2000.7.1(Sat)

夏!

 今夜はすさまじく花火日和。7月になったとたんに、季節は一気に夏へとシフトしたかのようだ。みこりんが手にした花火のまばゆい炎の下で、夏の虫が七転八倒しているのに気がついた。コガネムシの仲間らしい。飛んで火にいる夏の虫か(微妙に違うが)。
 それにしても暑い一日だった。今もねっとりと生暖かな夜気に包まれている。これで波の音でもあればいうことなしだが、海岸線までは百数十キロ。遠い、遠すぎる。ま、昼間思う存分“庭いじり”ができたので、海がないのは我慢しよう。おかげでだいぶ庭が片づいてきた。

 午前中、いつものように観察記録をノートとデジカメでやってると、先週からの違いの大きさに驚きを禁じ得ない。ついにゴッホのひまわりが開花していたり、ルドベキアが満開になってたり、レモンキュウリとピックルキュウリに早くもツルが伸びてたり……。
 ゴッホのひまわりなど、地上2m20cmの高みにぽつんと開いているものだから、花の裏側しか見えないのだ。ゴッホの『ひまわり』では、ちゃんと正面を向いてくれているのに?しかも大きさが極端に小さい。葉っぱの大きさに比べて(20〜30cm)花の直径はわずか10cmほどと、いかにも不釣り合いに見える。これからもっと大きくなっていくのだろうか。たしかに花弁は燃えるようにちりちりだけど。咲いてるのがまだ一輪だけなので、この特徴が普遍的なものなのかどうかはわからないが。来週の満開を待つとしようか。
 ところで平日雨続きだったことから、葉っぱモノの青虫チェックがおざなりになっていた。気がついてみれば、ほとんどの葉っぱが食われてしまったあとだった。一番食われているのが朝陽甘藍。次がコールラビ。そのあとにレッドキャベツとパープルコールラビが続く。赤系の葉っぱより、緑系の葉のほうが旨いような食われ方だ。もっとも、周囲に緑系がなければ、赤系でもさんざんに穴だらけにされる。青虫どもの食い意地はすさまじく貪欲だ。このままでは葉っぱモノが収穫を待たずに消滅してしまうので、遺憾ながら青虫たちを1匹1匹捕殺する。すっかりこの作業にも慣れてしまった。芋虫系がとても苦手な私にしてみれば、信じられない慣れ方である。でもあまり気持ちのいいものではないので、来年はちゃんと虫除けネットを被せることとしよう。
 しかし何故だろう。虫の中には、幼虫のために必要な食料を用意してやる親がいる一方、このモンシロチョウのように、限られた食料に見合う以上の幼虫を放つ。食物連鎖の底辺が多数になるのは理解できるとしても、双葉しかない苗の小さな葉っぱに、幼虫が10匹もいたのでは、あっというまに共倒れだ。本葉5〜6枚の苗だと、幼虫も比例して増える。これではモンシロチョウなど生き残れないような気もするが、そうなっていないところを見ると、我が家の事情が特殊なのかもしれない。たしか去年は山椒の木についたアゲハの幼虫が、葉を食い尽くして自滅してたな。芋虫系を捕食する天敵が少ないってことか。たしかにこの周辺にはスズメがあまりいない。代わりにカナヘビ君が多い。カナヘビ君は、芋虫食べないんだろうか。

 そして夕方にはLicが戻り、待望の“培養土”を買ってきてくれた。チューリップの植わっていたテラコッタでは、ついに葉っぱがみんな枯れたので球根を掘りあげることにしたのだ。土は総入れ替え。古土は花壇表面に播き、新しい培養土に赤玉土を6:4で混ぜ、準備完了。中央には黄色いトマトのレモンボーイを、その周囲をぐるっとスイートバジルで囲もう。赤い料理用トマトのカゴメ77を真ん中にする案もあったのだが、はまりすぎなのでやめた。鉢で育てていたスイートバジルなど、間引かずにそのままだったので、根鉢が回って分離するのも一苦労だった。うまく根付いてくれればよいが。余ったバジルは、タマネギが植わっていたプランタにも移しておいた。この夏、Licは夜なべしてバジルペーストを作ってくれることだろう。
 ところでLicは買い物から帰ってくると、ひたすら工作にいそしんでいたようす。何を作ってるかといえば、勝手口用の網戸だった。ここのドアが解放されれば、風の通りがよくなるはず。私とみこりんが花火をやってる間も、着々と作業は進み、花火があと5〜6本というところで、完成したらしい。花火の輪に加わっていた。

 花火は終わった。燃え尽きた花火。炎の残像が心地よい。リビングでは開け放たれた勝手口。そよそよと足元の空気が流れている。でも、にゃんち君をケージから出してみたところ、いまにも網を押し開けて出ていってしまいそうだったので、勝手口は再び閉じられてしまった。改良の必要あり。


2000.7.2(Sun)

死闘、花桃移植

 深夜からPCのセッティングと『スパロボα』を並行して開始。PCのほうは結局ハードディスクの故障ということで、交換作業の後、全部フロッピーで供給されるOSをちまちまと抜き差ししつつ進んでいった。『α』ではマクロス・プラスの面々に加えてガンバスターが登場した。マクロス・プラスのYF19とYF21は、どちらも好きな機体なので今後もがしがし使っていくとしよう。でもYF21の“リミッター解除”は、強力だけどもつい多用を控えてしまいそうな怖さがあるなぁ(ライディーンの“ゴッドヴォイス”も同じく多用を…ってまだ使えるようになってないけど)。
 そうこうするうち、すっかり夜明けだ。空の明るさを見る限り、今日も素晴らしい夏日和な予感。寝ている場合ではないらしい。

 期待通り、午前中から「喝っ」と照りつけるお天道様。みこりんには昨日に引き続きベビーバスのプールを用意してやった。さっそくちゃぷちゃぷやり始めるみこりんをチェックしつつ、ハーブ方面の草引きにとりかかる私。チコリは相変わらず可憐な花を咲かせている。そういえば最近ホームセンターで“チコリの実”が入ったというドッグフードを見かけた。うまいんだろうか。新芽を食うとは聞いたような気がするけど、実も食えるのか。無事、実がついたら挑戦してみよう。さて、倒れている枝を起こしてやってと。
 品種不明のミントの仲間が、有用なペパーミントやスペアミントを覆い尽くそうとしていたので、ばっさり根元から整理した。こうしたミント同士の勢力争いは、どことなくライフゲームを彷彿とさせる。有用ミント達のほうも、また少し込み入ってきたので、刈り込んでみた。刈ったやつは、そのまま台所へ。Licが何かに使ってくれるかもしれない。
 ハーブ類が片づいたところで、すぐそばまで地を這ってきていた西瓜“夏晴”を、後方のフェンスに絡ませてやった。今年の西瓜は、空中結実といこう。ただ、この“夏晴”かなりの大玉になるらしいので、自重に耐えられるかが不安。
 そうした作業をしている間、ぶわっと広がったラヴェンダー“スーパーセビリアンブルー”の花を、何度も引きちぎりそうになってしまった。たった3株しか植えていないのに、直径1mの花輪状態に広がっているので、狭い庭にはかなりきつい。上を向いてるのはまだいいとして、完全に横向きになってるのも多く、このままでは庭の通行にも支障をきたすので、切り花にすることに決めた。Licが以前から切り花にしたがっていたので呼んできてやろうかと一瞬思ったが、自分も切りたい欲求が勝って、自らハサミをふるった。美しく可憐な花にハサミを入れるのは、艶めかしくもエロティックな刺激があるなと思いつつ。

 みこりんが種まきしてくれた朝顔達は、最近ようやく上に伸び始めてくれた。なかなか育たなくて心配したが、やっと栄養が届いたような感じだ。では定位置へと移動させよう。座敷の手前に一並べ。ついでにその辺の鉢なども整理しておいた。要の睡蓮鉢も、水面をびっしり覆った黄緑色の藻を取り去って、新鮮な水を注いでやった。夏にこそ涼しげな水場が必要だ。驚いたことに、メダカが1匹元気よく泳いでいるのが見えた。去年の生き残りだ。なんてタフなやつだろう。水が涸れても、藻が大発生しても、生き延びる生命力…。“不死身のウルフ”と名付けよう。

 本日最後の大仕事。花桃“照手桃”の移植を始める。といっても大木になってるやつじゃなくて、2年前に種から発芽したのを庭の隅に植えて置いた苗木のほうだ。苗木といっても、すでに高さ1.8m近くあって、このままでは庭のイメージが変わってしまうくらいの破壊力を発揮しつつあったのだった。今のうちに移動させねば、クコの木のように切らなければならなくなる。
 シャベルで周辺の土を掘り進めてみても、なかなか根の先端が見えてこない。横の張りはほとんどなく、ただ1本長く伸びた根があるだけだった。おそらく樹高と同じくらいはあるはずだ。2mも掘るのは、いくらなんでも無理すぎる。それにさっきから頭痛がひどくなってきていて、耐えられないほどの痛みになりつつあった。このまま倒れ伏してしまうかと思うくらいの強烈な痛さ。おまけに吐き気もある。ヘンだ。急にこんなになるなんて。朦朧とする意識の中で、私は花桃の若々しい幹に手をかけ、一気に引き抜いていたのだった。無茶な。

 鈍いイヤな音をたてて、根っこは途中で切れていた。それでも長さは50cmくらいあったが、地上部に対してあまりに貧弱な感は否めない。こんな状態で移植が可能なのかわからないが、このときの私は猛烈な頭痛と吐き気に冷静な判断力を失いつつあった。ふらふらの足取りで移植先の門扉脇へと向かう。どうして先に穴を掘っておかなかったのか。がんがん痛む頭の中では、いらいらがつのった。すでに花桃は掘りあげてしまった。一刻も早く植え付けなければ、こんな日差しに根っこを長くはさらせない。
 不十分ながらも植え付け用の穴ができたので、とにかく急いで植え込んでやった。正面を向けるのは忘れずに。埋め戻してから、たっぷり水を注ぎ込み、枝葉を1/3まで切り落とす。支柱を立てれば完了だ。…いや、まだだ。花桃が植わってた穴を埋め戻さねば。あおりをくらって根っこをさらしてるホオズキ達が枯れてしまう。
 だが、もはや私は立っているのもやっとの有様だった。どう、と、いつ倒れ伏してもおかしくない。限界だ。頭痛に死す。シャベルが手から滑り落ちていった。

 Licが代わってくれなかったら、私は“熱射病”で今日一日をおじゃんにするところだった。麦藁帽をかぶっていたとはいえ、メッシュ状の帽子では十分に熱を防ぎきれないようだ。加えて、朝からずぅっと庭にいたのもまずかった。真夏のような日差しだったのも、状態悪化に輪をかけてしまった。来週は、ちゃんとタオルをかぶってから、麦藁帽を装着せねば。

美しきもの

 裏庭ではグミの木が、予想以上に大きくなっていた。植えた覚えはないので、鳥が種を運んできたのかもしれない。気がついたらもはや切り倒すしかないくらいに育っていた。その葉っぱの表面に、なにやら黒いものが止まっているのを見つけて、私は近づいてみたのだった。ある予感があったから。
 つやつやの黒光りに青いぼかし、鮮やかな白のスプラッシュ。私が子供時代、ハンミョウとならんで好きだった虫が、そこにいた。しかも2匹。オスとメスのペア。ゴマダラカミキリムシが、まさに今、交尾せんとしていたのだった。
 相変わらずほれぼれする美しさだ。しかもこいつは長い髭や足に、わずかの欠損もない。完璧だ。こんなに綺麗な状態のゴマダラカミキリは数えるほどしか記憶にない。
 見とれていた。うっとりと。ようやく「デジカメ持ってこなくちゃ」と思ったのは、だいぶたってからのこと。デジカメを取りに戻り、マクロモードにしてレンズを近づけた時、はじめてゴマダラカミキリが視線を避けようと動いたのだった。驚かせないように今度は気を付けながらレンズを接近させて、ぱしゃり。続けて2〜3枚とったところでバッテリー切れ。でも肉眼で十分堪能したのでよしとする。

 このカミキリムシのペアは、その後も我が家の庭に滞在していたようで、夕方ごろ南側のミニひまわりの葉っぱにとまってるのをみかけた。つい、と飛び立った姿を見てLicは、「オーラバトラーみたい…」と感想を述べていた。たしかに似てるかもしれない。


2000.7.3(Mon)

本屋へ

 仕事帰りに本屋へと寄る。頼みの図書券はわずかに4枚。最後の図書券だ。有効に使わねば。
 というわけで買ったものは…

  • 『犬夜叉16巻』(作:高橋留美子)
    意外に早く続巻が出たような(気のせい)。
  • 『エブリディおさかなちゃん』(作:国樹由香)
    熱帯魚にはまってく過程ってことで買い。こういうので海水魚バージョンがあれば…
  • 『田宮模型の仕事』
    子供の頃は、田宮模型のプラモデルにはずいぶん楽しませてもらったことだし。

 それにしても時間がいくらあっても足りない。生きてるうちにやりたいことを全部やってしまえるかどうか、最近とても不安になるのだった。寝なくてもいい体が欲しい…。


2000.7.4(Tue)

短冊

 保育園では七夕祭りの準備が着々と進んでいるようだ。今朝、みこりんを連れていったら、短冊の吊された笹が出迎えてくれた。みこりんが先生に大きな声で「たんざくもってきたよ」と報告している。昨日、Licとみこりんで短冊3枚に願い事を書いていたのだ。
 みこりんを先生に渡して帰ろうとすると、呼び止められた。短冊を吊していきませんかと言う。今朝は時間にも余裕があったので、吊していくことにした。みこりんのカバンから持ってきた短冊を3枚取り出し、笹の葉に1つ1つ結んでゆく。1枚はLicが書いたのだろう、日本語で願い事が記されてあった。残りの2枚は…、これはどこの古代文字だろうか。東洋系の雰囲気を残しつつも、北方ケルト民族なイメージもあり。明らかに意味のある言語表記に違いなかった。Licが自動書記を行ったのか。そんな特技があるとは聞いてなかったが…。

 先生が私の吊した短冊を見て、「これ、みこりんが書いたの!?」と派手に驚いてみせてくれた。明るい。底抜けに明るい先生だ。「なんて書いてあるの?」と聞かれたみこりんは、その迫力になんだかたじろいでいる様子。きっとみこりんは何かを「お願い」して短冊に記したのだろう。みこりんにしかわからない文字で。私もその意味を知りたかったが、みこりんが答えてくれる前に、先生は「これはみこりんにしかわからないわねぇ」ところころと笑ったので、区切りがついたようだ。また夜にでもみこりんに聞いてみるとしよう。短冊のことを覚えてくれてるといいんだが。
 たしか短冊は七夕祭りが終わると、炎で灰にする。みこりんのお願いは、叶うだろうか。


2000.7.5(Wed)

七夕といえば

 昨日の日記で“たしか短冊は七夕祭りが終わると、炎で灰にする。”と書いたら、Licからチェックが入ってしまった。祭りの後、短冊などは川に流すのではないかというのだ。言われてみれば、なんとなくそういう情景をTVなどで見たような気もする。自分の子供時代どうやっていたかなと改めて思い出そうとしたけれど、七夕飾りを作ってる光景は浮かぶのに、その後片づけの記憶はどうにもあやふやだ。
 実家に電話して確認するという手もあるが、手っ取り早くサーチエンジンのお世話になることにした。「祭事のマナー」というページによれば、本来は「七夕送り」といって短冊などを川や海に流していたらしい。でも、川や海の汚れ防止のために、そういう風習も廃れてきたという。代わりに、燃やしたり、ゴミに出したりというのが主流になっているようだ。
 年に一度の七夕飾り、しかも紙などの木製品が、川や海の汚染につながるとは私には思えないが、声の大きい人がいたんだろうな。ま、燃やすのも悪くはないが。でもそのうち、地球温暖化防止のため燃やすの禁止とかになったりして。あるいは漂白した紙を燃やすのはダイオキシンが発生するので禁止とか。

 ところで母方の実家がある地方では、七夕祭りを旧暦の8月にやっていて、毎年お盆に遊びに行ったら商店街が七夕飾りに埋め尽くされていて、なんとも不思議な感じだった。お盆なので仏壇には色とりどりな灯籠が飾られていたし、そういうのと煌びやかな七夕飾りとが妙にブレンドされてしまって、私の記憶にある七夕祭りは“暑い8月の祭り”なのだった。まぁそのほうが天の川はよく見えたし、いいことが多かったから記憶に残ってるんだろうけど。
 故に、みこりんが短冊に願い事を書いて、保育園では笹飾りもできていたというのに、なぜか私は明後日が七夕祭りだってことを、ついつい忘れてしまってた。うちで飾るようの笹も用意してないし、今年は旧暦の七夕にしてしまおうかな。


2000.7.6(Thr)

3台目

 先着25名様、1500円!というので、Licが並んできたという。その甲斐あってゲットできたらしい。我が家に3台目の扇風機登場である。
 寝室用のが首振りできなくなっているので、それを置き換えるつもりらしい。で、首振りのできないやつは、風呂上がりに涼風浴びる用に風呂場へと。これがLicの描いた扇風機構想である。ところが、さすがに1500円という値段だけあって、強中弱の3段階切り替えはメカ式押しボタンだし(がっちゃんがっちゃん騒々しい)、タイマーは懐かしいダイヤルぐるりんタイプ、もちろん1/fゆらぎとか八の字首振りなんて技は持ち合わせてはいなかった。安らかな睡眠のためには、1/fゆらぎが必要だ。そう私は主張して、結局、寝室の扇風機はそのままに、この1500円のが風呂場用に設置されることになったのだった。1500円にして、これだけの基本機能があれば十分実用に耐えるので、やはりこの3台目は買って正解だったのだが、さらに欲を言えば壁掛けタイプだったらなぁとは思う。ま、あまり贅沢も言っていられまい。これが装備されたことで、今夜から風呂上がりもさっぱり爽快、汗知らずになれるのだから。

 ところでみこりんも、あやしげな玩具をゲットしてきたようだ。スケルトンボディのその人形は、リモコン操作で前進が可能だ。しかも「アンアン」と鳴く。動作と鳴き声だけ見れば、みこりんがすでに持っている犬の電動玩具に似ているのだが、違っているのはその姿。まさにAIBOであった。
 遊技場でやってた福引きで当ててきたのだという。「アンアン」と、偽AIBOと一緒に首振り動作をするみこりんは、いつになくお姉さんっぽい表情に見えた。偽AIBO、恐るべし。


2000.7.7(Fri)

筋違いな反応

 七夕の夜は、台風の接近とともにさらに雨は激しく。ここ数年、晴れた試しがないような気もする。
 ところで、宇多田ヒカルのパクリと言われて「ショックで学校にも行けない」と伝えられる倉木麻衣だが、本当にそんなんでいいのか。過去の日記(1999.11.251999.12.302000.3.152000.4.27あたり)など読んでもらえればわかるとおり、私は倉木麻衣(とその楽曲)にはたいへん好感を持っていた。今も1stアルバムを買うつもりで、Licに依頼しているところでもある。だが、今回の件はちょっといただけない。

 作品が似てるとかパクリであるとか、真実はどうであれ(事情はこことか参照)、創作活動で金を得る道を選んだ以上、自分の作品に対する評価(や批判)が、たとえ自分の気に入らないものであったとしても、それをもって「ショックで学校にも行けない」とは甘過ぎやしないか。己の創作物に対する批判であればこそ、そんな情緒的な反応をするのは筋違いも甚だしい。そりゃショックは受けただろう。誰でも自分の批判を耳にすれば、心穏やかではいられまい。でも、創作活動をする以上、そんな批判はあって当たり前なのだ。『謝罪を要求する』事務所側もどうかしている。学芸会でもやってるつもりなのか。17歳だからとか、年齢はまったく問題ではない。創作活動で金を得ている以上、17歳だろうがたとえ8歳だろうが、プロなのだ。作品に対する批判に、いちいち『謝罪を要求』するなど、言語道断だ。
 これが彼女の作品にではなく、人格攻撃であったとしたら、また話は違ってくる。そこんとこの区別がついてないのではないかと思ってしまうのである。もっとも、今回の一件は彼女の事務所側の動きがとてもいやらしく見えた。正直、彼女の日本デビュー作品『Love, Day After Tomorrow』のPVは、宇多田ヒカルの『Automatic』っぽい印象は私も持った(1999.11.25の日記参照)。宇多田ヒカルを意識してPVを創り、よく似たプロフィールも用意して売り込もうとした気配が濃厚だ。だがそんなことはいいのだ。よくあることでさえある。ニックネームを“クッキー”に決めたのだって、宇多田ヒカルのそれを真似たと言われても仕方あるまい。そういう流れがあってなお、今回『謝罪を要求する』のはあまりに勝手すぎやしないか。倉木麻衣の良さやオリジナリティを存分に活かすよりも、安易な“真似”路線を選んでおきながら、よくもいけしゃぁしゃぁと言えるものである。倉木麻衣が「ショックで学校に行けない」と主張しているのも、真実かどうか疑わしくさえ思えてくる。このくらいの阿漕な演出は、やりかねない。
 倉木麻衣は現在の事務所にいてはいけない。爆発的に売れなくてもいいから、彼女の作品をもっと高めるようなところに所属すべきだ。


2000.7.8(Sat)

燃える花

 みこりんを寝かしつけるついでに自分もうっかり寝入ってしまって、目覚めたときには丑三つ時だった。予定では、台風がそろそろ接近していて暴風雨のはずだったのに、やけに静まり返っているのがそこはかとなく不気味。カーテンの隙間から覗くと、微風すらなくおだやかな気配だ。雨もいつのまにか上がっていて、濡れたデッキはすでに乾きつつあった。どうやら台風は進入ルートを変えたらしい。
 花壇への影響がほとんどなかったことに安堵し、『α』を起動する。今宵も夜明けまで『α』三昧。金曜の夜は、じわじわと更けてゆき(すでに丑三つ時なんだが)。

 朝陽がまぶしい。台風一過の晴天を予感させるに十分なシチュエーションだ。起きてきたみこりんを保育園に連れていったあとは、ひたすら植物の観察記録と撮影に没頭する。今日のトピックはなんといっても、“ゴッホのひまわり”が咲きそろったことだ。先週、最初の花が咲いたときには、まだ真上を向いたままだった花も、次第に太陽の昇る方向へと傾斜していき、今や完全に横向きになった。裏側を見上げる日々は終わったのだ。はやく素顔を拝んでみたかったが、ひとまず背後からの絵をおさえておく。青空をバックにすると、ありきたりな夏の図に。では、表からはどうだろう。ヒマワリの横を回り込み、庭の東南端へと立つ。これ以上は下がれない。ヒマワリまでは2mも離れていないため、地上2.2mの位置にある花々を見るには、かなり上向き加減になってしまった。太陽光線を受信するパラボラアンテナのように、にゅっと空に突き出した“ゴッホのひまわり”達。な、なるほどたしかにこれは…。

ゴッホのひまわり

 さて、サイド1に目を転じてみると、どでかく生長した白ズッキーニの花が、鮮やかに飛び込んでくる。午後にはしぼんでしまうので「授粉は午前中に」という記述に従い、さっそく雌花を探してみたけれど、なぜか見あたらないのだった。どれもこれも花弁の奥にたっぷりと花粉を蓄えた雄花(?)ばかり。はて、これはいったいどうしたことだろう。別の場所に植えたやつとも比較したが、やっぱり雌しべらしきものは発見できなかった。まだ雌花は咲いていないのかも知れない。というわけで、先にセントポーリアなどに水やりを。
 その途中のことだった。ぱたっと、白ズッキーニの株が倒れたように見えたのだ。ん?あらわになった株元に視線が止まる。…い、いかんっ。茎に深く食い込んだ園芸用針金が、ワイヤーソーと化してズッキーニを切り離しにかかっていたのだ。サイド1に移植したとき、支柱を立ててやってたのをすっかり忘れていた。すでに茎の太さは3倍近くある。このままでは千切れるのも時間の問題だ。いや、次の瞬間には“ぽろり”といってもすこしもおかしくはない。大慌てで針金を切ってやった。
 ぶらん、となってしまうので、改めて支柱に固定。今度はゆるやかに縛ってやる。それにしても、よく今まで無事だったものだ。治ってくれればよいが…。
 他にも縛ったまま忘れたやつがないか、ひととおりチェックしてみたところ、レモンボーイが1本、ボンテージになりつつあった。危ない危ない。

 *

 夕方、千日紅“ストロベリーフィールド”と“オレンジフィールド”を地植えにした。個人的には濃い紅色の“ストロベリー〜”のほうがお気に入りなので、こちらをメインの花壇のほうへ。“オレンジ〜”は少し落ち着いた感じの玄関脇へ。去年は徒長させてしまったが、今回は大丈夫そうだ。
 花苗でまだジフィーポットに植わっていたのは“オキシペタルム”3ポット。とても小さなハート型の葉っぱを、多数展開しつつある。これもそろそろ地植えにしよう。ちっちゃいので“ストロベリー〜”の前方へ並べて植えた。葉の大きさが1cmもないので、もしかすると地植えよりも鉢植え向きかもしれないな、と後で思ったが、今年はこのままにしておくことに。花が咲いてから、来年どうするか決めようと思う。
 先週移植した花桃は、なんとか無事そう。桃屋敷になる日も近い。

 ところでデジカメの電池を、今日は1パック100円というアルカリ電池にしてみたのだが、これがよくなかった。わずか3〜4枚、ズームを動かしたらいともかんたんにゲージが減る。2分ともたなかった。マンガン電池より、起動するだけマシっていうだけのレベル。3回交換してすべて同じ傾向を示したので、製品のばらつきとかいうのでもないようだ。4回目は、ちゃんとしたアルカリ電池に戻した。こちらは一日使っても切れることはなかった。同じアルカリ電池とはいえ、やはり安物は安物の理由があったか。

『How?』

 “ヤイコ”こと矢井田 瞳のCDが届いた!通販特典のバッジとパンフ入り。さっそく水槽の水換えしながらCDをかけていたのだが、これから毎年暑い季節になるとこの曲を思い出すに違いない。ねっとりと濃厚なエネルギーに満ちた歌だ。
 それにしても『How?』の衣装は激しくミニである。だから最初はもっと若いのかと思っていた。現在大学4回生というあたりに、なぜか懐かしさを覚える。新曲『B'coz I Love You』のPV、四畳半の下宿ってところとか。


2000.7.9(Sun)

朝まで…

 はっと気づいたら朝の6時!
 状況を理解するまでに、数秒を要してしまう。たしか昨夜はみこりんを寝かし付けるために、早めに布団に入ったのだ。いつもなら真夜中に起き出してくるところだが、今日に限って朝まで眠り込んでしまったらしい。もったいない気持ちと、たっぷり眠って爽快な気分とがゆるやかに混じり合い、なんとも奇妙な感覚だ。と、ここで、重大なことに気づいた私は、がばっと起きあがり、一気に階段を駆け下りていった。「にゃんちくんが出たままだ!」

 いつもは私が寝る前にケージに戻していた。砂ネズミとかにちょっかい出されないためだが、今朝は悪いことに戸締まりもせずに眠りこけていたのだ。勝手口やらリビングやらは、網戸のまま。その気になれば、にゃんちくんは“するり”と外へ抜け出てしまうだろう。特に勝手口のは両サイドを磁石で留めるタイプなので、下をくぐればなんなく通過できるはず(いちおう網でガードしてるけど)。私やLicが起きていれば叱られるのがわかっているので、にゃんちくんも網戸の側には行かないけれど、誰も咎めるものがいないとなれば外界への誘惑に負けてしまうかもしれない。いやいやそれよりも、外からの野良猫侵入のほうが一大事だ。にゃんちくんは無事だろうか。
 煌々と明かりの灯ったリビングへ入る。にゃんちの名前を呼びながら、各網戸をチェックしてみた。特に異常は見られない。無事なのか?にゃんちの返事がない。いつも乗っかっている椅子の上は、もぬけの殻だ。階段の窓もそういえば網戸のままだった。もしやそこから…。階段へと引き返す。

 にゃんち?かすかに鳴き声を聞いたような気がした。見上げると、にゃんちの遠慮がちな瞳と目が合ってしまった。おいで、と言うまでもなく、にゃんちはたたたっと駆け下りてくると、足にまとわりついて離れない。独りにされたと思ったんだろうか。網戸から出ることもなく、チュー達にちょっかいを出すわけでなく、じっと窓辺にたたずんでいたのかもしれない。おとなしいその性格もいいけど、番犬代わりになってくれないかと密かに期待しているのだった。

新型登場

 みんなが起きてくる前に、昨夜やるはずだった『α』の続きをやることにした。順調にクエスとプルツーを説得し、さくさくっと終わらせてしまおうとした矢先のこと。いきなりCDのアクセスが激重になってしまった。ハングアップしたかと思ったほどだ。なかなか元に戻らないので、いったん電源を切ってマシンを冷却。復活に期待を込めて、『α』のことはしばし忘れる。

 お昼ご飯のあと、再びPSを起動した。治ってるだろうか?しばらくは順調そうに見えたけれど、クワトロさんのサザビーで敵の親玉をファンネル攻撃した瞬間、画面がフリーズしてしまった。と同時に、記録されている音声データが垂れ流し状態に。
 暴走してしまったらしい。リセットするも、今度はCDを認識しなくなってしまった。かなりまずい状況のようだ。いったん電源を切り、別のCDに入れ替えて再起動。今度もうまく認識されなかった。何度か試しているうちに、数回ほど読めたこともあったけれど、アクセスはとてつもなく遅く、使えたものではない。ついに逝ってしまったのか…。
 ここで我々には選択肢が4つあった。

  1. PS2を買いに走る。
  2. PSoneを買いに走る。
  3. PSはしばらく諦め、調子の悪い洗濯機を新調する。
  4. 不景気なので新たな出費はしない。

 さて、どれにしたものやら。

 しばらく庭仕事などして汗を流していると、Licが買い物に行くという。何を買いに行くのかと問えば、「PS2」と返ってきた。4万近くする代物だけに、とりあえずPSoneがあればそちらを優先するように私の希望を伝えて、あとはLicに任せた。やはり洗濯機は後回しになる運命だったか。自分で分解修理しなければならないようだ。

 そして夕方、Lic帰還。手にした箱は、『青』。我が家にDVDプレーヤーが加わった瞬間である。
 夕食後、さっそくPS2をセッティングしているLic。やがてなにやら聞き覚えのある音楽が流れてきた。切ないくらいに哀しい響きのBGM。こ、これは『幻想水滸伝2』のラストシーン!?……そうか、そういうことか。PSのCDアクセスがあのときも不調で、このラストシーンからエンディングにかけてのBGMが途切れまくって悲惨なことになっていたのだ。それを今、PS2によって補完しようとしているのだろう。

 私も『α』がPS2でどう変わったか確かめてみることにした。各キーの感度が上がっているような感じ。それにCDのアクセス速度がやはり速くなっている。戦闘グラフィックに移行するタイミングが、ちょうどいい具合になったのはうれしいところ。PSの時には途切れる感覚があったのが、PS2ではまったくないのが心地よい。それにしてもPS2本体で清冽な輝きを放つ、ブルーのLEDは目新しい。私が学生の頃はまだ、青LEDは実験室レベルだったが、今や量産品に使われる時代か。…そりゃ2000年だものなぁ、などと、妙に納得してしまうのであった。


2000.7.10(Mon)

夏、といえば

 夕食後、西瓜を食べながらふと思った。今も『怪奇特集・あなたの知らない世界』ってやってるんだろうか、と。数年前はまだお盆ごろにお昼の番組(『おもいッきりテレビ』−旧『お昼のワイドショー』)の一コーナーとして生き残ってたような記憶があるのだけれど、近頃の事情はよくわからない。新倉イワヲさんは元気にしているのだろうか。
 あのチープな作りが好きだった。本格的ドラマほどややこしくなく、いかにも体験談の再現フィルムっぽいありがちなネタというのが真夏の暑さと妙にマッチしていて、今でもなにかの拍子に当時の感覚がふっと蘇ることもあり。私にとっての“夏の風物詩”の1つといっても過言ではないかもしれない。
 はたして今年、『あなたの知らない世界』は開くのか。要チェックだ。


2000.7.11(Tue)

 Licに「挿してみて」と手渡されたものは、ちっちゃなピアスだった。久しぶりに明日はピアスをしていくらしい。でも、あんまり久しぶりだったので、右耳の穴が……?
 ぐにゅ、と突っ込んでみたけれど、すぐに壁に突き当たり、これ以上進めては「ぶぢっ」とかいいそうでたいへんに怖い。しかも耳たぶはぐにぐにぷにぷにしていて柔らかいし、少し力加減を誤れば、耳ごと取れるのではないかという不安さえ感じてしまった。

 なかなか入らないので、今度は後ろから挿すように言われた。こちらも穴はすぐに行き止まり、あの“ぐにぐに感”が伝わってきた。だめだ、これ以上は入れられない。何か重大な組織でも突き破ったら大変だ…。
 お手上げの私を後目に、Licはなおも自力でなんとかしようとしていたけれど、ほどなく無理と悟ったらしい。明日は片耳ピアスになるのだろう。
 それにしてもピアス穴とは不思議なものだ。普通、体に穴が開いたら、再生癒着するんじゃないんだろうか?何か穴の表面をコーティングしてるならともかく、どういう仕組みで穴が持続するのだろう。ちゃんと再生しないで硬化してしまうんだろうか、耳たぶって。うーんわからん。
 でもLicの右耳の穴は、再生癒着してしまった?わからないことだらけだ。


2000.7.12(Wed)

フロンティア

 “ズヴェズダー(Zvezda)”が、やっと宇宙に上がったか。ロシアを引き入れたことの後悔は、みんなとうに済ませているとはいえ、ISS(International Space Station)の組立が終わるまで、いや、運用中もずっと、こうしたイライラが継続しそうな予感。もっとも、日本の場合はスケジュールが遅れて救われたところは多い……。2001年、木星に HAL9000 が到達するような世界は、まだまだ当分やってきそうにない。明らかに稼げる目処でも立たないと、そりゃ資金も人も流れるはずはないものなぁ。やはりここはひとつフロンティアへの冒険を前面に押し出して、月面ラリーだの、地下の氷探索一攫千金だの、そっち方面に展開したほうがいいんじゃないかな。少々危険でも、いや、かなり危険だからこそ燃えるヤツってのはけっこういそうな気がするけど。砲弾に入って飛んでくわけでもなく、自動車の死亡事故発生確率程度の安全性があればそれほど無謀でもあるまい。
 ところで新聞がまた、やってもうたね。情報源をまったく明らかにせず、断定口調ってところがいやらしい。怪文書と同じレベルじゃのぅ。


2000.7.13(Thr)

今更ながら

 職場にて。とある係長から、業者に作ってもらった C++アプリケーションから、自作の Cで作成した関数を呼びたいのだが、と問われたのが昨日のこと。方法を教えて上げたものの、今日になってもうまくいかないらしく、ソースを見せてもらうことになった。
 VC++ は生理的に受け付けないのだが、仕方ない。つらつら眺めてみるに、extern 宣言の位置がヘン、ヘッダファイルの構成が妙、といったところに気がつく。extern をつけたのと、つけないのと、2種類のヘッダがある構成は、いまだにこういうやり方が残ってるっていうところに驚きを感じつつ、仕組みを説明してから1つにまとめて差し上げた。でもこれは今回の問題の本質ではない。正しい位置に extern "C" を移動させても、やはりコンパイルエラーになってしまうのは何故か。慣れない開発環境はストレスがたまる。プリコンパイルをやめるオプションを発見するまで、時間を食ってしまった。UIに癖があるな。まぁ 逆にVC++メインの人が C++Builderを触っても、同じような感想を持つんだろうけど。

 ところで自作したという Cコードは、ビットマップファイルの読み書きをする関数であった。APIもしくはMFCにその機能はすでにあるということを、さりげなく耳打ちしておく。ついでに請われたので、オブジェクト指向の世界にも少しだけ引きずりこんであげたりもして。7〜8年前ならオブジェクト指向を説明しても胡散臭がられたが、時代もずいぶんと変わったものだ。ただ、うちのようなメーカー系ソフトウェア技術・研究職だと、世間の趨勢から遅れ気味なのは仕方ないとしても、今更といった感は否めない。
 先日、就任したばかりの社長は言う。柔工業への脱皮をせよと。遅すぎた決断かもしれない……。


2000.7.14(Fri)

すばらしい

 仕事から戻ってくると、みこりんが「すばらしく」なっていた。
 みこりん自ら「すばらしくなっとる」と言うのだから間違いない。どうすばらしいかといえば、私の作業服をすっぽりかぶってしまうくらいだった。以前、みこりんがすばらしくなったのは、私のおにゅぅのバミューダを被っていたときだ。膝丈なので、みこりんがかぶるとすっぽり収まってしまう。あまりにそのすっぽり具合が見事だったので、私はつい口走ったのだ。「素晴らしい!」と。
 作業服に隠れたみこりんの瞳が、素晴らしく輝いて見えた。


2000.7.15(Sat)

赤く熟れるもの

 天気予報では雨。でも、ほんの少しぱらぱら来たくらいで午後から回復傾向にある。保育園から戻ってきたみこりんと一緒に、庭を探検した。
 今日の一番の発見は、プラムの実が赤く色づき始めたことだった。春、たくさん花が咲いた方の樹には、青い実がそこそこついていたけれど、そんなおいしいシチュエーションをみこりんが見逃すはずはなく、ずいぶんと「ぷちっ」されてしまっていた。そのわずかな生き残りが、ようやく熟し始めたのだ。赤くなるまで待とうねと、何度かみこりんに言ってきたけれど、これでようやく実感を伴って理解してくれるにちがいない。去年はイチゴも青いままでずいぶんたくさん摘まれてしまったけれど、赤くなったほうが美味しいことを学習した今年、早取りはほとんどなくなった。熟れたプラムの味も、しっかり覚えてもらわねば。
 みこりんの握り拳よりも大きくなりつつあるプラムの実は、ずっしりと重く、見るからに食いでがありそうだった。みこりんによれば、これは「りんごっ!」なのだそうだが、先週まではそういう認識すらなかったはず。たいへんな進歩といえよう。林檎と思ってくれていれば、赤くなるまでこのプラムの実は安全だ。この調子で花桃の実も、赤くなるまで待っててくれればありがたいのだが。

 イチゴやプラムに限らず、実ものはたいがい「赤くなるまで待っててね」と教えているので、朱色に染まったホオズキはまさに収穫時期に見えたのだろう。みこりんはさっそくもぎり採り、袋をびりびり。中から出てきたビー玉のような実は、ルビー色に輝いていた。しっとり濡れているのは、ちょこっと舐めてみたからだろう。たしかにこいつはおいしそうだ。でも、食用ホオズキならともかく、普通のホオズキは食べることができたっけ?Licも興味を持ったらしく、食べられるのか私に聞くので「食用ホオズキがあるくらいだから、毒ではないはず」と答えておいた。でも食べられるかどうかはわからない…って、「あぁ!」。すでにホオズキを口に放り込んでしまったらしい。なんと大胆な。でも、意外にいけるらしい。酸っぱいけれど、まずくはないそうだ。みこりんも、ちょこっと切れ端を食べさせてもらってた。種が大きいので、ほとんど食べるところはなかったみたいだけど、みこりんにはこれでも十分みたい。青いホオズキの解剖実験も今年限りになりそうだ。
 あとで実家に電話したついでにホオズキのことを聞いてみたら、苦くて食えないと言われてしまった。もしやうちのホオズキは食用ホオズキなのか?

 赤く熟れるもの以外に、そろそろ収穫時期を迎えているのはイエローペア。黄色い洋ナシ型のミニトマトだ。みこりんはしきりと黄色くなってることを私に指摘してくれたが、これも赤くなると思っているらしく採ろうとはしなかった。もっとたくさん黄色く熟したら、みこりんと一緒に摘もうと思う。

ネコさん or キツネさん

 宅急便が届いた。中に詰まっていたのは北海道の香り。
 ハッカキャラメルというのに、みこりんが激しく惹かれている。「剥いたからね」「食べさせてあげる」などと、しきりに私に勧めてくれた。みこりんも食べたらと言ってみたけれど、自分はいいらしい。どうも、“ハッカ”に苦い経験があるようだ。でも興味はあるので、私の食べるところを観察してるのだろう。
 でもついに好奇心が勝ったようで、私の差し出したかけらを1つ、舐めてくれた。にかっと笑うみこりん。うまかったようだ。ハッカといいつつ、これはスペアミントの風味だからなぁ。
 Tシャツが1枚。黄色地に、2匹のキタキツネの子供の図。でもみこりんに言わせるとこれは、「ネコさん」らしい。ちょっと毛深いからなぁ。


2000.7.16(Sun)

最後の仕上げ

 “ゴッホのひまわり”は、分岐して咲く種類も混じっていたようで、先週に増してにぎやかなことになっている。5〜6種類のヒマワリ混合。なかなかよいブレンドだ。来年はサカタ以外でも似たようなコンセプトのものが出回りそう。
 さて今日は、いまだポットのままで窮屈に育っている苗達を救済するため、プランタを買いに出た。休日、買い物に行くのもずいぶんと久しぶりだ。暑いホームセンターの園芸コーナーで、深型で長いものを探す。庭を耕すよりも、移動可能なプランタのほうが融通が利くだろうと思ってのこと。だから、あまりちゃっちぃものでは意味がない。しっかりと深く、頑丈なやつがいい。
 ずいぶん迷ったあげく、2つほどを選んだ。あとは支柱を一束と。
 Licが水道回りの部品を物色中。庭の水道をなんとかする計画を、ついに実行に移すのだろう。

 午後、強烈な日差しを避けて、しばし微睡む。夕方近く、起き出して活動開始。プランタに土を混ぜ込んでいたら、足りなくなってきたので急遽、買い足しに出る。タイムロス30分。でもまだ日は高い。着々と茄子やらシシトウなどを植え込んでいった。これで野菜でポット苗のものはすべて使い切った。あとはいまだジフィポットのままになってる苗達をなんとかしよう。といっても地面に移すには場所の確保が難しいので、こちらは鉢を活用することにした。我が家に残存する鉢を総動員して、植え込んでいく。地に降ろしたヤツが、はや地上1mほどに育っているのとは対照的に、こちらはまだミニ盆栽サイズ。いっそこのまま盆栽風味に育ててしまおうか。なかなか芽が出ず、数撃ちゃ当たるかと大量に播いたツケを、今、なんとか払い終える。来年は、苗床の環境改善をやらなくては。

 水道回りの部品は、自動撒水器のセッティングのためだった。去年、ウッドデッキ設置のときに“水撒き君”を買っていたものの、菜園の拡張やら新たなサイド1&2の増設など庭回りを改造していたため、後回しになっていたものだ。デッキの下にホースを通したLicは、コントローラを接続するため蛇口を取り外しにかかっている。めちゃめちゃ固かったようで、私が呼ばれた。手でねじったくらいではびくともしない。レンチ等を使うスペースもなかったので、蛇口にドライバをつっこんでこじり、どうにか外すことに成功する。そして分岐のついたスぺーサーを取り付けたのだが、コントローラからの配管をねじ込むには狭すぎた。もっと分岐口を外に出さねばならない。太陽は山の向こうに没しつつあり、考える時間はほとんどなかった。結局、Licは新たな部品を買いに走った。
 戻ってきたLicが取り付けたものは、フレキシブルチューブ。あとはコントローラを接続し、撒水テストだ。3種類のヘッドがどのような撒水パターンを持つのかを確認しなければ。
 180度、葉面撒水、360度。むぅぅ、これは悩む。狭い庭には少々広範囲に飛びすぎる気もするが、うまく位置を調整すればなんとかなるかな。でも、すっかり日が暮れてしまったので正確な飛距離などは、また今度ということになった。なんとか真夏には間に合うかもしれない。

すごいもの

 発見したのはみこりんだった。指さす先に視線を移すと、私はそこに驚くべきモノを見たのである。それは蝉の幼虫の抜け殻だった。
 私にとってそれは、ヤゴの抜け殻などとは比較にならないほど特別なものだった。子供の頃、蝉の抜け殻を見つけたのは、たいてい山の中か古い苔むした庭だったから。蝉は、アゲハやキリギリスのように、普通に庭で生まれくる虫ではなかった。それゆえに、蝉の幼虫が庭で見つかるといいのにと、子供のころはずっと思っていたものだ。実際には街中の公園とか、校庭でも蝉の抜け殻はあったのだけれど、最初に見た蝉の抜け殻が大自然のまっただ中だったというのが、ずいぶんと影響していたようである。
 それほど焦がれていたものが、今、我が家の庭にあった。実家ではついぞ見ることは出来なかっただけに、よけい感慨深いものがある。たとえるならば、カブトムシが庭の樹にやってくるのと同じくらい、インパクトのある光景だった。
 抜け殻は、ニイニイゼミにしてはやや大きく、アブラゼミにしてはやや小さい。微妙なサイズだ。これで羽化でも目撃していたなら、この夏最大のイベントの1つになったであろう。場所はプラムの樹の近く。もしかすると、まだまだ幼虫は潜んでいるかも知れない。週末の楽しみが、また1つ増えた。

畏怖

 今夜は皆既月食。食後、ちょうど時刻は午後8時45分。ウッドデッキにチェアを広げて月見といこう。
 月明かりにゴッホのひまわりが映える。夜でも情熱的だ。湿気を含んだ夜風が、夏の記憶を強烈に呼び覚まして、腹の奥がじわじわとたぎる。
 欠け始めた月。じっと見つめていると、みこりんがやってきた。まだ下の方しか欠けていないので、みこりんには“月食”が何なのかわからない。
 やがて…、赤銅色に月が染まった。みこりんに赤い月を見せようとしたが、一瞥しただけで部屋の中へと消えていった。その後、2〜3回、こちらを窺うようにしていたみこりんだが、結局、赤い月を見上げることはしなかった。
 何か、尋常ならざる気配を察知していたのだろうか。私には、みこりんが畏れているように感じた。でも、お風呂の中で「今日の一番面白かったこと」を聞いてみると、「おつきさま」なのだった。はて…。


2000.7.17(Mon)

明日は夕涼み会

 たしか先週までは、お風呂でみこりんの髪を洗ってやってるときなど、耳にちょっとでも水がかかるとそれはもう大騒ぎになっていたものだ。だから未だに寝転がらせて洗面器に後頭部をつけこむ方法ですすいでいる。でも、1歳後半あたりは、頭からじゃばぁとかけても大丈夫だったのに…。
 耳だけでなく、顔に水がかかるのも極度に嫌うみこりんなので、保育園のプールでもよく泣いているらしい。そんなみこりんだったが、なんと今夜はお風呂で耳に水が入ってもまったく動じなかったのである。あまりの突然の出来事に、なんだか浦島太郎の気分になってみたりして。みこりんはいつでも突然に進歩する。

 ところで明日は保育園で夕涼み会がある。みこりんは浴衣を着ていけるのが、楽しみで仕方ないらしい。裾直しするLicのそばで、浴衣を着ていくんだと何度も話してくれた。私にも「じんべぃさん、きていってね」と言ってくれるけど、さすがにちょっとそれは浮きまくりそうで勇気がいるなぁ。さらにみこりんからの情報によれば、先生達も浴衣を着るんだという。す、すると、あの“可愛い先生”も浴衣なのか!?みこりんに確認したところ、黄色い浴衣を着てくるんだと教えてくれた。他にも、どの先生が何色の浴衣になるのか、細かに情報提供してくれるみこりん。いったいどこでそんな情報を入手するんだろう。幼児の情報網侮り難し。
 明日に備えて早めに床に入ってからも、みこりんは暗がりでなかなか寝付けない様子。明日のことを、何度も何度もお話してくれていた。お友達の名前をつらつらと挙げながら、金魚すくいするのとか、踊るのとか…。微睡みながら相づちをうつ私は、いつのまにか先に眠ってしまっていたらしい。夕涼み会、今年は私も参加してみようと思う。


2000.7.18(Tue)

夕涼み会

 定時上がりで夕涼み会へと向かう。園庭ではすでに模擬店が盛況で、運動会などよりも人並みは混み入ってるような気さえする。さっそく“可愛い先生”の浴衣姿なぞ拝もうかと思って探してみたが、どの先生もいつもの服装で、浴衣なのはおちびちゃん達ばかり。こっ、これはなんとしたこと。みこりんの情報はガセだったのか!?Licによれば、服の色はたしかに昨日の情報通りなのではないかという。むぅ、そういわれてみれば、そんな気もしてくる。半分当たりか…。でも、なぜ平服の色なんかを事前にみこりんは知ってたんだろうな。さらに謎は深まったような。
 気を取り直して、みこりんの手を引き、模擬店のゲームなどで遊ばせてみる。3回分しかチケットがないので、みこりんも慎重にどれをやろうかと考えているようだ。
 まずチャレンジしたのが、ボール投げでパネルを倒すやつ。これはみこりんには難しかったようで敗退。でもハズレの景品がもらえる。店番やってたボランティアの中学生の女の子が渡してくれたのは、シャボン玉セット。しかしみこりん固まってしまった。どうやらシャボン玉な気分ではなかったらしい。その雰囲気を女の子も機敏に察したようで、別の景品を出してくれた。これにはスーパーボールが3つほど。両方を見比べるみこりんだったが、やはり後から出してもらったのに交換してもらってた。
 次に挑戦したのがボール入れ。地上すれすれの位置にある箱に向かって、ボールをぽーんと……、入った。箱の難易度によって出てくる賞品も違う。この場合、もっとも簡単な部類なので、クルマ。みこりん、最初からこのクルマを狙ってたらしい。満足げである。
 そして最後は、“まっかちん釣り”。そういやアメリカザリガニのことを、“まっかちん”っていうのを聞いたことあるような。もちろん、幼児向けゲームなので本物を釣るわけではない。色紙で作ったキュートな“まっかちん”が相手だ。竿を構えて、針を投入するみこりん。なかなかさまになってる一連の動き。去年の魚釣りのことを、よく覚えているようだ。でも今回、まっかちんの中にいたお姉ちゃんにより、あっというまに針にまっかちんは結びつけられ、釣りは終わった。もうちょっと試行錯誤させてくれてもよかった気がするが…。みこりんもなんだかあっけにとられている。それでも釣り上げた“まっかりん”を手に、景品に交換してもらうのであった。落書き帳ゲット。そろそろお絵かき用の紙がなくなるところだったので、これはタイムリーだった。

 夏祭りといえば、やっぱり出てくる金魚すくい。無条件に3匹貰えるシステムだった。なにしろ網は、モナカでも紙でもなく、金網だったのだから。しかも金魚は小さなプラケに入れてくれていた。金魚3匹分より、このプラケ1つのほうがたぶん値が張ってるはず。去年はただのビニール袋だったのに、えらくグレードアップしたものである。でも金魚3匹飼うには、まだまだ狭すぎる。帰ったらさっそく水槽の割り振りに悩まねば。

 やがて模擬店終了の時間。飾りに使ってた風船を、みこりんは1つもらっていた。この風船だけあれば他はいらないっていうくらい、夢中になって遊んでる。じつに安上がりでよろしい。バザーで野菜などを袋いっぱい買い込んできたLicも合流して、夕涼み会は第2部へと移る。
 櫓に提灯とくれば、盆踊りだが。幼児向けってことで、お遊戯(というかリズム体操)タイム。最初、遠巻きに眺めていたみこりんだったが、そのうち「いこっ!」と私の手を引き駆けだしていった。みこりんの大好きな先生が、ちょうど真ん中付近で踊ってたのを見つけたらしい。でも踊りの輪には、なかなか入ろうとしない。いつもと違う“お祭り”の雰囲気に気圧されているのだろうか。でも3曲目になればすっかり慣れたか、みこりんも“ノリノリ”だった。そうそうその調子。
 夕涼み会のラストは、花火で飾られる。花火と言っても市販のやつだ。それにしても最近の市販されてる花火は、高性能なやつが増えた。50mくらい離れてるのに首を限界まで上向かせなければ、打ち上がったのを見ることができないとは。それに伴い、音の方もかなりパワーアップしてる。その響きがみこりんの笑いのツボにずばっと刺さったらしく、さっきから笑いこけている。ヘンな笑い声だ。ぜひ録音しといてやりたいくらい、独創的な笑いであった。


2000.7.19(Wed)

納涼祭

 明日から第一段の夏休み。みこりんの、ではなく、私とLicのだ。会社では、定時後から毎年恒例の納涼祭なども開催されていたりして、すっかり仕事の気分ではない。会社行事とはいえ、参加が強制されるような代物ではないので、じつに気楽だ。
 こういう催し物には目がないLicのこと、今日もみこりんを連れて参加している。私がようやく仕事を終えて出てきた頃には、納涼祭はまだまだ盛り上がりを見せてる真っ最中だった。腹話術のお姉さんが、小さい子向けに寸劇などを披露している。さて、みこりん達はどこかなと、待ち合わせ場所に来てみたが姿が見えず。ん〜、数百人という人出では、探すといっても至難の業だ。ヘタに動き回らず、ここに留まっていよう。そのうち見つけてくれるかも知れないし。
 それにしても暑い。もう7月も19日だ。早い、早すぎる。7月なぞあっと言うまだ。油断してたら、秋だったってことにもなりかねない。念入りに夏の計画を立てねばなぁ。…などと汗をふきつつ、常に携帯している冷えた甜茶などすすりつつ思う。で、気がついたらみこりんが背後にいた。「うぉっ」

 納涼祭のラストまでいたら夜の8時をまわってしまうので、帰ることにする。またも金魚すくいしたらしく、へろへろの金魚達がLicの手にあった。こうして毎年金魚が増えてゆくのか。
 帰りのクルマの中で、みこりんが「うみにいこうね」と言った。海?ここは海のない県なので、そんなに気軽に海には連れてってないが?と思ってたら、続けて「みこりん、つりざおもってないで、おとーさんかしてね」ときた。ははぁなるほど、みこりんの言う「海」とは、どうやら「長良川」のことらしい。去年の夏も、長良川で魚釣りしたのだ。それを覚えていたのだろう。この夏も、やはり長良川での魚釣りは外せない。特に今年は5月に思いっきり外してしまったので、水槽には川魚が皆無だ。7月中に行かねばなぁ。


2000.7.20(Thr)

熟れた果実

 気がついたら朝だった…。またしてもみこりんと一緒に寝入ってしまったらしい。でもまぁ連休初日を早起きで飾るのも悪くはない。
 朝露が消えたくらいのタイミングで、庭を探索。思わずニヤついてしまうような発見あり。これはぜひともみこりんに教えてやらねば。
 起き出してきたみこりんに、すぐさま伝えたくなるのをぐぐっとこらえて、まずは腹ごしらえをしよう。今日は長い一日になりそうだ。

 午前中の庭いじりが一段落したころ、ついに私はみこりんを呼んだ。こういうときにはすごくいい子のみこりん。たちどころに駆けつけてくる。手を引いて一緒に向かった先は、プラムの木方面。そう、ついに機が熟したのだ。今こそみこりんに収穫してもらおう。ルビー色に染まった、プラムの実を。
 先週、ようやく色づいてきたのを見つけたみこりんは、赤くなるまで待とうねという私との約束を、今度こそよく守ってくれた。まさに待ちに待った瞬間である。みこりんの目は、深紅のプラムただ一点にのみ注がれ、せいいっぱい腕を伸ばして、今、その手につかんだ……と思ったら、すってんころりん草の中!!熟れた実は、じつにあっさりと重力にその身を任せたのであった。
 昔話ならば、ここで妖しげな神様などが登場し、お約束の選択肢を提示するところだが、我が家にはあいにくそのような気の利いたものはいないらしい。落ちていった実は、自力で探さねばならないようだ。放心状態のみこりんのために、ちょいと草の束をどかしてみると……あったあった、でもみこりんには届きそうにないかな。私が代わって枝の下に潜り込み、ついにプラムの熟れた果実をゲットする。
 みこりん再び歓喜の表情。意気揚々とLicに報告に行った。やがて水洗いされたプラムの実を、みこりんはじつに美味そうに頬張っていた。一心不乱に食っている。このまま何も言わないでいたら、私の分もなくなってしまいそうだ。いかんいかん、初物を食わずに何を食うというのか。みこりんにストップをかけ、一口かぶりつかせてもらった。

 な、なんだこのとろけるような果汁の多さは。しかも酸っぱくない、酸っぱくないぞ。最近のプラム(スモモ)は、みんなこうなのか?まるで上品な桃である。桃より実が小さい分、味わいもそれだけ凝縮されて、食い応えがある感じ。一般的なプラムに対するこれまでの私の評価は、いとも簡単に崩れ去っていった。プラム侮り難し。

 今日、熟していた実は1つだけ。でも、残りもかなり青さは減っていて、収穫時期まであとわずかだ。みこりんは、この誘惑に耐えきることができるだろうか。

 夕方、お昼寝から目覚めたみこりが、なんだか慌ただしく庭へと降りてきた。何か重大なことでも起きたんだろうか?訝しむ私の前に、再びみこりんが立ったとき、その手には未成熟プラムの実が…。午前中食べたあの味に、つい抑制が外れてしまったのだろう。みこりんは「あかくなっとるよ!」と、そのことを強調するのだが、その赤みがさらに深く濃くなるまで待たねばならないことを、どうやって教えてやろう。やはり食べさせてみなけりゃダメかな。というわけで食べさせてみたところ…、がつがつ食ってる。ま、まさか美味いのか?一口味見させてもらったけれど、案の定まだまだ酸っぱい。舌の奥に苦味のようなものが残る。この酸っぱさを味わえば、もっと熟すまで待ってくれるかと期待したのに、みこりんはまったく抵抗を感じないらしい。逆に「おいしいおいしい」と最後まで食べてしまった。演技には見えないし、ほんとうにおいしく感じたのかも知れないなぁ。これでますます熟すまで待つってのが困難になったような。ま、今年はしょうがないか。

 黄色い洋ナシ型のミニトマト“イエローペア”も、やっと下の方が熟してきたので、これもみこりんに収穫してもらった。“黄色い”ことについて、なにか言及があるかと期待していたが、特になし。トマトはプラムほどには興味を惹かないのかな、やはり。
 ピックルキュウリにも、いつのまにか8cmほどの実が3つついていたのでこれも収穫。でもこっちはトゲトゲが痛いらしくて、もぎれないようだった。代わりに私が千切って、さっそくLicにピクルスにしてもらった。もっと大量に実るには、あと2〜3週間はかかりそう。かろうじて“夏”には間に合ったかな。

撒水器

 去年、サンルーム&ウッドデッキを設置したとき、たまたま撒水器セットを安売りしていたので買っていた。平日はなかなかゆっくり水やりしている時間もとれないので、いいかなと思ったから。でも、今日まで設置されず箱に入ったままだった。菜園の拡張やら花壇の変更なんかをやってたので、ノズルの位置決めがやりにくかったというのもあるが、夏場以外だとあまり定期的な水やりは必要なかったというのが主たる理由。それでも最近は梅雨も終わり、猛烈な熱気と乾燥でさすがに地植えでも厳しいものが出てきたため、ついに設置に踏み切ることにした。
 先日、Licによって基準となるホースの設置は終わっていた。あとは、ここにノズル用の分岐を作っていけばいい。まずは3種類あるノズルの撒水パターンのチェックから始めよう。まずは葉面撒水ノズルから。
 わりと大きめの水飛沫が90度の広がりで拡散した。次に180度ノズル。ネーミングからだいたい予想できたが、なるほどたしかに180度だ。でも真円というより、楕円を左右方向に広がるカタチに切ったような撒水パターンだった。しかも水量も均等ではなく、左右に集中している感じ。かなり癖がある。ふむふむ。では、次に360度ノズルといこう。傘をさすようにノズルを頭上に捧げ持ち、いざ注水。これは予想通りだった。ただ、水が円周上に集中するのが、少し使いにくいかもしれない。この撒水パターンのチェックの間、みこりんはわざとシャワーに突っ込んでいって水浸しで遊んでいた。自分も夏の水やりのときには、こうやって遊んでいたなぁ小さい頃……と、妙に懐かしく思ったりもし。

 で結局、菜園のほうには葉面撒水ノズルを両端に2箇所設置することにした。あとのは悩んだ結果、もうしばらく様子を見ることにして延期。うまい設置パターンを見つけださねば。
 菜園のほうの葉面撒水ノズルは、地面に対して本来垂直に設置する用途で作られているが、今回、我が家の菜園の奥行きの狭さを鑑み、地面に平行に取り付けてみた。付属のホースが、やたらと固くて曲げるのに苦心した。エルボなどのオプションがあれば自由度も広がりそうだが、そういうのはないようだ。ふと、シャワーパイプを、畝に沿って設置してもいいかなと思ったけれど、いったい何本のパイプと、配管が必要だろうかと想像したところで諦めた。やはりノズル2本のほうが簡単だ。
 撒水チェック。手動モードに切り替えると、夕立のような激しいシャワーが降り注いだ。やはり地面に平行にした分、ダイレクトになっているのだろう。若干、位置を調整する必要があったが、とりあえずこれで菜園方面の設置は完了した。これでいつ長期に家を空けても大丈夫、と。

我が家の小さな仲間達

 にゃんちくんが、トイレの中で寝入っている。朝、砂を換えてやったばかりだから、気持ちいいのかもしれない。茹だるような午後の熱気だ。そうするのが一番涼しいのだろう。それにしてもよく寝てる。
 ピーコは鳥篭の端っこで、梯子につかまって涼み中。羽根を心持ち広げて熱気の分散。見るからに暑そうだ。しかも西日が少し当たってるような。籠の位置を変え、巣箱で影ができるようにしてやった。それにしてもウッドデッキは照り返しがきつい。
 残るはチュー達。ケージを覗き込んだ私の目に映ったものは……。かっと目を見開いたまま、横倒しになったロボロフスキーの“あかねちゃん”の姿だった。ま、ま、ま、まさか…。おそるおそる、そろぉっと息を吹きかけてみる。…「!」。スイッチが切り替わったように活動を始める“あかねちゃん”。あいかわらず心臓に悪い寝方をする。それにしても目を開けたまま寝て、目がぱりぱりに乾燥したりしないんだろうか。心配だ。


2000.7.21(Fri)

夜の訪問者

 夜、買い物から戻ってくると、玄関先にクワガタムシがいた。メスだ。でも、コクワガタにしては、少々図体が大きい。アゴの形状を観察してみたところ、奇妙な隆起が目に留まった。これがオスなら、ノコギリクワガタといったところだ。ミヤマクワガタほど角張ってはいないと思うので、たぶんこれはノコギリクワガタのメスだろうと推測する。

 つんつんつついても、弱っているのか動きが鈍い。Licが何か餌をやってみようと言う。たしかにそれは面白いかも。ちょうどメロンが冷蔵庫で冷えているので、そいつを切ってやればいいし。なんて言ってたらみこりんが拒否権を発動した。曰く、メロンはみこりんが食べたいので、くわがたさんには上げないでということらしい。どうやらみこりんは、メロンを丸ごとクワガタにやってしまうと思ってるようだ。そこでクワガタが食べるのは皮の部分だけだと説得を試み、それに成功した。
 Licが持ってきたメロンの皮を見て、みこりんも心底安心したらしい。積極的にクワガタを覗き込む余裕が生まれていた。でも、メロンを置き、クワガタを掴み上げ、のっけようとして、今度は当のクワガタさんから思わぬ抵抗にあってしまった。弱ってると思ったクワガタが、じつはまだかなり体力を温存していたらしいのだ。しっかと手につかまられてしまい、なかなか離れてくれなかった。無理にはがすと、脚が痛みそうだし、慎重に慎重にそろぉっと1本ずつ脚の鍵爪をはがしてゆく。そうしてなんとかメロンに乗せてやることができた。

 食べるかな?と見てたら、顔をメロンの皮につっこんだまま動かない。ん〜?ちょいと皮を持ち上げ、横から透かしてみたところ、むさぼり食ってるのだとわかった。腹が減ってたのかもしれない。それにしても我が家に来るクワガタムシは、どうしてこうもメスばかりなんだろう。いつかはオスを庭に呼んでみたいものだ。


2000.7.22(Sat)

一宿一飯

 お昼頃、例によって植物観察などしつつ庭を移動していたところ、昨夜玄関先に置いたメロンの皮が、もぞもぞ動いているのに気がついた。はて?
 皮をどかしてみると、クワガタだった。昨日のやつだ。照り返しを防ぐために皮の下に潜ったらしいのだが、ということは今までずっとメロンの皮に取り付いてたってことか。よほどメロンが気に入ったのか、ただのものぐさかはわからないが、とにかくここじゃ暑いだろう。移動移動と。

 花桃の下に、置いてみた。ここなら葉っぱが茂ってて木陰になってる。しかもその気になれば、桃の木に登ることもできるぞ。そう安心して場所を離れ、2〜3分後に戻ってくると、クワガタはアリにたかられてる真っ最中だった。なんてこった。私がメロンとクワガタを置いた場所は、すぐ側にアリの巣があったのだ。大急ぎで救出してやる。アリはアゴでしっかと挟みついていて、なかなか取り尽くすことが出来ずはらはらした。クワガタの硬い鎧がそうやすやすと破られるとは思えないが、アリの力も侮れない。ここも移動だ。

 プラムの木。ここならいいだろう。さきほどは地面に置いてやったのがまずかった。木につかまらせてやったらクワガタの天下に違いあるまい。期待どおり、プラムの樹皮にたくましい脚を這わせて、クワガタはのそのそ歩いて消えていった。下の方へ…。また地面に降りなきゃいいのだが。

焚き火台

 午後、弟を迎えに駅まで。遊びに行くと連絡があったのは昨夜のこと。日帰りするには少々きつい距離だが、別の目的地への途中で立ち寄ることにしたらしい。
 我が家に弟が来るのは、たぶん6年ぶり。その時はこの家ができた直後で、引っ越しの手伝いなどをやってもらった。あれから随分、時が経ったものだ。
 今日はもともと庭で焼き肉でもするつもりだったので、炭も準備してあった。じつに都合が良い。しかも使用する焚き火台は、今日がデビュー当日だ。にぎやかな方がいい。

 夕方にさしかかるころ、弟とともに炭火を熾す。着火剤だけでは無理っぽかったが、ちょうど春の剪定枝を細かく刻んで干してあったのを思い出し、有効に活用することにした。からっからに乾燥した小枝は、あっというまに燃え上がり、ほどなく炭にも着火した。そうしてしばらく炭が自力で燃え続けるまで待ち、炭を追加、本格的な“焚き火”へと移行する。
 四角錐を逆さにした形状をもつこの snow peak の焚き火台L(ST-032)は、じつに炭を並べやすいことがわかった。しかも底部がべたっとした平面ではないので空気の通りも良い。これまで使ってた焚き火台(普通の箱形のやつ)とは、使い勝手が雲泥の差だ。しかもコンパクトに折り畳めるので、携帯性にも優れている。こいつはいい。かなりいい。
 あんまり炭がよく燃えるので、つい余計に入れすぎてしまい、気づいたときには火力がものすごいことになっていた。肉を投入したら即引き上げなければならないほどに。でも、みこりんは旺盛な食欲を見せ、私も久しぶりの焚き火の煙に酔うことができて、じつに満足な夕餉であった。


2000.7.23(Sun)

長良川へGO

 川へ行こう。午前中だというのに、めらめらと燃えさかる太陽を見て、そう決めた。さっそくみこりんに同意を求めたところ、「みこりんね〜、“あみ”もってくんだよ」と、その目的をじつに正しく把握してくれていた。将来は立派なアクアリストになってくれることだろう。
 荷物をまとめてトランクに詰め込み、お昼を少し過ぎたところで出発だ。約20分で目的地に到着。日曜ということもあり、結構な人出が見える。今回、荷物をまとめて持っていけるように、学生時代にアウトドアの友として愛用した特大のバッグを使った。毎回毎回、川へ持っていく装備が増えてゆくので、そろそろこいつの出番だろうと思ったのだ。

 目指すポイントは流れの緩やかで、浅瀬に近い場所。若者達が群れている所とは反対方面になる。みこりんが流されにくいことが絶対条件だ。今日の長良川はとても水かさが減っていて、みこりんを遊ばせるにはうってつけかもしれない。
 装備を展開してから、まずは川に入ってみる。……まるでお湯だ。ぬるい、いや、熱いといってもいいぐらいの湯加減だった。それでも膝ぐらいまで水が来るようになると、多少熱さも和らいでくる。水に入るのに、これほど都合のいい条件もないだろう。みこりんも水着に着替えて準備完了。専用のクルマ型浮き輪に乗り込んで、Licの先導で川へと入ってきた。片手にはしっかり網を持っている。
 さて肝心の魚はどんな感じだろうか。水中を無数の影がよぎってゆくのが見える。5月の川とはうって変わって、ものすごい生命力に溢れた光景だった。さっそく網を構えて様子を探る。動きを止めてしばらくすると、回りを小魚の群に取り囲まれてしまった。
 じわりと腰を沈めた。少しも冷たく感じない。温泉にでもつかってるような感覚だ。そうやってさらに魚達への接近をはかっていると、みこりんとLicが戻ってきた。ぱっと魚達が散っていく。みこりんが魚はどこにいるのかと聞くので、足元にたくさんいるよと指さしてやった。散った魚が、もう戻って来つつあった。

 なかなか魚に気づかなかったみこりんだが、ついに小さな銀色の無数の影がそうなのだと気づいてくれたらしい。すかさず網を繰り出している。でも、簡単には捕まえられない。網で追いかけるのではなく、網に魚を追い込むようにしなければ。っていっても、みこりんにはまだまだ難しいだろう。プラケを持ってきて、お手本を見せてやることにする。
 プラケを固定、そこに網や手で魚を追い込むのだが、うーんこいつはなかなか手強いかも。人を恐れないように見えて、うまいこと人を避けて泳ぐ。小さなプラケに追い込むのは至難の業だ。みこりんもだんだん焦れてきた気配。とその時、Licがやった。網だけですくったらしい。高速に手首のスナップを効かせれば、網だけでもいけるようだ。そういや去年はそうやってすくったような気もするな。
 みこりんもLicの網に入った魚を見て、機嫌が戻ったらしい。満足したのか、浮き輪遊びに戻るようだ。1人残された私は、なんとかしてプラケに追い込む方法を考えていた。そのうちプラケに石を入れる方法を思いついて、試してみた。石が囮となって、魚のほうから進んでプラケに入ってくれるのではないかと期待した。ほどなく、魚が近寄ってきて……、入った。石に付着している苔を食べているらしい。もう1つのプラケで蓋をして、捕獲完了。これはいける。魚へのダメージもほとんどないし。4匹ほどを立て続けにゲットしていた。続いて、石の囮作戦を網にも適用することにした。タモ網の中に大きな石を入れ、沈めてじっと待つ。やはりこちらも魚が入ってくる。そのまま網を上げればOKだった。捕獲の目処がついたので、本命を待つことにする、雑魚が入っても動じない。

 ところが本命の小魚は、なかなか近づいてはくれなかった。少数の群れで、底砂をついばんでいるばかり。ひたすら待った。気がついたら2時間ほど過ぎていた。側に寄ってくるヨシノボリなどは、簡単に捕まえることが出来た。色彩などを吟味して、3匹ほどに絞り込む。残りはリリース。でも本命は来ない。そのうち、見慣れない白っぽい魚が、砂をもぐもぐやりながら近づいてくるのに気がついた。はいずり系だ。でもヨシノボリなどとは違って、顔がとんがってスマートだった。
 プラケに慎重に追い込み、捕獲。ん〜、なんていう魚だろう。ちょっと変わってるので一応確保(図鑑によれば、カマツカらしい)。結局、2時間ほど川の中に座り込んでいたのだが、本命はついに採ることはできなかった。

 次は釣り。みこりんも「つり、したい!」というので、私の竿に糸と浮きとオモリだけつけてやったのを持たせてみた。私はLicの竿に籠釣りの仕掛けをつけて、オイカワを狙う。釣りのポイントは、さっき偵察していい場所を見つけてあった。流れの緩やかな深みだ。深さはだいたい2mほど。覗き込むと、無数に10cmクラスの魚が泳いでいるのが見えた。どうもカワムツばかりが目に付くようだが…。
 糸を垂れて、わずか3秒でアタリが来る。入れ食いだった。釣れるのは案の定カワムツばかり。立て続けに釣れる私の傍らで、みこりんの竿にはヒットがない(針をつけてないのだから)。だんだん不機嫌になってゆくみこりん。「つれん〜!」と不満を口にしだした。Licが針をつけてやろうと言うので、まずは私ので練習させてみることに。二人で竿を持って、ポイントに投入。ほどなくアタリがあった。竿を上げると、2匹のカワムツがかかっていた。初めての獲物に、みこりんただ声もなく感動しているらしい。2投目、3投目……、どんどん釣れる。たまにアブラハヤも釣れたが、大部分はカワムツ。適当に選別してリリースする。カワムツばかりでは面白くない。

 順調な釣果を見て、Licがみこりん用にも仕掛けをつけてやろうと道具を取りに戻った。でも、直後にみこりんはもう飽きたらしくて、しきりと堤防の階段に座ろうと言う。たしか5月に来たとき、その階段でお弁当を食べた。それを覚えているんだろう。
 私と入れ替わりで、今度はLicが竿を握る。でも、しばらくしてLicが困った声を上げていた。針がとれなくなったらしい。タッチ交代。再び私は釣り人に戻った。
 深い岩の表面を、大きな胸ビレを広げた魚影が横切るのが見えた。体表の模様が、カワムツとはぜんぜん違う。波々のグラデーションは、オイカワに違いない。よぉし、あれを狙おう。

 午後6時が迫っていた。私はいまだオイカワを釣り上げていない。カワムツばかりだ。投入したらオイカワが食いつく隙もなくカワムツがかかる。む〜、これは困った。釣ってはリリースを繰り返していたが、そろそろ限界だ。帰ろう。オイカワには別の作戦を考えるとしよう。
 今日一日で、また一段と日焼けしてしまった。


2000.7.24(Mon)

かくれんぼ

 あまりお菓子には執着しないみこりんだが、たまにとことん甘いモノを欲する時があったりする。今朝もそんな気分だったらしい。もうじきご飯だからチョコレートはダメだよとLicに念を押されていたにもかかわらず、冷蔵庫から“キットカット”の小袋を1つ奪取し、いずこかへ消えていったのだった。

 ところが、しばらくしてもなかなかみこりんが戻ってこない。いつもはどこにいてもその気配を感じることができるのに、今はまるで家中の空気からみこりんの存在が消えてしまったように、静かだった。廊下からは、ただ水槽のモーター音が低く響くのみ。Licが探しに行ったものの、発見できず。2階の部屋にはどこにも見えなかったという。ならばと、私が今度は1階部分を探査することにした。
 座敷、和室、洗面所……。そんな馬鹿な。隠れる場所など、それほどないはずなのに、見つからない。もう一巡してみたけれど、やはりいない。試しに、みこりんの名前を呼んでみた。返事は、やはりなかったのである。

 Licも2階をもう一度調査に行った。しかし、やはりなんの成果もなく階段を降りてきた。消えた。みこりんが消えた。こんな狭い家の中で、どうやったらここまで完璧に人間を消すことが出来るのだろう。イリュージョンだ。マジックだ。いや、神隠しかもしれん。

 三度、受け持ち区域の調査を始めようとしたときのこと。Licがヤケにわざとらしい声で、「みこりん、おらんなぁ」などと言うのが聞こえた。私にもその意味はすぐにわかった。ついに発見したのだろう。だが、いったいどこに?
 Licに訪ねようと玄関方面を向いた瞬間、私にも謎が解けた。あまりの見事さに、もう少しで声を上げて笑いそうになる。その衝動をぐぐっと堪えて、あくまで見つからないフリをした。これはみこりんが自力で出てくるまで待った方がいい。みこりんはじつにわかりやすい場所にいた。まさかそんなところにいようとは、我々が予想もしないような場所に。
 玄関に、目隠し用の衝立がある。ドアを開けていないときには、たたんで脇に立ててあるだけなのだが、そこにみこりんは貼り付いていたのだ。廊下側から見れば衝立の向こうになるので、籐で編まれた表面を透かしても、近づかなければなかなかそれとは気づかない。見事なカムフラージュだった。…ただ、反対側から見れば、まるっきりばればれなんだけど。

 『頭隠して尻隠さず。』

 キットカットを密かに食い終わったみこりんは、やがてそろぉっとリビングへと戻ってきた。じつにいたずらっ子な顔になって。次回はどこに隠れてくれるのか、今からとても楽しみだ。

奇妙な嵐

 午後から嵐になった。といっても雨はない。ただ風だけが、荒れ狂い、猛っていた。
 一昨日の炭火焼きに使った焚き火台、昨日の川遊びで使った装備類を、それぞれ洗っている間にも、庭の木々花々は今にもなぎ倒されそうな情勢だ。気がついたところから支柱を立て直し、新たに追加し、補修する。それにしても台風並の威力に思える。突如、熱帯性低気圧が転移してきたかのようだ。
 西側の壁に、ナナフシがへばりついていた。手脚を前後に長く伸ばし、せいいっぱい空気抵抗を減らす体勢で、耐えていた。その少し向こうには、チョウトンボの一種と思われる虫が、柔らかそうな羽根をびりびりさせつつも、しっかりしがみついている。この強風に巻き込まれれば、こんな小さな虫などひとたまりもなかろう。
 何度目かの花壇チェック。ついに被害が出てしまった。盛大に咲きつつあった“カクタス咲き百日草”が、根元からぽっきり折れてしまっていた。雨は相変わらず来ないため、強烈な太陽に熱せられて早くもしなしなである。急いで花瓶にさしてやった。まだまだこれから最盛期なのに、こんなところで終わらせるのは惜しい。他には白ズッキーニが派手に横倒しになっていた。根本に深い傷のある株なので、いつ千切れてしまうかとドキドキする。一度も“花のカタチの実”を食べていないだけに、ここで逝ってしまってはいかん。

 風は、翌日の朝型まで断続的に続いたのだった。


2000.7.25(Tue)

おーしまい

 第一段の夏休み、最終日。久しぶりに、お昼過ぎまで寝てしまった。午前中は、かなり激しい雨だったらしい。なぜかほっとしたりして…。
 夕方、みこりんを保育園に迎えに行ったついでにマーゴに寄る。何を買うでもなく散策していると、ガチャポンの1つに『うる星やつら』があるのを発見。やってしまう。
 “終太郎”だった。…夏も終わりじゃのぅ……。


2000.7.26(Wed)

水に親しむ

 最近、すっかり水遊びに目覚めたみこりんは、お風呂の中でも日々新しい技を披露してくれるので頼もしい。今夜は、湯船の端から端まで水中ジャンプして移動というのをやってくれた。手を滑らせたら、そのまま湯の中に沈没してしまうという荒技ゆえ、顔の下半分くらいまで没することも2度3度。でも、みこりんは強くなった。一瞬、息が詰まって悲愴な顔になったけれど、笑いで吹き飛ばすパワーがあった。
 でもまだ私が一緒に入っていないと、湯船渡りは恐いらしい。体を洗ってても、湯船に入るように言われてしまって、落ち着く暇も無し。そして飽きるまで、何度も何度も何度も、水と戯れている。

 今はまだこうして親がいないと恐いレベルだけれど、そのうちがんがん一人で水遊びし始めるのだろう。赤ん坊のころ以上に、目が離せなくなってくるような予感。慣れ始めが何でも事故りやすいだろうし。
 なんて心配してたのに、みこりんの髪を洗ってたらやっぱり目に水が入ったと泣いていた。これは条件反射といっていいかもしれないなぁ。洗面器で“ざばぁ”とかけても大丈夫になるのは、いつの日か(私の予想では、来月の今頃だけど)。

水分補給

 真夜中、チュー達に餌をやってたら、またもや砂ネズミのチャッピーの様子がおかしいのに気がついた。木のおもちゃも入れてやったし、餌もそこそこ囓るものを食べていたので安心していたところだったのに、イヤな予感が沸き起こる。
 手にすくいあげて歯をチェックしてみたところ、前回ほどではないもののやはり下側の片方だけが、長く伸びつつあった。しかも片方だけなので、それに押される形で上の歯が斜めに傾いでしまっている。不整合になってしまってるらしい。なんとかしてやらねば。

 前回、きちんと切りそろえたつもりだったけど、甘かったのかもしれない。左右の長さが合うように、今度こそうまく切ってやらねば。相変わらず切れ味の良いニッパーは気持ちいいが、歯の断面がやたらとでかいのにはまいった。切りそろえても、太さがあまりに違いすぎて、こんなんで本当に大丈夫なのか心配になってしまう。
 片方だけが伸び続けてしまっていたので、木のおもちゃもうまく囓れなかったのだろう。その悪循環が、今回で断ち切れればいいのだが。やはり獣医さんにやってもらうべきかもしれない。

 さて、歯が揃ったチャッピーは、しばらくは前回同様、ぐつぐつと噛み合わせのテストなどしていた。でも、そのうち急に丸まってしまって元気がなくなってしまった。水分を欲しているのかもしれない。前回も切ったあとはトマトを狂ったように食べていた。あぁしかし、悪いことに今夜は冷蔵庫にトマトがない。何か水気の多いもの……と探していて思いついた。そうだ、そろそろ庭で育ってるトマトが赤く色づいてるかもしれない。
 さっそくヘッドライトを装着して深夜の庭を捜索する。3本目のトマトで、ようやく見つけた。まだ実は小さかったが、全体が赤く染まっているのが2つほど。あまり出来は良くないが、このさい贅沢は言っていられない。とにかくこれでチャッピーの乾きを癒してやらねば。

 他の2匹にもお裾分けしてやり、我が家の初物トマト“カゴメ77”は、こうしてネズミ達のものとなったのであった。


2000.7.27(Thr)

あかねちゃんの瞳

 昨夜は砂ネズミのチャッピーが危なかったが、今夜はロボロフスキーのあかねちゃんに異変があった。いつになく目玉がでっかく飛び出してるような気がして覗き込んでみると、瞳の中心付近に何かが貼り付いたかのように、うっすらと白濁していたのだ。白内障にしては白濁部分がぼやけすぎてるような気もするが、物理的に何かが付着したのではないらしいので、目の病気には違いあるまい。

 近頃あかねちゃんは目を開けたまま寝るという特性を示していた。薄目などという生やさしいものではなく、まさしく真ん丸に見開いたまま寝るので、いつも死んでるように見えて恐かった。もしやこれが前兆だったのかもしれない。眼圧が高まって、瞼を閉じることもできなくなっていたのではなかろうか。年老いたハムスターなどにはこうした目の病気は結構あるらしいけれど、あかねちゃんは買ってきたのが去年の8月19日のこと。まぁその時すでにかなり大きくなっていて、店員さんの話では1歳くらいにはなってるのではということだった。それにしてもまだ2歳だ。めちゃめちゃ年寄りという域でもない。
 暑さが堪えたのだろうか。やはり平日の昼間は軽くクーラーをかけていってやったほうがよかったかもしれない。これから真夏に向かってどんどん蒸し暑くなってくる。気を付けておかねばなぁ。


2000.7.28(Fri)

さらに水へ親しむ

 電子アラームの音に呼ばれてお風呂へと来てみると、みこりんがさらにパワーアップした技で迎えてくれた。水面より少し上にLicがかざした手をトンネルと称して、みこりんがくぐるらしい。トンネルの高さは、みこりんの顔よりも明らかに狭く、くぐるには顔を水中に沈めねばならないが……。

 はたしてみこりんは、まるでずっと以前からそうしていたかのような自然さで、躊躇することなく顔を湯の中に沈めていった。じつにあっさりと、淡々と、みこりんは湯に顔をつけることができるようになっていた。
 ヒトは、その昔、水中をその活動の拠点としていたとする仮説がある。太古の記憶が、みこりんを水の中へと誘うのだろうか。でもソレを言ったら、三輪車好きのみこりんは、先祖が車輪生活をしていたはずだし、“高い高い”好きゆえ、空中生活に親しんでいたはずである。みこりんの祖先は、フロンティアを旅するピカード艦長だったかもしれない。


2000.7.29(Sat)

野菜達の憂鬱

 朝から妙な天気だった。晴れたり曇ったり雨が降ったり、しかも強風のオマケ付き。植物観察やってる最中も、デジカメのレンズに水滴がついて困った。それにしても今週は野菜達には不運だったようだ。梅雨も明けたというのに雨雨雨で、せっかく先週には鈴なり状態だったピックルキュウリの赤ちゃん達が、軒並み腐り果てている。“この夏自家製キュウリでピクルス計画”は、いきなり危機に直面してしまった。幸い、地面に這いつくばって育っていた2つの実は生き残ってて、全滅は免れたのだけれど、こいつらみんな両手サイズで太さもバナナ以上というピックルキュウリ(ピクルス用ってことで、片手サイズを収穫するのが本当)にあるまじき姿になってしまってた。2本しかないことだし、このまま生で食すことにする。
 みこりんと二人、とれたてをマヨネーズで囓る。当然のごとく、うまかった。来年の課題は、不純な天候にも耐えられる栽培環境をいかに構築するかだ。なんか去年もこの時期雨が続いたような気がするなぁ。

 花びら型というか、UFO型というか、円盤状の白い実がつくというので育てていた白ズッキーニ。先日の強風にはなんとか耐えたが、やはりこちらも雨雨雨で、せっかく直径3cmまで育っていた円盤が、無惨に腐り落ちていた。く、悔しすぎる。あとに続くものがまた育ってきているので、食えないまま終わるってことはなさそうだが、今年一番の目玉なので早く味わってみたいものだ。

 さらに風で落ちたと思われるプラムの果実を2つほど発見。1つは完熟していたので、みこりんの腹に納まった。もう1つは…まだ青かったのでそのままに。青いほうが大きな玉ってのは、お約束。大玉は、これで残すところ4つになってしまった。果たして完熟するまでぶら下がっていてくれるだろうか。とても心配だ。

 ミニバラ“オーバーナイトセンセーション”が、満開になっていたのは先日のこと。開ききる前の淡いピンクの蕾は、じつに清楚で清々しい……。だが、ここにも異変が。
 花という花に、黒っぽい小さなヤツが埋もれていた。もはや花の面影はどこにもなく、わずかにピンク色した根元しかない。コガネムシに根こそぎ食われているのだった。今もまさに残滓を囓り取られている真っ最中。しかも1花1ペアという。彼等のお気に入りデートスポットになっているらしい。どうりで花がすぐに消えてしまうわけだ。うちの庭には昆虫界では食物連鎖の頂点付近に位置するであろうカマキリが豊富だが、硬い鎧を持つ甲虫類にはさすがに手出しできないのだろう。カナヘビ君も食べそうにないし、コガネムシの天敵って何だろうな。今はとりあえず人力による除去を行っておく。

 ゴッホのひまわりが、そろそろおしまい。8月まで持たないとは意外だった。来年は時間差で種を播いてみようと思う。重そうに頭を垂れるヒマワリ達、忘れず種を採っておかねば。5〜6種類のミックスなので、お気に入り2〜3種を厳選、残りはチュー達の餌にとっとこう。
 さて8月、ヒマワリ亡きあとは、朝顔のカーテンが無事成功するかどうかがポイントだなぁ。

 ちゃっぴー死す。
 おやすみ、ちゃっぴー。桃の花が植わっていた穴に、埋めてやった。
 みこりんが「またおなじのかってこないかんねぇ」と言う。みこりんにとっては、生き物も非生物も、すべてあるがままに、どれも特別な意味はないのだろうな。ただ、みこりんにとっての“ぽぽちゃん”についても、同じような反応をするかどうかは気になるところ。みこりんは自分の“ぽぽちゃん”と、その他大勢のお店で売られてる“ぽぽちゃん”は区別してるふしがある。


2000.7.30(Sun)

コールラビの謎

 昨日に引き続き、今日も荒れ模様のお天気である。女心と秋の空……まだ真夏にさしかかったばかりなのに。

 久しぶりに草引きなどする。プラムの木にさしかかったところ、またもや落下してるのを発見!大玉1つだ。しかも完熟。い、いつのまにこんなに熟れていたのか。昨日見たときには気づかなかったが…。
 みこりんに食べさせてやろうと拾ったら、中からわさわさ出るわ出るわ蟻の大群。すでに食われていたようだ。無尽蔵に蟻が出てきそうだったので、そのまま元の地面に戻しておいた。早い者勝ちっていっても、なんだか妙だ。これまで落ちた完熟プラムがこうなっていたことはない。もしや…、もしやこいつはずっと前から落ちていたのではあるまいか。そして地面で熟した。だが、現在大玉プラムは3つになった。数は合ってる。まだ1つ、見逃してるのがあるらしい。

 トマトの“カゴメ77”を、3つほど収穫した。味は甘くはないが、素朴な風味で夏向きだと思う。種の部分が少ないので、料理向きかもしれない。
 コールラビを1つ収穫した。太さ5cmになってからというもの、生長が止まったような感じだったので、ダメになってしまうまえに食ってしまおうと思ったから。まぁ葉っぱをほとんど青虫に食われてしまっては、大きくなるモノもなれないだろう。来年の課題は、青虫対策。ところでコールラビってどうやって食べたらいいんだろう。アブラナ科だから、なんとなく予想はできるものの…。料理法が載ってると思ってた本には育て方しか書いてないことが判明し、コールラビを抱えて路頭に迷ってしまった形だ。事前調査は念入りにやっておかねばなぁ。あとでサーチエンジンでチェックしておこう。

プラモデル

 ずっと棚の上にしまったままだったプラモデルの箱2つを取り出してみた。1つはHGシリーズの『ガンキャノン』、もう1つが『ロータス・ヨーロッパ SP』だ。購入日がそれぞれ1999年8月22日1999年8月8日なので、およそ1年あまり寝かせておいたことになる。
 なぜすぐに手をつけなかったかといえば、迷っていたからだった。もちろんどうやって“改造”してやろうかという迷いだ。それにいったん製作にかかると、一気にやってしまわないと未完のまま終わる可能性がとても高いので、機が熟すのを待っていたというのもあるかもしれない。なにしろブランクが長いから。最後にまともに完成させたのが、高校1年か2年だったと思うので、17年以上になる計算だ。

 最近の事情にはあまり明るくないため(プラモ雑誌をたまーに立ち読みするくらい)、昔ながらの方法でやろうかと思う(つまり我流)。光り物が好きなので、ロータスはライト類をすべて点灯可能にしてみよう。左右のウインカーがゴマ粒より小さいのが気になるが、まぁなんとかなるだろう。塗装を“サーキットの狼”仕様にするかどうかは、まだ迷い中だ。でもたぶん、あのリアウイングは付けてしまうだろうな。
 ガンキャノンのほうは、すでにジオラマの構想が半分ほどできつつある。暗い暗い辺境惑星の夜の部分…。でもあんまり凝ったもの作ろうとすると、途中で投げてしまう可能性ありなので、ほどほどに。


2000.7.31(Mon)

『愛・おぼえていますか』

 昨夜、みこりんが急に発熱したので、Licが早々に寝かしつけに。そのまま戻ってこなかったので、私は夜9時からぶっ通しで『スパロボα』にはまってる。現在、早朝午前5時。そろそろ眠らねば。
 『α』はいよいよ佳境である。最後の分岐を終え、ラストまでの数話を残すのみ。念願のデストロイド・モンスターも手に入ったことだし、さっそく使ってやろう。誰を乗せようかな?
 うっかり柿崎を乗っけてしまったのが運の尽き。命中率が悪すぎて使えない。フォッカーにしておくべきだった。マックスはミリアを追って消えたままだし、YF19とYF21は出しておくのがデフォルトだし、輝にはアーマード・バルキリーを与えてしまったし…。そして迎えた第62話後半『愛・おぼえていますか』。あのイントロが静かに流れ始めた。

 これまでの出来が予想以上だったので、正直なところをいえば、がっかりした。なぜ、どうして、カラオケなのだ!せっかく歌詞ができたというのに。これではブリタイの決意表明がなんだか間抜けではないか。『リン・ミンメイの歌を聞くすべての者…』って、ミンメイ歌ってないやん。
 その他にもブリタイ造反に至るストーリーが唐突だ。原作に忠実そうで、ブリタイ艦もろとも消滅の危機という重要なカットが抜けたのは、痛すぎる。はしょりすぎだ。ここのところゼ=バルマリィ帝国監察軍がらみの話ばかりで、ゼントラーディ軍の事情はどっかに置き忘れてたような感じだったからなぁ。もうちょっと捕虜にしたミンメイとの絡みで、どうしてプロトカルチャーの文化を失うわけにはいかないと思ったのか、描いてほしかった。まぁ映画版以上のシナリオを用意せよって言ってるのと同じだから、大変なことはわかるんだけれど…、どうせやるなら突き抜けてほしかった。そのために値段が倍になったって買うぞ。という人のほうが少数派なのかな。
 あぁぁしかしもったいない。


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