2002.4.1(Mon)

桜開花

 思わず有給休暇にしてしまいたくなるような、いい天気。庭の木々の具合を見て回っていると、枝垂染井吉野の蕾が、ふんわりとほころび始めているのに気が付いた。いよいよ開花らしい。去年の開花が4月8日、その前の年が4月13日付近なので、たしかに今年はかなり早いといえよう。
 プラムにいたっては、すっかり散ってしまって、はや葉プラム状態だ。春の虫達が活発になるより以前に花が散ってしまったような気がして、なんとなく不安になる。うまく受粉してくれたろうか。

 出勤までのわずかなひととき、みこりんと庭でボール投げに興じる。去年はまだ1メートルが限界だったみこりんも、今ではすっかり逞しくなった。2メートル離れても余裕で届くし受けることもできる。3メートルだと、受けるのはまだちょっと難しい。でも投げるのは大丈夫。

 *

 夕方、枝垂染井吉野は静かに開花の瞬間を迎えたのだろう。私が帰宅したときには、もう、開花のあとだった。


2002.4.2(Tue)

「雉」と「生地」

 遠くで雉の雄叫びを聞いた。でも、みこりんにはそれがなんだかわからない。だから教えてやった。雉は「けーんけーん」と鳴くんだよ、と。いや、「きょーんきょーん」とも聞こえたな。あるいは「くーんくーん」でもいいか……。混乱するみこりん。次に鳴いたらみこりん自らに表現してもらおう。と待ったが、雉の鳴き声は届いてはこなかった。

 そんな朝のやりとりが影響したのだろうか。夕方、私を迎えにきてくれたクルマの中で、みこりんは雉ネタで盛り上がっていた。しかしどう聞いてもみこりんが雉と発音すると「生地」になってしまうのだった。

 「みこりん、雉だよ。雉。こう顎をきゅっと上にするような感じに言ってみ」

 そうやって、どうにかして“きじ”の“じ”にアクセントを持ってこさせようとしたのだが、やっぱりみこりんが言うと「生地」になる。

 「生地?」「雉だよ、雉」「生地?」「きーじ(↑)」「生地?」

 エンドレス。なかなかみこりんに「雉」と言わせることができない。
 駄目なのか。みこりんに「雉」は高度すぎたのか。そう思い始めたときである。突然、みこりんの口から「雉」という言葉がまろび出てきた。おぉ!やったか?
 でもその次にはやっぱり「生地」へと逆戻り。どうやら単に言い間違えただけらしい。

 結局、この日は「生地」のまま夜は更けていったのだった。


2002.4.3(Wed)

スパロボ・インパクト

 さて例によって『スーパーロボット大戦IMPACT』を買ってみたりしているのである。PS2用メモリの入手が遅れて、今夜が本気プレイの初日となった。みこりんもLicも寝入った丑三つ時のことである。

 3次元マップとなったことで、移動に少々慣れが必要だったが、まぁそんなことはささいな違いだ。戦闘画面の全ON/全OFF機能も、なかなか便利でよい。でも、なんだか画面の色調が安っぽい感は否めない…。だからあまり戦闘画面もONにしなかったのだが。たしかによく動いてはいるけれど。

 で、肝心のストーリーはというと、没入感が足りないなぁという印象。主人公のキャラが立ってないというか、ごちゃごちゃと“雑音”が多いのがやや“耳”障り。まだ1話を終えたばかりなので、この先どう化けるかわからないけれど、小説にしろ映画にしろ、冒頭の印象の善し悪しは、大抵の場合、中身の善し悪しに関連することが多かったりするので心配だ(もちろんその逆パターンもあり得るけれど)。


2002.4.4(Thr)

増殖する黄色い木イチゴ

 枝垂染井吉野に続いて、ゆすら梅も満開に。着々と庭に色彩が増えてゆく。みこりんが、ゆすら梅の花を指さして、これは桜かと問うので、ちょっと似てるけどちょっと違うと答えてやる。去年、赤い実が成っていたのを、みこりんも思い出したようだ。合点がいったような顔をしている。食べ物に関するみこりんの記憶力は、素晴らしく良い。きっと舌の上では味まで再生されていることだろう。

 ところで枝垂染井吉野の足元に生えてきていた木イチゴは、どうやらラティスに這わせている古株のブラックベリーではなく、去年の秋に苗を植えた黄色い実をつける“ワインダーイエロー”であることが判明した。うちのブラックベリーには棘がないのだが、ワインダーイエローには茎にびっしりと短い棘が密集して生えているのだ。
 しかしこの地下ではいったいどういうことになっているんだろう。苗の本体には、まだ新芽もほんのわずかしか覗いていないというのに、おそらく地下茎か何かで増殖したほうは、しっかりした葉っぱを10枚以上も展開中だ。まぁ株が増えるのは望むところなのでいいのだけれど。特に食べられる実をつけるやつならなおさらだ。ただ、悩ましいのはフェンスから1mは離れた位置から生えてきていることだった。このままフェンスに遠距離誘因すると、通路を遮断されてしまうことに……、しかも棘々が痛いし。何かいい手を考えねばなるまい。

モノリス…だったら面白かったが

日本近辺の静止軌道上の巨大(約50m)システム』日本スペースガード協会

 きっとこんな形をしてるんだろう。
Military Signals Intelligence Satellites

 「…高々度を制する者が世界の覇権を握る……それが近代戦のセオリーだ。」

MOONLIGHT MILE(作 太田垣康男) p.69
“ロストマン”ことジャック・F・ウッドブリッジ大尉の台詞より

 というわけで、たぶんもっと強面のブツが浮かんでるような気がしてならないのである。今建造途上にある国際宇宙ステーションよりも、もっと巨大な何かが。


2002.4.5(Fri)

山が燃える

 腹もこなれて、午後の仕事にもエンジンが掛かり始めた頃である。何やら北側の窓際で人が集まり始めていた。情報は伝言ゲームでやがてこちらの耳にも届いてくる。どこかで火災が発生したらしい。「火事、か」私は3秒後には興味を失い、仕事に戻った。

 午後3時まであとわずか。そろそろお茶の時間にしようかと、秘密の引き出しから財布を掴みだそうとしたときだ。いきなり構内放送が流れてきた。いまひとつ緊迫感を欠きまくった声だったが、その内容はなかなかスリリングなものであった。さっきの火災は、じつは山火事だったのである。しかも着々と火の勢いは拡がりつつあるのだという。そう言われてみれば、なんだか空が煙っているような……。

 避難命令が出た地区に居住する社員への退社を促すメッセージから、その後も区域が拡大していることが、PCで表示させてみた二次元マップで明らかになる。このマップに火災の状況がリアルタイムにオーバーラップできればさぞや便利だろうに。と、新たな飯の種にこそっと思いを馳せたりなどしつつ、ずりずりっとマップをスクロールさせてみると、私の居住区もあんまり余裕かましていられるほどには離れていないことが発覚してしまうのだった。こいつはちょっと、まずいかも、しれん。
 火災がどうこうというよりも、どうせ今頃は交通網は大混乱していることだろう。消火活動のために遮断された道路もあるにちがいない。果たして無事に帰り着くことはできるのだろうか。

 どのみち今日は定時で帰る予定だったが、いちおうLicに連絡してみることにした。コール2回ほどで電話口に出たLicは、山火事の事は知らないようだった。差し迫った危険は、まだまだ遠くにあるらしい。今日の予定を再度確認して、電話を切る。
 空を見上げてみると、はっきりと灰色の煙が立ちこめてきているのがわかった。なんとなくくすぶった匂いもしているような感じだ。ここから7キロほど北まで火災の先端が到達しているのである。かなり燃えているらしい。

 定時。定刻通り、私はLicと約束したお迎えポイントへ急ぐ。国道はかなり渋滞しているようだ。やがてLicのクルマが見えてきた。道を選べば大丈夫らしい。
 帰り道、山から広い範囲にわたって煙が上がっているのが見えた。狸や狐や兎やアライグマ達は大丈夫だろうか。つい、そんなことを心配してしまう。

 帰りのルートは、渋滞を避けるために遠回りで一山ぐるっと越えていく方になった。紅葉の新芽が美しい山道だった。しかも険しい上り、下り。5月に新緑を堪能するにはもってこいのルートである。秋もいい。紅葉がさぞや素晴らしかろう。いかにも山深い道である。

 寂しげな墓の一群が脇に見えた。墓石でなく、鳥の巣箱みたいな木造の小さな家のようなものが、支柱に乗っかっているタイプのお墓だった。とてつもなく古そうである。この辺りの風習なのだろうか。しかし、えらく山の中に墓があるのだなぁ……と思ったら、じつはもう山里まで降りてきていたのだった。麓までほとんど開発されていない広葉樹の森が拡がっているこの場所は、たしかに狸やらアライグマやらが暮らしていても不思議ではないなぁと、改めて思ってしまう。

 山を降りると、我が家はもう目と鼻の先である。煙は、その山のさらに向こうから立ち上っているのが見えた。まだ燃えているらしい。今日の湿度はなんと6%とか。おまけにフェーン現象で気温が上がった。でも、火種がなけりゃ山火事にはならん。やはり煙草の不始末か…。学校の近くが火元というのが、想像力を刺激する。

 夜半過ぎ、避難勧告は解除となったらしい。でも、いまだ山火事は鎮火せず。

アスパラの季節

 今日から保育園が始まった。みこりんの年中組さん初日である。幸いにも担任の先生は、昨年度からの持ち上がり。保育園一可愛いとされる先生とも、あと一年一緒である。

 *

 ご機嫌なみこりんと一緒に、裏山の向こうから立ち上ってくる白い煙を背景に、夕方の庭をしばし散策。アスパラが、ようやく食べられそうな太さになりつつあるとのLicの情報をもとに、調べてみる。アスパラの種を蒔いてはや3年目。やはりこれだけの年数がかかってしまうものなのか。でもその場所は、ホトケノザの大群に覆われていた。
 慎重に根元を探りつつ、ホトケノザを抜いてゆく。みこりんが抜いたら駄目と言ったのだが、ホトケノザは他にもいっぱい生えてるからと、撤去作業を続行した。みこりんはホトケノザのあの花が大好きなのだ。蜜が吸えるのがいいらしい。

 やがてホトケノザに紛れるように隠れていたアスパラの若芽が何本か確認できるようになった。日照不足でひょろりろりんになってはいるが、たしかに去年までとは違うタイプの芽だった。太らせればそのまま食卓に出せそうな具合。しかも地表には何本も新しい芽が覗いているのが見える。
 へなへなりんのアスパラを抜いてしまわないように、作業は慎重を極めた。すべてのアスパラをホトケノザの大群から救出し終わった時には、もう辺りは薄暗く、夕闇に覆われつつあった。

 花桃の花弁が、はらはらと地面に落ち始めている。そろそろ夏野菜、秋野菜の種まきの季節が来たようだ。
 ところが、ここで思わぬ伏兵が待ちかまえていたのだった…


2002.4.6(Sat)

春風か…

 ここ数日、妙に背筋が痛むと思っていたが、今朝になって理由が分かった。猛烈な悪寒と頭痛。どれほど毛布を重ねようとも、がちがちと震えは止め処なく体の芯から湧き出でてくるのだった。

 病院から戻ってからも、ますます状況は悪化の一途を辿っているように感じられた。とにかく足先から血液が流出していくかのように体温が失われていくような具合だった。Licに湯たんぽを用意してもらったが、布団の中は永久凍土に覆われた氷の中のように冷え切っている…ようにしか思われない。体温計を腋から引っ張り出してみると、39度をあっさりと突破しているのだった。道理で冷え込むわけだ。38度くらいなら熱も我慢してやろうと思っていたが、さすがにそんなことは言っていられないようだ。とっとと頓服飲んでこんな寒気ともおさらばしよう。

 ひたすら眠る。寝ているという意識すらないほどに。

 次に意識が戻ったのは、猛烈な暑さの中でのことだった。パジャマの中で汗がそのまま水滴となってじゃぶじゃぶとしたたっているのがわかる。全身から発汗していた。べったりと貼りついたシャツが、真夏の記憶を呼び覚ます。湯たんぽは、その能力をいかんなく発揮し始めたらしい。炎天下、熱射のただ中で昼寝をかましてしまったかのように汗みどろ。
 やがて意識が奇妙に透き通ってくるのがわかった。徐々に肩あたりにひんやりしたものが感じられるようになってくる。頃合いだ。ばばっと着替え、布団も取っ替えて、再び寝たおす。さっきまでくるまっていた毛布は、シャワーでも浴びせたかのように湿気ていた。

 夕方、だんだん寝ているのにも飽きてくる。薬が本格的に効いてきたらしい。というわけで、買ったままになっていた本を読みにかかった。

キマイラ昇月変』(夢枕 獏著)。キマイラの第1巻から数えること20年目だ。まだまだ続く。まだまだ面白い。

 外は激しい雨が降りしきっている。山火事は、今日の午後、鎮火が確認されたという。恵みの雨、か。


2002.4.7(Sun)

開かずの間より

 まだ少しぼぅっとする頭で、気分転換に庭へと出てみる。枝垂染井吉野は、花弁をはらはらと散らしていた。雨は、明け方まで続いたらしい。

 みこりんとスパロボ・インパクトなど嗜みつつ、やっぱり布団が恋しくなったので午後は再び寝倒すことに。思いっきり、寝た。もはや思い残すこともないほどに。延々眠り続ける私の耳元で、なんだか囁くものがある。何だ、復活の呪文か?
 目覚めると、Licがいた。

 ビデオテープが出てこなくなったと訴えていた。みこりん用に図書館から借りてきた『14匹シリーズ』を飲み込んだまま、ビデオデッキは沈黙してしまったらしい。じつはこのデッキ、まだ以前のヤツを使い続けていたのだ(2002年2月3日に新しいのを買ったはずなのに)。新しく買ってきたのは、まだ二階の開かずの間に未開封のままで置いてある。とくに理由はなくて、単に取り替えるタイミングを逸していただけなのだけれど…

 潮時らしい。交換だ。

 ラックから抜き出したビデオデッキに、最後にもう一度だけ火を入れる。イジェクトボタンを「ぽちっとな!」重々しい響きと共に、飲み込まれていたテープが吐き出されてきた。分解の気配を察知したとでもいうのか。でも今更言うことを聞いても、手遅れだ。新しいデッキと入れ替えに、開かずの間へと消えてもらおう。あぁこうしてまた、がらくたが溜まってゆく…


2002.4.8(Mon)

雨を吸って育つもの

 朝露をたっぷり吸ったクローバーの絨毯が、庭のいたるところにこんもりと繁茂している姿を見て、私は曜日感覚を一瞬失いそうになった。たしか金曜の夕方には、もっとぺたっと地面に貼りついていたはずだ。みこりんが遊ぶにもちょうど良いくらいに。それが今朝はなんというか、魔法の粉でもぱらぱらされたかと思うくらい、ぶわっとボリュームたっぷりに盛り上がっているのだった。

 クローバーだけではなかった。庭のあらゆる植物達が、目に見えて一回りも二回りも大きくなったように感じられる。プラムの新芽は鮮やかな黄緑色の葉っぱに変化して枝々を覆い、桜の新芽も桜餅にそのまま使えそうなほどに柔らかく伸展をはじめていた。いつのまに開花したのか、アネモネの花もこっそりと風に揺れているし、百合咲きチューリップも、ついにその硬い蕾をほどいたのである。何もかもが劇的な変化だった。
 もっとも、その変化は、特に雑草に顕著に現れていたのだが。

 ひと雨降っただけで、こうも植物達は活気付くものなのか。
 その思いは夕方になって、いよいよ強くなっていた。週末まで待っていては、手の施しようがないくらいに、雑草に覆い尽くされそうだった。今、やっておくべきだ。花壇の雑草を適度に抜いて、花苗へのプレッシャーを減じておく。でも全部は抜かない。虫達にも残しておいてやるのだ。いずれバッタ達も目を覚ます。その時に柔らかな雑草がないと、去っていってしまうに違いなかった。

 Licから「路傍のスミレを花壇に移植しておいてね」と言いつけられていたので、家の前の側溝に生えていた複数種類のスミレを、慎重に移動させる。白い花と、薄紫の花をつける野生のスミレは、もともと庭にたくさん生えていたものだが、こぼれ種で徐々に庭から外へと移動していってしまったのである。スミレの大移動だ。数年ごとにこうやってループさせてやらないと、いずれ消え去ってしまうことだろう。

 スミレの花をハーブティに浮かべるのが、Licのささやかな野望らしい。香りが良いとのことだが、食べてもいいとか。どんな味がするのやら。

コールラビ、立つ。

 すっぽりと大地から抜け出たコールラビが、菜園1号に横たわっていた。そうかそうか、土の中も暑いもんなぁ……、などと一瞬思いかけたが、こいつは一大事だ。何故にコールラビが抜けておるのか(ちなみにコールラビとは、キャベツの仲間で、株元が丸くボールのように肥大する野菜である。もちろんそのボールみたいなところを食するのだ)。

 まさか本当に自力で這い出してきたわけでもあるまい。かといって獣の類は『完璧な防壁』によって完全にシャットアウトしているし、空を舞う鳥にしてもこんな芸当が可能なのはヘビクイワシくらいのものだろう。ひょっとすると地面の中から押し出されてきたのかもしれないが、過去にモグラ等が棲んでいた形跡は我が家にはない。
 ふっと、そばにいたみこりんに視線を移す。みこりんは、やや渋い表情でうつむき加減。ははぁ……、そういうことか。

 昨日みこりんは、葉っぱが大好きなジャンガリアン・ハムスターの“ことりさん”のために、“大根”の葉っぱを一枚菜園から採ってきてくれたのだ。大根にしては、色がちょっとエメラルドグリーンすぎるような気がしていたが、コールラビだったのか。葉っぱを1枚採るつもりが、ついつい力が入りすぎて根っこごとすっぽりやってしまったのだろう。

 なんの偽装工作も施されていないのが、じつにみこりんらしい。こういう状況になったらすぐに教えてねと、みこりんに念を押しつつ、根っこを土の中に戻しておいた。雨模様の天候のおかげで、大事には至っていないのが幸いだ。

 今宵の夕食には、庭から収穫した3種類の葉っぱのおひたしが、皿盛られていた。チコリに鰹菜に、そして白菜のようで白菜じゃない謎なアブラナ科のやつ。チコリには独得の苦みが、鰹菜はその名のとおり鰹節がよく似合い、そして謎の菜っぱも、食用には十分だった。“ことりさん”ではないけれど、新鮮な葉っぱには癖になる美味さがあるようだ。


2002.4.9(Tue)

ソフト開発を舐めたらいかん

 寒い。おもわずストーブやら石油ファンヒーターに視線がいってしまうが、燃料はあいにくすっからかんだ。先週末には、もうこのまま片づけてしまおうと思ってたのだから、当然といえば当然なのだが。

 寒い、といえば、“みずほ”も寒すぎる。

「安全宣言」は今月下旬にずれ込み みずほHD社長会見

 “前田社長は会見に先立ち、衆院財務金融委員会に参考人として出席。この中で口座振替遅延の原因はコンピューター システムそのものではなく、現場への過度の負担など「人災」の側面があったことを認めた。”

朝日新聞 2002年04月09日の記事より

 コンピュータシステム改修には、今年に入ってから手をつけたとかいう報道も耳にしたし、そりゃまぁこうなって当然といえば当然か。それにしても「現場への過度の負担」って、どんな惨状が繰り広げられていたのか、想像するのも胃に悪い。どうせ納期だけが先にあって、いきなり「明日からこれやってね、ちなみにこれスケジュール」とか、思いっきり絵空事な紙切れ一枚渡されたんだろうなぁ。ありがちといえばありがちだが、ここまでクリティカルなミッションにそれはなかろうとも思いつつ…、実際に起きてるのが恐ろしい。

 アビバでパソコンしなくていいから(もう手遅れなんだから)、そんな余計なことよりももっと大事な論理的(科学的)思考で物事進めて欲しいモノである。


2002.4.10(Wed)

あれからどれほど経ったのか

 第3回日本SF新人賞で佳作となった坂本康宏氏の『○○式歩兵型戦闘車両』が、かねてよりアナウンスされていたとおり、次のように改題されてめでたく徳間書店よりハードカバーとして本年6月吉日、世に出ることとなったのでお知らせする。

 『歩兵型戦闘車両OO(ダブルオー)坂本康宏
 〜 巨大合体ロボダブルオーは国民の血税で造られている! 〜

 大学時代、同じSF研究会に籍を置き、よく遊びよく書きよく走ったあの素晴らしき日々よりすでに十数年。大願成就を讃えたいと思う。


2002.4.11(Thr)

ハムスターとつきあうには

 ハムスターという生き物は、でかいの(ゴールデンとか)も、小さいの(ジャンガリアンとか)も、積極的に人と触れあうのを好んだりはしない。ましてや昼間、寝ているハムスターを無理やり起こして、人間の都合で“運動”させることなど彼等にとっては迷惑以外の何ものでもない。ハムスターは夜行性なのだ。
 夜なら“運動”させてもいいのかといえば、そうでもない。ハムスターをケージから出して放してみると、まず彼等はおどおどと落ち着きなく隅っこを探す。あるいは何か隠れられるもののそばに行くだろう。彼等に犬や猫のような“運動”は必要ないのだ。
 そしてヒマワリの種。こいつをやりすぎてはいかん。うっかり与えすぎると、ぶくぶくに太ってしまって命に関わる。

 たしかに慣れてくれば名前を呼ぶだけで、もそもそとチップの中から這い出してきたりするので、コミュニケーションがとれているように錯覚するかもしれない。ついケージから出して一緒に遊びたくなる気持ちもわからなくはない。だが、それもすべて適度が肝心。いじりたおすと、小さな命をさらに縮めることとなるだろう。小動物は、思った以上にデリケートなのだ。壊れ物を扱うように、細心の注意を払っても足りないほどに、付かず離れず、距離を保とう。愛らしい動作を、ただ静かに見守ってやろう。生身のハムスターは、けして「とっとこハム太郎」のようにはならないのだから。


2002.4.12(Fri)

スパロボ・インパクト

 なんだかんだと結局スパロボ・インパクトにはまっている。もう1回、あと1ターンと続けるうちに、いつのまにか夜明けも近い。ウリの1つでもある戦闘シーンのグラフィックは、うっとうしいのですべてカットして進めている。本来がグラフィックがなくてもぜんぜん大丈夫なゲームのはずなので、ストーリーはそれなりに破綻してはいないということなのだろう。少なくとも投げ出さない程度には、ゲーム世界に引き込む魅力を持っているらしい。

 ただちょっと不満なのが主人公キャラが相変わらず陰が薄いのと、主役メカがいまひとつ使えないこと。せめて“熱血”を早めに覚えてくれないと、ただの削り役にしか使えない。
 あと謎なのは、援護攻撃の対象じゃないのに、勝手に一機だけで自分の攻撃と援護攻撃の2回攻撃イベントが発生することだ。自分にとっては有利なので有り難いのだが、なんだか奇妙な感じ。一人援護防御も頻繁に発生するし、こちらのほうは自分が撃たれてるのに“援護防御”発動となるので、さらに奇怪。まぁこれも自分には有利なので、いいんだけれど。

 できれば早く宇宙篇に行きたいのだが、まだやっとこさバイストンウェル世界に辿り着いたところなのだった。先はまだまだ長い。


2002.4.13(Sat)

種まき第一回目

 すっかり出遅れたんじゃないかと、ドキドキしていた。本当は先週やっておこうと思っていた種まきのことである。なにしろ今年は桜が異様に早かった。最近でこそ冷え込む日々に戻っているが、気温の上昇具合は春とは思えないほどの迫力がある。まったく油断も隙もありゃしない。
 ちなみに去年の種まきはいつだったかと調べてみると、4月15日のことだった。さらに前の年はといえば、GWの初日、つまり4月29日になってからだ。いずれも春なのに寒い日が続いていたことが日記から読みとれる。

 例によってプラグトレイに種を播くことにした。120穴のトレイに、まんべんなく種まき用土を詰めていく。120穴とはいっても、1穴1cm四方のプラグトレイのこと。たいした土の量ではない。しっかりと1穴1穴、指の腹で押し込んで、ほどよく固く圧しておくのを忘れずに。
 ところで今年は新しい種はない。うっかり注文し忘れたのだ。気が付いたらすっかり葉桜の季節……。というわけで、毎年おなじみの野菜やら花の種を、選りすぐりながら1穴1穴、種をぽつぽつと乗せてゆく。適温25度のものも、いちかばちかで播いてみる。うまく育てばめっけもの。駄目でもGW頃に播き直せばよし。

 やがてみこりんがお出かけから戻ってきた。出がけに「みこりんのものこしておいてね」と言われていたので、ちゃんと10穴余してある。さて、何の種を播くのかな?みこりんは、ずらっと並んだ種袋をじぃぃっと見つめ、やがて1つを指さした。「これがいぃ〜」「これ何だ?」「むらさきキャベツ!」みこりんがびしっと指さした種袋には、『レッドキャベツ』と書かれてあった。お、恐るべしみこりん。“レッドキャベツ”を“紫キャベツ”と言い当てるとは。いったい誰に教わったのか。あるいは自力で思いついたんだろうか。幼児の鋭い勘には、驚かされる。

 これにてプラグトレイの種まき終了。あとは菜園1号&2号と、鉢への直播きだ。ニンジン、インゲン、ダイコン、カブにバジル、小松菜、チンゲンサイ。みこりんも大好きな野菜ばかりなので、嬉々としてお手伝いしてくれるのが心強い。
 無事に発芽しますように。

 もしも発芽しなかった場合に備えて、ホームセンターで苗も買った。トマトに、伏見甘長、そして夏の定番となりつつあるゴーヤだ。トマトと言えば、デルモンテ。デルモンテのトマト苗は、大玉とオレンジ色の中玉と、そして料理用の3品種を選抜した。『喝っ』と暑い真夏には、トマトづくしにゴーヤが似合う。焙った伏見甘長で、ビールをきゅぅぅぅっ……。あぁ夏が待ち遠しい。
 ついでに、コモンマロウとナスタチウムも加えて、苗第一弾は締め。

つ、つい…

 買ってしまった『戦闘妖精・雪風(改)』(神林長平 著)。(改)がいったいどれほどの改訂なのかというと、読後感が変わってしまわない程度の軽微な用語変更とかその程度らしいのだけれど、やっぱり(改)と付くと買ってしまわないと気が済まない。すっかりハヤカワの販売戦略にはまってしまってるのであった。


2002.4.14(Sun)

春花壇

 ようやく満開を迎えた百合咲きチューリップの面々である。“揃い咲き”の謳い文句に偽りナシ。みこりんが一輪ずつ香りを堪能している。特にオレンジ色の“バレリーナ”の甘い香りは格別らしく、すぽっと口と鼻を開口部につっこんだまま、すぅはぁやっているので、なんだか花に食べられているかのよう。ちなみに白い色のは「ぽっぷこーんのにおい!」なんだそうな。

揃い咲きチューリップ

 ところで今年はアネモネがよく咲いてくれた。球根に吸水させてから植え付けたのがいい結果に結びついたようだ。そのまま植えた一昨年は、発芽すらしなかったものなぁ。えらい違いである。

アネモネ“青”

 野生のチューリップかと思われた花壇の一角よりにょきにょきと芽を出していた、謎のチューリップだが、ついに開花した。パーロット咲きの朱である。…やっぱり育てた記憶がないようなあるような。曖昧だ。

謎のチューリップの正体

“さなぎ”の謎

 朝のひととき、みこりんの発した言葉に私は、思いっきり意表を突かれていた。
 みこりんはこう言ったのだ。「おとーさん、さなぎたべたことある?」

 「さ、さなぎ?」そう、さなぎ。と、みこりんは当然のようにこくりと頷いた。

 「さなぎ、かぁ…。さなぎ、ねぇ…」なぜ、蛹(さなぎ)を食べたかどうか知りたがっているのだ。何の脈絡もなく、いきなり「蛹を食べたことあるか?」と問われて平静でいられるほど、私は美食家ではない。だいたい私は蛹とか、虫の類を食べたことはないのだ。どんな味がするのか想像したこともない。

 …もしや、みこりんは蛹を食べたことがあるのだろうか?

 「さなぎって、どんなんだったっけ?」と、さりげなく切り返す私。するとみこりんは言った。「ながーくて、みずのなかにいて、せなかにとげがあって〜」「!?」

 おそらくここでピピンときた貴方は、おそらくアレを思い浮かべたことだろう。そう、私もそうだ。みこりんの言っている“さなぎ”とは、アレなんじゃなかろうか。私はどきどきしながら聞いてみた。

 「それって、“うなぎ”?」

 はたしてみこりんは、「あ!」というような顔をした。だが、続く言葉に私は打ちのめされる。「うなぎはちがうでしょー。うなぎはもっとながーぃの。さなぎは、もっとちいさいの」

 “さなぎ”って、なんなんだみこりん。

農園で戯れる

 2年契約で借りている市民農園も、今年で2年目になる。来年も同じ区画が割り当てられればよいのだが。もとが田圃の土だから、ほくほくの土にするには2年じゃまったく足りない。せめてあと10年は……

 夏野菜講習会の後、2週間ぶりに自分の区画へと足を踏み入れる。「な、なんじゃぁこりゃぁ!」雑草に埋め尽くされていた。タマネギの畝2つだけはかろうじて大丈夫だったが、あとはもうすごいありさま。わずか2週間前は、雑草などほとんどなかったというに、お、恐るべし。

 とっとと抜きにかかった。Licとみこりんも加わって、ざくざくと抜く。たちまち山と積み上げられてゆく雑草達。「おぉぉ、この雑草どうしてくれよう……、あ?」ふと脇を見ればみこりんが敷物の上で、おやつタイム。すっかりくつろいでいる様子。

 区画の隅に、穴を掘って埋めることにした。雑草堆肥にしてしまうのだ。
 シャベルで掘る。1.5メートル四方ほどの区域を、深さ20cmほどに。たちまち粘土質の田圃の本性が露わとなった。か、固すぎる。

 穴掘りはLicに交代して、私は畝に苦土石灰を播いて耕しにかかった。もう午後4時だ。急がねば日が暮れる。
 冬の間、なまりきった筋肉が、さっそく悲鳴を上げ始めた。ぶちぶちと筋繊維が切れていく感触…。だんだん腕が上がりにくくなってきた。腰もだるい。膝が笑ってる。い、いかん。
 みこりんは、自前の網で“何か”を捕まえたり、喉の渇きを敷物の上で癒したり、やっぱりくつろいでいた。でも、そのうちLicの穴が掘り上がると、雑草を運ぶのをお手伝いしてくれた。点々と雑草が落ちているのは、まぁ御愛敬。

 畝を1つ1つ修復し、雑草のすべてを穴に投入し終わったのは、午後5時をすっかり回った頃だった。土は、去年からの大量の雑草を吸い込んで、かなりほぐれた柔らかな部分も多くなってきていた。この調子で有機物を投入し続けられれば、いい具合になるだろう。
 さて、来週も晴れてくれればよいのだが。


2002.4.15(Mon)

区別すべきもの

 どうも不思議なのが、“転載”と“引用”を混同してるんじゃないかと思えるような記述が、次の2つの記事共に見られることである。

ネット掲示板の匿名発言に著作権認める 東京地裁”(Mainichi INTERACTIVEネットワーク 2002.4.15)

BBSの匿名書き込みに著作権認める 東京地裁”(ZDNet Japan 2002.4.15)

 “転載”と“引用”は、もちろん別個のものであり(よくわからない人は“転ばぬ先のネットトラブル回避術”あたりを読んでおくべし)、似たようなものではありえない。ただし“転載”と“引用”の違いをどのように線引きするかについては、定量的な基準はないようである(その辺が誤解を生んでいるのかもしれないが)。

 そのへんの理解のないままサイト管理者等になってしまった人たちが、「無断引用禁止!」などと言い出してしまうのだろう。高校で“情報”の教科ができたことでもあるし、“転載”と“引用”ついでに“リンク”について、これからネットの世界にどどどっと流入してくる世代には、せめてきっちり教えておくべきだろう。少なくともワープロなんかの操作方法教えるよりは重要なことだ。


2002.4.16(Tue)

時計の謎

 4歳になった頃から時間と時計の関係には気付いていたみこりんだったが、最初のうちは“時計”が“時間”を支配しているのだと思っていたようである。たとえば3時のおやつを待ちかねている場合など、時計の針を“手で”ぐるっと動かして早く3時にしてと、よくお願いされたものだ。そんなみこりんだったが、最近ではどうやら“時間”が“時計”を支配しているのだと、わかってきたらしい。時計の針を無理やり進めたとしても、時間は連動してはくれない。経験的に理解したのか、身をもって体験したのかはわからないが、みこりんにも“時間”の概念が着々と形成されつつあるようだ。

 そういう進歩のあってか、時計の針の読み方を、以前にも増して知りたがっているみこりんである。長い針が12の時に、短い針が示している数字が、“時”だというのは、日々の鍛錬の成果が徐々に現れつつあった。でも時々、長い針と短い針の役割を覚え違いしてることもあったりする。そんなときでも最近は「3時のおやつ」を思い浮かべることで、無事に切り抜ける術を編み出したようである。

 問題は“分”だった。長い針が“1”のときに“5分”。教えた直後に、「これ何分?」と時計の絵本を指さして“5分”を示す時計の絵を見せるのだが、やっぱり「いち!」となってしまう。数字の表示に惑わされるみこりんであった。幼児に60進数は無理でも、みこりんには記憶力がある。いずれパターンで覚えてしまうだろうと私は予測しているのだが、果たして夏までに“分”をずばりと言い当てることができるようになるかどうかは、かなり微妙。

 ちなみに秒針については、まだまだみこりんには未知の領域らしい。せかせかと文字盤の上を回っている秒針が、いったい何を表しているのか、疑問に思っている雰囲気はあるのだが、あまり表には出してこない。いずれ“分”を習得した暁には、“秒”についても教えてやらねばなるまい。…いや、逆に“秒”から“分”に進んだほうがわかりやすいだろうか。秒針が1周すれば、“分”が1つ進むのだ。意外に理解しやすかったりして。


2002.4.17(Wed)

夜の押し花

 「春雨じゃ、食べていこう」とちゅるちゅるすぽんと宙を落下してくる春雨を食べるシーンが、『すすめ!!パイレーツ』という漫画に描かれていたのを思い出した。今日は雨。しとしとの春雨ではなく、バケツをひっくり返したかのような猛烈な土砂降りだ。遠くでがらがらと雷様も激しく怒っていらっしゃる。

 玄関脇で凛と咲く、アネモネのことが気がかりだった。

 夜、暗がりでコンクリートに散った青い花弁が、押し花のようにくっきりと輝いて見えた。


2002.4.18(Thr)

干し柿を囓るモノ

 じつは我が家にも干し柿がある。サンルームに吊していたのだが、冬の間、すっかりその存在を忘れてしまっていたのを、ようやく子細に観察する気になったのは、やはり何か“ひっかかり”を覚えていたからかも知れない。日々、無意識のうちに視界の端っこに捉えていた干し柿。異変はすでに起きていたのだ。

干し柿の怪

 3つ並んだ干し柿のうち、向かって右が正常なものだ。向かって左は、ほとんど原形を留めていないことが見て取れる。だがそんなことよりも真ん中のヤツに注目していただきたい。なんとなく“ゆがんだ”ようには見えないだろうか。もとからこんな姿だったのならどうということもないのだが、奇怪なのはこの干し柿のゆがんだ部分には、“歯形”のように削り取ったような痕が無数についているのである。そう、何者かに囓られた結果、このような歪みが生じているのだ。

 いったい何者が、干し柿を喰らっていたのか。歯形から推定される“歯”のサイズは、少なくとも幅8ミリはある。あるいは“歯”ではなく、“嘴”である可能性も捨てきれないが、庭に刺したリンゴやらミカンの食べ痕と比較しても、これが鳥の嘴によるものとは、少々考えにくい。突き刺すというよりは、囓り取るような食べ方をしているのである。ハムスター等が野菜を囓ると、ちょうどこんな具合になるような………。ここで私は1つの可能性に思い至る。ヤツだ(2001年3月21日“密室の怪”参照)。ヤツがまたぞろ活動を開始したのではあるまいか。

 だがまてよ、と思う。結局、“密室の怪”の正体はネズミらしいことが判明しているのだが、ネズミがステンレス物干し竿を渡り、さらにそこから吊している紐を伝い、干し柿までたどり着けるものなのだろうか。竹竿ならともかく、つるっつるのステンレス物干し竿を、ヤツらは渡りきることが可能なのか。しかも今年はネズミの糞が見つかっていない。“密室の怪”の時のような物証がないのだ。やはり翼を持つモノなのかも…

 一瞬、コウモリのイメージが脳裏をよぎる。フルーツを主食とするコウモリは存在するらしいが…。次の瞬間、コウモリよりも、もっとおぞましいものの姿を想像してしまった私は、思わず背後を振り返ってしまうのである。

 干し柿に残った歯形は、なんとなく“ヒト系の歯形”にも見えなくもなかった。


2002.4.19(Fri)

玉の花

玉の花 あの“緑玉”の植物に、ついに花が咲いた。玉ばっかり大きくなって、子玉もびっしりとついていたので、これはこういう風に増殖するものだとばかり思っていたが、やはり普通に花も咲かせるようである。

 じつは花の予兆は、寒い冬の間にもすでに現れてはいたのだ。普通とは違う、なんだか箒みたいな刷毛のようなけばけばしたのが先端にくっついた新芽が1本、にょきっと生えてきていた。なんとなく花ではないかという思いはあったが、花にしてはあまりに花っぽくないその姿に、いったい何になるのかと気になっていた。
 じつはその毛のようなもの1つ1つが、花の元だったらしい。なんとも変わった咲き方をするものである。咲いたあとの花は、いたって普通の“花”のように見えるが、そこに至る過程が、やはりただ者ではなかった。

玉の花 この“ろくろ首”のようににょぉぉぉっとうねっている花茎がご覧頂けるだろうか。ここまで伸びるのに一冬かかった。そして、この伸びと共に、毛の1つ1つが花へと変化していったのである。花の密集しているあたりには、まだ毛が無数に残っているので、まだまだ咲きそうである。
 次はこの花が終わった後、種を採ってみようかと思う。子玉と種と、育ち方にも違いがあるのか比べてみたい。

 ところでこの植物には、もう1つ変化があった。なんと子グモがわらわら状態で葉っぱにくっついているのだ。葉っぱの裏に卵があったらしい。体長1ミリほどの可愛らしい子グモ達は、迷子になることなくみんなで寄り集まってじっとしている。一人前に糸を吐いて、それを命綱にしているらしい。彼等がどんな蜘蛛に成長するのか、こちらも気になるところである。


2002.4.20(Sat)

黒い棘

 みこりんの木“ハリエンジュ”に、いつのまにか新芽がわさわさと揺れている。今年も無事に眠りから覚めてくれたことに心から安堵するも、枝々の先端付近にしか動きがないのが、少々気がかりだ。昨年伐採した方へと続く地下茎には、特に目立った動きは確認できない。地を這う大蛇のごときたくましい地下茎には、新たな芽吹きなどもなく、枯れた色彩に沈んだままだ。しかし、ハリエンジュ本体の新芽の数が去年よりも少ないという現実を前にすると、新たな“可能性”が脳裏をよぎる。ハリエンジュの増殖力は、ただものではない。

 1本だけ残した増殖株から、さらに遠い位置へ伸びてゆく地下茎のうねりは、地表に貼ったコンクリートパネルを徐々に持ち上げつつあったが、Licはその様子が去年よりも明らかに大きくなったと指摘していた。
 やはりこちらも切るしかないのかもしれない。
 斧が必要になるだろう。

 げしげしと、盛り上がったコンクリートパネルに蹴りを入れてから、辺りの草引きを少々。すっと地面に伸ばした手に、鋭い痛みが走る。右の親指だ。目の前にかざしてみれば、見事な棘が深々と刺さっていたのだった。ハリエンジュの棘だった。
 ハリエンジュには、バラよりも数段太く逞しい棘が幹に生えているのだが、こいつは剪定屑からこぼれ落ちたものだろう。慎重に左の指を使って引き抜いてみたものの、痛みはなかなか収まらない。まるで痛点を直撃したかのような、痺れを伴った痛みが残る。

 みこりんがお散歩を所望したので、同行。その間も、ずっと指先には違和感が有り続け、帰宅後、再度傷口を確認したところ、皮膚の下の方に何か黒いモノが見えるような気が…。
 穴はすでに癒着しつつあったので、針を使うことにした。

 まず痛くない部分まで、針で皮を切り開くことから始まったこの作業は、思わぬ苦戦を強いられることとなる。利き腕の方に棘が刺さっているため、作業は不慣れな左手によるものとなり、それだけで効率は20%ほどに低下してしまっていた。1ミリほどの深さに皮に穴を開けると、ようやく身の部分というか、触れると“ぷるるん”しそうな領域へと到達する。異物は、その中に埋まっていた。だが、まだはっきりと肉眼では確認できない。異物表面の肉を取り除かねばならなかった。これがさっきまでの鈍重な皮とはえらい違いで、妙に生々しくてぴりっとくる。慎重に慎重に。

 針を操る左手に、だんだん力が入らなくなってきた。その様子を、さきほどからみこりんが、それこそ穴の開くほど真剣に“じぃぃぃぃぃっ”と覗き込んでいたのだが、いよいよ佳境という辺りで自室へと消えていってしまった。痛みが伝染したのだろうか。みこりんは刺抜き作業には、めっぽう弱いのだ。

 異物は肉眼でも確認できるようになった。艶々した黒い小さな点に見える。棘の先端が、ピンク色した肉の中にめり込んでいるのだった。いったいどれほどの長さを残していたのか。ちくちくと針で突いても、肉がぴったりと挟み込んだカタチになっていて、微動だにせず。左手一本だけでは、この状況をなんとかするのは厄介だった。

 とりあえず針をいったん置き、手で圧力をかけることにする。「動け動け」と念じつつ、ぎゅぅぃぃぃっと親指の肉を両脇から、挟み込んでもみほぐす。
 いったいどれだけこの作業を繰り返せばいいのだろう。だんだん不安になってきたころ、ようやく動きがあった。異物周辺から血が滲み始めたのだ。さらに揉む。異物は、点から、徐々に立体構造を露出させ始めていた。まだ紙一枚よりも薄い厚みだが、これでやっととっかかりが出来た。左手に針を再び持つと、異物への直接攻撃に取りかかる。

 その瞬間のことを、私はひどく冷静に高速度カメラモードな視覚で眺めていた。「ぬるっ」という効果音がもっとも適切だったと思うが、実際には無音だった。棘はついに肉から飛び出してきたのだ。長さにして1.8ミリほどの、髪の毛よりも細い切っ先だった。

 異物と共に、痛みは指先から去っていた。


2002.4.21(Sun)

一日目

 目覚めの前から、そいつは私の体に潜り込んでいたらしい。腰から背中にかけて、不定型な拡がりで触手を拡げているかのように、痛みがあった。起きあがろうとして、途中で横に倒れ伏す。だるい。な、なんじゃこりゃ。

 まるで高熱時のような全身のだるさと頭痛があったが、体温計が示す数値は微熱である。そのミスマッチに、嫌な雰囲気を感じつつ、床につく。外は雨。これが始まりだった。


2002.4.22(Mon)

亀と鯉

 診察を終えて、病院を出る。見るからに暖かそうな日差しだったが、相変わらず私の体は寒気を訴え続けていた。痛む背中を丸めつつ、Licが到着するまで気分転換でもしようと隣接する大きな池を眺めていると、水面に怪しげな陰が盛り上がる。

 何かがいるらしい。しかも、かなりでかい予感。いったい何やつが潜んでいるのかと目を凝らしてみたが、睡蓮の葉に遮られてよく見えなかった。

 少し離れたところでたくさんの亀が、折り重なるようにして日光浴の真っ最中。もっとよく見ようと歩みを進めたとたん、亀の塔はがらがらと崩れ、水中へと没していったのだった。なんと敏感な亀達であろうか。
 ぷかりと浮かんできた亀達は、やがて再び戻ってきた。どうやらこの場所が絶好の日光浴スポットになっているらしい。こちらの様子を慎重に窺いつつ、「よっこらせ」と、でかい甲羅をしょったままよじ上ってくる。大きい個体で甲羅長30cmほどはあるように見える。小さいので10cmくらい。いずれもアカミミガメのようだ。目の後ろに入った赤いラインが黒い池によく映える。

 手のひらサイズのミドリガメとして売られていた彼等が、ここまで成長するのにいったいどれだけの歳月が必要なのかわからないが、たぶん今こっちを見ているあの可愛いサイズの亀は、私よりも長命なのに違いあるまい。亀亀亀よ亀さんよ。

 ばしゃっと激しい水音に、視線をぐるっと移動させる。最初に怪しい陰を見かけた辺りだ。大きな黒っぽいヒレが水面から覗いている。やはり鯉がいたらしい。一抱えもありそうな大きな鯉だ。これまた長生きしそうな生物である。たぶんこの時、池の畔の龍神様にお参りでもしていこうかと思ったような気がするのだが、やがて到着したクルマに乗り込む頃には、すっかり忘れてしまっていたのだった。


2002.4.23(Tue)

ミツバチの怪

 みこりんが熱を出すタイミングと、私のそれとが妙にシンクロしている今日この頃。並んで布団をかぶっていたが、みこりんの激しい寝相にとうとう蹴り出されてしまった私は、気分転換に庭でも眺めることにする。寝ているのがもったいないくらいの庭弄り日和だった。

 庭土を覆い尽くさんばかりに増殖しているクローバー。そして花壇の雑草たち。一面が緑系な色彩に染まっている。枝垂桜の葉っぱも、いつのまにやら何枚も折り重なるようにして枝を隠し、どでかい日傘を形成していた。毛虫捜索隊を編成する日も近い。手遅れにならないうちに。

 しばしウッドデッキに寝転んでいると、どこからか耳障りなノイズが風に乗ってやってきていた。はじめは微かなモーター音のようだったそれは、徐々に勢いを増し、とてつもない破壊力を秘めた電撃のように“ぶんぶん”と唸りを上げて迫ってきていた。
 な、なにやつ!?

 音の主は、やがてその姿を現した。下の空き地からだった。数匹の斥候のあと、本体が塊となって浮上してくる。ミツバチの大群だ。あっというまに庭は飛び交うミツバチに占拠されてしまっていた。無闇に刺されることはないとわかってはいるのだが、なんとなく心が落ち着かないので、部屋へと退散。日向ぼっこはおしまいだ。

 ミツバチの群れは、ひとしきり飛び交ったあと、やがていつのまにか姿を消していた。今月に入ってから、ミツバチの群れに遭遇したのはこれで2回目。これまでにはなかった現象だ。近くに“巣”があるのでは、と思わずにいられない。
 じつは近所に1つ、怪しげなモノを見つけていたのだ。その家の庭先には、木箱が1つ置いてあって、その形がどうもミツバチの巣箱のように見えるのだった。しかし養蜂業をやっているにしては、箱が1つと少なすぎるような気もする。…もしや、ペットとしてミツバチを飼っているんじゃないだろうか。バッタやクワガタを飼うように、ミツバチが飼われていても、不思議ではない。私も庭先にフタモンアシナガバチの巣がかけられていても、破壊せずに見守るクチだし、その心は理解できなくもない。
 が、他の人もそうだとは思えないので、彼らミツバチの行く末がちょっと気掛かりである。


2002.4.24(Wed)

いい天気なのに

 去年の秋に種を播き、そのまま苗で一冬を越したポピー“ダブルタンジェリン”は、春の訪れとともに急速に生長を遂げていた。すくっとフラミンゴのように長い花茎を伸ばし、先端には重そうな蕾が1つ。それが今日、ようやく開花に至る。

 激写、といきたいところだが、今日もまだ体がいうことをきかない。おとなしく寝ていよう。


2002.4.25(Thr)

突然の…

 目覚め。な、なんじゃこの異様な悪寒は…と体温計に手を伸ばす。「ぴぴ」と起動させ、脇にはさんで倒れ伏す。

 「ぴぴぴ」と検温終了。抜いて、表示を確認。「39.6」ん〜〜。だ、だめじゃこりゃ。


2002.4.26(Fri)

エコーとか

 昨日から熱は下がらず。頓服、座薬を投入してしばらくは微熱まで落ちるが、薬の効き目が落ちると同時に、体温は再び上昇へと転じた。
 薬が効いている間は、全身からの発汗で布団の中は雨季のジャングルのような湿気が渦巻き、シャツもパジャマも着尽くしてしまった。これ以上湿気たら着るものがなくなってしまうという恐怖に、猛烈な眩暈を覚えた。いや、また熱が出てきたのだ。病院でもらった頓服は、さっきのでおしまいだ。このままではまずい。

 玄関付近でチャイムが連打されているのを遠くで聞いた。みこりんだろうか?いや、まだ保育園から戻ってきてはいないはず。外から響いてくる元気のよい子供達の声は、みこりんのものではなかった。みこりんの友達が遊びに来ているらしい。
 高熱とひどい頭痛に体を“ち”の字に曲げて耐えていると、外から嬌声が上がるのが聞こえた。Licとみこりんが戻ってきたようだ。

 子供達だけを残して病院に行くわけにもいかず、カラスが鳴くまでひたすら待つ。永遠に続くかと思われた待ち時間、ようやく6時のチャイムが夕暮れの空に響き渡る。子供達はそれぞれの家へと帰っていった。

 かかりつけの病院では、いっこうに下がらない熱に、総合病院での検査を薦められた。もうかれこれ6日。しかも状況は悪化している。なんだか怖い想像をしてしまいつつ、ひっそりと静けさに包まれる夜の総合病院へと辿り着く。
 宵の口だったためか、それほど待たされる事なく診察は開始された。尿検査に血液検査、そしてなぜかインフルエンザ検査までされてしまいつつ、最後に超音波検診。熱は相変わらずで、あまりのしんどさに画面に現れてくる体内の様子を横目で眺める余裕もなかったのが残念だ。今回がエコー初挑戦だったというのに…

 結局、主たる原因はわからず。入院と自宅療養のいずれかを選択することになり、私は……自宅療養を選んだ。


2002.4.27(Sat)

みこりんと“会議”

 昨夜から、頓服を使うことなく真夜中過ぎあたりから熱は1〜2時間で0.5度づつ下がり始め、夜明けには微熱へと推移していた。しかし、ひどい頭痛は相変わらず残ったままで、目の奥もぎしぎしと痛む。着替えはとうとう底を尽き、Licのパジャマを借りていた。
 日が昇ってからは、一進一退の攻防戦。おとなしく布団にくるまり、ひたすら寝てすごす。

 夜は保育園の役員会があったが、Licとみこりんに代わってもらった。みこりんは“会議”に興味津々で出かけていったが、会議といいつつ、新旧役員の宴会も兼ねているので、どんな感想を抱いただろうかと気になりつつ。

 夜更けに戻ってきたみこりんは、ざらざらと大量の王冠が入った袋を握り締めていた。大漁だったらしい。王冠バッチを作るのだという。“会議”は好評だったようである。


2002.4.28(Sun)

みこりん、友達とおでかけ

 まだ微熱が続いている。相変わらず熱のわりに、体がだるい。奇怪な。
 午前中、みこりんは遊びに来た友達と一緒に、別の友達の家に出かけていった。4歳にして初めての友達だけでのお出かけ。同じ団地内とはいえ、やっぱり心配。GPSケータイでも持たせてやりたい気分だ。

 お昼になっても戻ってこないので、Licが迎えに行くことになった。地図で調べると、割と遠くまで行っているらしい。
 やがてみこりんは戻ってきた。Licと一緒だ。友達が自転車で移動しているので、みこりんだけ徒歩というのも、なかなか大変らしい。そろそろ自転車を投入する時期のようだ。

王冠バッチ作り

 王冠バッチをみこりんが作っている。作り方は、自力で考え出したらしい。カッターを使う部分などは私が手伝ってやったが、あとの作業はすべてみこりんがやっている。

 作業手順はこうだ。

  1. 王冠を洗う。
  2. 王冠の内側にぴたりとはまるようにバルサ材を丸く切る。
  3. 王冠に釘やらドライバで3箇所、穴を開ける。
  4. バルサ材を入れ、王冠の表側からネジで留める。
  5. 安全ピンにテープを巻き、王冠の裏側のバルサ材に貼り付ける。
  6. シャツに取り付け、完成!

 昨夜、王冠を手にした時から考えていたのだろう。流れるように滑らかな作業内容だった。ただ、穴を開けるときに当て木を貫通して下のウッドデッキに釘付けにしてしまったりもしたが、これもまた貴重な経験値を得ることになったようだ。金づちで手を叩き、のこぎりで手を引いて、やがて上手になってゆく。みこりんには工作好きのLicの血が確実に流れているようである。


2002.4.29(Mon)

弾ける虫

 「ぴちっ」と、みこりんが弾いているのは、2つの洗濯バサミだった。畳の上に並べて、それぞれ親指で握りの部分を押し、微妙に力具合を変化させていくと、ある点で洗濯バサミは宙に舞う。その洗濯バサミの動きから連想されるものはなんだろうか。ヒントは“虫”である。

 昨日の夜、みこりんが布団の隅っこにいた虫を発見したことから話は始まる。黒く細長い虫だった。特徴的なのは、その薄っぺらい体である。特に胸部と腹部との継ぎ目が、まるで蝶番のよう。
 そう、そこにいたのはコメツキムシだった。庭などで普通に見かける虫なのだが、せっかく畳の部屋にまで上がってきてくれたので、その特技を披露してもらうとしよう。よくよく思い出してみても、コメツキムシのことをみこりんにはまだ詳しく教えていなかったような気もするし。

 みこりんによく見ているように言いつつ、畳の上に逆さにして置いてみる。コメツキムシは、じたばたと6本の脚をばたつかせて……やがて“むくり”と起きあがった。きょとんと見ているみこりん。し、失敗や。
 ちょうどいいところに厚紙が置いてあったので、それを畳の上に敷き、再度コメツキムシを逆さまに置いてみた。今度こそ見せてくれよと指先もふるふると震える。固い甲冑を身にまとった甲虫類とはいえ、手荒に扱って手足がもげては大変だ。

 コメツキムシは、さっきとは違ってすぐに静かになった。6本の脚を器用に折り畳み、流線型のボディを見せつける。息を詰めて見守るみこりん。よし、跳べ。
 次の瞬間、コメツキムシは「ぴちっ」と軽快な音と共にジャンプしていた。空中で反転し、見事に着地。さかさかと歩きにかかる。見事だ。じつに見事な“米つき”だった。
 コメツキムシは、逆さになると、その胸部と腹部を激しく反らせ、元に戻す反動でジャンプするという特技がある(その動作が昔の“米つき”に似ていることからコメツキムシという名前がついたらしい)。私も子供時代、よくコメツキムシをひっくり返して遊んだものだ。
 その不思議にも面白いコメツキムシの動作に、すっかりみこりんはハマってしまったのである。思う壺であった。

 まずみこりんは自ら仰向けになり、両手両脚を伸ばし、体を反らせ、そして「ぴち」と口真似しながら起きあがる遊びをやっていた。わずか1cm足らずの小さな虫の動作を、意外によく見ているものである。飽きることなく、何度でも「ぴち」とやっていた。そんなみこりんの目に留まったのが洗濯バサミというわけである。じつは私も幼少時代、今のみこりんと同じように洗濯バサミをコメツキムシに見立てて遊んだことがある。発想は似ているらしい。

 その後コメツキムシは、外に逃がしてやった。みこりんは最後までコメツキムシが気になるのか、私に抱っこされたまま窓の外を眺めていたのだった。

---------

 コメツキムシを調べていて、たまたま見つけた面白そうなページ。
 “へなちょこ動物園


2002.4.30(Tue)

で結局

 昨夜も熱が上がり、洗濯物はますます増える一方だ。再度診察を受けるために連休明けの病院へと向かう。予想通り、えらい人混みであった。
 ひたすら待つ。ぽつりぽつりと人が減る。お昼が近い。
 やがて名前が呼ばれた。診察開始。喉を見た医師が言った。「扁桃腺が腫れて膿がたまってるね」

 そ、そうだったのか。喉は全然痛くはなかったが、確かに魚の骨がひっかかってるような妙な違和感はずっとあった。でも扁桃腺がやられていたとは、今日が初めての指摘である。これまでに何度も別の医師による診察を経ているのだが……。先日の土曜日の検査でも、結局原因不明なままだったし。
 だがそんなことはどうでもいい。とにかく原因がわかればいいのだ。

 今日もひたすら寝て過ごす。


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