2002.10.1(Tue)

ナツメの実

 食卓の上に、明るい茶色をしたウズラの卵大の果実が1つ、乗っていた。艶々とした光沢が、いかにも生命力に溢れていそうで逞しい。これこそまさに、みこりんが今日、保育園で採取してくれたという“ナツメ”に相違あるまい。

 保育園にナツメの木が植わっているとかで、みんなで採ってきたのだと報告してくれたみこりんは、すでに熟睡中。というわけで、みこりんには味の感想を後ほどするとして、まずは一口囓ってみよう。じつはナツメを食するのはこれが初めてである。園芸カタログ等でどんな味なのか事前知識はあったが、たしかにこれは“リンゴ”のような感じ。まだ熟しきっていないのか少々青臭いところはあったが、まぁまずくはなかった。
 たしかナツメは漢方薬にも使われるほど薬効があるはず(多かれ少なかれ食べ物に効能はあるのだろうけど)。一個でどうにかなるわけもあるまいが、なんだか微妙に体があったかくなってきたような……、気がする。みこりんには、「だいぶよかった」と伝えておくとしよう。


2002.10.2(Wed)

“せばすちゃん”

 なぜだか“セバスチャン”という語感が、みこりんのツボにはまったらしい。「せっばすちゃ〜ん、せばーすちゃ〜ん」と繰り返しては、きょへへへへへと笑うのである。いったい“セバスチャン”の何にそんなに反応しているのやら。

 そもそも“セバスチャン”が我が家に登場したのは、今週の月曜日のことだった。みこりんのピアノ練習用チェックシートをLicが自作した際、背景画像に『リトルマーメイド』に登場するセバスチャンが写っていたのだ。でも、その時はさほど反応を示すことはなかった。みこりんが本格的にセバスチャンを気にし始めたのは、今夜私が『幻想水滸伝III』をやっている時だった。このゲームには、お城の執事としてセバスチャンという名前の小太りなおじさんが登場する。それを知ったときから、みこりんは憑かれたように「せばすちゃん」を口にするようになったのだ。

 「あれもこれもせばすちゃん〜」みこりんのセバスチャン熱は、しばらく続きそうである。

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 もしかするとみこりんは、“せばす”+“ちゃん”と認識しているかも。たしかにこれはちょこっと面白いかもしれない、かも?


2002.10.3(Thr)

おかっぱと河童

 いつものようにLicの運転で帰宅中、後部シートのみこりんが「“かみ”おおくなってきた」と訴えている。先々週、前髪を切りそろえてやったばかりなのに、はやくも眉毛が隠れるほどになっていた。おそるべき成長力だ。
 みこりんは「こうやってななめにして」と手振りを添えて新たな髪型への要求を私にぶつけてくる。それに対し、「いやいや、きっちりそろってる“おかっぱ”が可愛いのだ」という私の主張は、見事に噛み合わない。

 みこりんは言った。「“かっぱ”なんていやー」
 「“河童”ではない。“おかっぱ”、お・か・っ・ぱ」
 「かっぱいやー」
 うきょきょきょきょと笑い転げながら、みこりんは「河童」のような髪型は嫌だと言う。どこが河童やねんと思いつつも、たしかに“河童”と“おかっぱ”は似ているな、とも思う。
 もしや本当にみこりんの直感通り、関連があったらどうしよう。


2002.10.4(Fri)

タコ対策

 PCのキーボードやらマウスなぞを長年使っていると、徐々に手首と手のひらの境界付近に“タコ”が出来てきたりする。昔でいうところの鉛筆ダコあるいはペンダコに相当するだろうか。その流れで言えば、“PCダコ”とでも呼ぶべきかもしれないのだが、このタコは結構気になるものである。おそらく同様の悩みを持っている人は多いはず。それゆえに、パームレストなる商品が登場してきたりするのだろう。
 私の場合は、パームレストに相当するものとして、もっぱら指先を切ってある伸縮性の手袋を着用することで、タコ部分がテーブルに直接触れるのを防止してきた。冬の凍てついた夜のオフィスで残業するときなんかには、手の保温にもなってわりと重宝したものだ。おまけに値段も安い。でも、夏場は蒸れるという弱点があった。家電売り場で見掛ける“ぷにぷに”したパームレストには、何度心動かされたことか。しかし、値札を見て諦めていたのだが……

 ソレが我が家に登場したのは今週のはじめのことだった。キーボードとマウスの前に置かれたソレは、タオルで巻かれていていかにも怪しげ。簡易のパームレストのつもりだろうかと、つんと指先でつっついてみると、“ぶにょん”とめり込む心地よい感触。ま、まさか、こいつは本物なのか。さっそくタオルをはがしてみると、中にくるまれていたものの正体が明らかになる。
 まるで保冷剤のような色合いと手触り。こいつは本物だ。しかしパームレストにしては、妙に殺風景な見栄えだが?ここでLicによる解説が入る。このブツは、100円ショップでゲットしてきたものらしい。衝撃吸収用のジェルと、それを包む透明の皮だけで構成されており、いわゆるおしゃれな体裁とはなっていない(スケルトン仕様といえなくもない)。だからこその100円なのかもしれないが、しかしキーボードとマウス用合わせてもたったの200円とは、おそるべし。ジェルの量からすれば、キーボード用のほうが4〜5倍はありそうなのだが、100円均一というところが謎。でも、たしかにこれは具合がよい。唯一の難点は、見かけが保冷剤みたいだということくらい。

 というわけで、私にも1組買ってきてもらった。見てくれの問題は、Licの針仕事によってほぼ完璧にカバーされている。そう、まさしく“カバー”を裁縫してくれていたのだ。辛子色の生地に、ルアーやら毛針の絵柄が散りばめられた、わりと派手な模様である。でも地味な仕事机には、このくらいの華やかさのほうが合っているようだ。
 さっそく打ち込み姿勢をとり、打鍵開始。うむうむ、手首がいい感じにホールドされて、手袋の時よりも疲れが溜まりにくそうだ。しばらくこれで試してみよう。


2002.10.5(Sat)

秋野菜達

 思わずウッドデッキで昼寝をぶちかましたくなるような、とてつもない晴れっぷりである。ぐぅっと背筋を伸ばしてみると、あまりの心地よさにふにゃふにゃと崩れ落ちそうになる。あぁ、ありがたや。

 視界の隅っこを、ひらひらと舞うものあり。モンシロチョウだ。白菜のポット苗付近を飛び交っている。…、ま、まさか。
 蝶を追っ払い、白菜苗の葉っぱをくまなく確かめてみると、やはりあった。1ミリほどの黄色い卵が。すでに幼虫形態になっているものまである。さっそく捕殺だ。少々心が痛むが、青虫の食欲はすさまじく、本葉4枚程度の苗ならば、すぐに丸坊主にされてしまうだろう。そうなってからでは遅すぎる。

 先週、プラグトレイに種まきしたレタスとチンゲンサイは、無事に発芽完了。じつに育てやすい。ところがホウレンソウの方には未だ動きがなく、不安にさせる。土が悪いのか、はたまた水加減がいけないのか。あるいはその両方か。
 ホウレンソウとニンジンには、どうも運が向いていないらしい。菜園2号のニンジン畝には、浴びせるほどに種を仕込んでいるにもかかわらず、ちょぼちょぼっとしか芽吹いてこない。半分をバッタに食べられているとしても、あまりに寂しすぎる結果だった。まだまだ課題は多い。


2002.10.6(Sun)

球根達

 天気予報では午後から雨。しかし諸般の事情により、午前中、布団を干していたのだが、予定よりも早くぽつりぽつりとやってきた。
 Licと二人して高速に取り込んでいたら、みこりんもなんだか“わたわた”と周辺を駆け回ったりしている。仲間に加わりたいのだろう。でも今回はみこりんの出番なく、布団はあっというまに片づいた。残念がるかと思えば、さほどでもないようだ。一緒に慌てることができたので満足したのだろうか。

 お昼を過ぎたころ、雨は一時的に降り止んだ。その間隙をついて、チューリップ等の秋植え球根の植えつけにかかる。今年買ってきたチューリップは、例によって甘い香りのオレンジ花“バレリーナ(Ballerina)”(保存していたやつはネズミに食べられてしまった)、小振りな黄花の“ウエストポイント(West Point)”、そしてちょっと豪華っぽい“エステララインベルト(Estella Rijnveld)”の3種類。その脇を固めるのが紫のヒヤシンス(今年堀り上げたもの)と、水色から紫へのグラデーションも美しいムスカリ“ラティフォリューム”。それらを2つの鉢に配分するのだが、どんな風に配置したかは、来春のお楽しみ。

 ところで今回もみこりんに手伝ってもらおうと思ったのに、泥団子作りのほうが面白いのか誘ってもつれない返事。カラフルなパッケージラベルを並べて、ネットにおさまった球根の数を数えるところまでは、みこりんも興味を持ってくれていたのだが、じつにタイミングが悪かった。みこりんの優先順位では、“泥団子”>“土いじり”らしい。いつかこれを逆転させてみたいものだが、どれも興味の対象外になってしまう可能性もあり、油断禁物。


2002.10.7(Mon)

謎の“幼虫”

 毎年、この季節になると、庭のあちらこちらでド派手な“幼虫”が蠢き出す。春と秋の、年に二度、“幼虫”達が蛹への変態に備えて落ち着き場所を探し始めるのだ。歩道を這ってることも多く、不幸にもぺったんこになってしまうものも少なくなかった。

 “幼虫”は漆黒に鮮やかな朱色のラインが入っているだけでなく、体表には無数の突起が生えており、いかにも毒を持っていそうな風体である。しかし毛虫に感じる“ぞわぞわ感”は、不思議とない。たぶんこの“幼虫”がチョウのものであるという認識が、そうさせているのだろう(ところでチョウの幼虫で毛虫というのはアリなんだろうか)。

 “幼虫”はおもにスミレを食している。庭に無数に点在している各種のスミレが、彼等の食料となり、やがて蛹を経て、美しい蝶へと…。ところが私は、彼等がいったい何というチョウになるのか知らない。蛹にはまるで金メッキでもほどこしたようなピカピカの突起があり、いかにも高級なチョウになりそうなのだが。いつか調べてみようと思っていたが、いつもうっかり忘れてしまって今日に至る。でも、今夜、ついにその正体が明らかになった。

 庭で見かけるチョウのうち、該当しそうなものといえばタテハチョウの仲間。そうアタリをつけて、サーチエンジンで検索してみたところ、そのものずばりな写真を発見することができたのだ。その名前は“ツマグロヒョウモン”、近頃では園芸品種のパンジーやらビオラやらまで食って、どんどんとその勢力範囲を拡げているのだという。ガーデニングブームが、一役買っているらしい。そしてその派手な姿とは裏腹に、毒はないこともわかった。これで安心して触れるというものだ。

 ところで私はこれまで1つ大きな勘違いをしていたようだ。ツマグロヒョウモンは、オスとメスとで羽の模様が違っているのだが、先端に白いアクセントの入ったほうが“オス”だと、ずーーーーーーっと思いこんでいた。たぶんその勘違いの始まりは小学生の頃からだと思われる。かれこれ20年以上だ。
 みこりんに間違いを教える前に気が付いて、ほんとうによかった。


2002.10.8(Tue)

花の名は

 出勤間際、ガレージでクルマのドアを開けようとして、ふと気付く。庭の色彩に局所的な変化があったようだ。
 コスモスのピンク色の向こう側に、薄いブルーともピンクともつかない色が、こじんまりと存在している。それは、ホテイアオイの花だった。

 ホテイアオイは、水に浮かんだ葉っぱだけの時には想像もつかないような、じつに可憐な花を咲かせる。一見カトレア風とも、グラジオラス風とも感じられるその花姿に惹かれ、何回か育ててみたけれど、これまで開花に至ることはなかった。それがいつのまにやら花開いていたとは。
 庭に駆け戻り、じっくり観察したいところだが、一分一秒を争う出勤間際とあってはそれも叶わず、思いっきり後ろ髪を引かれながら、仕事に向かったのだった。


2002.10.9(Wed)

黄緑色のグミ

 夕食後のひととき、何気なくリビングを横断していると、座布団の1つに奇妙な染みが付着しているのに気が付いた。まるで蛍光ペンで描いたように、いやに鮮やかな黄緑色だ。こんな色をしたペンを、みこりんが持っていただろうか?
 いぶかしみつつ、そっと指先でなぞってみると、なにやら“ぬちゃっ”とした感触があった。こ、こいつは……、いったいなんだ。

 なおも感触を確かめるべく、なすりなすりしていると、そのすぐ傍に、ご飯粒大の色鮮やかな物体が落ちているのに気が付いた。これかっ!?きっとみこりんの粘土かグミにちがいあるまい。そう思い込み、つまみ上げる。しっとりしていて、柔らかい。ほぅらやっぱりグミだったか……、そう思いかけた時のことだ。私は恐るべきことに気付いてしまっていた。なんとそのグミには、“頭”があったのだ。

 グミだと思ったものは、幼虫だった。もっちり餅肌の、黄緑色した幼虫だ。そういえば、さっき食べた夕食はゴーヤチャンプルーであった。もちろん食材のゴーヤは自家製で、虫食い痕があったとLicが言っていたではないか。おそらくその虫食いの主が、いま指先にくっついている彼にちがいあるまい。そして台所へと運ばれている途中で落下した。ちょうど座布団の上に。
 で、とどめに私が踏んでしまったのだろう…

 彼が黄緑色で本当によかった。これがもし乳白色だったりしたらと思うと、指先に震えがはしる。黄緑色ならば、まだ青虫だと思いこむこともできるが、乳白色ではどうみても私のもっとも苦手とする“うねうねむし”にしか見えなかったであろう。
 しかしゴーヤを囓るとは、なんとも豪快な幼虫であることよ(たしかに苦味が強いのは中の綿の部分だけど)。


2002.10.10(Thr)

夜の声

 丑三つ時。物の怪が、ひそやかに活動をはじめる頃、寝室ではみこりんのすぅすぅという心地よい寝息だけが聞こえている。隣に寝ころんだ私は、なぜか睡魔に見放されてしまっていて、暗い天井をぼんやりと見上げていた。

 そろそろ睡眠薬代わりに、谷甲州の『星は昴』の続きでも読むべきか(短編集なのだが、“情報”を扱った話になると、私には途端につまらなく感じられる)、と思いかけた頃、突然響き渡る笑い声。

 んきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅ

 もうしんぼうたまらんといった感じの笑い方だ。発生源はもちろん眠ったままのみこりん。思わずこちらもつられて笑ってしまう。するとみこりんも反応するかのように、笑い声に変化が現れ、二人の声は重なり合いつつ寝室に染みてゆく。出遅れたLicが、ちょっとうらやましそうな目で、こっちを見ているのに気が付いた。

 寝言でみこりんが笑う瞬間に立ち会えるのは、そうそうあるものではない。貴重な瞬間を共有できた満足感に浸りつつ、私は目を閉じる。あぁこれでゆっくりと眠れるだろう。……と思ったが、この夜、記憶の途切れたのは明け方近くになってからのことであった。『星は昴』は、結局、読破してしまっていた。最後の方の話には、“情報”が出てこなかったのが敗因だ、きっと。


2002.10.11(Fri)

変態

 例のチョウの幼虫が、門扉脇のインターホンの下側にぶら下がっていたのが今朝のことだった。なんだか体がふっくら膨らんでいて、普通ではなかった。

 そして夜、帰宅してみると、ぶら下がっていたのはサナギだった。100%のサナギではなく、上半身の一部はまだ幼虫形態のままである。いったいその体の中で、どのような変化が起きるとこうなるのか。昆虫の変態の神秘をかいま見た瞬間であった。

 しかしこんな目立つ場所でサナギになってしまうと、無事に羽化を迎えることができるのか心配でもある。子供には格好のオモチャだろうし…。カバーでも付けてやろうかとも思ったが、隠すとかえって目立ちそうだし、悩ましいところだ。
 願わくば、羽化の瞬間に立ち会えますように。


2002.10.12(Sat)

みこりんのペット

 明日はみこりんの運動会。その準備に駆り出され、午後はひたすらテントを建てたりして過ぎていった。夕方、ようやく解放されてからは、地元のお祭りへと出撃。出店を延々とひやかしに覗く。幸い、田舎から私の母親が出てきていたので(明日のためにはるばる海を越え山を越え)、みこりんのことは任せていた。お互いケータイを持っているので、迷子になってしまうこともあるまい。

 宵闇迫り来る頃、そろそろ帰ろうとみこりん&ばばとの合流地点に向かう。ところがそこで、みこりんがなにやらあやしげなものを両手で大事そうにささげ持っているのに気が付いたのだった。
 おむすびパックに入れられたそれは、一目で小鳥の雛だとわかったが、いったいなんの雛か咄嗟には思いつかない。なにしろあまりにそれは小さすぎた。まるでウズラの卵に脚が生えたかのような形態………、ってまさか、それってウズラ?しかしみこりんはぶんぶんと首を横に振る。ウズラじゃなきゃ、いったい何だろうと思いかけた時、ばばが答える。その雛は、ヒメウズラだったのだ。ウズラ(ニホンウズラ)よりも二回りくらい小さなウズラなので、“姫”だと、何かで読んだような記憶があった。
 おむすびパックの中で、2羽のヒメウズラの雛は、おとなしくじっとしていた。

 手の中に完全に握り込めてしまいそうなほどに小さな雛は、露店で売られていたのだという。それを前にして、みこりんは完全に足に根が生えてしまったらしい。たしかに超絶プリティな可愛さである。雉色したもこもこの産毛に、小さな小さな嘴が1つ、そしてつぶらな瞳。これでぴぃぴぃ鳴かれた日には、素通りするのは不可能に違いあるまい。
 いずれウズラは飼いたいと思っていたので、それがちょっと早まっただけと思えばいいのだ。でも、最大の問題は、ヒメウズラの卵は食用には適さないであろうということだった。そしてきっと屋外飼育はできまい。………、でもそんな心配も、雛の姿を前にすると、些細なことに思えてしまうのであった。

 *

ヒメウズラのケージ外観 “ぴーちゃん”と“さっちゃん”という名前を、みこりんは考えてくれた。私の考えていた“うず”と“らー”も捨てがたいと思ったが、買い主のみこりんのを優先しよう。
 家に帰り着いてからは、さっそくケージの準備である。都合良く、ハムスター用のケージが余っていたので、それを使うことにした。いずれ狭くなるが、しばらくはこれでも充分だろう。なにしろウズラの卵サイズなのだ。
 ケージには、これまたハムスター用の広葉樹のチップを敷き詰めた。その上に、ハムスター用に使っていたペットヒーターを乗せる。生後まもない雛は、とにかく保温が必要のはずだった。そこまで完了すると、さっそく雛を入れてやる。でも、雛達の様子がおかしかった。足元がふらついているのだ。よろよろと、うまく歩くこともままならない感じに。冷えてしまった可能性が高い。体が小さい分、外気温にもろに影響されてしまうのだろう。

ヒメウズラ ケージをホットカーペットの上に乗せ、電源を入れた。これで周囲の温度も高めてやろう。よろついている雛にそっと触れてみると、興味深いことに指の間に頭を突っ込み、体をそっともたせかけてくるような仕草を見せる。もしや雛は何かに寄り添いたがっているのではないか?たぶんそれは親鳥代わりになるようなものだ。さっそくLicが疑似親を裁縫してくれた。みこりんの古着と、綿を使った簡単なものだったが、雛はさっそく寄り添い、落ち着いたようにしゃがみこんでくれた。

 一通りの作業が終わると、さっそくWebでヒメウズラの雛に関する飼育情報を調査する。

 以上のページは、とても参考になった。先ほどまでの処置に不足していた湿度対策のため、タオルを濡らしてケージにかけてやれば、ほぼOKのようだ。あとは夜も更けてきたため、ケージにカバーをかぶせてやればよし。以前、セキセイインコのピーコのためにLicが作ってくれていたケージカバーが、ここで役に立った。

 みこりんは雛に触りたがっていたが、今はちょっとタイミングが悪い。もう少し雛が元気になるまで待って貰おうと思う。

 *

 日付が明日へと移り変わる頃、ケージカバーの内側から「ぴぃぴぃ」鳴く元気のよい声が聞こえてきた。そっと覗いてみると、さきほどまでのよろめき具合が嘘のように、しっかりした足取りで駆けている雛の姿があった。保温対策で、ひと心地ついたのだろう。小さな体をしているわりに、かなり大きな声である。いったい何を訴えているのか、気になって気になって、夜はなかなか寝付かれなかった。


2002.10.13(Sun)

今朝の“ぴー&さっちゃん”2日目

 ヒメウズラの雛たちは、昨夜の弱々しさなぞ幻であったかのように、高らかに鳴き、餌をついばんでいた。さすが地を駆ける鳥である。ひなひなとはいへ、その脚力は侮りがたいものがあった。ケージの端から端まで、1秒もかからずに到達してしまうのである。あっというまに手狭になることは必定であろう。次のケージをどうするか、早急に検討しなければなるまい。
 屋外飼育が可能なのであれば、庭にどでかいウズラ小屋を建てるというのも可能なのだが、ヒメウズラは日本の冬は加温なしには越せないらしい。悩ましすぎる。

運動会当日

 さて、本日はみこりんの保育園で運動会がある。器具係の役をもらってしまっている私は、早々に保育園へと出撃し、下準備に取りかからねばならない。器具係とは、園児達の演目に合わせて必要な器具を出し入れ用意するという、もっとも体力を消耗する係なのであった。
 しかも事前の説明は一度きりで、一回も予行演習をやっていないため、まさに本番一発勝負のような仕事である。そのため、効率はさほどよくはなかったのだが、まぁそれでも大失敗もなく、淡々と競技は進む。

 係の仕事にかまけていると、うっかりみこりんの出場種目を見逃してしまっていたりして、どうも今年は落ち着かない。みこりんが「がんばってはしる」と宣言していた“かけっこ”も、いったいどんな走りを見せてくれたのかさへ、わからない始末だ。それでもどうにか1種目は見届けてやることができた。みこりんは鉄棒の前回りも、跳び箱4段跳びも、ハシゴ渡りも、事前情報通り、じつにうまくこなしているように見えた。特に跳び箱は、助走からジャンプに至る過程で、昨日までは必ずいったん止まっていたのが、今日は流れるような一連の動作で完了していた。まさに日々進歩である。

 忙しさも、しかし、ほぼ午前中でおしまい。午後は、園児達の種目に複雑な器具はさほど必要ではなくなってくる。やっと落ち着けるかと思えば、今度は保護者競技“奪い合い”で体力の80%を消耗し、さらに地区対抗競技“綱引き”でさらに体力の98%ほどを使い切ってしまった。日頃の鬱憤をここで一気に晴らすがごとく、皆、猛烈な勢いで競技に臨むものだから、壮絶である。特に“奪い合い”は怪我人続出、じつにスリリングかつワイルドな競技であった。保育園の運動会と言いつつ、それだけでは終わらないところが田舎の運動会らしい。

 だいたい妙なのだ。観覧席用の地区ごとのテントは、役員が運んでくることになっているのだが、皆が皆、軽トラやら大型車両(どれも自家用)でやって来ていた。我が家だけが、普通車両しかも小型(幸いハッチバック)に、ぎゅうぎゅうに詰め込んで来ていたのである。軽自動車やセダンでは、絶対に運搬は不可能に違いあるまい。もしそういう家庭に役員があたってしまったら、どうやってテントを運ぶのだろうか。そのような心配が不要な土地柄なのかもしれないが。

 午後3時前、運動会終了。撤収も、器具係が一番重労働である。ここで残る体力のほとんどを使い切り、テントを自治会の倉庫に戻し終えた時には、立っていても眠ってしまいそうなくらいに消耗していた。あぁしかし、ようやく終わった。これでお勤め完了だ。
 家へ帰り着くと、ウズラケージの隣で倒れ込むように、眠った。ホットカーペットのおだやかな熱が、心地よかった。


2002.10.14(Mon)

今朝の“ぴー&さっちゃん”3日目

 ヒメウズラの雛たちの餌は、粉末飼料をお湯で溶いて、それをペットボトルのキャップに入れてやっている。なにしろサイズがサイズなので、これくらいの大きさでないと、つっつけないのだ。でも、食欲はじつに旺盛で、日に2〜3度は餌を入れてやらなければならない。容器の高さはそのままに、底面積だけ今の2〜3倍ある容器が必要らしい。明日からはそれにしておかないと、昼間無人になる我が家では、雛たちの餌に困ってしまうことになるだろう。

 昼間はとても天気が良かったので、ケージの半分をお日様に当てて、日光浴させてやった。できれば砂浴び用に砂場も作ってやりたいが、室内飼いでは入れ物を工夫しなければ砂まみれになりそうなので、これもまた検討の余地ありだ。

紅イモ掘り

 秋晴れの下、スイートピーの種蒔きを行った。これで来春は、赤いスイートピーで『完璧な防壁』を彩ることができるだろう。
 そして午後は例によって市民農園へと向かう。2週間ぶりに訪れた畑では、あいもかわらずサツマイモのツルがうっそうと地面を覆い尽くしていた。

 私が白菜用の畝を耕している間、Licとみこりん、そしてばばによって、芋掘りが開始された。本当は芋掘りの予定ではなかったのだが、いつのまにかそういうことになっていたらしい。
 地上部のツルをすべて撤去し、マルチを剥がした段階で、とぐろを巻いたイモが鎮座しているのがちらりと見えた。しかも土を少し掘っただけで、ぼこぼこと出てくるらしい。どうやら去年よりも豊作のようだ。全体的にイモがでかい。ひょろひょろの“糸”のようなのがほとんどないのがうれしい。カタチはたしかに歪だけれど(土がまだ固いのが原因か)、輪切りにして天ぷらにでもできそうなほどには太さがあるので、去年のようにどうやって食べるか悩まなくても済みそうだ。

 すっかりイモを収穫し終えてみると、カゴに2杯分はあった。捨て置いていたイモから生えていた芽を、試しに挿して育てたにしては十分な量だ。サツマイモの跡地は、耕し直し、来月に予想されるタマネギ苗のために準備をしておいた。

 ところでナスは、枝を刈り込み、もう一踏ん張りしてもらうこととなった。さて、いつまで実をつけてくれるだろうか。


2002.10.15(Tue)

デザイン

 士郎正宗氏とカトキハジメ氏がデザインした、先鋭的なフォルムが特徴のイメージセンサマウス登場!

 士郎正宗デザインの方、これでサイドに汎用ボタンが3つほどついてたら、即予約なんだが、じつに惜しい。
 マウスだけでなく、士郎正宗氏にはデジカメとかバイクとか包丁とか浴槽とか歯ブラシとか、そういうモノのデザインもして欲しいな。勇気あるメーカーさん、ぜひ依頼してさしあげておくんなさい。


2002.10.16(Wed)

プライバシーとか

 住基ネット不参加希望者80万人。これだけプライバシーに敏感なこの人達は、もちろん家の表札も出していないし、電話帳に登録もしていないし、過去から現在将来にかけて、あらゆる懸賞、アンケートも出したことはないし出すつもりもないし、独自ドメイン取得もしていないし、学校の卒業名簿にも名前を出していないし、銀行はおろかあらゆる企業への個人情報の登録はやってないんだろうなぁ。っていうか、自治体の住民基本台帳のほうは、完璧なセキュリティで守られてるから大丈夫なん?マジ?


2002.10.17(Thr)

モノから情報へ

 中学生の頃から録りためてきたカセットテープ、それに各種ビデオテープの類を収納しておくべきスペースの確保は、以前からの懸案事項であった。おまけに磁気媒体なれば、その有効保存期間もそろそろ気になり始めるものもある。というわけで、それらのデジタル化計画を進行中だ。もうじき必要な機材も届く。
 βのビデオテープをどうやって再生するかという問題は、ひとまずおいておくとして(中古で入手するのが手っ取り早いが)、残った媒体をすべてハードディスクに格納できれば計画はひとまず完了する。昨今のハードディスクの大容量化と低価格化で、来年中にはなんとかなりそうな予感。


2002.10.18(Fri)

ウズラの餌

 ペットショップにて、ヒメウズラの餌としてラウディブッシュ社の“フォーミュラー3”を購入した。“うずら・エサの常識、ウソ?ホント!”を参考にしたのだが、あいにくここで推奨されていたブリーダータイプがなかったので、パウダータイプの“フォーミュラー3”にしたわけである。生後2週間の雛には、こちらの方が適しているだろうし。
 普通のウズラ用の配合飼料に比べると、高価なのは否めないが、寿命に影響するとあっては妥協できないところだ(鳥の餌については、“食餌と栄養剤”に詳細な調査報告がある)。

 ところでみこりんはヒメウズラのことを、「うずらひめ」と呼ぶ。姫というのは必ず最後につくものだという思い込みがあるらしい。さてその「うずらひめ」の“ぴーちゃん”と“さっちゃん”だが、私が名前を呼ぼうとすると、なぜか“うーちゃん”になってしまうのだ。頭の中では“ぴー&さっちゃん”と判っているのに、口から出るときには“うーちゃん”に変換されてしまうらしい。そのたびにみこりんに「ぴーちゃんとさっちゃん、でしょ」と訂正されてしまうのであった。早く慣れねば。


2002.10.19(Sat)

着せ替え

 秋のハイキングということで、野外民族博物館リトルワールドに朝イチで出撃する。午後からはみこりんの音楽教室があるため、我々の行動時間は約3時間あまりしかない。この間に、飲み食いしつつ(世界の民族メニューが揃っている)着せ替えもしつつ(ここでは世界の民族衣装に着せ替えることができる)、ぐるっと広大な施設を1周するのだ。まさに時間との勝負であった。
 幸い園内では周回用にバスが運行されていて、今回はこれを使うことにした。乗り放題で500円。ちょっと割高のような気もするが、背に腹は替えられない。

 さて、本日の着せ替えはドイツとフランス。これまで一度も着せ替えたことのない衣装を選ぶ。もちろん着せ替え対象はみこりんである。時間が限られているため、Licの着せ替えは次回に持ち越し。
 ドイツでは、白雪姫風衣装に着替えたみこりんを、小高い丘に立つ教会の前でポーズを決めさせ、激写する。むろん年賀状用に使うことを目論んでいるのだが、なぜかみこりんの表情は硬い。唇を横一文字にきゅっと結んで、じっとレンズを見据えているような具合だ。年の初めのご挨拶に使うには、少々問題アリ。
 なんとか気分を乗せようとしてみたが、どうにもこうにもうまくいかない。もしやみこりんはこの衣装が気に入らないのではあるまいか。そう思いかけた時のことだった。撮影場所を替えるために移動していく途中で、みこりんがそれはそれはイイ表情で微笑みつつ、くるりとその場でぐるっと回った。虚をつかれた私は、完全にシャッターチャンスを逃してしまっていた。

 みこりんは衣装が気に入らなかったのではなかった。ただ、緊張していたか、恥ずかしがっていたのか、いずれかの理由で、レンズが向いているときには難しい表情になってしまっていたらしい。その後も何回かチャンスは巡ってきたのだが、デジカメのレリーズタイムが異様に遅いこともあり、ことごとく撮影に失敗。次のフランスでリベンジを誓う。

 フランスではレイズド・ベッドの花壇に立たせて激写。杏色のふりふり衣装と、薄い煉瓦の色が良い具合にマッチしている。ここで撮れなければ今年の年賀状作成は非常に厳しい局面に立たされたことだろう。しかし、ようやくみこりんの緊張もほぐれてきたのか、「ポーズ!」の声に、いい表情を見せてくれるようになった。そしてついにその瞬間、私はみこりんの最高の笑顔を記録することに成功したのだった。思わず「よしっ!」とか叫んでしまうほどに、絶妙のタイミングであった。

 これでいい。本日の作戦は終了した。あとはのんびり時間まで過ごすだけだ。
 でも、ここはやはり一日くらいかけてゆっくり巡るのが正解。まだまだ食べたいものは残っている。


2002.10.20(Sun)

石の粉

 雨の名残で湿った玄関前にて、みこりんから手渡された“石”を削っている。ここには取っ払う予定のコンクリートブロックがまだ敷いてあるので、その上でガリガリゴリゴリとやれば、あっというまに石の粉が出来上がる。真っ白く、きめの細かい、まるで小麦粉のような粉だ。
 ひどく脆い石だった。これがみこりんの言うところの“サラ粉用の石”の正体か。

 粉は2種類あった。1つはさきほど私が削った白いヤツ、もう1つはみこりんがどこかで探し出してきた肌色のヤツ。それらの粉を、今度はみこりんと一緒に土を固めたものにまぶし、擦り込んでゆく。粉をちょびっとだけ付けては、手で払い、あるいはなすりこむように、徐々に白い(あるいは肌色の)領域を増やしてゆく。みこりんの手つきは、料理でもしているかのように真剣そのもの。2種類の粉の調合には、特に気を遣っているようだ。
 いつも保育園ではこういう遊びをやっているのかと、新鮮な気持ちでそれを見ている私。だがしかし、この動作の1つ1つに私の記憶が徐々に揺すぶられ始めていた。じんわりと、あったかい思いが蘇ってくるような気がする。

 いつのまにか私も、粉まぶしに熱中していた。たしかにこういう遊びを、小さい頃にやったことがある。あぁ…、なにもかも、みな懐かしい。
 土の塊は、やがて餅のように滑らかな肌へと変貌を遂げていた。

幼虫

 Licから手渡された白いレジ袋の中には、土が入っていた。この中に、みこりんの大切な“幼虫”がいるのだという。そういえば、だいぶ以前にそんな話を聞いたような気もするが、まだ幼虫は健在なのだろうか。もしや干涸らびてやしないかと、ちょっとどきどきしながら土をどかしていってみると……、いた。
 体長1cmそこそこの、乳白色をした幼虫だ。でもこいつには茶褐色の頭部と、いかつい顎、それに硬い脚がある。だから私も素手で触れても大丈夫。この幼虫は、甲虫系の幼虫なのだった。

 この時期この大きさとすると、カブトムシやらクワガタムシではなさそうな気がする。でも、みこりんは違った見解を持っていた。逞しい一対の顎を指し、「クワガタムシ!!!」と主張するのだ。
 私はコガネムシじゃないかなとは思いつつも、もしかするとみこりんの言うように、別の甲虫になるかもしれないという期待も、若干あった。そこでみこりんと一緒に、この幼虫を飼うことにしたのである。

 適当な入れ物がすべて塞がっていたので、植木鉢を選んだ。ここに菜園の土を入れて、幼虫をそっと埋めてやった。それを軒下に置けば出来上がり。
 はたしてこの幼虫、どんな虫に化けるのやら。


2002.10.21(Mon)

幼虫パート2

 裏庭の堆肥生成場所で、新たな生ゴミを置き、その上から土を被せていたときのことだ。被せる土を、すでに堆肥化している土の山からシャベルですくっていたのだが、そこから“ごろんごろん”と転がりだしてきたものがいた。しかも2匹。

 体長4cm〜5cmの、太くてころころした乳白色の幼虫だった。茶褐色の頭部に、いかつい顎、そして硬い脚。これもまた、甲虫の幼子なのであろう。昨日のみこりんのヤツとは、えらい体格の違いだ。この大きさならば、ひょっとすると“カブトムシ”という可能性も……。でも特大のカナブンという線も捨てきれず、悩ましい。
 とりあえずそのまま生ゴミの上から被せ、土を盛った。が、こいつの正体を知るためには、どこか別の場所で飼うしかない。やはり幼虫用にプラケを用意すべき時期らしい。


2002.10.22(Tue)

“お魚”の絵

“魚”の図その1

“魚”の図その1

“魚”の図その2

“魚”の図その2

 この絵を最初に見たとき、つい恐竜図鑑を思い出してしまったが、もちろんこれは、“お魚の絵”である。みこりんによる水彩画と、折り紙による創作だ。
 折り紙で作られた魚は“メダカ”らしいのだが、残る3匹の正体はいまだ判明していない。見たところ、肺魚か、はたまたピラルクあたりを連想してしまうが、いずれも我が家では飼ったことのない魚なので、みこりんがネタをどこで仕入れてきたかが目下の最大の関心事である。

 Licはどこかの水族館で見たのではないかと言うのだが、もしそうなのだとしたら春に訪れたという須磨水族園という可能性がもっとも高い。たしかあそこには南米産のお魚が飼われていたはず。となればやはりこの魚はピラルクがモデルになっているのだろうか。

 でも、なんだかそれだけでは説明のつかない雰囲気が、特に『“魚”の図その2』の細長い親子の“生物”に感じてしまうのだ。魚というには細長すぎる尾ビレ……。あっ!今気が付いたが、もしやこれはブラックゴーストではなかろうか(サイボーグなんたらのアレではなく)。色彩は全然違うが形状はそっくりではないか(もしもブラックゴーストという魚のことをご存じなければ、ぜひサーチエンジンでその画像をご覧になって欲しい)。どうして今まで思い至らなかったのだろう。ブラックゴーストは、昨年まで水槽で飼っていた異形の魚だ。その印象がみこりんの幼い脳裏に強烈に焼き付き、このようなデザインを生み出したとしても不思議ではない。

 すると『“魚”の図その1』の魚も、ひょっとすると我が家で飼ったことのある魚をイメージしているのかも?
 ちなみにこれらの作品は、リビングの海水2m水槽の下側で“泳いでいる”のであった。こんな風に。

魚と泳ぐ“魚”の図


2002.10.23(Wed)

“ぴー&さっちゃん”12日目

 朝、ケージの覆いをとってやると、ヒメウズラ達はひとしきり騒ぐ。騒ぐといっても、ウズラ特有の小さな声で“ぴーぴー”鳴きつつ、右往左往する程度で微笑ましい。そして新しい餌がやってくると、何事もなかったかのように食事に専念し始めるのだ。
 それにしても大きくなった。初めて我が家にやってきたときの“ひなひな”サイズの面影は、もはやどこにもない。優に3倍近くにはなっているのではなかろうか。おまけに近頃ではすっかり羽も生えそろい、ばさささと羽ばたき、飛ぶことまで覚えてしまった。もちろん地上生活主体の鳥なので、激しく飛んだりはしないが、どう見てもハムスターケージでは手狭になってしまったことがわかる。

 そして餌も、今は粉末状の雛鳥用をお湯で練って与えているのだが、なんとなく歯応えがないというか(ウズラに歯はないが)、物足りなさそうな気がする。どこからどう見ても若鳥なので、餌もそれ相応のものにする必要がありそうだ。というわけで、ラウディブッシュ社のペレットを扱っている『CAP!』の通販を利用することにした。ここでは各社のペレットを扱っているのだが、とりあえずラウディブッシュ社のところを選択。メンテナンスタイプ、ブリーダータイプ、ハイエネルギータイプの3種があったが、最初はやはりブリーダータイプかなということで、ミニサイズ(750グラム)を1つ選んだ。
 ミニサイズとはいえ、ヒメウズラにはまだまだ大きい。そのための対策もすでに打ってある。専用にコーヒーミルを1つ買ってあるのだ。これで砕いてやれば、ペレットだって、ハトの餌だって、ウズラ用になる。

 ぴー&さっちゃんのいる生活が、いつのまにか当たり前のものになっていることに改めて気付く。長生きしますように。


2002.10.24(Thr)

新ケージ案

 手狭になったヒメウズラ用の新しいケージについて、Licと意見交換を行う。制約条件は次の5点。

  1. 屋内飼育(冬季は加温必要)
  2. 底面から10cm以上は壁になっていること(砂浴び対策)
  3. 高さは最低でも60cmは欲しい(ウズラは垂直にジャンプして頭を打ちやすい)
  4. 外から内部を観察しやすくしたい
  5. 日々の世話がしやすい

 特に2番と3番を満足しようとすると、既存の鳥かごではなかなか見つかりそうにない。やはりここは自作するしかないようだ。幸い、Licは自作好き、私も手作りは嫌いではない。

 二人の共通見解としてまとまった材料が1つあった。それは押入収納BOXだ。あれに園芸用の支柱を四隅に立てて、屋根を高くしてネットを貼ればけっこうイケるんじゃないか、と。あるいは角材を買ってきてフレームを組んでもいい。その場合でも押入収納BOXの引き出し部は活用できそうだ。そのまま引き出し式にしてしまえば、作業もラクそう。

 ところで今一番頭を悩ませていることが1つある。それは……、新ケージの置き場所をどこにするか、だ。日頃無人の部屋に置いては、ヒメウズラの愛らしい姿を見られないし、かといってリビングではさすがに邪魔になるだろう。……まだまだ悩みは尽きないのであった。


2002.10.25(Fri)

増殖するにぃにぃ

 朝、寝床から這い出したみこりんを抱っこして、リビングへと向かう。その階段の途中には窓があり、普段は結露防止用のシートが貼ってあって、外はよく見えないのだが、なんだか気になる“影”に気が付き歩みを止めた。
 窓の向こうには空き地がある。しかし、空き地にしては不似合いな小さな“影”が1つ2つ3つ…。みこりんも私の視線に気が付いて、外を見ようと身を乗り出してきた。思い切って窓を開ける。

 ひんやりとした空気が流れ込んできた。空き地の草が枯れているのは、除草剤だけの影響でもなさそうだ。そろそろ雑草の勢いもなくなりつつあった。
 その枯れ草に身を寄せるようにして、そいつはうずくまっている。色は白地に黒斑。そして雉虎。仔猫のにぃにぃが、互いに温め合うように、2カ所に固まっていた。合計4匹。
 そのうちの1匹が、ひょいと顔を上げ、こちらを見上げた。なんだか眠そうな目をしている。じぃっと視線を交わす仔猫と私、それにみこりん。

 みこりんは言った。冬になってもっと寒くなったら、おうちに入れてあげようと。そ、そうだねみこりん。でも、4匹もいれたら大変だよ。でもみこりんには秘策があるらしい。にゃんちくんに仔猫の世話をさせようというのだ。にゃんちくんがお母さん役で、にぃにぃが子供達、ってまるっきりお母さんごっこのノリのみこりんには、仔猫があっというまにでっかくなってしまうことは想像の範囲外なのであろう。

 周囲を野良猫達に囲まれて、我が家を守る『完璧な防壁』がこの先も持ちこたえ続けるか、少々不安になった朝であった。


2002.10.26(Sat)

成長の証

すっかりたくましく成長したヒメウズラ達 もはやLicの裁縫してくれた疑似親と大差ないほどに育った、ヒメウズラの“ぴー&さっちゃん”である。じつに成長が早い。まさにあっという間だ。

 注文していたラウディブッシュ社のペレット“ブリーダータイプ”が、本日到着。封を切ってみると、やはりミニサイズとはいえ、そのままやるには少々粒が大きい。さっそく専用のコーヒーミルで砕いてみた。少し丁寧な粗挽き状態で、餌入れに混ぜてやる。食べてくれるだろうか。

 見守るうちに、さっそく餌に気付いたようで、二羽ともつっつき始めた。早いうちから人工飼料(フォーミュラ3)を食べさせていたのが功を奏したか、まったく不安のない食べっぷりだ。よしよし、これで一安心。しばらくはフォーミュラ3と混合して食べさせてみようと思う(いっぱい余ってるし)。

幼虫の謎

 音楽教室から戻ってきたLicとみこりんが、玄関開けるなり「幼虫がいた」という。ガレージのコンクリートの上に落ちているというので、さっそく見に行ってみると、たしかにころころの幼虫が、クルマの脇に転がっていた。

 乳白色、でも頭部は茶褐色、いかつい一対の顎、尖った脚…、またしても甲虫系な幼虫である。体長4cmはあろうか。なかなか立派だ。カナブンか、あるいはひょっとしたらカブトムシという可能性も、と最近こんな想像ばかりのような気もしつつ、じっと観察。みこりんも向かい合うようにしゃがみこんで、見入っている。

 「む?」なんだかお尻の付近から体液が微量ながら、出ているような?そういえばさきほどから幼虫は、体を曲げたり伸ばしたりして、苦悶しているようにも見える。どこか怪我をしているようだ。というか、だいたいこんな土気のないところになぜに幼虫がいるのだ。自分で這ってこれるような場所でもないし、空から降ってくるのも不可能だ。ガレージには屋根がある。
 そこへLicが植木鉢を手に登場。中には菜園の土が入っている。幼虫をこのままにしていてはいずれ踏んでしまいそうなので、飼うことになったのだ。
 植木鉢は、軒下のみこりんの幼虫の隣に並べて置かれた。無事に育つといいが…。

 幼虫といえば、私がまだみこりんサイズだったころのことだ。その日、外は雨上がりで、私は自分用の長靴を履き、どこかへ出掛けたところだった。しかし、やがてつま先になんだか違和感を覚え始め、ついに長靴を脱ぎ、逆さにして振ってみたところ……、中から転がり出てきたものがあった。それは丸々と太った幼虫だった。カナブンかカブトムシの幼虫だったものと思われる。幼児の手のひらに、それはたっぷりと乗っかるほどに大きかったのだから。
 なぜに長靴の中に幼虫がいたのか。以来その謎はずっと解けないまま、私の脳裏にこびりついたままだった。でも、今日、再度あり得ない場所に幼虫を発見したことで、私は1つの可能性に思い至る。さっそくLicに話して聴かせてみたのだが……

 幼虫は、一生に一度だけ、瞬間移動できるのではあるまいか。

 もしかすると、明日布団の中に幼虫が…


2002.10.27(Sun)

3段BOXの行方

 ヒメウズラの新居用に選んだのは、結局3段BOXとなった。底面積は現在のほぼ倍、高さも3倍以上ある。理想的な間取り…、しかし最後まで迷ったのが、ふと見つけたウサギ用のケージ。高さでやや劣るものの、もとからケージ用に作られているだけあって、すっきりコンパクトにまとまっていてなかなかよい。ただ、底のスノコを支える突起が邪魔に思えたのと、価格が2倍以上もすることから、結局こちらを断念、3段BOXに落ち着いたのだった。

 ところが、さっそく持ち帰り、ケージ用に改造を施そうとして改めて気付いたのが、天板が“木”になっているがゆえの“暗さ”だ。店頭ではほとんど気に留めなかった部位だったが、よもやこんなところに罠が潜んでいようとは。ふ、不覚。

 とりあえず中の二段を抜いて、ネットで巻いてみた。窓際に置いてみたものの、やっぱり薄暗い。天板を取り除くか、あるいは天窓を開けるしかないか。そう思いつつ接合部を確認してみたが、これがなかなか容易には外れそうにない。外したが最後、二度と元に戻せなくなる可能性がとても高い。はたしてこのまま作業を続行すべきか否か。
 むむむ。

 Licが言った。「やっぱりあのウサギケージにしよう」
 …そうだな、それがいい。ころっと決まった。この3段BOXは取りやめだ。

 3段BOXは本来の用途である収納用として、みこりんの部屋で活躍してもらうこととなった。無駄にならなかったのならば、それでよい。ということにして、と。
 さっきからみこりんが3段BOXが入っていた大きな段ボール箱に執着している。どうしても中に入りたいらしく、自分用の踏み台を持ってきて中を何度も覗き込んでいる。でも自力で入り込むには、少々箱は大きすぎた。
 工作にかけるはずだった時間が余ったので、みこりんを箱で遊ぶことにした(みこりん的には、箱で自分が遊ぶつもり)。

 箱の中に入れてやり、蓋を閉じる。ほの暗さが、これから始まることへの期待感を否が応でも高めるのだろう。みこりんのテンションは最初から高かった。では、始めよう。
 「とぅーーーーー」と回す。段ボール箱は、床の上でコマのように回転した。ちょうどみこりんのしゃがんだあたりが軸になっている。箱の中から漏れ響いてくる笑い声に、思わずこちらも腹の皮がよじれそうになった。フィニッシュは、クッションの上へのダイブ。どぅと横倒しになる段ボール箱から、もぞもぞとみこりんが這い出してくる。そして言った。「もっぺん」(訳:もう一度お願いします)

 この夜、フローリングの床に窪みが出来るほどに、段ボール箱は回ったのであった。


2002.10.28(Mon)

羽化

 インターホン下にて蛹になっていたツマグロヒョウモンは、そのままの形態で冬を越すものだとばかり思っていた。が、夕方のLicからのメールによれば、いつのまにやら蛹はもぬけの殻になっていたらしい。喰われたのではなく、中から自発的に出てきた破れ方だったというから、おそらく羽化してしまったにちがいあるまい。

 Webをさらっと巡ってみたところによれば、越冬形態は幼虫というのと、成虫というのと2種類あったので(なぜ2種類あるのか?)、“成虫越冬説”が正しければこの時期に羽化してもおかしくはないらしい。ただ、私が蛹形態で越冬するのではないかと思った根拠は、これまでの我が家における彼等の生活パターンによる。寒い冬の時期、枯れ枝やら壁などにぶら下がったツマグロヒョウモンの蛹を何度も見かけた。それらの蛹は、春になると一斉に抜け殻へと変わっていったものだ。もしかすると、彼等はあらゆる形態で越冬してしまうのかもしれない(その適応力の強さが棲息分布を広げている理由の1つだったり)。

 今宵、サンルームに吊した最高最低温度計の目盛りは“6度”を示していたという。明け方にはさらに下がるのだろう。おぉぉ、寒い。寒すぎる。今年の冬は少々せっかちらしい。
 羽化したツマグロヒョウモンが無事に越冬できますように。


2002.10.29(Tue)

しんしんと

 昨日と同時刻、今宵の外気温“5度”。着実に“冬将軍”は接近しつつあるようだ。しかし我が家には迎え撃つに不可欠な戦力が、まだ到着していない。

 “灯油”だ。灯油が是非とも要る。十月にしてはや、これほどとは恐るべし。
 軒下とはいへ、吹きさらしのデッキに置いてある観葉植物達のことが気に掛かる。葉が落ちる前には取り込んでおかねばなるまい。


2002.10.30(Wed)

芋掘り

 小さな軍手に、小さなスコップ。みこりん用の装備である。庭いじりやら菜園仕事を、お手伝いしてくれているみこりんには欠かせない品だ。小さなスコップは、もとはLicのものだった。独身時代、おそらくサボテンの世話用に買ったものと思われる。手のひらよりも小振りな、ぴかぴかと銀色に光るスコップは、しかし、その小ささ故、いつのまにかみこりんの得物となっているのだ。

 今日みこりんは保育園で芋掘りに臨む。我が家の菜園では一足先に芋掘りは終了したが、紅芋はあまり焼くには適していなかった。みこりんは今度こそ焼き芋用の芋をゲットしてくることだろう。
 落ち葉を集めておこうと思う。みこりんの木、ハリエンジュの。


2002.10.31(Thr)

入れ換え

 待望の“灯油様”御到着。さっそく扇風機を片づけ、入れ替わりに石油ファンヒーターを運んでくる。所定の位置に設置すると、そのままカートリッジを抜き、灯油様の鎮座する玄関へと向かった。
 給油口オープン。蛇口挿入。ポンピング、ポンピング、激しくポンピング。ぐいっとトリガを握りしめ、注入開始。一連の動作は、考えなくてもするすると溢れ出てくる。暖かな灯油の香りが懐かしい。

 満タンのカートリッジを本体に装着し、待つ。

 やがて、満を持してスイッチに人差し指をそっと乗せた。
 「ぽちっとな!」

 一年の眠りから覚めた暖房器具は、何事もなかったかのように復活を果たしたのだった。頑丈な家電に感謝する。


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