2006.7.1(Sat)

発表会前日

 明日はみこりんのエレクトーン発表会がある。団体戦と個人戦の2つにエントリーしているのだが、団体戦の衣装は先週Lic達お母さん連合で自作済み。残るは個人戦の衣装のみ。
 Licによればスカートは前回のを使いまわせるので、ブラウスだけ買えばよいらしい。というわけで、最寄のスーパーへ買い物に。ついでにちょっと爆発気味なみこりんの髪を少々カットしてもらうべく、テナントとして入っている美容院に予約状況など確認してみると、午後6時半からなら大丈夫とのこと。ちなみに今は午後3時ちょい。
 とりあえず予約入れて、さくっと衣装選びにGO。

 スカートが黒だから、上は白か黒?と思っているうちに、ちゃっちゃとLicが1枚白いのを選び出し、みこりんに確認中。………、OKのようだ。あっさりと決まってしまった。これで今日の目標のほぼ半分は達成したような。すぐさま次のターゲットである家電量販店に移動するかと思いきや、Licとみこりんのウインドゥショッピングは、しばらく続いたのであった(彷徨っている間に、みこりんはちゃっかり蝶の形のブローチをゲットしていた)。

 ようやく移動。家電量販店にて、明日の暇つぶし用(発表会はおよそ10時間ある)に、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』等をLicが購入。私はDVD収納BOX(1箱80枚収納可)を、何ヶ月ぶりくらいでようやく見つけることが出来たので、2箱ほど買った。じつは手持ちの収納BOXが一杯になっており、近頃ではDVD-Rに焼くこともままならず、ハードディスクがぱつんぱつん状態で、かなり困っていたのだ。いっそ、PCと連動して目的のディスクを電動で取り出せるというブツでも通販で買うか、とまで思っていたのだが、900円ほどで買えるフツーのBOXが手に入ったため、あと2年は無駄遣いせずにすみそうだ。あるいは2年もしてるうちに、数テラバイトのハードディスクが1万円くらいになってるんじゃないかという気も激しくするのだが…、まぁその時はそのときで、全部ハードディスクに保存という方向で。

 店を出たのが午後5時くらい。途中、早めの晩御飯を食べてみたりして時間を調節しつつ、再び最寄のスーパーへ。
 みこりんが髪をカットしてもらってる間に、私は2階の本屋さんで偶然の出会いを求め、少々散策を試みる。…が、あまりめぼしいものは発見できず。

 みこりんの髪は、夏らしく軽やかに変貌を遂げていた。とても涼しそうだ。

 さらに今夜は、先々週に引き続き、義妹夫婦+義妹(末っ子)が到着。Licの血筋はみな方向感覚が並外れて良いらしく、何百キロも彼方から夜道でもちゃんとたどり着くところが素晴らしい。地図があっても迷ってしまう私には、とてもできない芸当だ。
 みこりんはさぞや狂喜するだろうと思われたのだが、やや不発気味。ひょっとして明日の発表会のことで緊張していたのだろうか。エレクトーンを習い始めてかれこれ5年?(もしかして6年?)、発表会では常にマイペースを維持していたように見えるみこりんだが、大きくなるにつれ、より繊細になってきたのかもしれない。少なくとも私はものすごく緊張するタイプなので、みこりんがそうなったとしても不思議ではない。
 とりあえず、明日のために、早寝早寝。


2006.7.2(Sun)

発表会当日

 エレクトーン発表会は、市内のいつものホールではなく、ここからさらに山奥の、車で片道約30分の場所にて行われることになっていた。はじめて行く場所だ。いったいどんなところなのだろう。案内の紙の裏に書いてある、手書きの地図だけが頼りであった。
 持ち物チェック終了後、出発。集合が9時5分なので、どこかで迷子になってしまったら即アウトという、なかなかスリリングな展開である。

 方向感覚が異様に優れたLicの適確な指示と、迷うほど道が交差していないという田舎特有の事情により、山を越え、谷を越え、やがて目的地が見えてきた。
 山中に突如出現した、場違いなほど巨大な建造物。いつものホールの2倍か3倍くらいありそうだ。なんでこんな山の中に…。みこりんもびっくりだ。
 建物の規模の割に、妙に狭い駐車場にやや不安を覚えつつ、クルマを停め、入り口と思われる場所までひたすら歩く。歩いている途中で、ところどころに口を開けているドアから中を覗いてみると、広大な板張りの体育館のようなものが…。そこではカーリングっぽい競技が、まさに行われていたのだった。建物の構造からして、その大部分がこの体育館で占められているようだ。ということは……。

 やがてエレクトーン発表会の受け付けと思われる場所に到着。その向こうにある区画が、ホールになっているようだ。外観から推測するに、いつもの小ホールと同程度の大きさらしい。
 …、ちょっと安心。

 みこりんとLicが着付けのためにどこかへと消え、私は大きな扉の前で順番待ち。人込みに酔うほどの人数でもなかったので、わりと気楽に待っていられたのは幸いだ。
 ほどなくしてエントリーした子供達が中央に集められた。皆、気合の入った衣装に身を包んでいる。午前中は団体戦のため、グループごとに衣装を揃えてあるので、派手な中にもほどよい統一感があった。ちなみにみこりん達のグループは、春に引き続き『どんぱん節』をやるので、同じデザインのハッピを模した上着を装着している。唯一の和装かもしれない。

 まず子供達がホールへと消え、しばらく後に、我々も入場。ほぼ中央に席を確保した。
 脚立を伸ばし、ビデオカメラをセットして舞台の見え加減を確かめてみる。光学ズームとデジタルズームの切り替え地点よりも、やや手前、光学ズームの領域でちょうどエレクトーン1台が収まる感じだ。
 用意してきたminiDVテープは2本で、2時間分。みこりんがプログラムに“撮っておいてほしい曲”と“できれば撮っておいてほしい曲”を、それぞれ星マークと丸印で示してくれているのだが、ざっと見た感じ、ぎりぎりいけそうな雰囲気。みこりんは曲名で選んだと言っていたが、『サンダーバードのテーマ』とか『スターウォーズのテーマ』とかがしっかり入っているのを見て、よしよしと安心してみたり。近頃みこりんは『サンダーバード』のことを「へんな人形の出てくるやつ」と表現していたので、少々心配していたのだ。

 開演。10時間に及ぶ発表会の始まりだ。
 プログラムに従って、演奏が続いてゆく。今回、照明の色とか模様が曲にあわせて動的に変化するという技がところどころあり、もしかしてこの仕掛けのために会場をここにしたのではと思ってみたり…。
 やがて、みこりん達のグループの番が回ってきた。『どんぱん節』は春にも発表会で演奏しているため、練習は十分のはず。だからわりと気楽に構えていたのだが、演奏が進むにつれて、なんかこれ、ちょっと迫力あるんじゃない?と思わせる雰囲気がびしびしと伝わってくる。エレクトーン6台分の音が、絶妙に調和している感じ。前回よりも格段の進歩を遂げているような。

 余韻を残して、『どんぱん節』演奏終了。ん、いい出来だったかも。
 ほっとしている間もなく、次の演奏が始まり、撮るべき曲を忘れずに撮り…。粛粛とプログラムは進行し、遅延なく団体戦の演目はすべて終わり、いよいよ審査発表である。
 入賞者の番号と曲名が、順番に読み上げられてゆく。そしてついに優秀賞の発表へ。ここまで、まだみこりん達のグループは出てきていないが…、も、もしかして、もしかするのか。頭のてっぺんあたりが妙にざわつくのだが、この前兆は…。

 「優秀賞、『どんぱん節』」

 …、嘘!?
 本当だった。みこりん達のグループは、優秀賞に選ばれていた。
 司会者のアナウンスが続く。「優秀賞のみなさんは、8月に行われる地区大会にエントリーされます」…って、そうだった、ここで終わりじゃなかったんだ。次はこの近県から選出された剛の者が集う、地区大会が待っているのだ。

 だ、だいじょうぶかな…。急に心配(?)になってきたり。

 表彰式が終わり、しばし休憩タイム。賞状を手に、みこりんが駈けて来る。まだ実感がわいてないような表情だったが、私も地区大会がどんなのか知らないので、よくわからない。まぁでもよかったんじゃない?というわけで、軽くドーナツをつまみ、午後の部に備える。

 *

 午後の部、開始。ここからは個人戦だ。
 年齢の低い順番に演奏するので、みこりんが呼ばれるのは真中あたりになる。
 小学生は低学年と高学年の2つで分けてあるので、来年からはみこりん“高学年”か。なんだかものすごく月日の流れを早く感じる。ちょっとまえまで、保育園だったような気がしてるのに…。光陰矢のごとし。

 個人戦の衣装は、団体戦以上にみんな気合が入っていた。それぞれ曲のイメージに合わせて、アラビアンな衣装だったり、天使の羽がついていたり、なんとなくコスプレ会場のような雰囲気もあり。
 みこりんの衣装も普段着にするには派手なのだが、この中にあっては普通に見える。

 さて、みこりんの演奏曲は『天国と地獄』だ(以前の日記で『ツァラトゥストラはかく語りき』と書いたのだが、あれは新しいレッスン用の曲だった)。運動会などで割と耳にする機会の多い曲ということもあり、ミスると目立ちそう。でも、普段の練習具合から心配していたような失敗(指がついていかないとか)は見られず、無難に終わった。あいかわらず本番に強いみこりんである。

 出場者のほとんどは女の子で、男の子は2人ほど。小学生が半分以上を占め、続いて中学生、高校生と少なくなってゆく。やはり継続するのは大変なのだろうか。中学生以上の大きい子はそれなりに難しい曲を選んでくるのだが、途中で指がとまってしまうシーンが目立った。時間は有限、その中にエレクトーンの練習時間を割り当てるのは、徐々に難しくなってゆくようだ。

 午後7時、個人戦終了。審査の間、デモンストレイターによる演奏が披露され、場をつなぐ。ラストの曲の途中で、ビデオテープを使いきり。あと30秒ほどだったのだが、惜しかった。
 そして、審査発表。
 努力賞、オーディエンス賞、銀賞…。銀賞が4人いてちょっとびっくり。
 つづいて金賞のコール。一人、二人、三人、…、いったい何人いるんだ。五人、六人…。ろ、六人か。銀賞より金賞の方が多いのは、有りのようだ。
 金賞の6人は地区大会へ進出。地区大会の個人戦は、いったい総勢何名で行われるのだろう。ものすごく多そうな予感。

 午後7時半、発表会は終わった。
 およそ10時間。長かった…、しかし椅子が高性能だったのか不思議と腰は痛くなかった。
 8月の地区大会まで、あと1ヶ月と半分。みこりん達の集中力が途切れませんように。


2006.7.3(Mon)

ら、ら、らっ、らっ、らっ、らっ〜

 昨日の発表会には、みこりん達の先生は都合で来られなかったのだが、レッスンから戻ってきたみこりんが言うことには、「何かの賞はもらうと思っていた」らしい。先生には確信があったのだ。うーん、さすが。

 ところで昨日の全演奏曲の中に、みこりんが新たに気に入った曲が、2つあるという。
 「らいでぃーん?っていうやつと、最後に弾いてくれた、ぺこりないと」
 な、なにもかも、みな、懐かしい…。『ライディーン』か。たしかに弾いてた子がいた。さっそくみこりんに「とーさんが中学生のとき、イエロー・マジック・オーケストラというグループがいてね…」と説明を始めると、すでにLicに教えてもらっていたようで「知ってる〜」と言われてしまった。でも一応最後まで話して聞かせる。みこりんがオトナになった頃、何かの拍子にふっと思い出すかもしれないし。
 『ペコリナイト』も、原曲の『Saturday Night』は70年代後半。時代は繰り返すというか、いいものは何十年経っても人を惹きつけるものなのだろう。

 中学生の頃、真夜中、FMラジオで流していたYMOのライブを録音したカセットテープは…、残念ながら失くしてしまったようだ。とっとけばよかったな。


2006.7.4(Tue)

死を

 性犯罪常習者で、小さな女の子の命を奪った人殺しが、死刑にならなかった。こんな犯罪者に甘いことばかりやってるから、やつらはつけあがる。こんなクズどものために、税金を投入して何十年も生かしてやる義理はない。

 犯罪者の人権のみを声高に叫ぶ連中は、まだそこここにいる。やつらもまた同罪だ。

 人殺しには“死”を。でなければ、復讐が始まるだろう。


2006.7.5(Wed)

発射!

STS-121 DISCOVERY 打ち上げ成功

 無事に帰還できますように。今回もまた断熱材が機体に当たってるし、ちょっと心配。

 ところで、発射といえば…

『北朝鮮ミサイル発射は6発、うち1発がテポドン2号で失敗の可能性=防衛庁長官』

 額賀防衛庁長官は、記者会見で、5日に北朝鮮が発射したミサイル6発のうち3発目が「テポドン2号」と見られるとし、発射は失敗した可能性があるとの認識を示した。また、防衛庁として対策本部を設置、自衛隊の警戒監視体制の強化継続を明らかにした。
 額賀長官は、北朝鮮が発射したミサイル6発のうち第3発目が「テポドン2号と考えられる」とし、それ以外の5発は「北朝鮮南東部の沿岸地域から発射され、スカッドまたはノドンと考えられる」と述べた。テポドン2号については、想定される飛距離よりも短く「(発射が)失敗した可能性がある」との認識を示した。

(ロイター) - 7月5日12時27分更新

 犯罪国家のやることだから、いまさら何をしても驚きはしないが…。ほんと無茶苦茶な国だ。

『北朝鮮が7発目のミサイル発射』

 政府関係者によると北朝鮮が五日午後五時二十二分に七発目のミサイルを発射、二十八分に着弾した。

(中国新聞ニュース) - 7月5日

 ここまでくると、もう滑稽としかいいようがない。いったい何をしたいのか。

 で、この騒ぎにまぎれて、こっそりこんなことをしている国もあり。竹島の調査は11日とか言ってたのに、妙に急いだようで。

『<韓国海洋調査船>竹島周辺に到着 海保、調査中止を要求』

 海上保安庁によると、韓国の海洋調査船「海洋2000号」(2533トン)が5日午前6時40分ごろ、竹島(韓国名・独島)の西北西約45キロ付近の海域を航行し、日本が主張する排他的経済水域(EEZ)内に入った。調査船はさらに約1時間後、竹島の領海に入った。海保は巡視船「だいせん」から無線などで調査の中止を要求している。
 韓国の調査船は速力15ノット(時速28キロ)で東南東に向けて航行。外観から調査機器などは確認されていない。韓国海洋警察庁の警備艦が同行している。海保は作業内容などを問い合わせたが、調査船は「韓国EEZでの海洋調査であり、妨害しないでほしい。使用資器材は回答できない」と返答した。
 海保は巡視船を並走させ、「わが国EEZ内では同意のない海洋調査は認められない」と中止を要求したが、調査船は無視し、午前7時45分には竹島の西北西約22キロ(12海里)付近の日韓両国が主張する領海に入った。

(毎日新聞) - 7月5日12時26分更新

 まるで北と南、申し合わせたかのよう。盧武鉉のことだから、北のミサイル発射日時をなぜか事前に正確に知っていたとしても、不思議ではないが。
 もはや彼らにつける薬なし。


2006.7.6(Thr)

笹の葉さーらさら

 短冊に『クロールで25m泳げますように!』と書いて吊るしたいみこりんのために、スーパーのオモチャ売り場にて笹を物色中。これまでは本物の笹を使ってきたが、今年はニセモノの笹を買ってみることにしたのだ。

 プラスティックで出来た、つくりものの笹だ。大きなものだと、2mの高さにまで組み立てられるものもあった。ちゃんと固定用の台座も付いてるし、明らかに部屋に飾る用だ。クリスマスツリーの夏バージョンみたいな感じ?
 7月の七夕は、まだ梅雨の真っ最中のため、外に飾っても短冊が雨に濡れてすぐだめになってしまう。それならいっそ部屋に飾ったほうがいい。でもさすがに2mはちょっと大きすぎ。いろいろと棚に視線を巡らしていると、笹飾りのコーナーに、ばさっと横たえられた小ぶりの笹発見。

 パッケージの説明によれば、全長70cmになるようだ。家族3人分の短冊なら、このくらいが丁度いいかな。というわけで、買い。ついでに“こより”も買い。短冊やら飾り付けようの折り紙は、みこりんが物置で発見したと言っていたので、大丈夫だろう。

 帰宅すると、みこりんがシャワーを浴びてすっきりしていた。Licはちくちくと浴衣の裾を調整中。青地にピンクの朝顔が描かれた、涼しげな柄だ。みこりんが保育園な頃から愛用している浴衣である。
 どうやら今夜のエレクトーンのレッスンに、着ていくらしい(七夕ウィークとやらで、浴衣を着ていると何かいいことあるとか)。

 みこりんは買ってきた笹を見つけると、いそいそと取り出し、ついでに物置から短冊セットを運び込んできたようす。今日はちょっと時間がないので無理だけど、明日は願い事ちゃんと書いて、いっぱい吊るそう。

 でも明日も雨っぽい。やはり七夕は8月がいいねぇ。

平和ボケ

 韓国の新聞(オンライン日本語版)には、日本では報道されない韓国人の実態が垣間見えたりするので、ちょくちょく読んでいるのだが…。北のミサイル発射に絡んで、なかなか面白い記事を見つけたので、リンクを貼っておこう。

<北ミサイル発射>市民反応なし…韓国は安保不感症

中央日報(2006.07.06 11:32:32)より

 ま、小さいうちからの思想教育は絶大な威力を発揮するものだし、戦後一貫して反日教育に邁進してきた韓国の若者世代がこんなふうになってしまうのも、ある意味当然なのかも。北朝鮮の思想教育と、どっちもどっち、な感じ。

 参考までに、こんな記事もあり。

イージス艦搭載用SM−2ミサイル…米国から48機購買へ

 この最後の一文がなかなか興味深いので引用してみる。

 日本は自衛範囲を超えるという理由でイージス艦に攻撃用武器の巡航ミサイルを搭載していない。 一方、韓国イージス艦は32機の巡航ミサイルを備える予定であり、日本よりも優位に立つ見通しだ。

ワシントン=李相逸(イ・サンイル)特派員(2006.07.04 16:06:19)

 韓国の仮想敵国って、やっぱり日本なんだね。韓国は北朝鮮と休戦中ってのを、すかっと忘れてるところが、哀れを誘う。
 この調子だと今年中に、いやもしかすると、来月あたり電撃的に南北統一宣言とか、言い出しそうな予感。なにしろあの盧武鉉だし。
 統一が平和裏に進む保障はまったくないけどね。


2006.7.7(Fri)

はじめてのキャンプ

 さて、みこりんが自ら参加を申し出た、夏のキャンプがいよいよ来週に迫ってきた(先月参加申し込みしておいたのだ)。主催団体からは本日“最終のお知らせ”が届き、否が応でも緊張は高まってゆく。

 初めてのキャンプ、はじめましての仲間達、親から離れての二泊三日。どれをとっても心配は尽きない。ちゃんと仲間の輪に加われるだろうか、食いっぱぐれたりしないだろうか、寝る前に本を読んでくれる人がいないのに眠れるのだろうか、朝寝坊しないだろうか、怪我しないだろうか、溺れないだろうか、etc...
 そう思う一方で、みこりんはわりと自力でやってしまうところもあるので、案外大丈夫なんじゃないかな、と思ったりもし。

 子供を鍛えると同時に、親も鍛えられる効果があるとは。
 子供は徐々に親の手を離れてゆく。時間は待ってはくれない。
 近頃、月日の流れを、ものすごく速く感じることが多い。みこりんと語りたいことは、まだまだたくさんあるのに。

 ところでキャンプ地は、日本海側にある。この時期だけに、それもちょっと心配…


2006.7.8(Sat)

ブヨ対策

 昨日届いた“最終のお知らせ”によると、キャンプ地に出没する吸血虫“ブヨ”には、防虫スプレーはほとんど効果がないらしい。そのため長袖長ズボン長靴下でガードすることになるのだが、改めてみこりんに買ってきた長ズボンを穿かせてみると、足首のあたりが妙にすーすーしているような気が…。

 みこりんは蚊に食われやすい。おそらくブヨにも好まれることだろう。“最終のお知らせ”には、キャンプ地のブヨはとにかく強烈なので、血を吸われると最悪病院で手当てが必要、なんて書いてある。……このままではみこりんが危ない。

 新たな長ズボンを求めて、別の店に行って見ることにした。
 子供服売り場にて。やはりこの季節、売っているのは七分丈ばかり。夏だものなぁ…。
 諦めかけたその時である、みこりんが「これ!」と抱えてきたものがあった。
 爽やかな水色をしたそのズボンは、裾に長さ調節用のリボンがついていて、伸ばした状態だと足首まで隠れる形態になっていた。「それだ!」
 さっそく試着室にて試し穿きさせてみたところ、ほどよくウエストにも余裕があり、裾の長さも申し分ない。買いだ。

 *

 キャンプ用に新調したピンク色のリュックに、いよいよ荷物を詰めてみる。着替えは、小分けにしてそれぞれビニール袋に入れて並べ。これなら少々の雨でも大丈夫。
 チェックリストに従って、名前を記入しつつ、必要な品々を詰めてゆく。Licの手による荷物の配置は絶妙で、魔法のように隙間なく最適な状態になっている。はたしてみこりんが同じように詰められるかちょっと不安なのだが…、みこりんも結構パズルは得意らしいので、案外問題ないのかも。

 そろそろ梅雨明けが待ち遠しい今日この頃。

『ロード・オブ・ザ・リング』Disc1

 みこりんが続きを見たいと言っていた、『ロード・オブ・ザ・リング (スペシャル・エクステンデッド・エディション)』のDVDを借りてきた。2枚組、全部で3時間半か。なかなか手強そうだ。
 一日で全部見るのは、みこりんの集中力を考慮すると無理っぽいので、とりあえず今日はDisc1に挑戦してみよう。さっそく再生開始。

 日本語吹き替え、字幕なし、と。
 ん、なんか登場人物が妙に細いような?みこりんもすぐに気が付いたようで不思議がっていたが、これはあれだ、PS2で再生してるからにちがいあるまい。ちゃんとしたDVDプレーヤー買うか…、あるいはPCのビデオ出力をTVにつないでPCで再生するか。今後の課題である。

 みこりんはかなり集中して見入っていた。
 いよいよ9人の仲間で旅が始まり、洞窟へ。
 オーク達との戦いを過ぎ、火の悪魔が出てきたところで、ふいにみこりんが言った。
 「この人、かっこいいね」
 みこりんが指差しているのは、人間のアラゴルン。うわ、みこりんって結構渋好み?でもまぁたしかにカッコイイね。
 それを聞いていたLicが、「かーさんは、エルフのおにーさんがいいな」と言う。エル萌えなLicらしい。でもみこりんはエルフのおにーさんが、誰なのかよくわかってなかった。Licは説明を続ける。「髪が白くて(本当は金髪)、長くて…」ちょうどそこにエルフのおにーさんが画面に映った。「このひと!」とLicが言った次の瞬間、魔法使いガンダルフのアップへと切り替わり。みこりんが画面を指差して「この人?」と怪訝そうである。ガンダルフも髪が白くて、長かった。

 火の悪魔が地の底に落ち、ガンダルフも落ち、洞窟を抜け。
 溶岩で出来たような荒涼とした大地に、打ちひしがれた仲間達。みこりんがぽつりと言った。「このさつえいした人って、すごいね」と。……、ちょっとびっくり。今、撮影って言った?もしかしてみこりんは、実写映像の秘密を知ってしまったのか?ドキドキしながら、「そうやね、火の悪魔なんかどこから連れてきたんやろうね」と私が答えると、「うん、こわくなかったんかなぁ」と、みこりんは不思議がっていた。
 ふむ…、特殊撮影の謎には、まだ気が付いてないようだ。でも、実写映像がお芝居の一種だということには勘付いているらしい。

 午後9時。そろそろお風呂の時間。ちょうどよいタイミングでDisc1が終わった。
 みこりんはDisc2も見たそうにしていたが、かなり眠そうだったので、続きは明日。


2006.7.9(Sun)

ふわふわマット

 みこりんのベッドには低反発マットを敷いてある。独特の凹み具合で、みこりんもお気に入りだ。ただ、それだけではちょっと薄くて、下のスノコの形状がリアルに伝わってしまうため、低反発マットとスノコの間に、使い古しの敷布団を1枚、挟んであった。
 いずれちゃんとしたマットに買い換える予定だったのだが、目をつけていた品がいつのまにか店頭から姿を消してしまったらしく、そのままの状態が続いていた。

 ところが今日、キャンプ道具の不足分を買いに行くついでに、ふらふらと寝具コーナーなどうろついていると、Licがよさそうな品を見つけていた。わりと厚みのあるマットで、お値段およそ2000円。本当はもうちょっとグレードの高そうなマットもあったのだけれど、ロングタイプのため10cmほどはみ出してしまう。さすがにそれはちょっとなぁ…。
 かといって標準タイプでこれ以上グレードを上げると、値段が10倍くらい違ってくる。おそらく値段なりに質はよいのだろう。しかし、10倍か…………。
 というわけで、2000円のやつに決定。

 *

 買ってきたマットは、風呂に入っている間に、Licによってみこりんのベッドに装着されていた。寝心地は、如何に。
 そっと手を触れ、押してみる。まず低反発マットが沈み込み、そして…、「お、おぉぉぉぉ!?」底なし沼のような不思議な感触。低反発マットの下に敷いた2000円のマットは、体重を受けるとマシュマロのように柔らかに変形した。想像していたよりも厚みがある。
 厚みがある分、徐々に反発力が生じ、沈み込みは途中でゆるやかに止まった。
 こ、これはかなりいいかも、しれない。私が至極の表情をしていたのにつられたか、みこりんが嬉々としてベッドに横になった。とても心地よさそうだ。

 しかし、こんな環境に慣れてしまったら、テントで眠るとか、せんべい布団で雑魚寝とか、体が受け付けなくなってしまうんじゃ…。ちょっと心配(いらん心配のような気もするけど)。


2006.7.10(Mon)

みこりんのスズムシ

 みこりんも寝静まった22時、洗濯機方面にいたはずのLicが、ふとリビングに現れてこう言った。
 「スズムシに水やらんでもいいの?」
 みこりんが卵から育てているスズムシ達は、今、大きめのプラケースに入れて、廊下の片隅に置いてある。洗濯機のすぐそばだ。

 いつもならみこりんと一緒にスズムシの餌を替えてやるのだが、月曜日は音楽教室の日なので夜はとても慌しい。ついついスズムシのことも忘れがちになっていた。
 というわけで、冷蔵庫からキュウリを取り出し、厚めにスライス。廊下の明かりをつけて、プラケースの蓋を開け…

 ……、で、でかい。

 見るたび、スズムシは大きくなっているような気がする。体長およそ1cm、それに加えて体長の3倍ほどに伸びた長く白い触角が、ゆらゆらと揺れている。貫禄十分、みたいな存在感があった。
 Licが上から覗き込み、何匹いるのか数えている。1つ2つ3つ……、およそ34匹。プラケースに敷いた赤玉土の上に、ほぼ均等に並んでいた。ちょっと過密状態かも。

 4個入れてある餌入れを取り出し、爪楊枝に刺したままのキュウリも取り出し。ここのスズムシ達はヒトを恐れないので、キュウリに取り付いたスズムシを追い落とすのに少々てこずる。スズムシは、不用意に触ったら壊れそうな繊細さも、併せ持っていた。
 餌をすべて取り出したところで、霧吹きをシュッシュっと。この時だけはスズムシ達も大慌てで右往左往。ちょろちょろ動き回る姿が、なにやらゴキブリを彷彿とさせ、思わず背筋がおぞぞぞぞ。

 適度に水分補給したところで、霧吹き終了。スズムシ達は、触角や脚についた雫を、口で舐めるのに余念がない。かなりキレイ好き。
 餌の魚粉を新しいのに交換し、キュウリも新鮮なものに差し替えて、プラケースの中にセットした。もりもり食べて、来週頃には羽が生えてきそう。
 産卵管を持つ個体もいるようなので、全部がオスというわけではなさそうだが、しかし、これだけの数がいれば、半分がオスだったとしても15匹以上。一斉に鳴き始めると(羽をこすり合わせて音を出してるんだけど)、どうなってしまうのか。

 みこりんはスズムシの大合唱をいまだ知らない。みこりんの安眠も風前の灯だったりして。


2006.7.11(Tue)

不審車輌

 夕方、ちょいと野暮用でみこりんと共に出かけようとしていた時のこと。
 家の前でクルマが止まったような音がした。時間的にLicが仕事から戻ってきたのかと、さして気に留めていなかったのだが…

 3分ほどして、準備が整い、みこりんが玄関をがちゃりと開けた。そのドアの隙間から、見慣れないクルマが止まっているのが見えた。Licではなかったようだ。
 何をしているのかと思い、外に出ようとすると、クルマは急発進して、逃げるように去っていった。エンジンの吹かし方が、普通ではなかった。いわゆる暴走族系な、ぶおんぶおんうるさいタイプ。
 クルマのテール部に初心者マークをつけていたのが印象的。色はシルバー、車種は不明。みこりんに運転手を見た?と聞いてみたところ、「サングラスをかけて、髪の横の方がピンピンになってた」と詳細を語ってくれた。

 ふむ…。あやしい。
 しばらく注意しておかねばなるまい。


2006.7.12(Wed)

ヤスデもぞもぞ

 近頃、ヤスデをよく見かける。家の外でも、そして、中でも。
 最初はヤスデをムカデと間違えて怖がっていたみこりんだったが、触るとくるくる丸くなるのだということを実演して見せてからは、安心したようだ。でもまだ自分で触るのはダメっぽい。

 今夜もヤスデがリビングに出現した。無数の足をちょこまかと動かして、のったるのったり床の上を歩いている。
 ヤスデは人を(普通は)噛まない。しかも主食は枯れ葉等で、おとなしい。だから室内で見つけたら、まず指でちょんちょんと触って丸くさせ(つまみやすいから)、そのまま庭にポイだ。

 丸まったヤスデを手のひらに乗せたところで、Licが信じられないものを見たという顔をしていた。ヤスデに手を触れるなぞ、ありえないことだったらしい。そ、そうかな。
 私にしてみれば、ナメクジを平気で素手でつまんで庭にポイできるLicの方が凄いと思うのだが。そう思うよねぇみこりん、と同意を求めてみたところ、みこりんもLicと同じ意見だと言う。ナメクジよりヤスデの方が不気味?う、うそだ…。

 まぁ、人それぞれ得手不得手があるということか。
 ちなみに、ヤスデは体液に毒があるものがいるので、触ったあとはよく手を洗うべし。


2006.7.13(Thr)

敵国日本

 韓国の政権中枢は、もはや回復不能なまでに北朝鮮勢力に牛耳られてしまっているようだ。このまま南北朝鮮vs日米の構図は定着してしまうのかもしれない。
 韓国が自由と民主主義の国から転落し、北のようなおぞましい国になってしまう歴史的転換点にいるような気さえしてくる。

 後年、こんな時代もあったのだなと記憶しておくべく、韓国紙の社説など、貼っておこう。ぺたぺた。

【社説】ミサイルには沈黙し、日本ばかり糾弾するのか

 韓国政府は米国と日本の強硬対北政策に反発、「別の道を行く」という立場を明らかにしている。日米が推進中の国連対北制裁に反対したのが端的な例だ。特に日本の対北先制攻撃論をめぐっては韓日対立が深刻な水準まで増幅されている。ミサイル危機を解決するのに重要な「韓日米共助」が崩壊危機に処したのだ。効果的な対応策を作るどころか、日米との不協和音ばかり露出され、まったく嘆かわしい。

中央日報(2006.07.12 08:22:12)より


【社説】 沈黙破った盧大統領の見当違いなミサイル発言

 今や大統領の沈黙に注目してきた国際社会も、韓国の大統領が北朝鮮のミサイル発射問題をたいした問題でないと考える一方で、この問題が触発した日本の先制攻撃発言については猛反発しているという矛盾した事実を知ることとなった。

朝鮮日報(2006/07/13 12:08)より


2006.7.14(Fri)

キャンプ前日

 明日はいよいよ、みこりんのキャンプ出発日である。
 みこりんと持ち物リストの最終点検を行い、リュックに入れ忘れたものがないかどうか、何度も確認。何か重要なものを忘れているような気もするのだが、リストによればすべて揃っていることになっていた(水筒がわりのお茶のペットボトルだけは、明日の朝、コンビにで新鮮なやつを調達する手はずになっている)。…うん、きっと大丈夫、だろう。

 キャンプが初めてのみこりんには、いろいろと注意点などを言ってみたくなってしまうのだが、そこはあえて我慢して、みこりん自身の知恵と勇気と仲間の力で乗り切ってもらおうと思う。でも、1つだけ教えておかねばならないことがあった。
 それは、自然の中で団体行動中に集団からはぐれて迷子になってしまった時の対処法だ。まず「そうなったらどうしたらいいと思う?」と、みこりんに聞いてみた。
 ちょっと考えてからみこりんは「探しにきてくれるかどうかわからないから、自分でいろいろと歩いてみる?」と言った。かなり自立心旺盛なところは、みこりんらしい。でも、この場合は「迷ったと思った地点でじっと待つ」が正解。救援は必ず来るので(日本国内だし)、やみくもに移動したら見つかるものも見つからなくなってしまう可能性が高い。なによりも体力温存を心がけること。
 みこりんは、「わかった」と言った。そういう事態がないことを願うが、絶対ないとは言い切れないので、用心用心。

 明日のことで気分が少し高揚しているらしいみこりんは、なかなか眠くならなかったようだ。ようやくベッドにおさまったのが午後10時過ぎ。でもきっと明日は早起きしそう。
 ところで、天気予報によれば、キャンプ地となる福井県は今夜から大雨らしい。雨が降ったら降ったで、それなりに貴重な体験はできるのだけれど、晴れてた方がなにかと便利なことには違いなく…、うーん、できれば晴れますように。


2006.7.15(Sat)

キャンプ初日

 こちら岐阜では真夏のような素晴らしい晴天に恵まれたが、はたしてこの気象状況は福井県にまで及んでいるのだろうか。気になるところだ。

 今回のキャンプは近畿東海地方からメンバーを集めているので、集合場所も様々だ。みこりんの場合は、JR岐阜駅に集合。そこに名古屋からのメンバーを乗せたバスが到着、合流したのち、キャンプ地を目指すことになっている。
 JR岐阜駅までクルマで行けなくもなかったが、ずっと以前にクルマで出かけた際に、駐車スペースを探すのに苦労した記憶があったので、無難にJRに乗っていくことにした。数駅の距離だから、電車賃もたいしたものではないし。

 ほどなく岐阜駅到着。地図に示された集合場所を目指す。
 みこりんのリュックは、まるで本格的な山登りでもするかのように重装備で膨れ上がっていた。リュックを背負うと、ちょっと体が左右にふらついているような…。横幅が倍以上になってるので、いろんなものに当たりそうになるし。で、まぁ集合地点までは私が持っていってやることにする。

 前方に同じような大荷物を持った子連れ集団発見。あれが集合場所に違いあるまい。
 十数人の参加メンバーがいるようだ。想像していたよりは、わりと多かったかも。
 集団に混じり、バスの到着を待つ。それにしても暑い。ここからさらにバスに揺られて3時間半、みこりんは耐えられるだろうか。念のため、子供用の酔い止めは持たせてあるが…。

 定刻をちょっと過ぎて、それっぽいバス到着。スタッフはオレンジ色のジャケットを着ていますと資料に書いてあったが、まさにそのとおりの格好をした、お兄さんお姉さんが降りてきた。子供好きそうな雰囲気に好印象。子供達の仕切りも手馴れたもののようだ。
 一列に並んで本人確認とご挨拶。子供をスタッフに託し、親は遠巻きにそれを見ている。子供達はみんな順序良く荷物をバスの収納スペースに入れ、席に着いたようだ。わらわらとバスに寄っていく親達。そりゃまぁみんな子供が心配な事には変わりないわけで。
 子供達は元気そうに笑っていた。みこりんはどこかな?と探してみるが、なかなか見つからず。でもLicがようやく見つけてくれたので、私も見送ることができた。みこりんはいたって普通そうな表情だった。やや緊張していたかもしれない。

 バスは視界から消えていった。あぁ、ついに行ってしまったのだなと、実感する。何事もなく帰ってこられますように。
 女の子が一人、激しく泣いていた。参加メンバーとして集まっていた一人だったが、何か問題が起きて参加を取り止めたらしい。決心がゆらいだのかもしれない。なにしろメンバー表を見る限り、ほとんどが小学校低学年だし。

 *

 せっかく岐阜駅まで出てきたので、Licと二人、駅に併設されているアクティブGなどを散策。ガラス工芸、布細工、紙細工、石細工、彫金、ナイフ、刃物 etc... なかなか不思議な空間だ。でも格好の暇つぶし場所かも。
 石細工屋さんで、Licがシルバーにターコイズを散りばめたブレスレットに惹かれている。うん、似合う似合う。というわけで買い。“1000円以上お買い上げのお客様に、石をプレゼントしています”とのことで、Licが選び出したのは、同じくターコイズのストラップ。勾玉の形をしているところがポイント高い。こちらは私のケータイに結んでくれた。

 *

 家に帰り着いたのは、すでに夜。さっそくキャンプ主催団体のWebサイトをチェック。キャンプ開催期間中、キャンプの様子を伝えるブログが開設されることになっていたからだ。
 さっそく“無事キャンプ地に到着した”と報告があがっていた。画像入り。雨が降っている様子はなさそうだ…。
 現地に無線LANのインフラが整っているとは思えない。通信カード付のPCを持ち込んでいるのだろうか。こうやって経過報告がされると、なにかと安心できる。ぜひその試み続けてほしい。

 明日の天気予報は、やはり雨。でも日中は曇り。もしかすると、海で泳げるかもしれない。スポット的な晴れ間でいいので、ちょっとだけ雲を開けてもらえないかな。まさに神頼みだけど。


2006.7.16(Sun)

みこりんのいない日曜日

 昨夜から降り続く雨は止まず。みこりんはどうしているかなと、例のブログをチェック。すると、朝の様子が簡単に紹介されていた。
 朝食の準備とか、食事中のとか。その中の1枚に、みこりんの姿を発見。画像が小さいので表情までは読み取れないが、仲間達と打ち解けているような雰囲気に少し安心する。
 晴れたら海に行く予定とあったが、どうだろう、雨は上がるだろうか。たぶん雨が降ってても、雨合羽着込んで野山の探検などには行きそうな予感がする。事故らないようにね、と一応念を送っておく(届くかどうかは定かではない)。

 昼になったが、ブログに更新の気配はない。たぶん雨でそれどころではないのだろう。動画の配信も試験的に行う予定とあったが、おそらくこちらも今回はなさそうだ。
 激しい雨とともに、雷も時おり鳴り響き、にゃんちくんがTVの背後に隠れたまま出てこない。みこりんのいないリビングは、なんとなく静か〜な感じ。

 お昼過ぎ、買い物に出かけた。みこりんの部屋には、扇風機しか置いていないのだが、さすがに熱帯夜だと暑い空気がもわっとこもってちょっとつらそう。私とLicが寝ている部屋にはエアコン完備なので、そういう夜でも安心。しかしみこりんが「そんなのずるい」と不満を訴えるのは時間の問題と思われるので、みこりん用のエアコンを買いに。

 ちょうど家電量販店ではセール中で、6畳用エアコンが3万円とかありえない価格になっていてちょっと驚く(すでに完売の札が貼ってあった)。
 みこりんの部屋は6畳。というわけで、エアコンも6畳タイプかな。各メーカー様々な機種があり、値段もぴんきり。かなり迷う。
 それでもどうにか2機種までに絞込み、どちらにしようかな状態の時、店員さん登場。該当の2機種のうち、高い方はさらに1万円の値引きが可能らしい。ほぅほぅ。
 メーカーはダイキンなので問題なし。工事費込みで9万円。さらに値引き1万で、8万円。よし買った。

 契約書を書いていると、さきほどの店員さんがこそこそっと「さらに1万円お安くできます」とのこと。ん、っていうことは7万円?…いいのかな。なんだか罠がありそうな気もしつつ、それでお願いすることに。
 工事日の確認をしてもらったところ、なんと商品が入手難らしく29日にならないと届かないことが発覚。うーん、あと2週間か。……でも、まぁこの値段なら待つ?Licに打診してみたところOKのようなので、待つことにする。それまでに熱帯夜が続けば、一時的にみこりんを我々の寝室に避難させておけばいいし。

 エアコンを買った勢いで、炊飯器のコーナーへ。今使ってる炊飯器は、私が独身時代から愛用している品で、かれこれ15年以上になる。表面のプラスティックが経年劣化でボロボロと崩れかかってるし、内釜を外すと錆で茶色っぽくなってるし、内釜のテフロンコートはもう80%ほど機能低下しているし。
 とにかく米が炊ければよいという簡潔なポリシーのもと買ったやつなので、IHでもなんでもなかった。

 ずらっと並んだ最新機種は、どれもこれもIHは標準装備。あとは圧力炊きとか、超音波とか、付加機能で違いを訴えかけていた。この10万円近くする三菱の黒いヤツは、さすがにちょっとアレなので除外して、と。
 2万〜3万で、となると選択肢が多すぎて非常に悩む。うちの場合、米はブランドにこだわらず安い米なので、炊き方が高級になってもあまり違いがわからないかも?でも“ふっくらおいしい”とか“もちもちっと甘い”なんて書かれると、つい食べてみたくなるじゃないか。
 Licとおおいに悩んだ結果、超音波炊きの三菱のやつに決定。2万円也。今のよりも、ものすごい進歩だ。どれくらい米が旨くなるのかちょっと期待しつつ。何も変わらなかったら…、哀しいけれど、まぁちょうど買い替え時期だったと思って割り切ろう。

 炊飯器の箱を台車に乗せてカラカラと運びつつ、大画面TVコーナーなどを散策。いや、ぜんぜん買う気ないけど、見てるだけ。プラズマディスプレイの表面が、かなり熱くなることに驚きつつ。
 ぐるっと回って、私が一眼レフタイプのデジカメにはまっている間、Licはケータイコーナーでいろいろ吟味していたようだ。私がそばに行ってみると、「これこれ、これいーんじゃない?」と言う。au の W41CA だった。手に持った感じが、とてもしっくりくるのがポイント高い。しかもいまならツーカーから同番移行が可能で値段も3000円ほど。7月限りの限定品で、商品がなくなりしだい終了、なんて書いてある。

 私とLicは、ツーカーだ。Licのは数年前に買い換えたものなのでまだしも、私が持ってるのはおよそ10年前の骨董品。ほとんどメール機能しか使ってないが、いまのところそれで十分用は足りてるので問題はなかった。が、バッテリーがそろそろ弱ってきているうえに、3行しかない狭い表示画面とか、時々着信しないなんてこともあり、いつかは買い換える気ではいた。
 今なら3000円で、番号変わらずに、使用期間も引き継げる。

 よし、買おう。私はブラック、Licもブラック…、にするとどっちのだかわからなくなりそうなので、白にしていた。色違いのお揃いだ。
 最初、ハンコがいるとかで取りに帰る話も出ていたが、クレジットカード払いだと身分証があればOKらしい。さっそく手続きを済ませる。この過程で、さらに3000円から2000円以上の値引きが可能だということが分かり、ACアダプタよりも安い値段でケータイゲット。今日はこんなのが多いな。

 *

 小一時間ほどして、手続き完了。それぞれ真新しいケータイを手にしていた。
 案の定、私の骨董ケータイからはメモリ転送できなかったそうなので、家に帰ってからぽつぽつと入力のやり直し。それにしても、設定項目が多いな。痒いところに手が届く、といった感じに。
 なんて没頭してたら、いつのまにか夜の9時。カレンダーでは明日は祭日になっているが、私は普通に出勤日だった。ゴールデンウイークを10連休にする代わりに、こうしてノーマルな3連休が犠牲になっているのだ。とっとと風呂入って寝なくては。
 10年前のケータイと、今のケータイ。画面表示がより高解像度になったので、メールも書きやすそうだし、Webも使えそうなレベル。ちょっと浦島太郎な気分を味わいつつ、ぼちぼちと使いこなしていこうと思う。

 キャンプのブログは、朝に更新されたきり、ずっと沈黙を保ったままだった。大雨だし、仕方あるまい。明日、元気に帰ってくることを願いつつ、明日のために、寝た。


2006.7.17(Mon)

みこりん帰還

 予定表によれば、午前10時半にはJR岐阜駅にみこりん達を乗せたバスが来ることになっている。迎えにはLicが行ってくれることになっていたが、そのLicからメールが届いていたことに気づいたのは……、もうじきお昼という時刻 orz...

 出勤時には、半袖の作業服の上に、長袖の作業服を重ねていて、仕事が始まると長袖の作業服は脱いで椅子にかけておくのが習慣になっている。過去、エアコンの設定温度が低すぎた頃の防衛策の名残である。
 で、昨日買ったばかりの新しいケータイは、椅子にかけた方の胸ポケットに入れていたのだ。半袖作業服のポケットに移さなきゃ、と思いつつ、うっかり仕事に没頭してしまい忘却の彼方へと…。
 もちろんマナーモードにしてあるので、直接身に着けていなければ着信には気づかない。おそるおそる、メールを確認してみると、バスの到着場所に誰もいないということが書いてあった。さらに、メールだけでなく伝言メッセージもあった。再生してみる。
 キャンプの主催者側からの連絡だった。豪雨のため、到着が20分ほど遅れるとのこと。…、状況は見えた。

 しかしすでに時刻はお昼。みこりんとLicは無事、合流を果たしたあとだろう。一応、みこりんの無事をLicにメールで聞いておく。

 ほどなくして返ってきたLicからのメールには、クルマの助手席でニコニコしているみこりんの画像が添付されていた。ピントくっきり、微妙な奥行きのボケ具合など、なかなかいい写真だ。もしかすると、私の持ってる普通のデジカメより写り具合はよさそうな気配。近頃のケータイのカメラは、ここまでの能力を備えるまでに進化したのか。おそるべし(まだまだ浦島状態は続く)。

 *

 帰宅すると、みこりんがいつものように元気に出迎えてくれた。
 おかえり。
 みこりんは、来年もキャンプに参加したいと言った。今年がビギナーズコースだったから、次は1つ進んでベーシックコースへ。うん、参加してみたまえ。もっともっと知らないことがいっぱいあるはず。

 晩御飯の1品は、みこりんによるスクランブルエッグ。みこりんがキャンプで会得してきたレシピの1つだ。火を使った料理はこれが初めてのはず。こうやってどんどんいろんなことができるようになっていくのだろう。無事に戻ってきてくれて、本当によかった。


2006.7.18(Tue)

古きよきシンセサイザー

 今月始めのエレクトーン発表会にて、来月の地区大会進出が決まったみこりん達だが、そのすぐあとの9月初旬にはソロの発表会が控えていた。イベント目白押しである。
 地区大会は同じ曲を演奏するからまだいいとして、問題は9月のソロの方だった。1ヵ月半で、仕上げられるのだろうか。演奏曲は、みこりんの強い希望で『君を乗せて』(映画『天空の城ラピュタ』より)に決まったようだ。20年近く昔の曲だが、今でも学校ではよくかかるらしく、みこりんも映画本編を見たのは過去1度きりなのに、よく覚えていた。

 『君を乗せて』に決まる前には、FFXIの中で使われている曲(ナシュモという街のBGM)にもかなり興味を惹かれていたみこりんだったが、楽譜がないので、自分で耳コピー&エレクトーン用にアレンジしなければならないという巨大な壁に立ち塞がれ、断念したもよう。小学3年生でも、地区大会常連組みたいなすごい子ならば、それも可能らしいのだが、みこりんにはまだちょっと難しいようだ。

 昨年、同じくジブリ作品から『人生のメリーゴーランド』を発表会で演奏していたので、その時に買った楽譜の中に『君を乗せて』もあった。ただ、これはグレード9のアレンジ。みこりんは今グレード8なので、ちょっと物足りないかも?しれない。
 でもあと1ヶ月半という練習期間を考えると、このくらいの方が安心はできる。

 9月が無事に終わると、次は冬の発表会だ。YMOの『ライディーン』を知ってしまったみこりんのために、Licは同じくシンセサイザーつながりで、喜多郎の曲を聞かせたがっているようだ。
 最近の人は喜多郎といっても知らない人の方が多いかもしれない(同じ“きたろう”でも『ゲゲゲの鬼太郎』とはまったく関係ないので注意)。YMOがブレイクした頃よりもちょっと後、当時NHKで放送が始まったドキュメンタリー『シルクロード』のテーマ曲で一躍脚光をあびたシンセサイザー奏者である。
 この人の曲もFMでエアチェック(死語か?)していろいろ持っていたのだが、いつのまにか無くしてしまった。レンタル屋さんで探してこなければなるまい(個人的にはジャン・ミッシェル・ジャールの曲も捨て難いのだが)。


2006.7.19(Wed)

花火

 みこりんが「花火やりたい」と言うので、家族揃って玄関先にてしゅぼぼぼと花火を楽しむ。
 付属のピンクのロウソクに火を灯し、花火に点火していたのだが…、先ほどから腕などに何かが無数にぶつかってくるのを感じていた。蚊?と思っていたら、やがて大量の虫がロウソクの周辺に落下しはじめる。どうも羽アリのような感じ。

 花火の煙にまかれたっぽい。それにしてもなんでこんなにたくさんの羽アリが…
 じつは羽アリじゃなくて、別の虫なのかもしれないが、わらわらと地面を動き回っている。その上から花火の火の粉が降り注ぎ。そこらじゅうに虫が落ちてるので、いちいち構ってはいられなくなり。

 ところで、みこりんはいつのまにか花火を怖がらなくなっていた。激しく燃え上がるタイプでも、自分で火をつけて平気らしい。そりゃもう小学3年生だものなぁ…
 派手な花火が終わると、静かに線香花火など。でもこの線香花火、着火すると、いったん激しく燃え上がり、火の玉が細長く伸びる。本来ならこの燃えてる部分が大きな玉になって、パチパチと独特の火の粉をはじかせるはずだったが、途中で落下するもの多数あり。運良く玉になったとしても、火の粉を発することなく玉だけが赤く燃えて終了、なんてのも。
 まともに線香花火になったのは、最後の1本。みこりんが手にしたやつだけだった。

 外国産“線香花火”の品質低下(?)は、かなり末期症状だったりして。

 ピンクのロウソクが燃え尽き、溶けた蝋が水溜りのように小さく広がっている。その蝋の中に、さきほどの羽アリのような虫が多数固められていた。自ら蝋にダイブしたかのようだ。な、なぜゆえに…

 Licがぽつりと言った。「まさに、“飛んで火にいる夏の虫”」
 ん、言い得て妙。


2006.7.20(Thr)

SPAM

 ケータイを10年ぶりに変えて、まだ4日。よりコンパクトに、さらに軽く、というわけで、ポケットに入れててもあまり違和感はない。というかむしろ、その存在を忘れてしまうくらい収まりがよい。…、これが10年分のテクノロジーの差というものか。

 ところで番号はそのまま引き継いだものの、キャリアを変えたわけなのでメールアドレスは新しいものに変わった。このアドレスを知っているのは、auと、製造元のカシオ(同梱されていたアンケートを送信した)、そしてLicだけ。のはずだったが、なんと今日、いわゆる迷惑メールを1通受信してしまった。いったいどこから洩れたのか。
 あるいは総当りでたまたまアドレスが一致してしまった?ちょっと謎。


2006.7.21(Fri)

リーン

 最初に、その音に気づいたのはLicだった。
 耳をそばだててみる。ブレーキの故障した自転車が、どこか遠くで坂を駆け下りているかのような、弱々しい音…。ん?もしかしてこれは。

 「スズムシ鳴いてる?」

 まだ調子の外れた奇妙なリズムだったが、たしかにこれはスズムシに違いあるまい。脱皮して、羽が生えたのがちょうど先週の夜。これまでに2匹のオスが確認されている。
 なかなか鳴かないねぇと、みこりんと話していたのだが、ついにきたか。さっそくみこりんが廊下のプラケまでダッシュ。あ、ちょっと待った、と言うより先に、プラケの中をじっと覗き込んでいた。

 ぴたっと鳴き止むスズムシ。静寂が降りてくる。
 そぉっと近付かないとびっくりするからね。みこりんがちょっと悔しそうに、後ずさり。しばらく待ってみたが、スズムシは鳴かず。
 まぁ初めて鳴いたので疲れたのかもしれないし。

 *

 真夜中過ぎ、いつのまにか鳴きを再開していたスズムシは、よく聞いていると2匹の音が重なるようにして鳴いているのがわかった。つられるのだろうか。あるいは対抗心か。でも、1匹は最後までヘンなリズムが直らず、微妙な合奏になっていた。もう1匹は、すっかり安定したオトナの音。お手本がないのに、うまいものだ。
 あとオスは何匹いるのだろう。スズムシ大合奏の日は近い、かも?


2006.7.22(Sat)

うらたま

 みこりん専用の“お気に入り”から、たまごっち関係のサイトをつらつらと調べていたみこりんが、「うらたま、今日発売日だって!」と声を上げた。う、うらたま?なんだ、それは。
 みこりんの開いているページを読んでみる。『ビッグニュース!!新たまごっち“ウラたま”誕生!!

 新型か。それにしても“裏”とは、なにやらダークサイドな響き。
 みこりんは新型が出るのは知っていたらしいのだが、その発売日はもっとあとだと思っていたようだ。発売日がわかっていたら、予約できたのに。そう言う私に、みこりんは無念そうな表情をしてみせた。

 古本屋に行く用事があったので、みこりんを連れていつものように“たまカップ”を置いてあるスーパーに寄り道。私が1階で食料を買っている間、みこりんは2階の“たまカップ”で2戦ほど。
 買い物を終えて“たまカップ”方面にみこりんを迎えに行ってみたところ、なにかレジのところでじっと一点を見つめているみこりんの姿があった。はて?

 みこりんの視線の先にあったのは、たまごっちだった。しかも新型。こ、これが“うらたま”か。
 いや、こうも簡単に出会えるとは思ってなかったので、少々びっくり。置いてあったのは3種類で、注意書きに「お一人様、1個限り。限定30個」とある。前作のエンたまを入手するのにはかなり苦労させられたものだが、発売日当日に店頭で在庫にありつけるとはなんてラッキーな。あるいはたまごっちのブームも下降気味なんだろうか。

 ここに好きなデザインのものはあるかとみこりんに問うてみたところ、なんだか遠慮がちに「ある」と言って、白いのを指差した。ふむ。みこりんの持ってる“エンたま”とほとんど同じ色彩だ。アンテナの先についてる星型が目立つ違いか。
 みこりんは来月の誕生日プレゼントに、“うらたま”をもらえるといいな、と言っていたが、買えるチャンスをここで逃すとなんだかまた苦労しそうな予感がしたので、ほとんど迷わず私は決心していた。

 「よし、これ買おう」
 みこりんは少し驚いた様子だったが、「ちょっと早いたんじょう日プレゼントやね」と言って納得していた。うん、まぁそういうのもありかな。

 こうして我が家に新しいたまごっちがやってきたのだった。

クリーンインストール

 家で使っている私のPCが、近頃少々あやしげな挙動をするようになった。ウイルスチェック、スパイウェアチェックともにパスするのだが、動作が妙に重くなってきたような…。
 動画記録用のアプリケーションも、終了時に固まってしまうようになったし、ここらで一度クリーンにOSの再インストールというのも悪くない。じつは今日から来週の水曜日まで、仕事は休みだった。電力使用量のピーク時期に工場を止めることで、地域の電力事情に配慮した、いわゆる“電力休暇”と呼ばれるものである。みこりんにそう言ったら、「“夏休み”5日しかないの?みじかいねぇ」と驚かれてしまった。たしかに子供の夏休みに比べたら微々たるものかもしれない。ちなみにみこりんの夏休みは金曜日から始まっている。

 というわけで、夕方から延々とハードディスクをフォーマットしなおし、OSのクリーンインストール続行中。明日には復活の見込み。


2006.7.23(Sun)

草刈り

 雨のため2週間ほど延期になっていた自治会の側溝掃除が、ようやく実施のはこびとなった。みこりんも子供会主催のゴミ拾いのため、出動していった。遠くで草刈り機のエンジン音が響いてくる。
 この辺りは野山に囲まれているため、空き地や側溝の雑草はあっという間に枝葉を茂らせ、放置すれば手の施しようがなくなってしまう。そこで、こうして日を決め、みんな総出で一気に雑草刈りを行うのである。
 作業時間はおよそ1時間あまり。その前半を近場の側溝掃除に、後半は団地内にある公園の雑草刈りに充てられるのが習わしとなっている。

 側溝の雑草を抜き終わり、そろそろ公園に向かおうかという頃、みこりん帰還。手にしたレジ袋がなんだかすかすか。今回の獲物(ゴミ)は、あまりなかったようだ。
 みこりんも公園の雑草刈りをしたいというので、一緒に行くことにした。

 予定より2週間遅れということもあり、公園はものすごいことになっていた。この団地に公園は2つあって、こちらはあまり使われていない方というのも影響してそうだが、大人の腰のあたりまで育ったヒメジオンなどで足を踏み入れる隙間もないほど。そうとう利用率は低いらしい。
 まず草刈り機部隊が無数のエンジン音を轟かせつつ突破口を開き、その刈り残し部分を人力で補ってゆくのだが、みんな何かしら手には得物を握っていた。鎌であったり、園芸用の大型鋏だったり、シャベルだったり、バリエーションに富んでいる。でもまぁこれまでは軍手だけでもどうにかなっていたので、私は特に何も用意してこなかった。しかし今回はちょっと手強そうだ。根の張りがよすぎて、引き抜くにはかなりの力を必要とした。

 苦戦中の私を見かねたのか、近所の班長さんが1本の鎌を貸してくれた。ありがたや、ありがたや。
 鎌といえば、小学生の頃、家にあったやつでススキ野原を少々刈り込み、秘密基地など作ってみたものだが、あまり使い心地はよくなかったような気がする。しかし、今、手にした鎌は、おそるべき威力を発揮していた。
 人力とは思えないほどの刈り込み速度。爽快にさくさくと草の束を薙ぎ払うことができる。ちょっと気を抜くと、左手をも一緒に刈ってしまいそうになるほどの素晴らしい切れ味だった。この感触、とても危険な香りがする。

 ところでみこりんはといえば、草むらから飛び出してくるカマキリやら大きなショウリョウバッタなどを見つけては、楽しんでいる様子。でも触るのはまだ怖いらしい。肝心の草引きについては、ちょっとみこりんの手に余るようで、早々に興味を失ったようだ。やがて、近所の友達と遊びに出かけてくると行って、撤収していったのであった。

 さて、刈り終わった雑草の山は、周回してきたゴミ収集車によって回収されていった。公園は、つい30分前までの草野原が幻であったかのように、さっぱりと小奇麗に仕上がっている。夏休みの間、この公園で子供たちが遊ぶのにわずかな支障もないほどに。
 次回の草刈りは、秋。鎌、買ってこなくてはなるまい。


2006.7.24(Mon)

古本屋に行った理由

 禁断の古本屋に到着。
 ここができたのは、4〜5年前のこと。大型ホームセンターが撤退していった後に新装オープンした店なので、かなりでかい。駐車場も野球が2試合同時にできるほど広い。そして扱っている品も、古本は言うに及ばず、古CD、古DVD、古フィギュア、古レコード、古楽器、古着まで揃っている…、ということだった。
 そう、じつは私はこの店に来るのは初めてなのだ。

 来たら絶対はまってしまう。それはほぼ確信めいた予感であった。だから、あえて避けてきたのだ。しかし、そうも言っていられない事情ができた。

 私が、わかつきめぐみの作品に初めて触れたのは、1989年のこと。ちょうど就職した年だ。技術系新入社員の強化研修が3ヶ月ほど行われるということで、はるか神戸の地にて合宿中の身であった。
 平日は朝昼夜関係なく実験と勉強。休日はあったが、娯楽はなく、暇を持て余し気味。足がないとどうにも不便というわけで、バイクを持ち込んでみたところ、ちょうどいい距離にほどよい規模の本屋があった。そこで手にしたのが『So What 1巻』だったというわけである。

 学生時代、ハヤカワ文庫とか平井和正、夢枕獏、士郎正宗といった系統に偏っていた私の身を心配したサークル仲間が、下宿に大量の少女漫画系のコミック類を置いていった時期がある。その作戦はかなり成功し、私はそれまで書店の巡回コースに入れていなかった少女漫画系のコーナーに拒絶反応を示すこともなくなり、なかでも内田美奈子の作品にはどっぷりとはまってしまっていた。

 そういう経緯もあって、わかつきめぐみ作品との出会いは必然とも思えるほどしっくりときたのであった。
 研修を終えるまでに、入手可能な『So What』は揃え、研修が終わってからも本屋のチェックは欠かさないようにしていた。ところが、仕事の都合で数年間のブランクが出来てしまった。再度わかつきめぐみ作品に再会できたのは、『ご近所の博物誌』からだった。
 私の書棚には、1989年以前と、1991年〜1993年までの空白が生まれていた。

 リアル古本屋やオンライン書店&古書店で、見かけるたびに隙間を埋めるようにしてきたが、いよいよ入手困難なものが出始めて、このままでは一生出会えないのではあるまいか、とさえ思えてくるような始末。Amazonの1円出品はなんだかとても危険な匂いがするし…

 というわけで、禁断の古本屋に、ついに足を踏み入れることにしたのである。
 今日もみこりんはくっついてきていた。ここにくるまでに“たまカップ”で1戦してきたことは、言うまでもない。

 店内は、所狭しとあらゆるものがディスプレイされていた。はいってすぐに古着、古楽器。そしてど真ん中に古フィギュア各種詰め合わせ。
 カード類もあった。…、ということは…。
 「たまごっちのカードがあるよ!」と、みこりんが興奮して教えてくれた。“たまカップ”で使うカードだ。真剣に見入っているみこりん。1枚100円、定価だ。しかしその横のガラスケースに厳重に守られて陳列されていたカードは最低価格が500円からとなっていた。最高で約7000円。
 みこりんは、この中で1000円のやつと、500円のやつを1枚ずつ持っていると言った。みこりんは不思議がっていた。“たまカップ”のマシンで買うと一枚どれでも100円だ。それがなぜここではこんな値段になっているのかと。

 レアカード(というか強力なカード)は、みんな欲しがるからこんな値段でも買う人がいるんだよ。そして、ここが肝心。これらのカードは、持ってた人がお店に買ってもらってここに並んでいるのだということを教えてやった。
 「じゃあ、みこりんのこのきらきらカードって、1000円で買ってもらえるの?」
 うーん、1000円よりは少ない値段だけど、100円よりは多くもらえるだろうね。

 みこりんは今日、新しい事を1つ学習した。

 古本は奥の棚に並べられてあった。出版社別、作者別に分類されているので、目的の品は、さほど迷わず見つけ出すことに成功していた。

  • 『月は東に日は西に 1&2巻』
  • 『トライアングル・プレイス』
  • 『グレイテストな私達 2巻』
  • 『黄昏時鼎談』(1992/3版)

 以上。かなりの豊漁。狙いすましたかのように『グレイテストな私達 2巻』が残っていたことを感謝しつつ、店を出る。ここは魔力に満ちた場所だが、みこりんには少々危険な箇所も存在する。用が終わったらとっとと撤収が吉。

 残るは『ぱすてるとーん通信 1&2巻』。探さねば。


2006.7.25(Tue)

真夏のプールサイド

 朝方、少し雨がぱらついていた。気温もやけに低く、まるで秋のような気配。今日で最終日となる学校の水泳教室がどうなるのか、みこりんも心配そうに空を見上げている。
 集合時間まであと30分という頃、電話が鳴った。

 水泳教室の連絡網だった。それによれば、今日は通常の半分、1時間で切り上げるとのこと。中止にはならなかったようだ。さっそく連絡網の次の人に伝言を…、と思って電話をかけたが誰も出ず。仕方がないので、次の次の人に伝言を回す。みこりんが持ってきてくれた連絡網の紙によると、私のルートはすべて夏休み中も学童保育のお宅ばかりらしい。誰も電話に出なかったとしても、不思議ではなかった。
 学童保育に行ってる子ならば、水泳教室の終了時間が1時間早まろうとも特に影響はなさそうだ。

 みこりんを学校まで送っていく準備をしていると、ふたたび電話が鳴った。出てみると、先ほど私が伝言を回したお宅からだった。伝言ルートがいつのまにか逆になってしまったらしい。…さて、こういう場合は。
 逆ですよ、といちいち指摘するのもなんだし、そのまま受け答え。で、私がそのお宅が本来回すべき相手に電話する。が、やはりここも誰も出ず。学童保育に行ってるのだから、これもまた当然といえば当然の話だ(うちはたまたま私が夏休み中だから電話に出られたけど)。
 というわけで、伝言ゲームおしまい。みこりんをクルマに乗せて、学校に向かう。

 急速に空が晴れ渡り、あっというまに真夏の情景が出来上がっていた。どどんと白い入道雲なんかがあったりして、朝方の秋の気配は微塵も感じられなくなっていた。太陽の直射エネルギーに撃たれ、頭がくらくらし始める。これ、1時間に短縮する必要なくなってしまったんでは…。そんなことを思いつつ、みこりんを学校で降ろし、帰宅。

 1時間はあっという間だ。再度学校へお迎えに。
 学校敷地内の駐車場にクルマを停め、しばし待機。アイドリング状態にするわけにもいかないので、エンジンは完全に切っていたのだが、真夏の太陽に熱せられ、車内はまたたくまに人のいる環境ではなくなっていく。こ、このままでは、死んでしまう。
 車内脱出。プール方面へと向かった。

 先生1人に子供が5〜6人というグループに分かれて、特訓中。ばしゃばしゃと水しぶきが上がり、いかにも夏なプールサイド。みこりんの姿を探してみたけれど、見つからず。プールの中に入っているのだろう。
 午前10時、終了の時刻。…でも、終わりそうな気配なし。先生の一人が、そろそろ時間か、なんて言いつつ、練習は続いた。うん、わかる。こんないい天気なんだもの。1時間じゃもったいない。

 プールから少し離れて校舎寄りに立ち、ケータイでネットサーフィンを少々。太陽の直射を浴びても、くっきりと見える液晶の進化に浦島太郎な気分を味わいつつ、早朝に行われたFFXIの大規模アップデートの状況などを、某掲示板で確認してみたり。
 読みふけっていると、突然「こんにちは」と声がした。はっと顔を上げると、目の前を通り過ぎてゆく、迷彩服のいかつい男達。条件反射で「こんにちはー」と返したものの、学校に陸自の人が何の用なんだろう?という好奇心はなかなか消えず。そういえば、先ほどからヘリが上空を何度か飛んでいたような気もする。水難救助、か?

 引き続き某掲示板熟読中。
 足元に何かの気配を感じ、視線を前方へ。みこりんだった。水泳教室は終わったようだ。時刻は10時30分ほど。炎天下、30分近く立っていたせいか、ちょっと立ちくらみを覚えつつ、駐車場へ戻る。こんなことなら帽子をかぶってくるんだったと思ったが、後の祭り。
 みこりんはクロールで20メートルほど泳げるようになったらしい。25メートルまであとちょっと。七夕様の短冊に願いを込めた目標は、この夏中に達成できそうだ。


2006.7.26(Wed)

死後の世界

 ふと目を開けると、みこりんの姿があった。もう、朝か。なんだかずっと夢を見ていたようで、あまり寝た気がしない。
 みこりんは時計の針が、6時半に迫っていることを心配していた。夏休みの恒例行事、ラジオ体操が6時半から始まるのだ。夏休みに入ってから、まだ一度も参加できていないみこりんは、少し不安を感じていたようで、昨夜から明日こそはちゃんと起きると宣言していたことをかすかに思い出す。

 大丈夫。この時計は少し時間を進めてあるから。そう言って、みこりんを落ち着かせる。
 階段を下り、リビングの時計を確認してみると、6時半まであと5分というところ。ラジオ体操が行われる公園は、うちからはちょっと離れているので、ぎりぎりか。着替えているうちにあと4分になっていた。んー、仕方あるまい。近くまでクルマで送っていくことにした。

 公園に近づくにつれて、歩いている子供達の姿がぽつりぽつりと見え始める。みこりんが「ここでいい」と言うので、降ろしてやった。みんな結構余裕っぽいな。6時半ちょうどには始まらないのかもしれない。

 みこりんが戻ってくるまでに、朝食の準備。スクランブルエッグはみこりんが作ってくれるかな?と思っていたのだが、出掛けに「とーさん作って」と言われたので、焼き焼き、と。じつはみこりん、昨日の朝、スクランブルエッグを失敗してしまったのだ。いや、スクランブルエッグというよりは、卵焼きと言うべきか。ちょっと焼きすぎて、焦げ焦げに。口に入れてみると、かなり苦い味がした。それでもいちおう、「うん、大丈夫だよみこりん」と言いつつ、ケチャップの甘さでなんとかしのいだものの、みこりん自身は『失敗』と思ったようで、自信をなくしたのかもしれない。

 やがてみこりん帰還。ラジオ体操は結局5分遅れくらいで始まったらしい。もしかしてラジオ体操といいつつ、テープに録音した音でやってるのかも?

 食事中、みこりんがふと「ヒトは死んだらどうなるのか?」というような話を始めた。天国とは?地獄とは?生まれ変わりって?神様っているの?etc...
 死んだらどうなるのか。その答えは難しい。死んでみないとわからないし、死んでしまったら、誰かに伝えることもできぬ。でも、神(あるいは他のなにか)と呼ばれる存在がその世界について話すこともあるのだよ。などなど。
 みこりんの説によると、天国というのは、地球と良く似た別の遠い遠いところにある惑星で、死んだ人はそこで暮らすようになるのではないか、ということだった。地球型の惑星が宇宙のどこかにあるという考えは、小さい頃からみこりんに見せていた『スタートレック』シリーズや『スターウォーズ』等の影響もあるかもしれない。

 魂とは何か。これもまた難問だ。私の父は神社の神主の息子の一人として育った。たくさんの兄弟姉妹がいたということだが、子供のうちに死んでしまったりすることも普通にあったらしい。真夜中、庭で、あるいは部屋の中で、その死んだ兄弟の姿を何度か見かけたと言う。
 また、当時は丑の刻参りが普通に行われていた時代で、暗い森の中に怖い顔の女の人の姿がよく見かけられたりもしたらしい。だから、幽霊なんかよりも、生きた人間の方が怖かった、という父の言葉はどこか現実味があって、今でもよく覚えている。

 みこりんは自分よりも先に、私やLicの方が死んでしまうことを知っている。だから、死んだらどうなるのか、いろいろと考えているようだ。
 自分が大人になるころには、医学も技術も進歩して、ヒトの寿命はもっと伸びるかも知れない。あるいはロボットみたいになって、生きられるかもしれない。そんなことを考えているみこりんは、22世紀を私やLicと共に迎えたいらしい。
 そんな先のことはどうなるかわからないが、一日一日生きていれば、いつか22世紀になってるかもしれないね。

睡蓮鉢の中にいたもの

 長らく廊下に置きっぱなしにしていた淡水90cm水槽を、撤去することにした。中の魚達はとうに死んでしまっていて、今ではモーターも回ってはいないが、水は抜いていなかった。またこの水槽を再起動させるべきかどうか、少々悩んでいたというのもあるのだが…

 水を抜き、中の石を取り出し、砂をバケツに移し、軽く水洗いして菜園に撒き。モーター類は燃えないゴミに。濾過層の濾材は…、10年もののガラス製のやつは経年劣化が激しいので同じく燃えないゴミに。まだキレイなセラミック製のものは、Licの提案もあり、庭の睡蓮鉢の底に沈めてみることになった。

 睡蓮鉢には、ホテイアオイが6株ほど、水面を覆っている。最初、2株しか投入しなかったというのに、おそるべき増殖力だ。ヒメダカの姿はない。投入時期が悪かったかもしれない。もう少し水がこなれてから入れるべきだった。
 ホテイアオイの根っこが中敷に絡みついて離れないので、中敷ごとどばっと取り出し、バケツに一時退避。水温は約30度近辺。けっこうぬるい。心配していたボウフラの姿はなかった。

 セラミック製濾材を、そろそろと投入。無数の気泡が立ち上る。
 沈殿物が水中を舞い、その様子をなんとはなしに眺めていると…
 いま、何かがくねっと泳いだような?…もしかして、ヒメダカが生き残って?
 じっと目を凝らす。沈殿物が連なって揺れているだけのような気もしたのだが、さらに待つこと数分、私はそれが生物であることを確信した。明らかに脚を使ったのだ。でも尻尾の先には、3つの長いヒレのようなものがついている。魚、のようで、魚ではあるまい。なにしろ脚があるのだから。細長く、一見するとメダカみたいにも思えるが、こんな形状の虫というと…、ミズカマキリとか?でもちょっと小さすぎる。この中にいるやつは、せいぜい体長2cmがいいとこだ。それに呼吸管がない。もっと別の虫だ。
 カワゲラの幼虫?んー、いやいや、もしかしてこれは、あれだ、トンボの幼虫、ヤゴ。そう、ヤゴにちがいない。

 普通に見かけるヤゴとはちょっと形態が異なってはいるものの、なんとなくヤゴっぽい感じがする。脚とか頭部とか。尻尾のヒレのような物体がちょっと気になったが、さっそくみこりんにヤゴ発見の報を告げる。
 みこりんは「ほんとに!?」と飛んできて、じっと鉢の中を見つめている。体色が薄緑色なので非常に視認性が悪く、なかなか見つけられなかったみこりんだったが、ようやくそれに気が付いたらしい。「なんのヤゴかな?」と私が言うと、みこりんは図鑑を取りに行った。

 よく観察できるように、ヤゴをプラケに移してみた。さっそく図鑑のトンボのページを開いて、調べ始めるみこりん。やがて、「ハグロトンボだと思う」と、みこりんは言った。
 トンボの姿とヤゴの姿の両方が載っているので、なかなかわかりやすい。たしかによく似ていた。尻尾のヒレもちゃんとある。ふむふむ。川原によくいるトンボだな。それがなぜこんなところにいるのか。というか、このヤゴはいったい何を食べて生きていたのだろう。メダカはすでにいないし、この小ささではメダカを捕獲するのもちょっときつそうだが…。もしかしてボウフラ食べてた、とか?実際、この中に真っ先に沸いてそうなボウフラが1匹もいないのは気になるところだ。

 ふと視線を睡蓮鉢に戻してみると、何かが動いたような…
 ま、まさか。じっと顔を近づけてみる。いた。ヤゴだ。さっきのと同じタイプのヤゴがもう1匹いた。
 これもプラケにすくってみる。んー、色がちょっと違うようだが、形はそっくりだ。こちらは薄茶色。みこりんがまたもや図鑑をめくり、調査中。「ミヤマカワトンボだと思う」しばらくして、みこりんはそう言った。イトトンボ系か。なるほど、普段見かけないわけだ。

 驚くべきことに、ヤゴはさらにもう1匹いた。今度のは最初のと同じく薄緑色。
 これだけ生き延びているということは、食べ物が確実にあるということだろう。ひょっとすると、水面に浮いているこのモノアラガイを捕食しているのかな?

 3匹のヤゴをLicにも見せた後、睡蓮鉢をもとのように戻し、ヤゴをそっとプラケから水中に還してやった。
 ヤゴがいるとわかっていたら、手荒なことはしなかったのだが。願わくば、無事、トンボになりますように。


2006.7.27(Thr)

休暇明け

 5日間の電力休暇が終わり、今日から通常業務に戻る。みこりんは気合十分で私を起こしてくれたあと、6時半からのラジオ体操に出かけていった。徒歩でも余裕なところに、みこりんのやる気をひしひしと感じる。

 私とLicの電力休暇は終わったが、みこりんは夏休み真っ只中なので、昼間は学童保育に行かねばならない。つまりお弁当が必要ということだ。
 というわけで、みこりんがラジオ体操から戻ってくるまでに、ちゃきちゃきと作る。前日にハンバーグとか、そういう系のメニューでもない限り、毎朝弁当を一から作るのはまず不可能(時間的に無理)。冷凍食品と電子レンジのおかげで、どうにかなっているようなものだ。

 その合い間に朝食を準備する。近頃すっかりスクランブルエッグな気分のみこりんのために、そいつを1皿。ちょっと前までのベーコンエッグな気分は復活しそうにない。買い置きしてあるベーコンの賞味期限が、ひたひたと迫ってきているのがちょっと心配。ついでに昨夜収穫したトマトあたりで、超簡単なサラダなど付け足し。
 ちなみに、みこりんはお米党である。たまに変わったパンを買って来てたりする日には、パンも食べるが、基本的にお米の人だ。あぁそういえば、炊飯ジャーを超音波炊きの新型に変えてから、みこりんに感想を聞いてなかったな。気持ちの問題かもしれないが、やや美味くなったような気はしているのだが。

 7時前、みこりん帰還。
 ん、元気そうだ。あとは児童教室のローカルルールで決まっているおやつのおにぎりを1個にぎらねばならないが、昨日の水槽撤去時に指を怪我してしまっているので、これはLicに任せる。みこりんも自力で塩おにぎりはできるが、今朝は少々宿題があるようなので、そっちを優先。

 7時15分、みこりんに見送られ、出勤。
 渋滞で、朝からひどくエネルギー喪失。いや実際、フレックスな頃に比べて倍以上運転時間が伸びてるわけで、これはこれでかなり無駄な気がひしひしとする。
 脳も休みボケで、のったりのったり。こうしてまったりと一日は過ぎてゆくのであった。


2006.7.28(Fri)

to be continued.

 みこりんも寝静まった金曜の夜。借りてきていた『トップをねらえ2!』の1巻〜5巻を鑑賞中。FFXIやってたLicも、いつのまにか椅子を画面に向けて見入っている。これはかなり珍しいパターンといえる。
 半額の日だったので、ついに手を出してしまったのだが、久しくパッケージに“新作”の文字も消えていたので、てっきり完結していると思いきや…(1巻が出たのがかれこれ2〜3年前だし)

 『つづく』『次回、最終話』

 の文字に、二人して打ちのめされる。そ、そうか。そうだな、『トップをねらえ!』も全6話だったし。合わせてあってもなんら不思議ではない。

 完結してから通しで見ようと思っていたのに、事前調査が不足していたようだ。さっそくLicが公式サイトを確認中。最終巻は来月、か。じつに微妙な間合いだ。
 でもきっと新作料金で借りるであろう。『トップをねらえ!』の最終巻だけはLD(今は亡きレーザーディスクという媒体)でも持ってる身としては、『2』の最終話はかなり気になるところだ。怖いの半分、期待半分。


2006.7.29(Sat)

ブーメラン

 朝から“どよーん”とした空模様。な、夏はどこいったのだ。このまま秋になってしまうんじゃないか、などと少々心配してみたりしつつ。
 天気が低調だと、なにやら体調まで低調になってしまったかのようで、妙に体が重い。このまま冷たい床に寝そべっていたい…

 みこりんが昨日、学童保育で作ってきたという3枚羽根のブーメラン(形状は手裏剣みたいな感じ)で、遊びたがっている。家の中では狭すぎて、飛ばしても戻ってくる前に壁に当たって落下するため、外で思い切り飛ばしてみたいようだ。
 寝そべった床のひんやり感はとてもとてもなごり惜しかったが、腹の底に気合を入れて起き上がる。一緒にブーメラン飛ばそう。

 手近なところで、家の前の道路を使用。団地内の道路は、交通量はほとんどないので、気をつけていれば問題なし。みこりんがもっと小さかった頃は、“歩道から出ない”という我が家ルールを適用していたものだが、小学3年生に成長した今では逆に“道路では常に左右確認を忘れずに”という意識の方が身を助けるだろう。

 というわけで、3枚羽根のブーメランを縦に持ち、回転がかかるように手首のスナップを効かせて、びゅんと投げる。斜め前方にまっすぐ飛んだあと、急に旋回軌道を描きはじめ、螺旋状にゆるやかに回転しつつ、道路に着地。面白い機動をするものだ。
 でも、ブーメランのように手元に戻ってくる気配はなさそうな?みこりんも何度か試していたが、やはり“途中で螺旋回転→そのまま着地”というパターンが多い。これはもしかして付属していた設計図にあるとおり、羽根に何らかの傾きを付けないとダメだったりして。
 そのようにみこりんに言ってみたのだが、羽根が曲がってしまうのをみこりんはよしとしなかった。何かこだわりがあるようだ。

 投げ方にもコツがいるのかも。そう思って高速回転を狙ってみたり、投擲角度を変えてみたり。そんなことをしているうちに、ほんの少しだが足元もしくは自分よりも後方に戻ってくる新パターンが出現。ん、これはいけるかも、と思って、ずばっとこれまでにない回転をかけた渾身の投擲を試みる。
 3枚羽根のブーメランは、大きく左に旋回し、斜め上に舞い上がっていった。いいコース…!でも、ブーメランの描く軌道上には、屋根まで届きそうにでっかく生長した花桃の木がっ。

 ぽすっ

 ほうき性花桃の、ちょうど“ほうき”の先端部分、つまり一番地上から高い位置に、ブーメランはつっこんでいき、そこで止まった。
 落ちてくる気はなさそうだ。みこりんが隣接するガレージの屋根に上れば届くのではないかと提案してきたが、ちょっとそこは足場悪いし高いし、遠慮したいなぁ。みこりんの昆虫採集用の網を使っても、ぜんぜん足りない。揺すってみたらどうか、と言うので、手の届く範囲で幹に手をかけ、ゆっさゆっさゆっさ。
 よせばいいのに上を見たまま揺らしたものだから、思いっきり目の中に何かが落下。とっさに瞼を閉じてしまうところだった。閉じたが最後、異物はどこか目の奥の方に入り込んで、えらいことになってしまったであろう。「くわっ」と片目を見開いたまま、玄関ドアを開け、そのまま洗面台へ。

 みこりんが背後で心配そうに覗き込んでいる。開いた目を鏡で確認。
 あぁ、なにか黒いものがある。1ミリ四方の異物は、幸い生きた虫とかそういうのではなさそうだった。でもちょっと角ばっているので、指で取ろうとすると目がちくっと痛む。水で流した方が…、いやでももう少しで取れそうだし…、などと葛藤しつつ、ようやく異物の撤去に成功した。

 軽く水で目を洗ってから、道路に戻る。しかし、目の痛みがちょっときつくなってきたので、門の段差に座り込み、片目でみこりんの姿を追った。
 みこりんは一人でブーメランやるのは、つまらなそう。それに、もっと広い公園に行きたがっている。でも今は、目の不快感というか痛みでそれどころではなかった。

 みこりんも私が動きそうにないことを察したようで、「じゃぁ最後に1回投げて終わりにする」と言った。ごめんね、みこりん。

 *

 夕暮れ時、目の痛みもなくなってきたので、頭も回転を始めたようだ。花桃の先端にひっかかったブーメランを取る良い方法を思い出したのだ。

 『高枝切ハサミ』

 これがあった。その名のとおり、このハサミは持ち手(というか竿?)の部分が、ぐーんと伸びる。どんな高さでもおまかせ!
 実際は、限界ぎりぎりまで伸ばしてようやくブーメランに届いたのだが、無事にブーメランが戻って安堵する。
 みこりんもさりげなくテーブルに置かれていたブーメランを発見して、驚いていたようだった。昔のように「魔法で取った」なんていうのは通用せず、ちゃんと本当のことを教えてやった。
 明日は晴れますように。


2006.7.30(Sun)

エアコンの来た日

 みこりんの部屋用エアコンが、ようやく到着した。工事業者の人に、2階と1階の天井裏への経路を指し示し、あとは取り付け工事完了を待つだけだったのだが、ここで少々問題が発生。
 エアコンは基本的に専用電源を必要とする。結構な電流を流さねばならないため、他の経路と共有していると、万が一の発火事故などがあり得るからだ。ゆえに主要な部屋には、あらかじめエアコン用のコンセントを壁に用意しておくのが普通。
 だが、みこりんの部屋にはそれがなかった。この家を建てるときに、私が指示していればよかったのだが、若かった当時(遠い目…)そんなところまで頭が回ってなかったのであった。

 そこで今回、電源工事も依頼していたのだけれど、1階の配電盤から2階のみこりんの部屋まで電線を通すのが難しいらしい。どうも天井裏のスペースが狭すぎなのが原因のようだ。
 天井裏から電線を引っ張れない場合、部屋の壁に沿って電線を引くしかない。さすがに1階から2階まですべて家の中を通すのは見栄えも悪いので、途中の壁をぶち抜き外側から2階に通す方法でお願いすることにした。
 当初30分くらいで終わると思われた設置工事は、予想外に時間を食いそうな予感。

 ただぼーっと待ってるのもアレなので、庭の草引きでもしながら待つことにする。すでに雑草の海に沈みそうなくらいになってるので、今日やっておかないとえらいことになりそうだし。

 吹き抜けてゆく風が、心地よい。レースのカーテンが呼吸しているかのように、ぶわっぶわっとはためくさまは、見ているだけで涼しげな気分になる。でも、太陽の直射に実際炙られてみると、見た目の気分とは裏腹に、あっというまに熱中症になってしまいそうだ。
 帽子を前後ろ反対にかぶって後頭部を日射から守りつつ、草を抜く。みこりんが保育園な頃、にゃんちくんと遊ぶ用に田んぼのあぜ道で摘んできた“ねこじゃらし”が、今や庭のそこここで一大勢力を築いていた。おそるべき生命力だ。
 こうして抜いてしまっても、どこかにこぼれ種が眠っていて、また来年も芽吹いてくるのだろう。

 *

 抜いた草の山が2つほど出来た頃、ようやく配線工事終了。
 エアコン本体の取り付けはすでに終わっているので、電源を新たに増設した専用コンセントから取り、再始動。
 “こぉぉぉぉ”と心揺さぶるサウンドを響かせて、エアコンがうなる。ん、たしかに冷風だ。工事完了の書類にサインを入れ、最後に排水ホースから水が出ていることを確認して、工事はすべて終了した。

 夜、みこりんはさっそくエアコンを使いたがったが、今宵は自然の風がよく通るので、おあずけに。エアコンを付けたからといって、不必要に使うことはない。
 ちょっと残念そうなみこりんだったが、大丈夫、熱帯夜はじきに来る。今日、長かった梅雨が、やっと明けた(と思われる)。

イトトンボ

 エアコンの配線工事が終わったあと、工事の邪魔になるからと移動させていた睡蓮鉢を元の位置に戻した。
 尾ヒレのついた細いヤゴは、幸いなことにまだ生きている。そぉっと近付くと、水面近くまで上がってきているのが確認できる。でもヒトの姿を確認するや否や、しゅっと姿を消してしまうのであった。その素早い挙動が、やはりどこか魚っぽくて不思議な感じ。こんなヤゴもいるのだなぁと、改めてしみじみと思う。虫に目がなかった子供時代には出会えなくて、こんなオトナになってから、このような人工的な水場で初めて出会えるとは…。

 ボウフラは湧いてないだろうなと、しばし水中を覗き込む。
 …、いないようだ。そっと立ち上がり、家の中に戻ろうとした時、なにげなく水面のホテイアオイに視線がとまった。明るい緑色をした、独特の丸みを帯びた葉の上に…、「何か、いる」

 まさかそんなところにいるとは予想もしてなかったので、ちょっと度肝を抜かれる。葉の上にいたのは、イトトンボだった。美しいマリンブルーの腹部。繊細な薄い羽根が、きれいに透けて見える。
 みこりんを呼ぶと、すぐに駆けてきた。座敷から網戸ごしに、イトトンボを確認した様子。もっとよく見ようと、網戸をがさっと開けた…。
 その瞬間、イトトンボは、すぱっと飛び立ち、東の空に消えていった。

 ヤゴがトンボになったのでは?と、みこりんが重要な指摘をしたので、さっそくホテイアオイをくまなくチェック。
 んー…、よくわからん。葉っぱが入り組んでいて、たとえヤゴの抜け殻があったとしても、容易には見つからなさそう。
 でもたしかに、ここのヤゴが成虫になった可能性はある。

 しかしまぁ、庭先でイトトンボが見られるとは思わなかった。やっぱりこの辺りって、かなり田舎なのかも。


2006.7.31(Mon)

たまカップ

 エレクトーン教室から戻ったみこりんが、「聞いて聞いて!」と興奮して教えてくれたところによれば…。
 最寄のスーパーに、とうとう“たまカップ”のマシンが設置されたとのこと。勝ったも同然な喜びようのみこりんである。

 それにしても妙なのは、ここまで導入時期が遅れたことだ。何か、あれやこれや表ざたになったらやばいようなことでもあったのかと、むしろそっちの方が気にかかる。
 単純にマシンの玉数が少なくて、発売日初日に間に合わなかっただけなのかもしれないが…。

 これで“たまカップ”のしやすさは格段に向上したことになるが、そろそろ月に何回までと、みこりんに約束させておかねばなるまい。100円とはいえ、無尽蔵に財布から湧いてくるわけじゃないし。あるいはそろそろ“おこずかい制”に移行すべきなのか。思案のしどころだ。


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