2003.12.1(Mon)

キャリア・パス

 今日から2日間、会社でキャリア・デザインについての研修がある。自分の現在までのキャリアの棚卸しと、今後の方向付けみたいなものをするらしい。

 私の職種はソフトウェア・エンジニアである。昇進するにつれ、実際にプログラムを作ることよりも、マネジメントの作業が多くなり、加えてさまざまな雑用も増えた。社内各所属の利害の調整、顧客との調整 etc... しかしながら、この会社のキャリア・パスには技術で身を立てる手段がない。昇進とはすなわち、経営幹部とイコールなのである。いわゆるゼネラリストとしての道しか開けていない。スペシャリストなぞ不要とでもいいたげな、旧態依然とした社内システムがまかり通っているのである。

 こんな環境で、自分のキャリア・パスは何か?というのもじつに滑稽である。ひたすら虚しいだけだ。選択肢が1つしかないのに、パスもへったくれもあるものか。
 近頃、転職という言葉が妙にリアルに感じられるのである。


2003.12.2(Tue)

不機嫌虫と笑い虫

 なんだかむすっとした表情で、みこりんが布団に潜り込んでいる。何か気にくわないことがあったのだろう。だが、私にはその原因に心当たりがない。みこりんの不機嫌度数が、どの程度なのか把握するため、私はそっとみこりんの耳元で、こう囁いたのだった。

 「あぶどら・ざ・ぶっちゃー」

 一瞬、静寂が支配する寝室。直後、みこりんは布団の中で七転八倒しながら笑い転げていた。どうやら笑いのツボに、ストレートにはまったらしい。
 いまだ笑いの波が去らないみこりんは、途切れ途切れの声で、こう言った。

 「あ…あぶどらぶっちゃーって、なに?」

 私はプロレスラーというものについて、簡単に説明する羽目になってしまったが、みこりんの不機嫌虫が完全に消え去ったことを確信し、安堵するのであった。


2003.12.3(Wed)

おにゅうのリュック

 真新しいリュックを、Licが持ち帰ってきた。サイズ的に、みこりんの背中にぴったりである。これまでみこりんが使ってきたリュックは、Licが夜なべして作ったピンク色の力作なのだが、いかんせんみこりんの成長には追いつかず、そろそろ窮屈になりつつあったのだった。

 さっそく明日から使いたいとみこりんが言うので、名前を書いてやった。いそいそとナフキンやらタオルやら、通園グッズを準備し始めるみこりん。よほどおにゅうなリュックがうれしいのであろう。この調子で、明日からも前日から準備してくれるようになればよいのだが。


2003.12.4(Thr)

謎の時間

 みこりんが保育園でどのように保育されているのか、というのは今もって謎な部分が多い。年に数回ある保護者参加のイベントは、それこそ特別な日であるので、普段の様子を計り知るにはいまひとつ役に立ってはいない。1歳から6歳までの長きに渡る期間を保育園で過ごさせているのに、実態がほとんど不明というのはある意味、恐いことかもしれない。みこりん自身の口から語られる話から、日々のトピックを垣間見ることは可能なのだが、もっとリアルな状況が知りたいという思いはつのる一方である。

 私も幼少時には保育園に通っていた。あまりに遠い記憶のため、思い出すのも困難な部分はあるのだが、今でも断片的にだが鮮明に覚えている状況は、少なからずある。それらのほとんどが不快な記憶であり、思い出すたびに後味の悪さを覚えてしまうのが難点といえば難点か。例えば、いつのまにかスモックのポケットに蟻の大群が入っていたこと、球根を植えるために用意されていた植木鉢に足を乗っけていたら、ぱかっと割れてしまってこっぴどく叱られたこと(幼児の力で素焼きの鉢が割れるなぞあり得ないにもかかわらず…)、字を書く練習をするというのでもらった鉛筆の芯が最初から折れていて、芯を指で押さえながら書いていたらこれまたひどく叱られたこと、上履きが乾いてなくて親に別の靴を持たされ、それがイヤでその靴を履かないでいたら、先生に「今からこの子を“ぐず○○”と呼びましょう(○の部分に私の名前が入る)」と率先して言われたこと、等々。
 それらの出来事は、親にも言っていない苦い思い出だ。

 おそらくみこりんにも、少なからず似たような出来事は起きているのではないだろうか。毎日が順風満帆なんてことは、あり得ない。なにかしらトラブルは起きているはずだ。
 春になり、小学校に通うようになれば、トラブルもより多様に複雑になってくるだろう。それらを自力で1つ1つ克服して人は成長してゆくものなのかもしれないが、自力では解決できないような問題に直面したとき、みこりんは私に相談してくれるだろうか、という不安も少しある。みこりんとの対話の機会は意識して作ってゆかねばなるまい。


2003.12.5(Fri)

データ放送

 地上デジタルテレビ放送の利点としてよく挙げられている“データ放送”の部分だけを見ていると、ひと昔前にちょこっと出てきた“WebTV”を思い出させる。TVでインターネットのWebサイトにアクセスできるというのが売りだった製品だが、今、そのようなコンセプトの製品が現存してなさそうなところを見ると、TVでインターネットというのは無理があったようだ。PCがビデオデッキなみに普及した昨今では、もはやTVでインターネットする必要性もないのだろう。

 でもTVの利点として、スイッチ入れたらすぐに使えるようになるというのは、ちょっと惹かれる。PCだと起動するまでに時間がかかるので、もどかしい。その待ち時間がイヤで、我が家では最低でも1台は常時稼働状態にあるのだが、電気代のことを考えると、あまり家計に優しい方法とは言えないし。
 とはいえ、天気予報とか料理のレシピとか地域情報調べるのにインターネットとはまた別の情報源となる地上デジタルテレビ放送のコンテンツを見るか、というと、なかなか微妙なところ。我が家では、たぶん必要ないなぁ。いっそ、iモード風にインターネットのコンテンツをTVで利用できるようにしてしまえば、既存の豊富なコンテンツを活用できてよさそうな気も。…って、それじゃ、まんまWebTVか。もしや今なら流行るのか?WebTV。


2003.12.6(Sat)

白物家電

 ボーナスも出たことだし、というわけで、Licに何か欲しいものは?と質問してみたところ、「洗濯機か冷蔵庫か炊飯器を買い換えたい」との要望があったので、さっっそく家電量販店へとやってきた。まずは本命の洗濯機から物色開始。

 新製品の“斜めドラム”のやつとか、洗剤を泡状にクリーミーにしてくれるやつとか、乾燥機能付きとか、昨今の洗濯機も日々進化を重ねておるのだなぁと妙に感心しつつ、見て回った。でも、Licの着眼点は、そのような新機能よりも、もっと現実的な“最低洗濯水量”にあるらしい。たしかに比較してみると、製品によっては3倍くらい違ってたりして、これを年間水量に換算すると結構な量になるかもしれない。

 結局、コレというものに出会えなかったらしいLicは、続いて冷蔵庫方面へと流れてゆく。私とみこりんも後に続き、手当たり次第にドアを開けては中をチェックしてみたり。すると、驚いたことに展示品の中には電源が入っているやつがあって、冷凍室には本物の冷凍食品があったり、野菜室に本物のニンジンとかが並んでいたりするものがあった。きらりと光るみこりんの目。ダミーの野菜よりも、やはり本物の方がいいらしい。ちょろちょろと展示コーナーを駆け回り、本物を発見しては「ほんものー!」と、うれしげである。ところでこの本物の食料、展示が終わったあとはどうなるのだろう。やはり店員さんが持って帰って、おいしく食べるんだろうか。なんてことを思いつつ、冷蔵庫コーナーの物色終了。結局、ここでも衝動を突き動かされるような品物はなかったようだ。

 炊飯器コーナーには、ちょっと惹かれるものがあったのだが、値段の前にその意欲もへなへなと萎えしぼんだ。おいしく炊けそうなやつは、やはりそれ相応の値札が付いているものだ。でもLicに言わせれば標準米で十分な我が家には、そんな高性能な炊飯器は不要ということになる。まぁ一理あるかも。
 というわけで、白物家電の更新は、見送られる公算強し。


2003.12.7(Sun)

寒風

 寒空の下、ブルームーンの蕾が、くたっと首を傾けている。ブルームーンという品種名に惹かれて買ったのが、今から9年前ほど昔のこと。青系のバラということで、ちょっと期待したところもあったのだが、実際には藤色というか淡いピンク色といった感じで、名前負けしている感も少々あり。

 このまま蕾をつけておいても、もはや咲くことはない。株のエネルギーを失うだけなので、切ってしまうことにする。ついでに、ちょっと早いかなと思いつつ剪定もしておいた。来年もまた、無事に花を咲かせてくれますように。

 剪定した枝葉は、細かく刻んでバラの根元に散らしておく。少しでも土に還元すればよし。土の表面には、雑草がその身を極限まで縮めて寒さに耐えているのが見える。冬の間に、一度花壇を耕し直しておかねばなるまい。
 そろそろコタツ園芸の楽しい季節。来年の夏こそ、夏らしい夏になることを願いつつ、剪定バサミを棚に戻した。


2003.12.8(Mon)

募金一口

 ユニセフから募金の案内が届いた。たしか昨年までは最低募金金額が5000円からだったような気がしたのだが、今回は3000円からと、ややリーズナブルになっている。CD1枚程度ならば、なんとかしようと思う人はいるかもしれないな、と思いつつ、インターネットからも募金できるとあったので、さくっと覗いてみると…

 募金のページからとりあえずクレジットカードでの募金を選択してみたところ、なんと募金金額は任意で構わないらしい。それならそうと早く言ってくれればよいのに。
 今回からの措置なのか、ずっと以前からこうだったのかは不明だが、封書で届いた募金案内では定額の選択肢しかないような記述だったので、これまで躊躇していたというのに(一口5000円からと言われてほいほい募金できる人はそういまい)、なんてこった。たぶん同じような思いをしてる人は他にもいそうな気がするので、一度ユニセフのサイトで確認されることをお勧めする。


2003.12.9(Tue)

「のぞみ」から「はやぶさ」へ

 奇蹟を願っていたのだが、やはり火星探査機「のぞみ」の火星周回軌道への投入は断念されたようである。残念だが、よくぞここまでもってくれたという思いの方が、今は強い。この経験を活かして、次の「はやぶさ」の成功につなげてほしい。
 「のぞみ」の時には、まだみこりんが生まれてなかったというのもあり、名前を載せてもらってはいなかったのだが、「はやぶさ」には我が家の家族3人の名前が載っている。ぜひとも無事に着陸を果たしてもらいたい。


2003.12.10(Wed)

スパイラル地獄

 今朝は早くから顧客立ち会いの下、開発中の製品の試験が実施されるため8時半出勤である。あいからわず、ひどく眠い。

 ところでこの試験、試験といいつつ、結果を評価するだけでなく、次々と新たな仕様を追加してくるので、頭が痛い。試験の度に追加される仕様は、数えただけでも200を越える。こんな機能は当初から予定していないものばかりなので、当然スケジュールを圧迫する。追加機能なのに予算がその分追加になるわけでもない。スパイラル開発を、こうして都合のよいときだけ持ち出すのは、ほんと勘弁してもらいたいものだ。が、お客様は神様なのである。すべて「仰せのままに」と、開発陣は泣きを見ることになっているのである。

 あぁ、ほんとうに頭が痛くなってきた。おまけにぞくぞくと寒気までしてきたではないか。ひょっとして風邪ひいたかもしれん。


2003.12.11(Thr)

30秒

 どうやら本格的に風邪っぽいので、病院へ出向くことにした。あいかわらず待合室は、座る隙間もないほどの混み具合である。でもそのほとんどの待ち患者が、笑顔で談笑しているのはなんとしたことか。どこかの老人サロンのような雰囲気の中、一時間ほど待っていると、やがて名前を呼ばれた。

 触診とか喉のチェックとかは一切なしで、問診のみ30秒。診察は終わった。近くて便利なのだが、そろそろこの病院に来るのも止めたほうがいいのかも。


2003.12.12(Fri)

寝る一日

 ひたすら寝た。ずっと仕事の夢を見ていたような気がして、神経が休まらない。寝れば寝るほど疲れるような気もしたが、頭はまだくらくらするので横になっていた方がラク。つくづく健康のありがたみを感じる今日この頃。


2003.12.13(Sat)

ケータイ選び

 Licのケータイの更新時期が迫ってきているので、家電量販店へサンプルを見に行った。私がNTT系列が嫌いなため、ハナからドコモは欄外である。ボーダフォンも気分的にいまいちのため、残るはツーカーかauか、ということになる。

 家族割などが充実して料金的に安いツーカーもいいが、最新のauの端末もなかなか捨てがたいものがある。しかしながらauのは端末価格の桁が1つ違うので、結構痛い。Licの選ぶ会社の端末に、私の分もいずれ合わせなければならないので、会社選びは慎重にせねば。

 というわけでカタログだけもらって帰ってきたのであった。
 悩む期限は今月いっぱい。それにしてもauの端末、GPSとかカメラなくていいからもっと安いの作ってくれないかな…


2003.12.14(Sun)

注連飾りを作る

 昨日、保育園で注連飾りを作ってきたみこりんだったが、残った材料を持ち帰ってきていたので、我が家の分も作ってしまうことにした。藁は三つ編みの要領でLicが編み、丸く輪っかにして赤い実をつけたナンテンやら金色にスプレーした松ぼっくりなどを飾り付け。木工用ボンドでくっつけようとしているため、バランスをうまくとらないとぼたぼたと飾りが落ちる。
 そろぉっと出来た分から床に並べて乾燥乾燥。玄関用2つと、クルマ2台分用、そして忘れてならないみこりんの自転車用の、計5つ。

 藁がもう少し豊富に余ってれば、神棚用の注連縄も作成できたのだが、ちょっと足りなかった。それでも5つ分の注連飾りを自作できたので、結構お得。つもり貯金3000円といったところだろうか。来年もこういう企画があればよいのだが、その頃みこりんは小学1年生。なさそうな予感。


2003.12.15(Mon)

血痕?

 ウズラ達への餌やりは、いつも夜と決まっている。朝それをするには時間がなさ過ぎるからだ。で、ケージの天井を開け、餌入れを取り出そうとしたとき、異変に気付いた。“さっちゃん”の餌入れに、なにやら点々とどす黒いものが付着していたのである。
 目を凝らしてじぃっと観察してみたのだが、どうやらそれは血痕らしい。付着している量は、微量といってよい程度だったが、どこか怪我でもしたのかと、そぉっとさっちゃんを掴み上げる。肛門付近やら腹部から、羽の裏側、クチバシの付け根とかあらゆる箇所を見て回ったが、どこにも外傷っぽいものがない。やがてさっちゃんが掴まれていることを嫌がって暴れ始めたので、放してやった。ぐるるる〜と唸るさっちゃん。その挙動に怪しいところはなさそうだ。

 外傷…おそらく、なし。もしかすると下痢してたのかも。吐血というには、ちょっと様子が違うようだし。しばらく注意深く様子を見てみようと思う。どこも異常がなければよいのだが。


2003.12.16(Tue)

塗り

 先日の日曜日に、みこりんが紙粘土で作った“物体”が、そろそろ乾いてきたらしい。「ぬってもよい?」と、みこりんが言うので、「いいんじゃない?」と答えてやると、いそいそと塗りの準備にかかったようす。
 みこりん愛用の水彩画セットを持ち出してきて、小さいアクセサリーみたいな物体に塗り塗り塗り。それが終わると、空き瓶の表面に紙粘土を貼り合わせて作った物体(動物らしき顔もついている)に取りかかる。ところがしばらくして「なんかぷにょぷにょする」と言う。どれどれ?ふむ、たしかにむにょっとした触感があるな。どうやらこちらはまだ完全には乾いていないようだ。

 残念そうなみこりんだったが、明日には乾くだろうという私の言葉に少し安心したのか、塗りを終了したのであった。


2003.12.17(Wed)

モスラ

 あったかい湯船に、みこりんと二人で肩までつかっていると、ふいに「モスラってどんなの?」と質問があった。最近みこりんは、ゴジラ映画のチラシを見たせいか、モスラにはまっているらしい。

 「羽のはえたチョウチョみたいなやつだよ」と答えてやると、「じゃぁ、うねうねしたいもむしみたいなのは?」ときた。「そいつもモスラだよ」と答えてやると、片眉をけげんそうに下げて、悩んでいる様子。そこで、モスラが変態する様子を、手で再現してやりつつ話して聞かせたのであった。ようやく納得した様子のみこりん。

 その後、モスラの歌を、いろいろ節をかえつつ二人で歌いながら頭の先まであったまったのである。そにれしても、みこりんはモスラの歌を、いったいどこで覚えてきたのだろうか。私は教えた記憶はないのだが…。もしや保育園にディープなモスラ・ファンがいたりして?


2003.12.18(Thr)

あやとり

 あやとりの“4段はしご”を練習したいみこりんだったが、あいにく我が家では誰もその作り方を知らなかった。無念そうなみこりん。だがここで諦めてはいけない。我々にはインターネットがある。
 さっそくぐぐってみると、思惑通り“4段はしご”の作り方を解説したページを発見。さっそくみこりんは画面を見ながらあやとり開始。3度ほどやり直していたようだが、それだけでもう作り方を覚えてしまったらしい。画面を見ないでも、ちゃっちゃと作ってしまっている。

 とはいへ、まだ成功率は100%とはいかなかった。そこで画面を紙に印刷してやったのだが、みこりんは頑として受け取らない。どうやら紙を見ないでも作れるというのが、みこりんなりのステータスであるらしい。
 何度も何度も自力で挑戦しては、その出来映えを確認している。途中、投げ出しそうな雰囲気の時もあったのだが、次第に完成度が上がってゆくにつれ、みこりんの表情にも余裕が生じてきたようだ。さっそく明日、保育園で友達に教えてあげるのだと意気込んでいる。

 みこりんは、コンピュータにどうしてそんな情報が入っているのか、というのが気になったらしいが、インターネットの仕組みを教えてやる時期もそろそろなのかもしれない。


2003.12.19(Fri)

神戸へ

 かねてからの予定どおり、義妹のクルマを受け取りにLicの実家まで向かうことになった。ところが、夕方から降り始めた雪は、駅に向かう頃にはすっかり本降りになり、視界を白く染めてゆく。クルマを駐車場に止めた時、歩道には5cmほどの積雪があった。しゃびしゃびのシャーベット状態だ。
 駅までの500メートルを歩く間、靴の中に違和感が徐々に侵入してくる。そうだった、この靴底には穴が開いていたのだ。しかも両方。

 駅到着。靴の中は、冷たい氷水で満たされ、指先の感覚が薄れてくる。とても気色悪い。だがこのまま電車で2時間あまりガマンせねばならないのだ。覚悟を決める。
 みこりんは、電車に乗れるのと、電車の中で駅弁を食べられるのと、ばぁばに会えるのとで、とても機嫌がよかった。その様子を眺めつつ、私は少しでもびしょ濡れの靴下から意識を外そうと、思索にふける。

 名古屋から神戸まで、のぞみは1時間かからない。空腹を満たし、みこりんとあやとりしながらだと、まさにあっというまについたような気さへする。靴下は暖房で若干ぬるくなってきており、徐々に乾いて来つつあるような感じだ。分厚い化繊の靴下だったのが幸いしたかもしれない。

 夜遅く、Licの実家到着。ようやく濡れた靴から解放された。


2003.12.20(Sat)

神戸にて

 午前中、近くの商店街へ昼の食材を買いに出るLic達にくっついていった。靴を買うためである。びしょ濡れの靴に足を突っ込む気にはとうていなれなかったので、義父のサンダルを拝借してのお出かけだ。
 靴屋さんにて、よさそうな品を物色。びしょ濡れになるのだけはもうこりごりなので、ややハイカット気味の完全防水のやつに決めた。これならば雪の日も、雨の日も、安心だ。

 みこりんを義母に任せたまま、私とLicは目に付いた古本屋にて、しばし宝探し。CDコーナーで佐野元春の『ノーダメージII』を発見してしまったので、思わず購入。当時3000円の品が、300円とは。しみじみ時代の移り変わりを感じてしまうのであった。今の人には佐野元春といっても誰だか分からないかもしれないが、あの『SOMEDAY』を作った人といえばまだ通じるだろうか。…通じなかったらどうしよう。

 そんなこんなで、いきなり夕食シーンである。今回、クルマを譲ってくれる義妹夫婦と、末の義妹も揃って、総勢8人。なかなか子孫繁栄っぽいシチュエーションで心が和む。
 たらふく食べた後、義妹達は帰り、私とLicとみこりんと、そして義母とでルミナリエを見に行くことになった。もうそんな季節になっていたのだ。

 元町で電車を降り、歩いて三ノ宮まで。人の流れに身を任せつつ、やがて入り口へとたどり着く。時間は夜の9時頃だったので、恐れていた超絶人混みではなく、ほどほどの混み具合。でも、みこりんの手を引いていると、前の人の背中でぜんぜん見えなさそうだったので、肩車をしてやらねばならないほどには混んでいたわけである。

 明かりを落とした街並みに、色とりどりのイルミネーションが回廊となってずっと向こうまで続いているのが見える。周囲を見渡すと、若者達は手に手にカメラ付きケータイ…もとい、ケータイ付きカメラで記念写真を撮っていた。話には聞いていたが、おそるべき普及率を目の当たりにして、なぜだか笑いの衝動がこみ上げてくる。あぁ時代は変わったものよ、と。

 光の回廊を抜け、そろそろ終点へ。みこりんは、出がけにじぃじからおみやげ買ってきてねとお願いされていたので、はやくも露店が気になるようす。たこ焼きが狙い目らしい。とりあえずたこ焼き屋さんに直行するまえに、他の露店を物色。試食が豊富で、ほどほどに腹を満たすことができた。なかなか太っ腹である。で、いよいよみこりん待望のたこ焼きを1皿ゲット。にこにこ顔のみこりんを抱っこして、三ノ宮駅まで歩き、電車に乗った。このあたりでみこりんの首が、こっくりこっくりし始めて、ほどなくすぅすぅと心地よい寝息が耳に届いてくる。みこりんの瞳にはルミナリエがどのように映ったのか聞いてみたかったのだが、また明日だ。


2003.12.21(Sun)

帰還

 いよいよ義妹のクルマを受け取り、我が家へと帰還することとなった。マニュアル車に乗るのは、じつに6年ぶりのことである。はたして300kmあまりの距離を無事に戻ってくることが出来るのか、緊張の瞬間である。
 ギヤがニュートラルにあることを確認して、ブレーキペダルをぐっと踏み込み、エンジンキーを回す。左足でクラッチペダルをぐぃっと踏み込み、1速へ。じわっとクラッチペダルと戻しつつ、アクセルペダルを微妙に踏み込むと、クルマは少しがたつきながらも、エンストすることなく発進に成功。どうやら一連の動きは体が覚えているらしい。なんとかなりそうな、予感。

 天気予報によれば、金曜からの雪はかなり降ったらしい。この辺りは雪の影響は皆無だが、関ヶ原方面は大丈夫だろうか。もしも雪が積もっていたりしたら大変なので、どこかでチェーンを買っていく必要があった。そのため高速にはすぐに乗らずに、下道をしばらく進む。ところが国道沿いにはなかなかカーショップが見つからない。あったとしても、安価な鉄のチェーンを置いてなかったりして、徐々に手のひらが汗ばんでくる。まずい。とてもまずい状況だ。

 下道はなぜだか混んでいて、時間だけがただ無情に過ぎ去ってゆく。このままでは今日中に我が家にたどり着けるかどうか怪しくなってきた。決断の時であった。
 雪が積もってたらその時はその時だ、と、ついに高速に乗る決心をし、インターチェンジに向かっているとき、その店を発見した。なんとなくうらぶれたカーショップ。一縷の望みを託して、クルマを停める。

 はたして安価な鉄製チェーンの山が、そこにはあった。おしゃれな店でなくて、ほんとうによかった。さっそく一式買い込み、トランクに詰め込むと、高速道路へ。すでに辺りは夕闇が迫りつつあり、ライトのスイッチをぐぃっと捻る。

 高速道路ではギヤチェンジの必要はほとんどないため、気楽なものだ。しかし、車幅感覚がいまひとつ掴みきれていないので、走行車線を慎重に進む。つい肩に力が入ってしまって、首が痛くなってきたが、マニュアル車はLicが運転できないので私ががんばるしかない。ひたすら先を目指してクルマを走らせていると、やがて路肩に雪の気配。でも路面は乾いているので、問題なし。この分だと、チェーンのお世話になることもなさそうだ。

 夜の9時を少し回った頃、我が家に到着した。庭にはまだ積雪の名残がたっぷりとあり、路面の乾燥具合との妙なミスマッチに違和感を覚える。もしや除雪車が出動する羽目になっていたのではあるまいか。まぁなんにしても、無事到着できてなによりである。今日から黒のサイノスが、我が家のガレージに並ぶこととなった。ようやく叶ったクルマ2台体制。私の新しい足。…こうなってくると微妙な立場になるのが、故障したままのバイクだ。修理する大義名分が失われた今、どうやってその修理費用を捻出するか、が問題である。あぁ悩ましい。


2003.12.22(Mon)

夜の長いわけ

 冬至というわけで、柚子湯にみこりんと二人、ゆったりと浸かっている。と、ここで意外な事実が判明した。みこりんは柚子の匂いがダメらしい。どうりで水炊きが苦手なわけだ。柚子入りのポン酢が、みこりんの食欲を減退させていたのだろう。次回からは柚子なしポン酢を用意してやらねば。

 で、みこりん、今日が冬至ということで、一年の中で一番夜が長い日なのだということを学んだ。でも、どうして夜が一番長くなるのか?という事が疑問らしい。「なんで?」と問うので、私は左手を大きく握って「これが太陽」、右手をきつく小さく握りしめ「これが地球」と、地球の自転と公転を教えにかかる。公転面に対して自転軸が、微妙に傾斜しているさまを拳で表現するのは意外に難しかったのだが、やっぱりみこりんもそのへんは理解の範疇を越えていたらしい。微妙な表情で私を見つめていた。

 この手の学習に適したWebサイトは、きっと探せばありそうな気がするので、いずれみこりんには、ちゃんと教えておいてやらねばなるまい。


2003.12.23(Tue)

家族で晩餐

 今年の我が家におけるクリスマスの晩餐は、今夜である。明日はLicが忘年会だし、明後日は私が仕事で遅くなる予定だからだ。
 クリスマスケーキは例によって、Licの手作りブッシュ・ド・ノエル。生地の中にドライフルーツが散りばめられていたりして、いつになく手が込んでいる。みこりんも、クリーム塗るところでお手伝いしたらしい。みこりんはクリームが大好きなのだ。食べるのも塗るのも。でも、スポンジ部分は苦手なので、今回も私が後かたづけをするはめに。

 庭では、まだ雪が20cmほど残っている。雨樋の一部が折れて下に落ちてきていたりして、降雪のものすごさを思い知る。ホワイトクリスマスなのはいいけど、雨樋の修理、ちょっと大変そうな予感。


2003.12.24(Wed)

ひとりの晩餐

 イブである。Licとみこりんは忘年会に出かけてしまったので、今宵は私ひとりでの夕食だ。ところが仕事が遅くなってしまったので、コンビニで弁当買って帰る羽目に陥ってしまった。
 人の気配の薄いコンビニで、売れ残りと思しき幕の内を1つ、それとサラダを1個、レジに持っていく。傍目には、かなりわびしい図に映ってるかもしれないなぁ、と思いつつ支払いを済ませ、クルマに乗った。

 Licからお迎えコールがあったのは、弁当を食べ終えた直後のことである。あとから思えばLic達が二次会やってた店で、私も晩ご飯食べに入ってればよかったのかも。ま、こんなイブの夜があってもいいけど。


2003.12.25(Thr)

クリスマス・プレゼント

 昨夜は、みこりんの枕元にクリスマス・プレゼントを忘れないようにセッティングしてから眠りについた。そして今朝、一番に目覚めたのは私である。みこりんはまだ熟睡状態。でも、私が「サンタさん来たみたいだよ」と声をかけると、みこりんはぱっちりと目を開き、むくりと起きあがったのだった。

 プレゼントラッピングされた包みを枕元に発見したみこりんは、「どうやってはいったんやろー」と不思議そう。それからおもむろに包紙を破りにかかる。
 今回のプレゼントは、みこりんから具体的な要求を聞き出せなかったので苦労した。みこりんの要望は「おべんきょうになるものがいい」ということだったので、悩んだ末に図鑑と絵本、それともう1つ、『となりのトトロ』のDVD。みこりんはあまりオモチャに執着しないので、あえてオモチャ系は外してある。

 図鑑は『植物』『魚』『乗りもの』の3種。さっそく『乗りもの』を開いて、電車のページを堪能している様子。これで我が家に図鑑は6冊になった。そろそろ専用の本立てを用意しなくてはなるまい。


2003.12.26(Fri)

ボールつき

 保育園から戻ったみこりんは、最近はまっているらしいボールつきを始めた。どうやら保育園では、ボールつきの回数を友達と競っているらしい。「きょうは150かいつけて、いちばんだったー」とか、いろいろと武勇伝を聞かされていたのだが、今宵のみこりんはどこか雰囲気が違っていた。

 「かぞえててね」と言うと、ひたすらボールつきに没頭するみこりん。100、200、300、400と、着々とカウントを重ね、ついに800へ。まさかこのまま1000の大台に乗るのでは、と思っていたところ、床に散らばっていた障害物でボールはあらぬ方向へと弾かれる。カウントは867回でストップした。
 新記録である。どこか誇らしげなみこりんであった。でも、その後、再スタートしたものの、記録は伸びず、ちょっと意気消沈した雰囲気。まず部屋を片づけてからの方がいいかもね、みこりん。


2003.12.27(Sat)

冬休み

 待ちに待った冬休み。今日から10連休である。もうすっかり脱力して、おだやかに過ごした。天気があまりよくないので、みこりんも部屋の中で絵を描いたりしている。

 大掃除やら年末年始の準備もしなければならないのだが、今はただ、ゆっくりと休みたい。私には休息が必要だった。


2003.12.28(Sun)

バドミントン

 遅ればせながら庭に放置状態だった観葉植物達を、サンルーム内に避難させてやった。サンルームから部屋の中に移さなければならなかった寒さに弱い鉢植えが、若干手遅れだったようで、干涸らびつつあり。ここ最近、何をするにも億劫で気力が失せていた弊害だ。

 午後、みこりんとバドミントン。以前だったら、みこりんが打って、私が打ち返して、そこで終わっていたのが、今日はなんだか調子が良い。なんと4往復くらい続くようになっていたのだ。みこりんのラケットを操る感覚が、ぐんと向上したせいである。もっとも、4往復まで続くのはまだまだ希なことではあるのだけれど。

 こうして冬休み2日目は、あっけなく過ぎていった。休日の時間の流れは異様に速い。


2003.12.29(Mon)

悪臭の元

 これまで剪定した枝は、細いものは刻んで土にもどし、太いものは長いままガレージに保管しておいた。いずれ何かで使うことがあるかもしれないと思ったからだ。しかし、クルマを2台ガレージに収めるため、その行き場所を失った。

 で結局、庭に移すことにしたのだが、やっぱり邪魔なことにかわりはない。なにしろ長いものでは2mほどに達するものまであるからだ。というわけで、切ってしまうことにする。
 ノコギリで、長さを揃えて30cmくらいに切断してみると、いかにも薪っぽくて妙に安心感がわいてくる。これならばバーベキューのときにも使えそうだ。そうやって次々に切っていると、みこりんが横から覗き込み、しばし観察しているようす。やがて、下に積もり始めている削り屑に目が留まったようだ。「これちょうだい」と言うと、さっそくままごと用の小さい鍋をその上に置き、新しい削り屑を受け止め始めた。ままごとの材料に使うらしい。

 そうやって削り屑を集めている間、みこりんはサンルームの片づけにかかっている。時折、みこりんはこうやってサンルームのままごとセットの模様替えを行うのだ。今回はテーブルに敷物を被せて、まるでテーブルクロスのようにしてみたり、ちょっとおしゃれっぽい感じにまとめている。
 その一角だけ一足早く春が来たような雰囲気だった、のだが…

 「なんか、くさい…」と、みこりんが怪訝そうな表情である。私は木を切る手を止め、サンルームに。ふんふんと空気を鼻に吸い込み、匂いを探す。顔をみこりんのテーブル方面へ向けたとき「…む!」猛烈な悪臭が鼻にツンときた。こ、これは、まるで“猫のうん○”のようではないか?いつのまにか『完璧な防壁』を突破した野良猫が、サンルーム下でやらかしたのでは…
 などと悪い想像をしつつ、悪臭の元をたどる。本当に“猫のうん○”だったら、えらいことである。

 やがて私は原因に突き当たっていた。悪臭の元は、みこりんのままごとセットの1つ、オモチャのコンロに乗っかっているフライパンだった。そのフライパンには土がすりきりいっぱい入っていたのだが、どうやらその土が腐っているらしい。そういえばまだ季節が秋だったころ、みこりんはこのフライパンの土の中にいろいろ木の実やら入れてたような記憶がある。

 さっそくフライパンをサンルームから庭に移動させ、中の土を花壇にポィっ。腐った土は、正常な土にいずれ溶け込み、浄化されるであろう。
 サンルームの悪臭は消えた。みこりんもようやく安心したのか、削り屑を集めた鍋に土を入れ、さらにナンテンの赤い実なども混ぜ込みつつお料理開始。その様子を見守りながら、ふっと私は思う。その鍋の土、もしかして春になる頃までずっとそのままになるのでは…。みこりんが忘れた頃に、ぽぃっしておかねば。


2003.12.30(Tue)

正月飾り

 台所周りを大掃除しているLicだったが、途中で洗剤が切れてしまったらしい。そこで私とみこりんが買い物に出かけることになったのが、お昼過ぎのこと。大晦日を翌日に控え、ホームセンターではお掃除用品が軒並み品薄状態である。あぶないところで買い逃してしまうところであったが、どうにか1本ゲットすることに成功した。これでLicの掃除もはかどることであろう。
 買い物に出たついでに、神棚の注連縄やら鏡餅用の裏白、葉っぱ付きミカン、正月用の生花なんかも買って帰ることにする。いずれも毎年恒例の品々だ。こちらの方はまだまだ新鮮なものが揃っていた。

 帰宅後、さっそく神棚の飾り付けを行う。神棚を清め、供え物を一新し、注連縄を新しいものに交換し。続いて花を生けてみたのだが、Licからダメ出しが。結局Licによって生け直された花は、たしかに私のよりはずいぶんとバランスがよくなった。同じ材料を使っても、生け方によってこれほど差が生まれようとは、侮りがたし。
 その花瓶を神棚の隣に設置し、最後に鏡餅を供えていると、みこりんがちょろちょろと寄ってきて「なにをおねがいするの?」と言う。こういうシチュエーションでは何かお願い事をするものだという認識が、みこりんの中にはあるらしい。まぁ正月飾りも一段落したので、気分転換にぱんぱんと柏手を2つ。みこりんと一緒に願い事でもしておこう。そっとみこりんの様子を窺っていると、なにやら真剣な面持ちで手を合わせている。いったい何をそんなに願ったのか気になったが、みこりんは教えてはくれなかった。

 神棚の前に鏡餅、そして普段は飾らない花があるだけで、その一角はもう一足先に正月気分むんむんである。あとは注連飾りを玄関とクルマにつけたら今日の仕事は終わりだ。お正月飾りは30日のうちにやっておくものらしいので、今年はなんとか目標達成である。


2003.12.31(Wed)

ランドセルと学習机

 割引券の期日が今日までだったので、みこりんの学習机とランドセルを買いに出かけた。早くもランドセルかと思うと、感慨もひとしおである。
 ずらりと並んだランドセル。色もオーソドックスな赤から、目にも鮮やかなピンクまで、様々だ。そして値段もピンキリ。6年使うものなので、慎重に選ばねば。

 みこりんは赤いのがいいという。近頃のみこりんは、赤は女の子色、黒は男の子色という認識があるらしい。特にそういう教育をしてるわけではないのだが、自然とそうなってしまうのは、何か理由があるんだろうか。
 というわけで、赤いランドセルをいくつかチョイスしてみこりんに装着させてみる。後ろから見るとまさにランドセルが歩いているよう。まだ何も入ってないのに、「おもいー」と言う。大丈夫だろうか。重量も重要なポイントだったが、よさそうな品はちょっと重い。まぁこれはみこりんにがんばってもらうしかあるまい。

 続いて学習机。展示されているものは、すべて木製である。私の世代ではスチール製が主流だったような気もするのだが、これも時代の流れだろうか。
 ところで展示品も学習机のカタログを見ても、大部分が蛍光灯の支柱部が本棚の前に出ているのだった。これでは本棚にも本を並べにくいだろうに。唯一、支柱が背面に隠れていたものは、結構な値段がする。が、ここで妥協してはずっと後悔しそうだ。なにしろ学習机は最低でも12年は使うのだから。今から12年後なんていったら、私が50に手が届くほどの歳月である。想像するだに恐ろしい…。
 というわけで、その支柱が背面に隠れているやつに決定。みこりんも、「これがいいー」と、わりと好評である。椅子は、みこりんの希望でOAチェアタイプではなく、木製のやつになった。固いので長時間座るのはどうかな、とちょっと心配ではあるのだけれど、学校の椅子だって木製だし、同じようなもんかということで、決定。

 あとは、みこりんの部屋をどこにするか、だ。1階の現在の部屋を継続してみこりんに使わせるのか、2階の物置になってる個室をみこりんに与えるのか、という決定をせねばならない。みこりんは今の部屋がいいと言っているけど、どうせいずれは個室が欲しいと言い出すに決まっているのだ。引っ越しを今するか、数年先に延ばすかの違いしかない。しばらくじっくり悩んでみよう。

 *

 夜、年越し蕎麦も食べ、風呂にも入り、あとはただ、ゆるりと年が切り替わるのを待つだけである。みこりんは私の傍らで、さきほどからすぅすぅと熟睡状態。LicはFINAL FANTASY XIで年越しチャットをするつもりのようだ。私もパソコン通信にはまっていた時代は、そういう時期もあったなぁとしみじみ思う。あの当時はみんなが一気に接続にかかるので、なかなか繋がらなかった記憶がある。なのでテレホタイムよりずっと前からつないで待機していたものだ。ブロードバンドなこの時代、さすがにそういう心配もないらしい。データ転送量に顕著な違いは現れていなかった。

 こうして2003年は、穏やかに過ぎてゆく。


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