出発するからね、みこりん。

 ベビーカーを積み込み、発進する。21号から16m道路に抜ける道は、おそらく大渋滞だろう。駐車場も、今日は川崎重工関連を含め、沿線のものは軒並み開放されているので、クルマを停めるのも大変だ。幸い、Licの職場の駐車場は、かなり奥まったところにあったため、無事だった。クルマを停めた時には、すでに12時50分。T-4離陸の爆音が響いていた。

 それにしても、他県ナンバーのクルマがどうしてこんな地元民にしかわからないような裏路地に入り込めるのか…。航空マニアの情報網恐るべし。
 基地に向かいつつ、T-4ブルーの演技を見る。デジカメで何度か狙うも、ノーマルレンズでは、散々なデキである。来年はAE-1+望遠レンズ持参にしよう。
 みこりんは、低空を轟音とともに通過してゆくT-4に、「お!」と興味津々のようす。これほど近くで、飛行するのを見るのはもちろん初めてのことだ。好奇心が刺激されまくっているのだろう。もう少し高い場所から見ることが出来ればいいんだけど…。

 さて、星形模様を空に描いたあたりで、ようやく基地内に入れた。あいかわらず、ものすごい人混みである。以前は滑走路先端付近に入れたのだが、今年はロープで封鎖されていた。しょうがないので、国道寄りの塀の下に陣取ることにする。ふかふかの芝生が気持ちいい。…と思っていたら、T-4ブルーの演技は終了となった。滑走路をゆっくり移動してゆくのが見えるが、この距離ではパイロットすら確認できない。うーん、双眼鏡がいるなぁ。

 引き続き、XF-2の飛行である。この機体が岐阜基地に来てから、何度も航空祭で飛ぶのでは?と憶測が流れたが、これまでずっと地上展示にとどまっていた。ようやく今年、初めて飛行の様子が一般に公開される。まぁ、地元の人間にしてみれば、運が良ければ通常の飛行試験で飛んでるところを見ることはできるんだけど(私も2〜3回は見ている)、航空祭で生飛行を披露するというのは、来年の実戦配備を前に、完成度をアッピールしておこうという狙いがあるのかもしれない。防空の穴ができるのは、なんとしても避けなければならないけれど、機体能力に不安のあるものを配備というのも、本末転倒。ややこしい立場になっているXF-2ではあるのだが、アメリカの意向を無視できない日本の弱さがそのまま反映してしまったかのごとく、戦闘攻撃機というには、やや繊細すぎる感じである。

 飛んだのは1号機(のはず)。赤と白のカラーリングは、CCV仕様のF-1(T-2だったかな?)を思い出す。あの機体が最後に岐阜基地を飛んでから、もう何年経っただろうか。
 15分の予定だったが、5分ほどで地上に降りてきてしまっていた。トラブルでなければよいのだが。このあとは、岐阜基地名物異機種編隊飛行…、え??それって午前中に終わった??うぅむ、XF-2飛行が午後に入ったので、異機種編隊飛行は午前中にやってしまったらしい。事前にLicからプログラムをもらっていたのだが、例年どおりだと勝手に思いこんでいたのであった。失敗失敗。では、地上展示を見に行くとしよう。

XF-2B ものすごい人波をかき分けて、ようやく着いてみれば、すでにアメリカ軍機は帰還したらしい。影も形もなかった(11/26補足:来る予定だった米軍のF/A-18は、都合により飛来していなかったそうである。)。やはり先ほどの爆音がそうであったか。地上に残った自衛隊機を、手前からチェックしていってると、ダークブルーの機体が!XF-2B、4号機だ。このカラーリングは、なかなか渋くてよい。だが、やはり迫力ではF-15に負けるのだなぁ。F-15のほうは、コックピット付近で一人一人、説明してもらえるようす。だが、ここは静かに真後ろからじっくり眺めておくのに限る。この位置から見るのが、なによりも好きなのだった。

 来年の年賀状用に、みこりんをマニアックな機体のまえで写真に収めようとがんばってみたが、なかなかじっとしていてくれない。唯一、XF-2Bエンジンノズル前で、ポーズしてくれただけだったが、これは逆光が激しすぎたはず。うまく撮れていればよいのだが。

 帰り道、F-104のちびっ子撮影会のようすを見てみると、なんとオレンジ色の飛行服を着ているガキんちょがいる!マニアな親がいるなぁ…、などと思っていたら、そばに着替え用スペースがあり、誰でも飛行服を着用できるようになっていたのだ。こっこれは、みこりんにぜひともやってもらいたい……、が、長い列ができていたので、来年に持ち越しである。

 夕方のニュースでは、T-4ブルーの演技は紹介されていたが、XF-2は一言も扱われておらず、やや寂しい感じであった。

今夜の料理

 しばらく前に、実家から特産の温州みかんと共に、野菜一式が届いていたのだが、その中に、カボチャが1つ入っていた。まるごと1つのカボチャを見ていたら、ふいに昔のことを思い出してしまったのでる。あれは、そう、大学4年になりたてのころだ。

 やはり当時も、実家から野菜一式が下宿に届いており、カボチャもその中に入っていた。それまでカボチャ丸ごとの料理というのはやったことがなく、こいつをどう料理してやろうかと途方に暮れていたある日のこと…
 雑誌だったか、TVだったかで、カボチャを使った料理というのを偶然見たのだ。丸ごと1つカボチャを使った料理で、種をくりぬいた中に、挽肉を詰めて蒸していた。イメージ的には、カボチャの中にハンバーグが入っているようなものだ。こいつはいいと、さっそく後日、真似ることにしたのである。

 サークルの後輩が例のごとく私の下宿にはたむろっていたのだが、やつらをギャラリーにして、カボチャの肉詰めは着々と完成してゆく。その年サークルに入ったばかりの新人が、挽肉に食パンを千切って混ぜているのを見て、「ぼっぼくは、いいです…」などと言ったのをよく覚えている。パン粉を使うより、こうして生の食パンを千切ったほうが、美味いのに、もったいないことだ。
 出来上がったカボチャ料理が、どんな味だったのかもはや忘却の彼方であるが、こうしてすがすがしく思い出せるということは、たぶんまずくはなかったのだろう。よろしい、今夜も、私がカボチャの肉詰めを作ってやろうじゃないか。

 手順はすっかり忘れていたが、ハンバーグを作る要領でそんなに間違いではないだろうとの推測のもと、Licに手伝ってもらいつつ作業は進む。カボチャの底を、平らにスライスするとき、切り込みすぎて、底に穴が開いてしまったのも、昔どおりだ。あの時は、くりぬくときに、力を入れすぎて突き破ったのだった。
 30分強の蒸し時間を経て、ようやく完成。ソースは、適当にケチャップとウスターソースを混ぜて作ったが、もっと手の込んだソースだった記憶がある。

 家族で食す。
 うっ、うまぃ。肉がとってもジューシーかつ香り豊かである。ただ、外皮のカボチャと、ややミスマッチの感は否めない。ソースに、かなり問題ありだ。もっと和風に、たっぷりの汁で煮込む(Lic案)か、中華風あんかけ(私案)にしたほうが、もっとおいしくなるだろうと思われる。次回、挑戦してみよう。

スパロボ64

 ネタバレ注意!




 宇宙へ上がる。月基地攻略後、Z、GP03、GP02A、リガズィ手に入る。サイサリスのアトミックバズーカ、なかなか凶悪でよいなぁ。ガトーも仲間になってしまったが、こいつは今後シナリオに絡んで来るんだろうか。とりあえず、サイサリスにはクワトロを乗っけておく。
 そうそう、宇宙にあがるまえ、ショウ達が戻ってきた。シーラ様も一緒だ。最初に助けたほうが、戻ってくるようになっているのだろう、きっと。改造も引き継がれていて、ほっと安心。だが、宇宙での戦闘ではビルバインの破壊力がだいぶ落ちてるような気がする…。

 ゲッターG登場。必中が、竜馬だけになったのが、ちょっと痛い。


1999.11.14(Sun)

今日の園芸

 寒くなってきたが、まだまだ雑草は伸びている。目立つところを抜いておく。
 玄関前の塀の下、道路に面した方に、ちょっとした花壇スペースがあるのだが、そこには5年前からミニバラを3本植えてある。真ん中が赤で、両脇が黄色だ。
 ミニバラの前景に、3年ほどまえにタマスダレを植えた。実家から、30球ほど送ってもらったのだ。
 ところが今年、タマスダレが大繁殖している。ミニバラが覆い隠されるほど、緑のふさふさができあがっているのだった。これほど茂ってしまっては、ミニバラがいじけてしまう。しかも、背がちょっと高くなりすぎだ。移動させなくては。

 タマスダレは、“異様”なくらい頑丈である。なので、抜くときも容赦なく葉っぱをつかんで、ぐぃっ。根っこや葉っぱが、少々千切れようがおかまいなし。このくらいで堪えるようなタマではない。
 結局、すべてのタマスダレを抜いてみたのだが、軽く300球はあると思われた。すさまじい繁殖力だ。こんなに増えては、どこに植えるかもそうそうには決まらない。しょうがないので、北側のはずれに仮植えしておく。

 タマスダレがなくなったあとには、赤玉土と堆肥を入れて、土の増量。タマスダレがいかに土の中で容積を占めていたのか物語る。
 いい感じの土になったので、午後からホームセンターで苗を物色。背丈の低いアブラナ科の花を5株(12/3補足:アリッサムということが判明)と、パンジー3株購入。パンジーの色は、淡い紫系を2つ、残りの1つはみこりんに選んでもらった。選んでくれたのは、オレンジに少々濃紺の絞りが入ったやつだ。なかなかセンスがいい。

 ところで、たまたまホームセンターにタマスダレのポット苗を売っていたのだが、なんと1株248円もする!!こんな値段の植物とは思ってなかったので、心底驚く。あんな頑丈ですぐ増えるのに…。せいぜい3本50円とか、そういうレベルの花だと思っていた。うちにある300株のタマスダレ、欲しい人には無料で提供してみようかな。

 帰宅後、さっそく買ってきた花を植えてみる。……いっ、いいかも。


1999.11.15(Mon)

H-II 8号機打ち上げ

 って、おいおいおいおいおい、NASDAの速報ページ、ぜんぜんつながらんじゃないか。成功したのか、失敗したのか、気になって気になってもう………。
 あ、やっとつながった(午後4時40分)。なになに、最新情報は……!?

 なにぃぃぃ!!!!指令破壊したじゃとぉ!!!

 失敗したんかぃ!
 はぅぅぅぅ……。脱力。
 今度は何が原因なんかのぉ。また単純ミスじゃあるまいな。

 H-IIAへの道のりは、これでまた一段と険しくなってしまったのぉ。
 論評は、詳しい原因がわかってからじゃ。


1999.11.16(Tue)

ソフトウェア開発

 とあるアマチュアプログラマのサイトの日記を読んでいて、思ったこと。開発中のソフトウェアについて書いてあったのだが、今度のヴァージョンアップはソースコードを1から書き直しているのだとか。その理由が、機能の付け足しでソースコードが汚くなったから(と書いてたわけじゃないが、つまるところソースが自分でも把握できなくなったということだろう)。10年前ならばプロでもこういう言い訳をちょくちょくやっていて、機能追加に極端に弱いモジュール構成(というか、汎用性とか部品化という思想は、納期に追われる開発現場の最前線では、当時ほとんど考慮されていなかった)にも、よく遭遇したものだ。

 さて、このアマチュアプログラマ氏だが、プロフィールによればC/C++言語歴は4年とある。専攻は情報工学。とはいえ、所詮は学生レベルであり、1からソースを書き直さねばならない状況の意味が、理解できていなくてもしょうがない。職業プログラマを目指しているとのことなので、ソースを1から書き直すことの利点ばかりを探すのではなく、欠点のほうが多いのだということに、はやく気づけるようになってほしいものである。

 たしかにCPUパワーが貧弱だったり、メモリ容量が今とは比較にならなかった昔には、速度効率を上げるためのトリッキーなコーディングや、ソースの可読性を犠牲にした不可解なモジュール構成は、いたるところで多用されていたし、そういうコードが書けるプログラマのほうが、優れているかのような風潮さえあった。今でも、リソースに金を贅沢にかけられない組み込みシステムなどでは、こうした開発スタイルが残っている場合もある。だが、もはやトリッキーなコーディングは、コンパイラの最適化に及ばず(よほど優れたプログラマならば別だろうが)、保守性を無視した設計は、逆に開発効率が低下する。
 というようなことを、プロは周囲の強者どもに揉まれながら会得してゆくのだが、どうして Windows は、こうもよくフリーズするかな。プロの中にも、まだまだアマチュアレベルなのが、大勢残っているということか。何事も、井の中の蛙状態が、状況を悪化させているような気がするな。


1999.11.17(Wed)

驚きのメール

 出勤して、Lotus Notes を起動するのが習慣になっている。Lotus Notes が社内標準になって、はや数年。だが、いまだ各種申請書類の電子化には至っていない。それでも、みんながメールアドレスを持てたことと、電子掲示板が構築されたことの意義は、それなりにあったような気がする今日この頃である。

 今朝は、新着メールが3通あった。いつものように、1つずつ開封してゆく。
 2通目を何の気無しに開いて、しばし動きが止まる。そのメールは、こういう出だしで始まっていたのだ。

 “社長の立花(仮名)です。”

 1万人を超える社員の、頂点に立つ男からのメールであった。しかも、驚くべき事に宛先には私を直接指名しているのだった。cc:などの指定もない。一度も会話したことさえない社長が、いったい私に何の用があるというのか!?じわりと緊張が背筋を走る。
 一気に中身を読んだ。そして安堵する。これはダイレクトメールの類と同じものだとわかったからだ。昨今の不況にあたり、従業員一丸となって取り組もう云々というお話であった。
 それならば、なぜ宛先が私宛になっているのかが、わからない。同報メールにすべき内容だというのに。もしや社長、メールの使い方を知らないとか…、いやいや、社長が自分でメール書いて送信なんかするわけない、これをやらされたのは秘書の方々か、総務の人だろう。だとすると、同報メールの機能を知らないはずがない。社員一人一人に、直にメールを送れという指示があったにちがいあるまい。

 あとで社内の電子掲示板を見ていると、やはりみんな同様の疑問を持ったらしいことがわかった。スレッドが続いてる。つらつらと眺めてみると、手作業でメールアドレスを一人づつ入力して送信したので、着信時間に数時間の差が出ているのだという情報もあった。
 業務の無駄を見直し、コスト半減に取り組もうという内容のメールで、こんな非効率なことをしているのではなぁ……。頭を抱えてしまったのであった。

スパロボ64

 ついにLicが参戦した。今度もLicはスーパー系を選んだようだ。主人公の名前も、以前と一緒(ちなみに私も主人公名は、ずっと同じものを使用)。
 リアル系と、ストーリーが絡んでくると面白いのだけど。あるいは、セーブデータを融合して、新たなシナリオが始まるとか。どんな展開になるのか、背後からチェックしなければ。


1999.11.18(Thr)

待ってました

 あの amazon.com が、日本進出とのニュースを見た。ついに日本語書籍も扱うようになるのか。これはもう、否が応でも日本の出版流通は変革を迫られるんじゃないだろうか。でなければ、再起不能だろう。いや、Amazonを追い出すという手もあるにはあるが、そんなことをすれば国際的に問題となろう。これからどのように出版業界が変わっていくのか、じっくり見物してやろうと思う。

 でも流通革命、ほんとうに起こせるのだろうか。日本の本屋で、定価以下の販売が可能になれば、それは素晴らしいことだが。それに加えて、アマゾンの書評システムなどが、日本の書籍にも対応するのかどうかっていうのも気になるところだ。あぁ待ち遠しい。


1999.11.19(Fri)

冬支度

 ペットヒーターでぬくぬくのにゃんきちくんだが、同じく廊下で生活している砂ネズミ&ロボロフスキーハムスター達は、だんだん夜間気温が10度を下回る日が多くなってきたので、チップに掘った巣穴からあまり出てこようとしなくなった。
 餌をやっても、じっと巣穴から目だけが覗いていたりする。そろそろ暖かなリビングへ移動させねば!というわけで、本日、お引っ越しを実行した。

 さっそくロボ達は起きだしてくると、回し車を猛スピードで回したり、つぶらな瞳でリビングの様子を窺ったりし始める(視力が悪いので見えてないはずなのだが)。寒くなってきたせいか、やや毛皮がもこもこしてるのも、可愛さに拍車をかけていた。思わず握りつぶしてしまいそうになるくらいだ。でも、ロボロフスキーは触って可愛がるタイプではなく、あくまで鑑賞主体のペットである。可愛いからといって、彼らを驚かすようなことはできない。触れない分、目でじっくり堪能しよう。

 そうしていると、あかねちゃんが回し車を外から両手で回してくれたりする。ぺたっと座り込んでいるのだが、短い両脚もぴくぴくっと規則正しく跳ね上がってるところが、ますます愛らしい。この回し車の外回しの技は、他の種類のハムスターでも見られるのだが、できるコとできないコはわりとはっきり分かれるようだ。ダンがこの技をやってるのを、これまで見たことはない。

 回し車は、以前は運動不足解消のためつけるべしというのが通説だったが、最近は特になくてもいいのでは?という感じに変わりつつあるらしい。ケージから出してのお散歩についても、否定的見解が主流になっているようだ。飼育人口が増えると、それだけ飼育例が多くなってくるので、わかってくることも多いのだろう。すると気になるのは、大雪師走の『ハムスターの研究レポート』の続きである。お散歩中の別荘建設や、コードかじられ事件、真夜中の本棚移動などなど、多くのネタが好ましくない事例ということになってくる。どうやって新ネタを提供してくれるだろうか。……それより、『ハム研』は現在も連載されているのかな?続巻が出なくなって久しいような気がする。ハムスター関係のコミックは、あれからずいぶん出たけれど、私にとってはやはり『ハム研』が一番面白かったので、ぜひ続きを読みたいのだが。


1999.11.20(Sat)

昼下がり

 なにやら庭のほうが騒がしい。夢見心地な目覚めの瞬間である。窓の外が、やけに明るかった。ぼぉっとした頭のまま、枕元の目覚まし時計をつかみ上げ、針を探す。

 午後1時ちょっとまえ。……ほぉ、もう昼か。

 昨日も、明け方までスパロボ64をやっていたのだった。まだ耳の奥で、BGMが流れているような気さえする。
 寝足りないが、今日の天気は素晴らしすぎる。庭のほうから聞こえていたのは、みこりんの遊ぶ声だ。起きねばなるまい。

 Licとみこりんに、おはようの挨拶をしてから、今日は何をすべきだったか思い出す。グッピー水槽の水換えをしなければ。

 水換え作業が終わり、お腹をすかせてリビングへ戻ると、テーブルとホットカーペットの位置が入れ替わっていた。しかも片づいている。今日はLicが模様替えしたい気分だったらしい。部屋の中も冬支度ということだろう。あとはストーブを出せば完璧だ。

 みこりんはお昼寝中だった。起こさないように、二人でほうれん草と唐辛子&ガーリックで炒めたパスタ料理を静かに食す。いつもは小さな折り畳み式ちゃぶ台で食べるのだが、今日はテーブルに用意されていた。なんだか広々してて、ちゃぶ台とのアンバランス加減に笑いの衝動がこみ上げてくる。Licの言った、“お金持ちの食事風景は、どうして長〜いテーブルの両端に、わざわざ離れて座ってるのだろう?”という問題提起も、今は笑いのツボに入ってしまうのだった。
 なにやらのどかな晩秋の昼下がりのことである。

お買い物

 休日恒例のお買い物。まずはホームセンターから。
 今日は目的があった。豆炭を買うのだ。豆炭といえば、かなりガキのころ、コタツに使ってた記憶があるが、20年以上、自分の周囲で豆炭の姿を見たことはなかった。今でも売ってるのかわからなかったが、なくなってることはないだろうと思ったのだ。

 そんな豆炭を今さら何に使うのか?ということだが、ワーディアンケースの加温用に使うのである。電気ヒーターでは電気代がかかるし、高価な加温設備は論外、豆炭一個で十分大丈夫そうな気がしたのだった。特に根拠はないのだけれど。
 ホームセンターでは、すでにクリスマスツリーが電飾を施され、たたずんでいた。みこりんがさっそく目を輝かして「くりすます!」と指さしている。去年は、我が家でもクリスマスツリーを買って飾ったのだが、みこりんはたぶん覚えていないだろう。ツリーを見上げるみこりんの顔を見ていると、そろそろ今年もツリーを飾ってもいいかなと思う。

 豆炭は、奥の入り口付近で大量に売られていた。まだまだ需要は多いらしい。でかい袋ごと買わないといけないので、もし加温に不適と判明したら、困ったことになるなぁとは思ったのだが、値段がそれほどしなかったので買うことにした。着火用の専用の鍋もついでに買っておく。なんだか懐かしい感じだ。
 目的のものを買ったので、あとは園芸部門を軽く流してみる。ハイドロカルチャーの苗の中に、“トックリヤシ”を発見。ホンモノの“トックリヤシ”だろうか。聞いた話では、別種を“トックリヤシ”といって広く売っているらしいのだが。本物だったら、欲しいかも。

 この時期のお約束、大量のシクラメンとポインセチアが売られているのだが、1鉢298円という値段のついたポインセチアの群が目に付いた。一見、立派そうな株だが、じつは挿し木苗一本株のため、横からみるとかなり貧弱になっている。どうやったらこんな風に、頂上部ばかりを大きく育てられるのかわからないが、値段のわりに見栄えはするので1鉢買うことにした。やはり寒い季節は、こいつの鮮やかな赤い葉っぱがないと元気が出ない。シクラメンは、今年夏越しに成功したので大丈夫。このポインセチアも、うまく来年まで維持できればよいのだが。短日処理は、いかにも面倒。結局来年も買ってたりして…。

 洋ランのコーナーでは、真っ黄色のファレノプシスがあった。ミニ・ファレノで黄色いのは以前から知っていたが、ここのところ洋ランから遠ざかっていたので、こういう大型品種にも黄色いのが出てきたとは知らなかった。品種改良の技術は、あいかわらずのようだ。我が家の洋ランが、カイガラムシに全滅させられてはや2回目の冬。セントポーリアの世話も軌道に乗ってきたし、そろそろ洋ランを再開してもいいかなと、考えたりもするのだった。

 ホームセンターのあとは、お決まりのマーゴで締め。みこりんは、今日はなぜかアイスクリームな気分だったらしい。いつものポテト&バーガーには見向きもしなかった。この寒いのに、どういう心境の変化が?

 おおた慶文のカレンダー発見。今年こそは買わねばなるまい。だが今日は手持ちがない。次回におあづけだ。カレンダーといえば、90年代前半に、半裸を披露してくれた田村英里子を思い出す。田村英里子、NHKでやってた『我が愛しのウルトラセブン』で見たのが最後のような気がする。今、何処で何をしているのやら。ちょっとお気に入りだったのだが。

ぽん!

 夜、さっそく買ってきた豆炭に着火させる。鍋の塗装が燃えて、有機溶剤系の鼻につく匂いがリビングに立ちこめた。これ、燃えるのわかってるのに、どうして塗装しているのだろう。錆止めのためだけだったりして。

 かなり熱しないと、すぐに消えてしまうことがわかり、Licが再度着火にトライ。ガス代が気になるらしいLic。豆炭一個だけ着火させるのには、炎が大きすぎるのだ。かなり無駄に炎が燃えている。
 半分ほどを赤く燃やして、ワーディアンケースに再セット。豆炭は、缶詰の缶のうえにガラス製の灰皿を乗せて、そこに置いてみた。温度は上昇してくれるだろうか。

 やがて、ぱりんという景気のいい音が発生。豆炭の乗ってた灰皿が、見事に四散していた。豆炭の熱には耐えられなかったようだ。缶の上に乗せて置いてよかった。豆炭は、だるま落としのだるまのごとく、今度は缶の上に鎮座している。缶だと、熱伝導が良すぎて、ワーディアンケースの棚まで燃えてしまいそうなので、お香セットの陶器製の皿を使うことにした。これならば割れないだろう。
 豆炭1個で冬をしのげれば、ありがたいことなのだが。


1999.11.21(Sun)

ハイフレッシュの出番

 室内に取り込んだワーディアンケースの中では、続々とセントポーリアの花芽があがり、花盛りである。育て初めて4年目にしてようやく花を見ることができた株もあったりして、嬉しい限り。手をかけた分が、こうやって反映されれば張り合いもあるというものだ。

 ところで、先月の植え替えではミリオンAが途中でなくなってしまったため、原種しか植え替えできなかった。園芸品種のほうは、来年の春に植え替えするまで、何か別の手を打たねばならない。こういうとき便利なのはハイフレッシュである。
 ハイフレッシュというのは商品名で、中身は珪酸塩白土の粉末であり、効能は土壌の酸度調整、病原菌類の繁殖抑制、根腐れ防止、肥料濃度の調整、ミネラル補給などなど。ハイフレッシュをオブラートに包んで飲めば、人間の胃腸具合にも良いとか。ハイフレッシュは、セントポーリアの栽培を容易にしてくれる強力なアイテムの1つなのだった。

 植え替えできない場合には、このハイフレッシュを土の表面に散布してたっぷり水をやり、土中に行き渡らせることで、植え替えと同じ様な効果をもたらしてくれるのだとか。セントポーリアは、なにより土中が酸性になるのを嫌う。ハイフレッシュの酸度調整機能が役に立つ場面である。
 来春からは、大株仕立てに挑戦してみようかなと、少し思ってみたりもする今日この頃。

クリスマスツリー

 押入の奥からクリスマスツリーの箱を引っぱり出す。みこりんが、何事か察知してそばに来る。「なにしとんのー?おとーさん」と何度も繰り返すみこりん。気になってしょうがないらしい。「クリスマスツリー出すんだよ〜」と言うと、わかったみたいだった。箱を一緒に運びたいという。そのまま階段を降りるのは危険なので、廊下から一緒に持ってもらった。何かを運ぶときのかけ声は、みこりんの場合「わっしょいぴっぴ」。なんだか御神輿を担いでいるかのようである。

 リビングへと到着すると、さっそく開封。みこりん待望のクリスマスツリーが登場した。枝葉を広げ、脚を付け、直立させる。箱の中から各種装飾用アイテムを引っぱり出してくるみこりん。銀の球やらクマの人形やらいろいろあって、みこりんの目つきも真剣だ。さっそく自分で球をつけようとするのだが、これはちょっと難しかった。つり下げ用の糸が細すぎるのだ。何度か試してみて、自分では無理なのがわかると、私に手渡してくれた。そして「ここにつけて」と指示してくれる。おぅ、つけてやるとも、今度はどこがいいかな?みこりん。

 そうやって次々に装飾品がぶら下げられ、ついにデコレーションは完成した。どこに置くべきかしばし迷う。電飾もあるので、コンセントの近くでなければ…。結局、テーブルの上にした。延長コードをテーブルまで引っ張ってきて、コンセントを挿す!…あれ??点滅しない。

 常時点灯の部分だけが、ぽぅっと灯っているだけだった。点滅用のランプのどこかが断線しているらしい。スペア球を取り出し、点検点検。
 直列につながっているので、どこか一カ所でも断線すると、全部が消える。断線箇所を調べるには、一個一個交換して確認しなければならない。幸い、最初に抜いてみた電球が断線していたようで、スペアを差し込むとあっけなく点滅を開始した。
 みこりんは、じぃっとツリーを見上げている。そして椅子に上り、ツリーに触れてみて、こういった。

 「はぴばーすでとぅゆー!おめでとー ぱちぱちぱち!」

 な、なんか違うぞみこりん。

スパロボ64“地球防衛”

 ネタバレ注意!





 ついに銀河帝国軍の地球降下が始まった。我が隊は、南米で敵を迎え撃つ。
 強力な外敵を前にしても、地球圏の勢力はいまだ分裂したままである。宇宙からの侵略者をまえにすれば、地球は1つにまとまるという、ありがちなストーリーにならないところが、好感を持てる。こういう物語の盛り上げ方は、かなり好きだ。
 そして『グラドスの刻印』。なるほど、こういう場面では最適なアイテムだ。レイズナーのシナリオをうまく融合していると思う。ターン制限もあり、適度な緊張感が心地よい。

 トッドが復活した。こいつは説得してなくても戻ってくるのかな?ズワウスを持ってきたが、すでにビルバインを相当改造しているので、ショウを乗り換えさせるか迷うところだ。ショウは回避能力が素晴らしいので、ビルバインの飛び道具は敵のターンで、とても有効に使えるのだ。ズワウスには飛び道具がついてない。うーん、マーベルをもっとレベルアップしておけばよかったな。

 νガンダム、ようやく登場。フルアーマー百式改の方には、さっそくクワトロを乗せておく。ファンネル最大改造で、マップ兵器のファンネル追加。もちろん強化アイテムには高性能レーダーがお約束。
 ところで、アムロ、カミーユ、フォゥ、ジュドー、クワトロは2回動きできるようになったのだが、すべてのステータスで彼らを上回っているショウやエイジが、ちっとも2回動き可能にならない。もしや2回動きできるキャラと、できないキャラがいるのかな?それとも上限が高く設定されているのだろうか。もっとボスキャラを倒させてみなければ。


1999.11.22(Mon)

こんな天気のいい日には

 思わぬ事情で、今日は有給休暇である。つまり、土曜から4連休になったということだ。時間がありすぎて、何から手をつけていいのか迷ってしまう。

 とりあえず、今日はまるで初秋のような気候ということで、布団を干すことにする。ベランダが狭いので、全部の布団を並べられないのが悔しいところ。ベランダに干せなかった布団は、別の窓から屋根にかぶせて干しておく。
 そうしてから、掃除に片づけ。普段なかなかできないことは、たっぷり時間のある今日みたいな日にやってしまうに限る。

 本棚の数がぜんぜん足りない。このまえ新しく本棚を追加したというのに、はやキャパシティオーバーだ。売れる本はないものかと、本棚を探っていると、アスペクト版の『幻魔大戦』に目がとまる。6巻までしか揃っていない。角川文庫の『幻魔大戦』を売り払うかわりに、こいつで新たに揃えようとしたというのに、たしか途中で続巻が出なくなったのでこうなっているのだ。で、現在『幻魔大戦』は、別の出版社から文庫サイズで再出版されている…。平井和正の作品には、たまにこういうことがある。どういう事情か詳しくは知らないが、読者にとってみれば迷惑このうえない。書き下ろしならともかく、元原稿のあるやつを途中で止めるのは勘弁してほしいものだ。
 出版年月日の新しいうちに売ってしまったほうがいいかもしれないな。『幻魔大戦』が図書館にあることも確認できたし。ウルフガイシリーズならば、手元に置いとくけどね。

 ハルキ文庫で再出版された『狼男だよ』、きちんと最後までアダルトウルフガイ全作品が続巻で出るのなら、買ってもいいのだが…。また本の置き場に困ってしまうのだけれど。

初!

 「ひこーき!」とみこりんがうれしそうに言っている。積み木で遊んでいるのだ。見ると、なんとなく飛行機に見えなくはない形状のものが、積み木で組まれていた。Licが作ってあげたのかと思ったのだが、なんとそれはみこりんが作ったのだという。みこりんが、こうやって意味のある形状に積み木を配置したのは、今日が最初である。いつも意味不明な物体ばかりだったのだが、今日のは自ら“ひこーき”と命名したように、最初から目的を持って作ったらしい。しかもそれっぽい形状になってるのが素晴らしい。

 “ひこーき”のあとは、“お家”、“ぶっぶー”など、続々と積み木が意味ある形状をもってゆく。どうしたのだみこりん。いつのまにこんな技を会得していたのだ。保育園では、以前からできていたのかな。なんにしても、今日は記念すべき日であることは間違いない。……あ、写真撮っとくの忘れた。

サラウンド復活

 学生時代から愛用していた YAMAHA のサラウンドプロセッサ DSP-100&DSR-100Pro を手放してはや数ヶ月。とはいえ5年前に、同じく YAMAHA のAVサラウンドアンプを買っているので、サラウンド環境は健在だったのだが、リアのスピーカーを接続してなかったため、長らく2chのままだった。しかし、今日は、ついにリアスピーカーを接続する。サラウンド復活の日なのであった。

 Licは、4chの威力をいまだ知らないという。ぜひとも体感させてやらねばなるまい。オーディオラックの後ろに潜り、コードを接続、リビングをぐるっと囲むようにコードを這わせて、リアのスピーカーへ。ほんとうはリアスピーカーは天井から吊ったほうがいいのだが、まずはLicに4chを味わってもらうため、床置きである。

 アンプのテストを実施する。ホワイトノイズが右、左、センター、サラウンドという具合に始まった。サラウンド機能は DSP-100 のような専用機ではないため、ほとんど設定をいじれないのが難点ではある。特にリアの音量設定と左右バランスが、フロントと完全に連動してしまっているあたりとか。ま、複雑な機能ゆえ一般受けしなかったDSPシリーズと一緒にしてはいけないのだけど。

 復活の最初の音源は、プリンセス・プリンセスのアルバム(たまたまCDプレーヤーに入ってたので)。うんうん、たしかに4chになっている。音が包み込むように回り込んでいるのがわかる。次にLicが定位置で聞く番。リクエストは『革命』。最初、『革命』と聞いたとき、ベートーベンの『運命』と勘違いしてて、「そんなCDあったっけ??」などと探してしまった。結局、「ないよー?」と言う私に、「じゃ、ショパンにして」とのことだったので、かけてみると、一曲目が『革命』だったという。

 Licにも4chはなかなか好評みたいである。音質を追求するというより、雰囲気をリアルにするのがサラウンドの真骨頂。なので少々水槽の音がやかましくとも大丈夫なのだ。あとはスーパーウーファーが欲しいところである。

自作

 低い電動音が響いている。Licがミシンで夜なべしているのだ。作っているのは、みこりん用の着ぐるみ。着ぐるみといっても、遊園地などにいるクマやパンダではない。パジャマの上から着せる、つなぎ服だ。みこりんが布団をよくはねとばすので、風邪をひかないようにとの母心なのであろう。

 青と白のチェック柄が、じつに男らしい……、いやいや、可愛らしい。私もLicも青系の色彩を好むので、みこりんの服には赤系のほかに、青系も同じくらい存在する。みこりん自身は、赤と黄色が好きなようなのだが。

 昨日の夜、型紙を作っていた。で、今夜、もう完成したらしい。え?ファスナーの長さを間違えた?完全なる完成は、明日に持ち越しのようである。でも、ほぼ完成したとかで、見せてくれた。洋服を作るのって、意外に早く終わるのだなぁ。遠目には、まるで既製品のように見える。やはりミシンの力はすごい(あ、もちろんLicもすごい)。これを全部手縫いでやったら、大変だろう。若干、お尻付近に穴が開いてるのが、ご愛敬。みこりんが喜んでくれるといいのだが。

 布が余ったので私にも何か作ってくれるらしい。さっそく“ピーコの籠カバー”をリクエストする。夜の寒さからピーコを防ぐには、籠カバーが最適だ。
 あっというまに出来上がってしまった。すっ、すごい。その調子で、今度は砂ネズミとロボのケージカバーもお願いしようとしたのだが、布地がもう余ってなかったので叶わず。ミシンを片づけるまえに、布地を買ってきてくれるといいんだけどな。

スパロボ64“銀河帝国倒す”

 ネタバレ注意!





 『グラドスの刻印』発動で、動揺する銀河帝国兵士達。この隙に皇帝ズールを倒してしまえば……。というわけでアステロイドに出撃である。

 ハマーンが共闘を申し入れている。迷った結果、共闘することにした。だが、いずれ白いキュベレイは倒さねばならないのだ。
 ついに皇帝ズールを倒す。だが、謎の敵が出現。ゲッター自爆イベントで、前回接触したやつの仲間らしい。前回は、こちらのレベルが低くて必中でなければ当たらなかったが、今回はばしばし当たる。特に苦労せず倒すことができた。HP復活能力を持ったやつには、波状攻撃に限る。
 これで銀河帝国フェーズ終了。あとは地球圏での勢力争いに戻る。

 で、感じたことだが、銀河帝国軍が強くないのが、いまいちマイナスポイント。1機も撃墜されなかった。余裕で進めることができるので、緊張感に欠けてしまう。HPは確かに大きい敵が多かったが、それ以上に味方の攻撃力が上がっているので、問題にならないのだ。敵の攻撃はほとんど当たらないし。このあとの、地球人同士の戦闘のほうが、よほどスリリングだ。リアル系だと、敵の攻撃が1発でも当たれば即破壊になってしまうので、1つのミスも許されない。スーパー系でさえ、2〜3発で破壊されてしまう。銀河帝国軍の攻撃力より、はるかに上回っているのだ。たしかにエース級のパイロットだと、ばしばし避けてはくれるのだが、たまに15%とかの命中率でヒットしてしまい、破壊されてしまうことがある。以前なら1発当たっても、破壊されることはなかったのでさして問題にはならなかったが、1発即アウトでは戦略に大きな影響が出てしまう。このへん、ややゲームバランスが悪い。

 もっと運動性を上げるべきか。だが、いまでさえ150くらいに上げてある。これ以上は金がかかりすぎだ。集中をもっと頻繁に使わなければなるまい。

おしとやか

 今夜もにゃんきちくんをケージから出してやる。だが、最近なぜか彼女はリビングに入ってこない。抱っこして連れてきても、すぐに出て行ってしまうのだ。そして自分でケージに戻って、ペットヒーターの上に座ってる。

 リビングでもホットカーペットがついているのに、どうしてにゃんきちは入ってこないのだろう。餌でつったり、いろいろやってみたが、これという決定打は見つからない。
 なにかひどく神経質な感じにもみえる。ちょっとした物音に、びくっとしているし。シャム猫系は繊細とは聞いていたが、これで普通なのかどうか気になるところ。何かにゃんきちくんに、気になることがあるのかもしれないな。


1999.11.23(Tue)

一転

 今朝は昨日までの晴天とはうってかわって、まるで冬の空であった。鉛色、木枯らし、思わず雪が降ってこないかと天を仰いでしまう。
 たしか去年の初雪は12月1日だった。いつのまにか、今年もあと1週間足らずで師走。雪が降っても、おかしくはないのだ。そろそろ秋も終わりだなと思ったら、訳もなく胸の奥がきしんだ。
 今日は勤労感謝の日。一日ゆったりしてみるか。

 庭では、いまだトマトが鈴なりである。日照が足りないせいか、いつまでたっても緑のまま。赤オクラは、もはや蕾をつけてもそのまま落ちる。巨大シシトウ“ユニコーン”、種取り用の巨大な実が、赤く色づき熟れ残った柿のような感じ。こちらは、ちらほらと若い実が見えたので、みこりんに収穫してもらった。みこりんのちっちゃな手が、シシトウの食べ頃サイズの実をもぐにはちょうどよい。

 Licの両手いっぱいになるくらい収穫できた。意外に多い。収穫ついでに、家庭菜園ですくすく大きくなっている大根の最後の間引きを実行する。かなり本葉が大きくなっているので、抜いたものでも十分食べることができるのだ。
 その夜、食卓に出されたのは中華丼。それに大根の葉っぱのおひたし。中華丼には、収穫した巨大シシトウが大量に入っている。これだけあると、食いごたえ十分。加えて、鉢植えで育てていた白菜“ポチ”もメインで使われており、自給率かなり高い。これでウズラでも飼っていれば、卵も自給自足が可能になるのだが。来年の課題としておこう。

アクティブマスコット

 先日、自宅のPCに“テライユキのアクティブマスコット”をダウンロードして、インストールしておいた。アクティブウインドウの端っこに、ちょこんと座っていろいろしゃべってくれるのだが、みこりんにとって、これがじつに新鮮に映ったらしい。さっそく私の膝の上によじのぼってきて、「なにこれー!?」と指さしてる。

 「ゆきちゃんだよ」と言うと、「ゆきちゃん ゆきちゃん」と嬉しそうに繰り返した。そして、彼女が何かしゃべるごとに、みこりんも真似してしゃべる。手を振ったら、振り返す。アクティブマスコットの動きは、それほど複雑ではないのだが、みこりんにはそれでも十分らしい。
 これほど興味を持ってくれるとは正直思ってなかったので、何がそんなにみこりんの気を惹いたのだろうと気になってしまう。心当たりといえば、みこりんは若いお姉ちゃんが大好きなことくらい(男の子も同じくらい好きらしいのだけれど)。……、もしやそれだったりして。

にゃんきちのお布団

 リビングに入りづらそうなにゃんきちのために、今日はペット用のソファ(囲いがついてるタイプ)を買ってきてやった。何か居着くものがあれば、リビングにも落ち着いて入れるのではないかと思ったからだ。
 さすがに最初は警戒して寄ってこなかったので、しばらく放っておくことにする。

 ケージの上に、ソファをのせて数十分。TVを見てるうちに、私の方がソファの存在を忘れてしまい、お風呂を入れに廊下を歩いていたところ、いきなりにゃんきちと目があったので驚いた。にゃんきちは、ソファの中でぬくぬくしていたのだ。その高さがちょうど私の目線だったので、びっくり度200%増しであった。
 よしよし慣れてくれたようだと、リビングに持ってくると、やっぱり逃げて行ってしまう。みこりんが、目新しいソファに意気込んで、「おいで!おいで!」と、激しくにゃんきちに勧めるのも逆効果だったようだ。ゆっくり慣らしてゆくしかないか。

 ところがである。その夜、風呂上がりにスパロボ64を寝転がってやってる私を見つけたにゃんきちは、それまでのリビング嫌いが嘘のように、ちゃっかり私の胸の上に丸くなってくつろいだのであった。しかも、私の顔に自分の顔をすり寄せてすり寄せて、画面が見えなくなるほどに。
 なかなか気まぐれなお嬢さんである。


1999.11.24(Wed)

T33A墜落

 連休の間、ニュースから離れていたので詳しい情報がわからなかったのだが、今日、T33A墜落の各種ニュースを目にすることができた。住宅地に墜落しないよう、自らの命を犠牲にして、最後まで機体をコントロールしたパイロットの行為を讃えるべきだろう。しかも、脱出最低高度を切ってしまって、もはや助からないことはわかっていても、脱出装置が故障していたのではないことを証明するために、ベイルアウトしている(大抵の空自パイロットは、そのようにするのだという)。整備員に、いらぬ迷惑がかからぬために。
 このような優秀なパイロットを失ったのは、残念というほかない。あまりに大きな損失だ。

 今回の事故の問題点は2つある。1つは、T33Aのような稼働開始後40年あまりも経過している機体が、いまだ現役で使われていることだ。たしかに防衛庁が言うように、飛行時間でいう耐用時間は満たしているのだろうが、40年の歳月を考慮すれば、機体各部の経年劣化は修復不可能なレベルにまで進んでいても、おかしくはない。明らかな消耗品は、交換で新品にすることができるが、システム全体を総取り替えなどしていないのだから、どこかに無理がかかっているのだ。しかも、T33Aの備えている脱出装置には、ゼロ高度脱出の機能はなかった。最新の機体のように、ゼロ高度でも脱出可能であれば、今回のように直前でベイルアウトしても、パイロットは死なずにすんだかもしれないのだ。残存するT33Aは、当面飛行中止といわず、予定を早めてでも速やかに退役させるべきなのではないのか。これ以上優れたパイロットを失ってからでは、遅すぎる。

 もう1つの問題点は、たかが1系統の高圧電線を切っただけで、あれほどの大停電になってしまったことだ。航空機事故以外にも、あのようなアクシデントは地震、破壊工作などいろいろ考えられるというのに、なぜ二重系になっていなかったのか。与える影響を考えるならば、普通ならば二重系にすべきステムのように思えるのだが。競合他社が存在しない電力会社の独占が、なぜ許されているのか考えれば、こういう場面でのコスト意識の発動は、本末転倒であろう。
 幸い、阪神大震災の教訓から、主要施設では新型コジェネレータなどによるバックアップ電源が順調に稼働し、重大事故には至らなかったが、こういう事態に簡単になってしまうシステムは、やはり問題がある。

 今回の報道では、あいかわらず自衛隊バッシングが一部に見られたようだが、墜落地点が住宅街をそれた理由など、ほんとうのことが語られるようにもなってきた。変化の兆しを少し感じた出来事である。


1999.11.25(Thr)

Mai.K

 たまたま SkyPerfecTV! のMFTVチャンネルをつけてみたところ、いきなり画面に視線釘付けとなった。画面で紹介されていた彼女は、Mai.K こと 倉木麻衣。

 “アメリカBip!レコードより16歳で全米デビュー
 デビューマキシシングル“Baby I Like”即日SOLD OUT
 1999.12.8.「Love, Day After Tomorrow」日本デビューを果たす”

 BGMで流れている曲は、しっとり落ち着いた感じで心地よい。その雪の結晶をイメージさせる透明な声は、一度耳に入れば二度と忘れないであろう響きでもって、私の脳幹を包み込む。近年希にみる、美声である。

 プロモーションビデオが流れ始めた。動きはあくまでしなやかで、指先の動きまで柔らかい。どことなく『Automatic』の宇田多ヒカルを連想させる仕草。というより、最近の女の子の動きは、みんなこうなのかもしれないけれど。
 だが、なんといっても最大の魅力はそのルックスであろう(っていうと、うた歌いの彼女に失礼かもしれないが)。きりっと引き締まった眉、知的な瞳、整った目鼻立ち。どれひとつとっても一級品である。これほどとびぬけたパーツが、よくここまで凝縮したものだと感心してしまうのである。

 これまでノーチェックだったが、大ブレイクしておかしくはない。あぁしかし、メジャーになって、あらゆる手垢にまみれてほしくはないかも、という思いもあったりして、なかなか複雑…。
 彼女の公式サイトはこちら


1999.11.26(Fri)

記憶

 夕食後、みこりんが「“ち”がでとった」と言うので、驚く。どこか怪我したのだろうか?みこりんに聞いてみると、どうやら血が出ていたのは自分ではなく、保育園のお友達らしい。なるほど、今日あったことを報告してくれているのだな、と思って安心して続きを聞くことにする。

 手を噛まれたのだという。ウサギに。みこりんの保育園には、小さな飼育小屋があって、先月まではホロホロ鳥の“ホロちゃん”が住んでいた。だが、「とらっくにのっていっちゃった」(by みこりん)んだそうで、代わりにウサギがやってきているのだった。何度かウサギの名前を聞き出そうとしたのだが、みこりんにうまくはぐらかされてばかり。ホロちゃんの名前は覚えていたのに、ウサギはあまり好きではないのかな?
 いや、それよりも、園児の手を噛んだというそのウサギの今後が気になるところである。ウサギは、あれで意外に気が荒いところがあるから……

 みこりんは、最近たくさんおしゃべりしてくれるので面白い。以前から、口は達者だと思っていたが、その傾向はますます顕著である。近頃は、特にお話のトリガとなるべきアイテムがなくても、頭の中だけで思いついたときにしゃべってくれるのだ。
 だが、Licによれば、保育園であったことをお話してくれていても、それが今日あったこととは限らないらしい。そう言われてみれば、消防車のイチイチ君に乗ったのは今日ではないし、子牛のペコちゃんと遊んだのは、先月のことだ。ウサギのお話も、今日の出来事ではないのかもしれない。
 みこりんの頭の中では、いまだ過去の流れが混沌となっているのかもしれない。今日というリアルな現実以外は、すべて思い出の袋の中でごちゃまぜになっているのではなかろうか。もしかすると、“今”という事象さえ、膨大な記憶の中においては区別されていないかもしれない。あらゆる出来事は、記憶の中に。そう思えば、みこりんの唐突に思い出したような言動も、なんとなく理解できるような気もする。さっきまでヨーグルトを食べていたかと思えば、ずっとまえに遊んでいたオモチャが箱の中にあるといって探しに行ったりするのだ。現実と過去が、頭の中で混ざっているのだとすれば、合点がゆく。

 また、みこりんがめちゃくちゃ物覚えがいいのは、古い記憶、新しい記憶の区別なく、すべて同じレベルで格納されているという仮説の、重要な証拠でもある。半年くらい前の出来事を、ふいについさっきやったことのようにお話してくれるのだ。
 人間の脳が、連想記憶により膨大な記憶を蓄えることが出来るのは、効率的に忘却するからだという説がある。不要と思える出来事は、忘れ去ることで、より重要な事柄を覚えていられるというのだ。常に活性化している記憶領域と、普段は不活性で思い出せない記憶領域の使い分けといえばよいだろうか。おそらく、みこりんサイズの幼児では、この両者の使い分けがいまだうまくできていないのではなかろうか。すべてが活性記憶領域にあって、しかも1日が24時間で、1ヶ月が31日あって、1年がさらに365日あるなんてことを知らないみこりんにとって、過去の記憶はすべて“覚えていること”以上の価値がないにちがいあるまい。

 では、将来に対する認識はどうなのか?というのも気になってくる。保育園では、帰るとき「またあした」といって別れてくるという。“あした”とは、みこりんにとって特別な何かだろうか。いや、おそらく今はまだ、“あした”という響きしか重要ではないはずである……、って、こう思う根拠は何だろうと考える。これまでのみこりんのお話からでは、「明日何しよう」とか「明日こうしたい」というのが私の知る限り、ないのだ。明日というものの存在を、みこりんが認識しているかどうかということになるのだが、現在のところ、それはないのではないか、ということだ。明日とは何ぞや?時間とは?…じつはみこりんにとって、そんなことは自明の理で、説明するまでもなく受け入れるべき事実だったりしたら、それはそれで面白いのだが。

 ところで、最近みこりんは、“時計の針が特定の場所まで進んだら”という条件を意識するようになってきた。時計が、時間の流れを示すものであると、徐々にわかってきたのだろうか。みこりんの記憶に、時系列による順序立てがなされる日も近いかもしれない。


1999.11.27(Sat)

今日の園芸

 だんだん布団が恋しくなってくる昨今である。起きたのはすでに昼前。太陽は出ているが、気温が低い。そろそろチリーアヤメを植え付けなければ発根の時期を逸してしまうかもしれない。
 木製の鉢に赤玉土8:腐葉土2の混合で植え込むことにする。霜に当ててはダメということから、移動可能な鉢植えを選択した。増えやすいらしいので、来年増殖した分は、縁の下などで屋外越冬にも挑戦する予定。

 いまだサルビア3種と千日紅は開花中だが、季節外れの感は否めない。
 白いサルビアの種を探してみた。花殻にくっついてた小さな丸い物体を多数発見。だが、どうも様子がおかしいことに気が付いた。硬くないのだ。最初はおそるおそる扱っていたのでわからなかったが、ぶよぶよといってもいいぐらいだ。さすがにこいつが種とは思えず、思い切って指でつぶしてみると、なんとなく昆虫の卵系な感じがする。Licに指摘されて思い出したが、サルビアの種は、もっと小さかったはずだ。こいつは直径1mmはある。すると、本物のタネはいったいどこに。
 花殻をくまなく探すも発見できず。お隣の奥さんにおすそ分けしなければならないのだが、タネではどうも無理そうである。今年の株を、なんとか越冬させねばなるまい。本来は多年草なので、不可能ではないだろう。

水浴び

 寒いのでサンルームのガラス戸は閉め切ったままにしておいた。

 お昼ごろ、念のため気温を確認。ピーコが茹だっていたら大変だ。
 サンルームは、まるで春の陽気である。夏ならば、灼熱地獄になるところだが、さすがにこうも気温が低いと、30度を越えることはできないらしい。ピーコはどうかと見てみると、水浴びの真っ最中。もともとピーコは水浴びをあまりやらないのだが、ぽかぽか陽気が気持ちいいのか、何度も何度も水入れに頭をつっこんで体をぶるぶるふるわせている。水浴び用に、大きめの陶器製水入れも入れてあるのに、なぜか水飲み用の小さいほうでやっているのだった。

 ピーコの体のサイズでは、水飲み用では胸までしかつかれない。いかにも窮屈そうである。なのに水浴び用の水入れには、まったく行こうという気は起きないらしい。ピーコのこだわりだろうか。でも、食わず嫌い(入らず嫌い?)というのもありそうだ。生活スタイルを激変させる事態は、彼らのような小動物にとって命にかかわる場合が多いというのは理解できる。入ってみようかな?と、もっと強烈に思わせるような工夫が必要か。あるいは当面、水飲み用を撤去しておくか。
 そう思っているうちに、ピーコの水浴びは終了した。上半身だけの水浴びでも、それなりに気持ちいいのだろう。さっぱり顔で、ぴちゅぴちゅ鳴いている声は、なんとも爽快な響きである。しばらく指でくちばしを撫でてやったりして遊ぶ。可愛いやつめ。

カレンダー

 夕方からLicとみこりんがお買い物に出かけた。私はスパロボ64にはまり中。先週、どうしてもクリアできなかった面を、なんとか脱することができたので、ほっとする。
 もうすぐ50話に達するという時、Licが戻ってきた、たくさん買い物してきたようである。袋を運び込むのをお手伝い。みこりんは爆睡中。

 袋の1つに、紙をまるめてあるのが見えた。カレンダーに違いない。しかも、こいつはきっとアレであろう。
 広げてみると、まさしく『おおた慶文 画業20周年』のカレンダーであった。さっそく貼ることにする。場所は、そう、ここだ。今年のカレンダーを留めてあるところ。
 今年のやつには、WOWOWのチェックを入れてあるので、外してしまっては不便である。なので、その下に移動させておく。2つ並んだカレンダー。1999年と2000年。つくづく、この年が来ようとはと、感慨を新たにするのであった。だがやはりSFモノにとっては、2001年がトピックである。月基地も、HAL9000も実現してはいないけれど、これから先、地球がどうなってゆくのか根性入れて見極めてやろうと思うには十分な頃合いだ。


1999.11.28(Sun)

ストーブ出動

 起きてみれば体の芯まで冷え込む寒さ。なんだか紅葉をみないうちに、冬になってしまったようである。
 灯油を買い、ついにストーブの出番となった。
 ストーブの暖かさがリビングに広がる頃、窓の外ではいっそう冬の気配が濃厚であった。輝きを失いつつある空の色と、びょぉびょぉ揺れる落葉樹の枝が寒さを際だたせてくれる。ガラスには、一面の結露である。あと一ヶ月とちょっとで終わる1999年、何事もなく過ごせますように。

むかしむかし

 家族揃って布団に入る。いつものように、みこりんに絵本を読んで聞かせてやる。
 みこりんは、絵本が大好き。枕元には常時5冊の絵本が用意されているのだった。
 すべての絵本を読み終えると、今度は「おはなしきかせて」という。ここ最近、絵本と並行して創作童話の語りをやっていたのだが、ようやくみこりんにも受け入れられてきたようである。よしよし、語ってやろうではないか。

 創作というより、アドリブ童話なので、ヴァリエーションはほとんどない。いつも出だしは「むかしむかしあるところに、おとーさんとおかーさんとみこりんが住んでいました」で始まる。だが、この定番化というのがみこりんにはよかったらしい。物語の背景が同じなので、安心できるようなのだ。『サザエさん』が、何十年も同じ一年を繰り返すのと同じ効果があるのかもしれぬ(いや、なんか違うかも…)。

 今夜は“黄色いお花”を題材に、物語を進めよう。瞬間的に思いついて、みこりんのお庭で咲く、黄色いお花に妖精が…、と次々に言葉を紡いでゆく。みこりんは、神妙な顔で聞き入っている様子。よしよし、いいぞ。さぁそろそろ捻りを利かせてみるか、と思った瞬間、みこりんが言った。

 「おかーさん、おはなしきかせて」

 ………、あ、あれ?

 もっと精進せねば。


1999.11.29(Mon)

もはや冬の景色

 お昼休み、売店まで歩く。室内はエアコンで暑いくらいに熱せられているが、戸外はもはや木枯らしが通り抜けていた。耳が冷たい。今年の冬は暖冬らしいが、寒いのが苦手な私にとっては暖冬でも寒冬でも、どっちも“寒い”のに変わりはない。ただ、寒いからと言ってエアコンで暖まろうとは思わないのだ。あれは空気が異常に乾燥する。仕事をしていても、常に喉がぱりぱりにがさついて、気持ち悪い。湿度調整機能付きの高性能なやつならいいのかもしれないが、職場にあるのはパワー重視の殺風景なやつなのだった。

 暖めすぎて、冬のほうが夏より薄着になってしまうってのは、なんかヘンである。しかも夏は夏で、冷えすぎてみんな冬より厚着という、まさにジョークの世界。いつからこういう状況が普通になったんかねぇ。
 クーラーは26度以下に設定できない、暖房は22度以上に設定できないっていうエコノミー型エアコンっていうのはないのだろうか?家庭用ではなかなか売り出しにくいかもしれないが、業務用ってことなら(しかもサービス業以外なら)経費節減の名目で引き合いがあるような気もするのだが。だいたい、温度設定が半固定になっているタイプのエアコンでさえ、通常は開けられない器具をこじあけてめちゃくちゃな温度設定にしてしまうヤツがいるのが問題ではあるんだけど。

 今日もサボテンを取り込むのを忘れた。物言わぬサボテンが無念の枯死をするまえに、室内へ救出してやらねば。


1999.11.30(Tue)

無知は罪

 Webを検索していて発見したこのページ、『茨城県東海村の臨界事故について』。原発憎しのエキスがどろどろとあふれている。これだけなら、よくある思いこみの激しい人のヒステリックな叫びということでさっさと忘れてしまえばよかったのだが、ちょっと前に見つけていた別のページ『「風評被害」〜報道の果たすべき役割』との対比が面白かったので、つい最後まで目を通してしまったのだった。

 両ページの根底にあるものは、じつに対照的である。前者が、「無知・思いこみ・不勉強・でも自分が正しいと思ってる」タイプなのに対して、後者は「冷静・科学的・知性の裏打ちがある」落ち着いたものだ。
 日本の理科・科学の教育は、昨今どんどん安易なほうに安易なほうに流れているようだが、「ゆとりある教育」とやらのせいで、このような妄想を抱く民衆が増加するのは、ヤバイだろう。自分が無知であることを自覚し、謙虚に学ぶ姿勢があればまだ救いもあるが、無知が罪であることに気づかず、矮小な自己完結型閉鎖ループで燃えるだけでなく、どんどんこうやって無責任な風評被害に拍車をかけるような所業に出られたのでは、たまったもんではない。

 それにしても、こういう風評をのさばらしている科技庁はじめ役人連中は、もっと罪が重い。住民感情に配慮して、新規原発の立地を見合わせるなどという馬鹿げたことをやっている暇があれば、正確で適切な情報公開と啓蒙にこそ注力すべきだろう。既存マスコミの偏向報道を、完膚無きまでに論破してみせてほしいものである。それをしないから、何か隠し事をしているのではないか?と勘ぐるヤツが出てくるのだ。
 それか、もう原発は一切やめて、全戸に太陽光発電装置の設置を義務づける法律を作るとかね。クルマ1台買うのと同じ出費で、通常の家庭の電力程度ならばまかなえるのだから、それほど非現実的な案でもあるまい。家計が一時的に赤字にはなるが、長期的には収支はトントン、長く使えば使うほどプラスになるのだから。報道各社も、反原発キャンペーンの一環で、家庭用太陽光発電装置のキャンペーンでもやってはどうか。現在の太陽光発電装置は、家庭用風力発電装置のようなオモチャレベルではなく、十分実用域に達していることを、もっとアッピールすべきじゃないのかな。新聞社でモニター募集するとかね。そのほうが建設的だろうに。

 それでも我が家のように太陽光だけでは足りない電力を、集約された原発でまかなう。それ以外の火力、水力は順次縮小。日本の電力事情も、かなりすっきりするんじゃなかろうか。


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国際サンゴ礁年2008
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