2009.3.12(Thr)

卒業ソング

 卒業式の日に弾くピアノ担当に選ばれたみこりんは、いつになく練習に熱が入っているようだ。エレクトーンとピアノは、足鍵盤の効果が別物だし、鍵盤の重さも微妙に違ってたりするのだが、同じ鍵盤楽器ということで、いろいろとこうやってピアノ演奏が割り当てられてくることが多いみこりんであった。
 家の中で練習する時には、ヘッドフォンもしくは無音で弾くため、それがどんな曲なのかは不明。ただ、みこりんによると、学校の音楽の先生でも弾けない箇所があるような曲なのだという。
 楽譜を見せてもらうと、たしかに、ちょっとこれはややこしそうな…。音符以外にも、何かいっぱい記号のようなものが並んでいる。音符も妙に密集してるし。

 今日は音楽教室の個人レッスンの日だったのだけれど、特別にその卒業式用の演奏を、先生に教えてもらったらしい。みこりんは、学校の音楽の先生が弾けなかった部分を、音楽教室の先生は難なく弾けた点に、ちょっと感動している模様。まぁ、プロと比較しては学校の音楽の先生がちょっと可哀想ではある。が、みこりん的には、どちらも同じような感覚なのだろうなぁ。

 まぁしかし、これほど熱心に練習に取り組むみこりんは、ここ数年、見た事がないような気もする。それほど小学生的には難しい曲ということなのかもしれない。卒業式当日、無事、演奏できますように。


2008.12.14(Sun)

アンサンブル演奏会

 毎年この時期になると、みこりんの通う音楽教室では、自分で創った曲を発表する演奏会が執り行われる。今回みこりんは、いつものグループで合作に挑戦した。
 5人のメンバーによる合作。どんな感じに創ったのだろう。一人で創るよりも、なんだか難しそうだが…。その点をみこりんに聞いてみたところ、いつのまにか5人の曲が渾然一体となって1つの曲に仕上がっていたのだそうな。

 肝心の曲の方だが、みこりんは家で練習するときにはエレクトーンのボリュームを極限まで落とし、周囲に聞こえないようにしてしまうので、私は聴く事ができなかった。今日が“初”である。
 その方が楽しみといえば楽しみなのだけれど、音を聞かずに練習になっているんだろうか…、という漠然とした不安もあり。

 午前中はアンサンブル、午後がソロの発表となっているので、今日は午前の部だけでおしまい。休日の午前中は、たいていごろごろと惰眠をむさぼっている事が多いため、有意義な時間になりそうである。

 午前10時過ぎ、開演。
 小さい子から発表のため、みこりん達の出番はかなり後ろだ。撮って欲しい曲をあらかじめみこりんから聞いておいたので、そこだけビデオカメラで録画しつつ、演奏に聴き入ってみる。どれも自作曲だから、すべてが新鮮。ただ、なんとなくアンサンブルとしての音の調和のようなものが、いまひとつなような気が…。まぁこれは個人の好みの問題かもしれないけれど。

 やがてみこりん達のグループがステージに登場。一人がピアノで、残り4人がエレクトーンという構成である。
 美しいメロディだった。新しい生命の誕生を祝う曲。調和もいい感じに聴こえる。ピアノとエレクトーンの音が、いつになくきれいに融合しているのが印象に残った。これまでは、ピアノの音質とエレクトーンの音質が、微妙にミスマッチしていたように思うのだが、今回はピアノが流れるようにエレクトーン群の音に溶け合っている。

 おだやかに、演奏終了。

 これ以降のグループは、さすがに演奏歴も長いので、明らかな失敗みたいなのはない。どれも美しい曲に仕上がっていた。が、みこりんによると、同じパターンの繰り返しが多かったので、あまり面白くはなかったそうな。私とは逆に、小さい子の曲の方が、変化に富んでいて新鮮だったらしい。

 なるほど。そういう見方もあるのか。
 みこりんが、なんだかいつもよりちょっとだけ大きく見えた気がした。

 *

 午後、庭にて。
 やっとこさチューリップの球根を植えることが出来た。座敷に保管してあった球根達からは、早くもちょろっと芽が出ているやつもあり、ぎりぎりのタイミングだったかもしれない。
 無事、大きくなりますように。


2008.10.2(Thr)

“Kiss Me Good-Bye”

 音楽教室から戻ってきたみこりんが言うには、次の課題曲を『FINAL FANTASY XII』の挿入歌である“Kiss Me Good-Bye”にしたのだそうだ。これで『FINAL FANTASY XII』からの選曲は、通算3曲目のはず…。最初は“交響詩「希望」第三楽章 ロード・オブ・ホープ”、その次は“帝国のテーマ”、そして今回の“Kiss Me Good-Bye”。
 みこりん自身は、『FINAL FANTSY XII』をプレイしたことはないのだけれど。というか、我が家にそのゲームソフトが存在すること自体、忘れていたみこりんなのだが、サントラはしっかり記憶に焼きついていたということだろうか。

 というわけで、さっそく“Kiss Me Good-Bye”を聴きたくなったみこりんは、Webで検索し、YouTubeでアンジェラ・アキのPVなどを見つけて聞き入っていた。でも、よくよく考えてみると、以前レンタルしたサウンドトラックのCDの中身は、吸い上げてハードディスクの中にしまってあったはず。私もすっかりその事を失念していたところが、とてもやばい。記憶力に優れたLicが覚えていたおかげで、無事、いい音で再生することが出来たのだった。

 ところで、元々ボーカル曲として創られた音楽を、エレクトーンだけで演奏すると、どんな感じになるのだろうか。そのへん、ちょっと興味深いところである。


2008.9.23(Tue)

グレード試験

 カレンダー的には祝日だが、今日は出勤日。でも午後からは、みこりんのエレクトーンのグレード試験(いわゆる昇級試験)があるため、午前中だけ仕事をして、とっとと帰る。駐車場に停めたクルマの中が、灼熱地獄と化すほどのいい天気。とても秋とは思えない。

 グレード試験を控えて、緊張しているかなと思ったが、みこりんは普通に“アークロード”でレベル上げを楽しんでいた。今夜もネットラジオで、みこりん御執心の声優さんである愛生ちゃんのキャラが、この3D世界に出現する。出現場所までの移動等を考えれば、ちょっとでもレベルが上がってる方がラク。それに、敵を狩る事で得られるゲーム内通貨で、外観をおしゃれに飾る事もできて一石二鳥。
 でも、緊張を紛らわせるためかもなぁ、と思ったりもし。たぶん、これで一石三鳥。

 試験開始は14時55分。先生からは、その10分前くらいに来ておいてほしいと言われていたのだが、みこりんはさらにその10分前、つまり試験の20分前に到着できるよう、出発時間を私に指定したのだった。このあたり、慎重なみこりんの性格がよく現れているような。
 出かける前、みこりんは靴下を履いていくかどうか、ちょっとだけ迷っていた。いつもは気にしないような事が、妙に気になるというのは、やはり少し緊張しているせいかもしれない。結局、靴下を履いた方が、エレクトーンの演奏時に足鍵盤の操作で靴が滑らないという理由から、靴下は履いていく事にしたようだ。

 予定通り、20分前に試験会場に到着。試験会場とはいっても、普段、レッスンに使ってる場所なので、そういう意味では安心感がある。ただ、試験教官は普段の先生ではないため、雰囲気にのまれると、ちょっとキケン。
 建物の中にみこりんの姿が吸い込まれていったあと、私は、駐車場に停めたクルマのドアを全開にして、少しでも外の風を取り込もうとした。あいにく、停めた場所は日陰ではなかったため、太陽の直射を浴びて、猛烈に暑いのだ。

 *

 物音がしたような気がして、はっと目が覚めた。
 みこりんが、クルマに乗り込んできていた。いつのまにか寝入ってしまっていたらしい。車内のデジタルクロックを見れば、試験終了時刻を、40分ばかりオーバーしていることがわかる。みこりんによれば、かなり予定よりも遅れて試験が始まったらしい。
 そして私は、クルマのそばに、みこりんの先生が立っているのに気付いて、慌ててクルマから降りたのだった。思いっきり爆睡しているところを見られてしまった… orz

 試験教官は、本部から派遣されてくるので、みこりん担当の先生でも試験には立ち会えない。その代わり、扉の外からわずかに漏れてくる音で、試験の具合を判定してくれていた。
 みこりんは、待っている間は緊張した様子だったらしいのだが、いざ試験が始まると、そこそこ大丈夫そうな感じだったという。前日まで、先生はみこりんの仕上がり具合を心配してくださっていたので、私からみてもなんだかほっとしたような雰囲気が感じられた。
 結果が判明するのは1ヶ月後のことなので、本当に安心できるのはまだまだ先ではあるのだけれど。

 みこりん自身の口からは、3種類の課題曲のうち、試験時にランダムに指定される1曲が、比較的得意な曲だったということと、聴奏がちょっと自信ないということが語られただけなので、試験結果がどうなのかは、もやもやっとしている。でも、受かってくれてるといいなぁ…


2008.8.31(Sun)

エレクトーン発表会

 6月のエレクトーン発表会で金賞を受賞したみこりん達のグループは、今日、地区大会のためこの近隣ではもっともどでかい街へと出かけていった。気になる天気は……、昨日までの鬱陶しさが嘘のような晴れ。みこりんの“照る照る坊主”の威力、おそるべし。

 Licとみこりんが出発したのが午前9時過ぎ。そして、戻ってきたのが午後9時過ぎ。電車での移動等はあるものの、およそ10時間以上、演奏会場に缶詰状態だったらしい。
 Licの撮って来てくれたビデオ映像によれば、出場グループ約50という司会のお姉さんの声が入っていたので、さもありなん。

 ビデオカメラの液晶画面で再生している映像を見ると、舞台の照明がとても綺麗なことに気がついた。高出力のビームのように、きらきらと煌めいて見える。さすがに会場設備の質も半端ではないというところだろうか。

 そうした映像美もあってか、みこりん達のグループの演奏も、いつになく凛として聞こえた。演奏曲は、前回と同じく“エル・カミーノ・レアル”。髪にさしたお揃いの赤い薔薇も、よく栄えている。
 たださすがに近隣の金賞レベルが集まっているだけに、今回は受賞は逃した模様。

 他のグループの演奏も2組ほど撮って来てくれていたのだけれど、そのいずれもが“のだめ”で使われていた“ラプソディ・イン・ブルー”で、しかも両グループともに、鍵盤ハーモニカ担当のマングースの着ぐるみが登場していたのは、お約束。
 鍵盤ハーモニカのパートが終わると、着ぐるみはそのままエレクトーンの演奏に移行するのだけれど、着ぐるみのままで演奏するのは、なかなかすごいなぁと思った。ほとんど視界が確保できてないんじゃなかろか。でも、みこりんによれば、見えてなくても鍵盤の位置は分かるので、大丈夫らしい。
 さすだが。


2008.8.30(Sat)

すとっぱー

 降りしきる雨の中、Licに連れられてみこりんは“すとっぱー”なるものをするべく出かけていった。
 昨日みこりんから“すとっぱー”と聞かされたときには、某医薬品の“すとっぱ”を連想してしまい、お腹具合でも悪いのかと思ってしまったのは秘密だ。

 “すとっぱー”とは、いわゆる“ストレートパーマ”の略称として、みこりんが使っているらしい。たしか以前は“すとぱー”と略していたような記憶もあるのだが、日々新しい言葉を覚えてゆくみこりんゆえ、どこかで新しい略称を見かけたのだろう。
 ちなみに、なんのために“すとっぱー”しにいくかと言えば、明日のエレクトーン発表会のためである。

 お昼過ぎ、戻ってきたみこりんの髪は、さらさらのつやつやになっていた。その状態を維持すべく、今宵はお風呂でも洗髪水濡れ禁止らしい。なかなか大変そうだ。

 明日の天気予報は、やはり雨。できれば湿気は避けたいところだが、みこりん手製の“照る照る坊主”の威力や如何に。


2008.6.21(Sat)

エレクトーン発表会

 みこりんのエレクトーン発表会の日。朝から雨模様だったが、土砂降りには至らず、小雨で小康状態。会場は、例年通り山奥のホールが使われる。道の途中が土砂崩れで封鎖されており、いつもより遠回りで会場着。なにやら空気が澄んでいるような感じ。さすが山奥である。

 今回はアンサンブル部門のみのエントリーだから、半日で終わる。年齢順で登場のため、みこりん達のグループは、丁度真ん中くらいの時間帯となっていた。
 演奏曲は、春の発表会と同じく『エル・カミーノ・レアル』(作曲:Alfred Reed)。衣装は一新して、おそろいの白いブラウスに黒系のボトム、そして髪に一輪の赤いバラ(造花)。なかなかおしゃれにきまっている。

 みこりん達が登場する前に演奏したグループの中で、1組、かなり上手いところがあって、手強いライバルになりそうな気がした。今日の発表会では、審査があり、金賞に選ばれると、夏に行われる地区大会への出場が可能となる。そういう意味では、一年の中でも、かなり重要な発表会とも言える。

 アンサンブルの上手なグループの演奏は、ミスがないことは当然として、目を閉じて聞き入ってみると、優雅に絡み合った音の空間に包み込まれ、一種のトランス状態に入ってしまいそうな感じになる。じつに心地よいのだ。
 さて、みこりん達のグループはどうだろうか。いよいよ登場である。

 ビデオカメラのファインダーを覗き込みながら、意識を耳に集中させる。
 すぅっと演奏は始まって、主旋律担当の子の指が、正確に高速に、鍵盤の上をすべってゆくさまが見える。いい出だしだ。
 みこりんのパートはベースのため、私の位置からだと肝心の指先が見えない。でも、私の耳では、はっきりとわかるようなミスはなかったように思われる。
 カメラを保持する手がぶれないように、呼吸を抑えつつ、曲の進行に聞き入っていた。うんうん、春よりも、グループの人数が減ってはいるものの、その分、いつも一緒に練習しているクラスだけになったことが幸いして、一体感は増した感じがする。

 演奏終了。それと同時に、初めての休憩が10分ほど入った。このタイミングで小休止が与えられたのは、みこりん達のグループにとっては結構プラスに作用したかもしれない。上手い具合に、余韻が残ったというか、そんな感じ。

 後半の部、私が聴いていた限りでは、上手いと思ったグループは2組。これで都合、ライバル3組。
 参加者による演奏が終わると、審査の間、ゲストによる演奏が披露される。こちらはさすがにプロなので、別格の雰囲気。臨場感、迫力など、桁違いである。

 そしていよいよ審査発表となった。
 まず読み上げられたのは、奨励賞。この段階でグループ名を呼ばれると、上位入賞はないので、ちょっと緊張。上手いと思った3グループのうち、1グループがこの段階で1組コールされた。
 次に、銀賞。
 上手いと思った残る2グループが、すべてここで読み上げられた。
 残るは金賞のみ。高まる期待。だがしかし、読み上げられたのは、みこりん達のグループ名ではなかった。…あれ?何も入賞なしというのも妙だな、と思っていたら、なんと金賞は2組あったのだ。最後の最後で、みこりん達のグループ名がコールされた。2006年に引き続き、2度目の勝利である。

 *

 ところが帰宅してからも、みこりんの様子がどことなく変だった。喜んでいるというよりは、どっちかというと不機嫌っぽい感じ。んー…、これはもしかして…

 夜が更けた頃、みこりんが語ってくれたところによれば、自分的には演奏内容に満足していないので、金賞もらっても、ちょっと微妙…、というのが真相のようだ。私の耳では聞き分けられなかったのだが、ミスもあったみたい。この次元になると、高レベル者の悩みみたいな感じで、一般人的にはついていけないところもあるが、気持ちはなんとなく理解できる。
 銀賞とったグループの方が、上手だったというのがみこりんの主張なのだが、プロの審査員の着眼点は、いろいろと違うのかもよ、と言っておいた。実際、そうなのだろうし。

 まぁしかし、このような気持ちになるというのは、よい傾向だと思うので、今後も期待できそうである。


2008.5.15(Thr)

VOCALOID

 動画投稿サイトといえば、日本だとニコニコ動画、世界だとYouTubeということになるのだろう。でも私が日常的に愛用しているのは、そこじゃない。
 “zoome”という日本のサイトが、私のお気に入りだ。なによりここは、画質がいい。ニコ動よりも高画質でアップ可能なため、こちらの方に高画質版を投稿している人も結構いらっしゃるっぽい。そして音質もいい。さほどメジャーではない(と思う)ので、負荷が軽いのもいい。

 というわけで、今夜はTripshots氏の手による『anger PV EDIT[Right re-mix ver]【VOCALOID3DPV】』を視聴してみたりなんかしている。もちろん、ヴォーカルは言わずもがなの、初音ミクだ。
 テクノサウンドと、オリジナルの動画がじつによくマッチしている。モーションとサウンドのタイミングが、ばっちり。まさに神の領域である。
 これはぜひとも愛用のウォークマンに転送しておかねば(音声しか転送できないけど)。

 ブラウザで再生させつつ、そいつをカセットテープからの録音に使ってるソフト“SoundEngine”でリアルタイムに音声データ(WAVE形式)で保存。前後の無音部をカットして、“LAME(にLIFEをかぶせて使用)”でMP3に変換すればOK。もともとデジタルデータになってるやつを、直に取り込んでないのはなんだかもったいないような気もするが、手持ちのソフトだけで手軽に音声データを作成するには、今のところこれが一番てっとり早い(ストリーミングキャプチャ用のソフトをインストールしたくないというのもある)。
 そんなことをやりつつ、他のミク系テクノサウンドもついでに録音してたら、背後にみこりんがいつのまにか立っていて、じぃっと見入っていた。

 VOCALOID“初音ミク”のことは、発売当事から、みこりんにも何度か話したことがあったので、これが何なのかはすぐにわかったらしい。みこりんは、素人の手による作曲に、強い興味を惹かれているようだ。しきりと「すごい」と言っている。自分ではこんな曲は作れないという意味で、すごいらしい。
 以前、エレクトーン発表会で、Y.M.Oの『ライディーン』を聴いたのが、たぶん、みこりんとテクノサウンドとの出会いだと思うのだが、みこりん的には、わりとこういう系統のサウンドは感性に合ってるのかもしれない。

 演奏だけなら、みこりんの使ってるエレクトーン“YAMAHA STAGEA ELS-01”で、このくらいの音色を出すことは可能だろう。でも、自分が演奏しなくてもいいところとか、なにより歌詞をつけて歌わせてしまえるところも気になってるようだ。
 みこりんにVOCLOIDを使わせてみると、どんなものが出来上がるのか、ちょっと興味がある。確かめてみるのも、いいかもしれない。


2008.3.16(Sun)

スプリング・コンサート

 本日も晴天也。
 午後からみこりんの通っている音楽教室の発表会があるため、例によって文化会館まで出かけた。開場14:00だが、受付やら写真撮影等があるので、13:15必着とのこと。渋滞も考慮してちょっと早目に家を出たら、こういう時に限って道は順調に流れ、13:00に現地到着。
 時間余りすぎ。

 大ホールの分厚い扉が開かれるまで、どうやって時間を過ごすか。今日が雨なら、迷わずロビーのソファへ直行だが、幸いにして穏やかな晴れ。外に植えられた木の下が、いい具合に空いていたので、巨大な天然石で造られたベンチに座り、ぼーっとして過ごす。
 もはやセーターなしでもぜんぜん平気なほどに、あたたかな風。これで花粉と黄砂がなければ言うことなしなんだけれど、マスクは外せない。

 木にたっぷりとエネルギーを充填してもらった頃、大ホールの扉が、ごごごと開いた。動き出した人の列に加わる。
 今日は三脚使用禁止令が出ているため(暗がりで子供が足をひっかけて転んだりするのを防止する目的)、場所取りにさほど神経質になることもない。それでも堂々と三脚立ててる親がいたのには、正直、あきれたが、どこにでもこういう奴はいるものだと半ば諦めの境地。

 今日の発表会は、団体で行われる。みこりんのクラスも、今年から他のクラスとの合同となった。合同練習は一度しか行われていないのだが、エレクトーンの場合、曲データさえあれば一人でも大勢で弾くのと同じ環境が作り出せるため、あまり問題はないのだろう。
 みこりんの担当パートは、今年はベースだ。主旋律ではないので、一人で練習するとき、今どのあたりを弾いてるのかわかりにくいとみこりんは言っていた。…もしかして曲データ、使ってなかったんだろうか。

 そんな一抹の不安はあったけれど、演奏は大人数なので、たぶん大丈夫だろう。ソロではミスが目立つが、10人以上いれば、わずかなノイズだ。
 実際、演奏はほぼパーフェクトに聞こえた。私の耳では判別不能。それよりも、撮影のために片手で保持したビデオカメラの手ぶれを抑えるべく、呼吸を極力浅くしようという方に注意力が向いていたので、たぶん誰かが間違えていたとしても、きっと気付かなかったことだろう。

 発表会ラストは、講師陣によるホルスト作曲『惑星 第4曲“木星”』の演奏。
 圧巻だった。20台近くのエレクトーンによる演奏は、まさにフルオーケストラに匹敵する(と思う)。脳内で漆黒の宇宙空間に浮かぶ、木星のイメージがありありと再現されてしまうほどに。
 久しぶりに音楽で酔えるような、そんな感じ。いい演奏だった。

 記念品が配られ、発表会終了。開演からは2時間弱だったため、さほど疲れは感じなかったが、なんとなくみこりんがグロッキー気味なような…。なんでもなければよいのだけれど。


2008.1.22(Tue)

“THE ENTERTAINER”

 “THE ENTERTAINER”、日本語風に言うと“エンターテイナー”。みこりんが突如、「この曲ってどんな曲?」と問うてきたので、出だしからちょろっと鼻歌でメロディを奏でてやってみた。この曲は映画『スティング』に使われた名曲なので、たぶん最近の子でも曲名は知らなくてもメロディなら聞いたことがあるかもしれない。みこりんも、たしか以前、エレクトーンの発表会で出場者の一人が弾いていたのを聞いているはず。

 だから、すぐにわかってもらえると思ったのだが、私の音感の方がちょっと怪しかったようで、「それってマリオの曲?」と言われる始末 orz...
 5〜6回、ふふふふんふふんふふーん…、と口ずさんでみたものの、やっぱりピンときていない模様。うーん。

 ところでみこりんがなぜこの曲を知りたかったかというと、次回のエレクトーン発表会で、学校の友達が演奏することになっているからだった。ちなみに、みこりんの弾く曲も決まったらしいので、その曲名を聞いてみたところ…。なんだかほにゃほにゃっとよく聞き取れず、都合10回くらい聞きなおしてようやくわかった。でも曲名に心当たりがないので、すぐに忘れてしまった。まさに右から入って左にすっと抜けたような具合。近頃、記憶力にかなり問題ありだ。

 結局、“THE ENTERTAINER”の方は、みこりん自らサーチエンジンで検索し、YouTubeにアップされてるやつとかで、思い出したようだ。
 発表会ではその曲を弾く子と同じ組になるといいなぁというのがみこりんの希望だが、さて、どうなるだろう。確率的には1/4〜1/6といったところだと思われるので、案外、いけるかも?…しれない。


2007.11.14(Wed)

音楽会

 みこりんの音楽会当日。マリンバや大太鼓といった大物楽器は昨日のうちに開催場所となる文化会館まで運ばれていったらしいのだが、みこりん担当のマーチングキーボードは、当日の朝、つまり今日、児童と一緒に会場まで運搬されることになっていた。だから、昨日からずっと、みこりんは不安だった。

 みこりんがマーチングキーボードの担当に決まったあと、学校に新たにもう1つ、マーチングキーボードが届いたのだという。おそらく3音ずれたままではまずいから、という事情だと思われるのだが、ずっと3音ずれたやつで練習していたみこりんにとっては、その完璧に調律されたものより、使い慣れたやつの方がいい。音楽会では、新しいのじゃなくて、3音ずれた方で臨みたい。そう、みこりんは思っていた。
 運搬担当の先生が、そのことに気づかず、新しいのを運んでいったりしたらどうしよう。あるいは、そもそも忙しい朝のこと、先生が音楽室から運び出すのを忘れていたらどうしよう…。みこりんは、そう心配していた。

 それゆえに、朝、出発の前に、一度音楽室をチェックするのだと、みこりんは言っていた。そしてみこりんはそれを実行した。

 音楽室でマーチングキーボードをチェックしたみこりんは、そこに残されていたのが使い慣れた3音ずれたやつだということに、すぐに気付いた。みこりんの危惧は現実のものとなっていたのだ。
 さっそく運搬担当の先生に言って、取り替えてもらうことができたのだという。まさに危機一髪。

 音楽会は、近隣の小学校から児童達が集まってくる、かなり本格的なもの。そして会場は、みこりんがエレクトーン発表会でよく使っているおなじみの場所。
 歌と演奏は、練習どおり、できたらしい。担任の先生が言うことには、みこりん達の声が一番美しく聞こえたそうだ。そしてみこりんには、他の学校の子供達が演奏した「ちゃっちゃっらっちゃっちゃっちゃー」っていう曲が、気に入ったそうな。口ずさんだメロディーは、まさに、ドラクエの曲。そのことを教えてやると、「有名な曲を、その“ドラクエ”っていうゲームでも使ってたの?」と言うので、いやいやそうではなく、ドラクエ専用に作られた曲なのだと言ったら、たいそう驚いていた。

 その他に1つ、気になることがあったと言う。
 それは、エレクトーン発表会の時には、ライトに照らされて、影がたくさんできるのに、今日は影ができなかったこと。…なるほど、たしかに個人を照らすスポットライトのエレクトーン発表会と、大人数でステージ全体を照らす今日の音楽会では、照明の種類が違っていたとしても不思議ではない。
 ステージ上でも冷静に状況を観察できていたことに、ちょっと感心した。数日前、「ステージでは緊張する?」と聞いた私に、「エレクトーン発表会で慣れているからぜんぜん平気だと思う」と答えたみこりんの言葉は、本当だったようだ。

 運動会に音楽会。これで2学期に開催される3大行事のうち2つが終わった。残る1つ、文化祭(のようなもの)は今月末に実施される予定。なかなかみこりん達も忙しい。


2007.11.9(Fri)

音楽集会

 合奏曲ではマーチングキーボードに決まり、合唱曲では惜しくもピアノ選考から漏れたものの、来週開催の音楽会まであとわずか。みこりんも日々練習に余念がない。
 私もどんな音楽会になるのか興味はあるのだが、残念ながら当日は保護者の参観は不可なのであった。その代わり、今日の全校朝会で練習成果を発表する機会が用意されており、こちらには自由に聞きに行ってもよいとのこと。朝8時半くらいまであるため、出社時間が遅くなってしまうが、音楽会は4年生にしか出場権がないので、まさにこれを逃すと一生聞き逃すことになってしまう。というわけで、朝、みこりんを学校に送っていったついで、そのまま駐車場で時間まで待つことにした。

 午前8時を過ぎ、そろそろ朝会の準備も始まってきたかなという頃、他の子供達の親もぽつぽつと到着し始める。開始5分前には、私も体育館に入ってみたところ、4年生の児童の1/3くらいの親がすでに集まっていた。ステージには、みこりん達の姿があり、楽器に埋もれるようにしてすたんばっている。
 どうやら音楽会は、4年生2クラス合同で行われるようだ。私の子供時代は、各クラス対抗だったので、漠然とみこりんのもそうなのだろうと思っていたので、やや驚き。

 やがて他の学年の子供達も揃ったところで、合唱曲から始まった。
 曲そのものは、みこりんが家でよく練習していたので聞きなじんでいたのだけれど、80人からの合唱はやはり迫力がある。男子の声も、まだ野太くなる前なので、比較的澄んだ感じに揃っているところがよい。これのピアノ伴奏は、かなりやり甲斐ありそうだ。今弾いてる子は、幼少の頃よりピアノを習っているということもあり、みこりんに負けず劣らず(←親バカ)さすがに上手かった。

 次に合奏曲。各自、楽器の前に移動する。みこりんはマーチングキーボードを肩から掛けていたが、みこりんが言うほど大きすぎる印象はあまり感じなかった。むしろ、ちょうどいいかもしれない。
 このとき私はもちろんビデオカメラで撮っていたわけなのだが、始まったなーっと思ったら、なんだかあっというまに演奏が終わった気がした。合唱の長さに比べると、やけに早かったような。でも特に間違いで終了してしまったわけではなく、これが正常な演奏時間っぽい。おそらく楽器の準備にかかった時間は、これも10倍以上は確実にあるのではなかろうか。
 なんだかもったいないような気もしつつ、学校から職場まで直行したのであった。


2007.10.26(Fri)

オーディション

 来月に開催される小学校の音楽会では、1クラス2曲を披露することになっている。2曲目のみこりんの担当楽器は、以前、“マーチングキーボードになりそうだ”と書いた通り、マーチングキーボードが割り当てられていた。残るは1曲目の合唱曲のピアノの担当を決めるオーディションのみ。これにエントリーしているのは、みこりんと、もう一人の女の子。果たしてどちらに決まったのだろう。私も気になっていたので、ちょっとみこりんにその後の様子など聞いてみたところ、「落ちた」んだそうな。

 オーディションでは、二人ともイントロ部分のみの演奏だったらしくて、みこりん的には、やや不本意気味。というのも、全曲を通してだったら、「みこりんの方がリズムが一定に弾ける」ということらしい。ピアノに決まった子は、リズムにちょっとムラがあるのだとみこりんは言った。イントロ部分では、指と指の間隔が開いてるところがあって、そこで微妙に失敗したのが痛かった模様。

 まぁ、ピアノに決まった子は、もともとピアノをやってる子なので、足鍵盤もかなりアレンジきかせまくりで弾くらしい。みこりんはエレクトーン専門のため、そのへん、ちょっと分が悪かったかも。ピアノとエレクトーンでは、足鍵盤の役割がまったく違うので互換性はないのだった。

 惜しかったね、みこりん。


2007.10.5(Fri)

絶対音感

 春に4年生になった時から、みこりんが楽しみにしていたのは、運動会が終わった後にやってくる、音楽会だ。これは4年生だけに用意されている行事なので、そういう意味でも、なかなか貴重。私の小学校時代には全校で音楽会が開かれていたものだが、近頃は授業数削減のあおりをくらってこんなことになってしまっていのだろうか。

 担当楽器を決めるのは、オーディション形式なのだという。もちろんみこりんが狙っているのは、ピアノ(エレクトーンは残念ながら学校にはないので)。2曲演奏するため、残りの1曲の方では無難なところでリコーダーと、控えめなところを見せたりもしている。

 ピアノを狙っている方の曲のオーディションはまだ先らしいのだが、リコーダーでいく予定の方の曲で、ひょんなことからみこりんはマーチングキーボードに、なりそうだと教えてくれた。
 こちらの方の曲でピアノを狙っていた子が、ライバルの数の多さにちょっとやる気をそがれたらしく、マーチングキーボードに転向。練習を始めた…のだが、ここでみこりんが、学校に1つしかないその楽器が、なんと音が3つほどずれていることに気が付いたのだった。さすが耳の良いみこりんである。
 先生も今まで気付いてなかったらしくて、他の楽器と念入りに音合わせをしてみて、みこりんの指摘が正しいことが証明されたのだった。マーチングキーボードに転向しようとしてた子はまったく気付いてなかったらしい。で、困ったのは、この楽器が学校に1つしかないことだった。簡単に調律できるのかどうか不明だが、みこりんなら、3音ずれたやつを、さらに3音分を逆方向にずらして正しい音階で弾くことは可能だった(3音どころか、何音ずらした状態でも、みこりんはシャープ、フラットを駆使して弾き分けることが可能)。
 という事情もあって、マーチングキーボード、もしかしたらみこりんがやることになるかも、しれない。


2007.9.2(Sun)

発表会当日

 朝からしとしと雨の降る、夏休み最終日にはまったく不似合いな天候で今日が始まった。
 発表会に備えてLicとみこりんが美容院に出かけている間に、今週のミニトマトを収穫しようと庭に出てみると、こぼれ種で増殖しまくっているゴーヤの実が、黄色く熟してしまっていた。そろそろ食べないとなぁ、なんて思ってる間に食べ頃を逃してしまったようだ。黄色くなった実は、例によって内側から爆発したように破裂し、内部の禍々しいまでに赤い種が露出。けっこうグロい。しかしこれでまた来年も、こぼれた種でゴーヤが育つというわけだ。ありがたやありがたや。

 小さな森のように脇芽伸び放題のミニトマトは、そろそろ打ち止めのようで、熟した実は1ダースにも満たなかった。先週までは毎週ザル1杯分くらいは採れていたので、ちょっと残念。
 ところでこのミニトマトの上にまでゴーヤはその枝を這わしてきており、そこからぶらーんとぶら下がったおいしそうな緑色の実を、2つほど発見。まさに食べ頃サイズ。こいつはラッキー、というわけで、さっそく収穫しておいた。
 今年は割りと頻繁に草引きしたせいか、地表はまだ土色の部分が多い。けれども近頃の雨のせいか、雑草達の勢力が盛り返してきつつあり。来週は気合いれて草引きしなければならないようだ。

 そろそろ時間になったので、発表会会場に向かった。みこりん達は美容院から直接来ることになっているため、ちょっと早めに出かけて席を確保…、しておこうと企てたものの、なぜか後ろの方の席しかとれず。小ホールの座席数は、意外に少なかった。

 前の席の人々の頭の影を縫うようにビデオカメラを三脚にセットし、プログラムにLicが丸をつけてくれた子の演奏を順に撮ってゆく。エレクトーンの子と、ピアノの子が混在しているため(ちなみに今日のはソロ発表会)、三脚の位置を頻繁に変えねばならないのが難点だが、一番困ったのは前列の方で三脚使ってるにも関わらず液晶ビューをぱかっと開けたままにして撮ってる人かな。後ろの席から見たら、相対的に液晶ビューが被写体である演奏者を覆い隠す割合は大きくなるので。できれば液晶ビューは閉じて撮影して欲しいと思う今日この頃。…とはいえ、昨今ではファインダー覗き込んで撮影してる人の方が少数派みたいだから、液晶ビューがどれほど邪魔になってるか気付いてない人が多いのかも。

 さて、いよいよみこりんの名前がコールされて、舞台に登場。美容院でかけてもらったばかりのストレートパーマにより、いつも爆発気味な頭はすっきりとまとまっていた。
 演奏曲、『帝国のテーマ』は重厚なイメージで、明るいノリの曲が多かった中では割と変化があってよかったと思う。演奏そのものも、ほぼノーミスでクリア。そして脚鍵盤の高下駄も、今回の演奏会で見納めである。10歳になって、みこりんも大きくなった。

 前回、今日と、続けてFFXIIから曲をチョイスしたみこりんだが、次回の発表会ではどんな曲を選ぶんだろうか。個人的には『宇宙空母ギャラクティカ』のメインテーマを希望…、って今回、ギャラクティカで検索かけてて見つけたページが面白かったのでぺたぺたっと貼っておこう。ギャラクティカマグナム、最高(もちろん本物にそんな武器はついてないけど)。


2007.7.11(Wed)

『帝国のテーマ』

Selections from Final Fantasy XII [Original Soundtrack] 次のエレクトーン発表会は、秋。その演奏曲として、みこりんはかなり悩んだ結果、『帝国のテーマ』を選んだ。その名を聞いたとき、私は某SF映画の方を連想してしまったのだが(実際、なんとなく似てなくもない…)、この曲は『Selections from Final Fantasy XII [Original Soundtrack]』の中に収められている曲である。
 そう、FINAL FANTASY XII で使用されている楽曲だ。前回の発表会では、同じく FINAL FANTASY XII から、『交響詩「希望」第三楽章 ロード・オブ・ホープ』を演奏したが、やや不本意な結果に終わってしまったので、今回は気合を込めての選曲なのではないかと思われる。

 すでに楽譜も購入済み。あとは寝る前に聴く音楽としてCD-Rに焼くだけだったが、1曲のためにCD-R丸々1枚使うのは、なんだかもったいないような気もしたので、みこりんの希望を聞きつつ、同アルバムから他の楽曲も数曲チョイスして焼き焼き。それでも20分余りにしかならず、あっという間に焼き上がり。
 みこりんは焼くのにもっと時間がかかると思っていたらしく、かなりびっくりしていたようだが、さっそく一人寝の友として焼きあがったばかりのCD-Rを手に、自室へと消えていったのであった。

 願わくば、今度こそ、ミスなく弾けますように。


2007.6.24(Sun)

エレクトーン発表会“ソロ部門”

 子供は日々大きくなってゆくが、エレクトーンのサイズは可変ではない。ゆえに、小さい子供がエレクトーンを演奏する場合は、足鍵盤に高下駄を履かせて対処する。この高下駄のことを“補助ペダル”と称するのだが、みこりんはぎりぎり補助ペダルがなくても演奏できるまでに大きくなっていた。しかし、これまでずっと補助ペダルを使って練習してきたため、突然それをなくしたらどうなるか。想像するだにどきどきである。

 それはみこりん登場の数人前で起きた。男の子の力強い補助ペダルの操作に、補助ペダルが耐え切れず、設置位置がずれて音がでないというアクシデント。3度ほどやり直していたものの、状況が改善されないため、急遽、補助ペダルは楽屋奥に戻されてしまった。…ど、どうなってしまうのだろう。

 演奏順が変更され、補助ペダルなしで演奏する予定だった子供が先に登場した。その次も、その次の子も。
 もしやこのまま補助ペダルなしでいってしまうのでは…、と思い始めた頃、ようやく補助ペダルが復帰となった。が、先ほどの男の子は登場せず、その次に弾く予定だった子が繰り上がって演奏開始。女の子だから、かもしれないが、補助ペダルの操作はとても柔らか。補助ペダルは微動だにせず、問題なし。

 やがて、みこりんの名前が呼ばれた。これまでのところ、補助ペダルは無事である。途中で壊れませんように…。
 今回演奏するのは葉加瀬太郎作曲の『交響詩「希望」第三楽章 ロード・オブ・ホープ』、一般的には『FINAL FANTASY XII』のメインテーマとして知られる。先週まで、みこりんの家での練習を聴く限り、正直、大丈夫かな…、と不安があった。しかし、今週はわりと調子よく弾けていたのでなんとかなるかな、とやや不安は払拭されつつあったのだけれど、本番では練習時に間違えないような箇所で3回ほどミスってしまっていた。……、これは残念。いい曲なので、みんなに聴き入ってもらいたかったが…
 でもまぁ演奏順が急に変わったりとハプニングがあったので、心が乱れたとしても無理からぬところはある。ただ、みこりん自身もやはり納得しかねるミスだったみたいで、“どよーん”とした感じだった。その雪辱を次の発表会で晴らしてくれることを切に願う。

 最後に、補助ペダルと調子の合わなかった男の子が再登場となった。驚くべきことに、補助ペダルは外されていた。先生の判断で、この補助ペダルでは無理ということになったのだろう。しかしいきなり補助ペダルなしで本番に臨んで大丈夫なんだろうか。20cmほど足鍵盤の位置が下がるので、感覚がぜんぜん変わってしまうというのに。

 そんな心配をよそに、男の子は見事に演奏しきってしまった。あとでみこりんから聞いた話によれば、男の子は他の子が演奏している間中、補助ペダルなしのエレクトーンで演奏すべく、突貫で練習していたそうだ。道理でラストの登場になったわけである。
 わずか20分そこそこの間に、感覚をつかんだということなのか。たいしたものだ。

 こうして今年の6月の発表会は、終了した。今日は雨、明日の空模様もあやしいらしい。


2007.6.23(Sat)

エレクトーン発表会“アンサンブル部門”

 朝、目覚まし代わりにセットしておいたケータイのタイマーが鳴り響き、起床。土曜なのになぜ目覚ましが必要かといえば、今日はみこりんのエレクトーン発表会の日だからである。
 年間通していろいろな発表会があるのだけれど、毎年この時期にあるやつは、金賞(昨年は優秀賞と呼んでいた)をとったら地区大会に進めてしまうので、みんなそれなりに気合が入っており、わりとレベルも高い。ちなみに昨年は7月2日の日曜日、朝の9時からおよそ10時間ぶっ通しで開催され、かなり体力を消耗したものだが、今年はアンサンブル部門とソロ部門を、それぞれ土曜日と日曜日に割り振ってあるので、少しはラクになるはず。でも、みこりんは両方にエントリーしているので、緊張が2日に増えるという意味では、やや不利かもしれない。

 会場は昨年と同じく、山深い場所に建てられている多目的ホール。空いている道で信号もほとんどないという好条件であっても、クルマできっちり30分かかる距離にある。
 天気は真夏のような青空と、高原の涼しい風がミックスされて、異様に気持ちが良い。昨夜までの雨が、幻であったかのよう。しかも今回は併設されている体育館での催し物がないこともあって、混雑はなし。狭いと思っていた駐車場も、余裕で停めることができた。

 午前中、リハーサルが行われる。みこりん達のグループ(6名)が演奏するのは、春の発表会で披露したヨハン・シュトラウス2世作曲の喜歌劇『こうもり』序曲。この曲のためにお母さん達が夜なべして縫ってくれた“バットマンスーツ(マントのみ)”に身を固め、颯爽と会場内に消えてゆく。
 ステージの様子はロビーのモニタTVに出力されており、ここからでも様子はわかる。でもやっぱり生の臨場感の方がいいので、保護者一同ぞろぞろと会場内へ移動。
 リハーサルが何の目的で行われるかというと、演奏曲用にエレクトーンに記憶させているデータの楽器音やレベル等を、実際のホールで聴いた時に違和感がないように微調整するためだ。先生達の指示で何度か気になる部分を演奏し、データをその場で変更して外部メモリを最新状態に置き換える。電子楽器であるエレクトーンならではの光景かもしれない。

 *

 12時半開場。学年の小さい順に演奏するため、今年小学4年と5年からなるみこりん達は、昨年よりちょっとだけ遅い登場となった。それでも全エントリー数からすると、まだ1/3が終わったところだ。プログラムの記載によれば、高学年や中学生が多いことがわかる。他の発表会だとこの構成比率は逆転する。

 『こうもり』は春の発表会で演奏している曲のため、私も比較的安心して聴いていた。出だしは順調。すぅっとメロディが両耳から伝わって、頭の中心付近で透明感を保ったまま融合する。
 違和感がない。昨年はこの状態を維持したまま演奏を終え、結果、見事優秀賞に輝いたみこりん達だが、果たして今回はどうだろう。…なんてことを考えたからかどうかはわからないが、途中で一度つまづいてしまった。小さなミスでも、他のグループの演奏もかなりハイレベルなため、どうしても目立ってしまう。んー…、惜しい。

 みこりん達の演奏が終わると、あとはひたすら観客モードで演奏に聴き入ることとなる。みこりんもほっとしているかな、と思いつつ。
 そうやって聴いていると、「こ、これは…、すごい」と思う演奏がやはりあって、曲の雰囲気などは全然違うのに聴き心地感はわりと共通しているのだった。アンサンブルらしく重なり合う音と音がぐるぐると脳内を巡り、軽く神経が痺れたような具合になる。終わったあとも、しばらくはその心地よい余韻が残る…。「んー。まんだむ」と思わず顎に手をやってしまいそうになる至福のひととき。
 その演奏グループが結果的に今年の金賞(去年でいうところの優秀賞)に選ばれたりしたので、“すごい演奏”というものにはメタな定義が可能なのではと思ったりもし。言語で表現するのはちょっと難しそうだが。しかし金賞が3組とは、太っ腹な。地区大会のエントリー数がどんなことになるのか、ちょっと興味あり。

 明日はソロ。みこりん家ではあまり練習してなかったので、私もどきどき。


2007.6.11(Mon)

似ている曲

 エレクトーン発表会を2週間後に控え、みこりんが当日(土日の2日間ある)のプログラムをもらってきていた。その中に演奏曲も書かれてあるわけなのだが、映画公開で今が旬な『パイレーツ・オブ・カリビアン』系な曲が、かなりあることをみこりんが1つ1つ指差して教えてくれた。じつはみこりんも、この曲がとても気になっているらしい。そう、あの“彼こそが海賊”だ。

 じつを言えば、私もこの曲にはちょっと惹かれるところがあった。なんというか、主旋律の雰囲気とか曲調が、私的一押し映画の『ザ・ロック』で迫力シーンを盛り上げてくれたサウンドの数々に非常に似通っているのだ。まさにちょっとだけ編曲してみました、みたいな具合に。
 とても他人が作ったとは思えない……

 気になって仕方がないので、サーチエンジンで調べてみた。

『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』の音楽担当
クラウス・バデルト(Klaus Badelt)
『ザ・ロック』の音楽担当
ハンス・ジマー(Hans Zimmer)

 一見、違う人のように見えるが、さらにクラウス・バデルトとハンス・ジマーで検索をかけると、ハンス・ジマーが率いる映画音楽製作を専門とするメディア・ベンチャーズ(現在はリモート・コントロール)にクラウス・バデルトも所属していることがわかった。いわゆる師弟関係ってやつ?『パイレーツ』の方の音楽も、じつはジマーがいろいろ楽曲を提供しているとか。ある意味、似ていて当然というか、そういう系統の音楽を作ってる人たちってことか。
 なるほど。納得。


2007.6.7(Thr)

『Project SEVEN』

『Project SEVEN』(著:七瀬 晶) 18時36分、みこりんを音楽教室まで送り届け、そのまま駐車場にクルマを停めた。木曜日は個人レッスンの日、月曜日はグループレッスンの日。それぞれ場所が違うのだが、こちらの建物は比較的新しく、ガラス張りで中が透け透けなエントランスは明るい色調の木をふんだんに使って、なかなかおしゃれ空間になっている。私のようなおっさんには激しく似合わない雰囲気。なので駐車場のクルマで待つ。ここは駐車場も広いので、のびのびとできるのが有難い。おまけに太陽はまだ沈んでおらず、いい具合に外も明るいので読書には最適だ。
 シートを奥まで引いて、思いっきり後ろに倒して寝転がり、本を取り出し物語世界に没入する。

 読んでいるのは、図書館で借りてきたProject SEVEN』(著:七瀬 晶)だ。“サイバーパンク”という80年代後半に流行ったフレーズがあえて使われているあたり、わかった人が書いたならたぶん当たり、そうでなかった場合は…。

 幸い、これは当たりのような気がする。
 むしろソフトウェア開発現場の生々しい一端が垣間見えて、とてもリアルに感じられてしまう。まさに他人事でない臨場感というやつで、未来世界においてもプログラマは3Kのままなんだねぇ…、とちょっと哀しくもあり。でもまぁそういうオトナの事情のどろどろした雰囲気は、女子高生ハッカー“奈々”の若さ溢れるエネルギーで相殺されているので問題なし。

 読みふけっているうちに、だんだん視界が狭くなってきたような気がして顔を上げると、日没間近であった。これ以上眼を駆使すると、明日に響きそうなので読書終了。
 まぶたを閉じて、みこりんが戻ってくるのを待った。予定ではあと数分のうちにレッスンは終わるはず。

 じっと待っていると、そぉっとドアが開く感じがしたので目を開けると、みこりんがいた。「おかえりー」と声をかけたものの、なにやら様子がおかしい。反応がないのだ。
 送り出した時には、ご機嫌だったみこりんが、戻ってきたときには“どよーん”としている。…何かあったんだろうか。うまく演奏できなかった、とか?
 聞いてみたい気もしたが、みこりんはそのままシートに座り、膝を抱えて眠りこけてしまったので、そっとしておくことにした。

 まぁ、いろいろある年頃だ。あとでこっそりみこりんから話してくれるのを待ってみても遅くはあるまい。


2007.5.25(Fri)

グレード試験

 エレクトーンのグレード試験をみこりんが受けたのは、先月の29日のこと。みこりん的にも、私的にも、結果はとても気になっていた。ここで取り逃すと来月に再試験があるらしいという情報はあるものの、来月は発表会とかぶっているため、練習もままならないことになってしまう。願わくば、一発合格を期待したいところ。

 その結果通知は、昨日の音楽教室にて手渡されていたらしい。しかし、みこりんは封を切って中を覗くのが、ちょっと怖かった。
 だから一晩寝て、心の準備を整えた。

 朝食を終えたみこりんは、おごそかに結果通知の入った封筒を開け、通知書を見る。緊張の一瞬だ。

 受かったのか。落ちたのか。みこりんの表情は、微妙にどっちともとれるような感じだったが、やがて、やや控えめに笑顔を見せると、「受かった」と言った。

 おめでとう、みこりん。
 祝、7級合格。
 評価の方を見てみると、初見演奏の評価がいまひとつだったのに対して、残りの自由曲演奏、即興演奏、聴奏は、おおむね良好。みこりんは評価Aの項目が少ないことを気にしていたが、私には十分に思える。むしろ自由曲は当日までかなり冷や冷やものだったことを考えると、評価Aが自由曲の項目に並んでいることのほうが不思議。やはり本番には妙に強いみこりんであった。

 *

 グレード試験のサイトでは、当日試験を受けたお友達の状況も確認することが出来る。みこりんは、保育園な頃から一緒のクラスでやってきた二人のお友達の事が気になっていた。
 サイトにて登録ナンバーを入力し、試験会場を選ぶと、ずらずらっと合格者の名前一覧が表示される。果たしてお友達は受かっているのだろうか。

 ほどなく一人、発見。ほっと安心のみこりん。
 でも、もう一人の名前がどうしても見つからない。
 もしかすると、来月に実施されるという試験に賭けているのかもしれない。そう言ってみたものの、みこりんの表情は、晴れることはなかった。


2007.3.17(Sat)

スプリング・コンサート

 玄関先に植えてあるコブシの木に、ぽっと白い花が、1つ2つ3つ。いよいよ開花が始まった。花桃の蕾も、じわっと緩みつつあり、来週には木全体が、ぶわっと桃色に染まることだろう。まさに春爛漫直前といった感じの植物達に触れ、季節の移ろいを実感する。
 これで花粉症さえなければ最高の季節なのに。
 顔の半分以上をマスクで覆い、足早にガレージへと移動し、みこりんが助手席に収まるのを待って、発進。今日は音楽教室の発表会がある。今日明日それぞれ午前午後の、都合4部構成になっているのだが、みこりんの出番は初日、午前の部だった。

 会場となるいつもの文化会館まで、クルマで約12分。集合時間まで8分の余裕をもって到着したが、みこりんはそれでもどこか不安があるようなので、クルマを駐車場に入れるよりも先に降ろしてやった。ててててっと駆けてくみこりん。
 駐車場は入り口に近い部分はすべて埋まっていたので、ちょっと離れた場所に停め。歩いていくと、子供達が外の広場でわらわらと集まっているのが見えた。どうやら出演グループごとに集合しているらしい。みこりん達のグループは…、と探してみたが、発見できず。
 しばらく状況を観察していると、ロビーの方で集合写真が撮られているもよう(建物の入り口付近は全面ガラス張りなので、中が丸見え)。担当講師ごとに分かれての記念撮影のようだ。すでにみこりんはあそこにいるのかもしれない。

 広場をぐるっと回りこんで、ロビーを見通せるガラス壁まで来てみると、いたいた、みこりんがひな壇の真中辺りにいるのが見えた。ひな壇は3組ほど形成されていたが、みこりん達のグループはなかなか撮影が始まらない。どうやら全員がまだ揃っていないようだ。その隙に、私はケータイ(カシオ W41CA)をカメラモードに変形させて、ガラス越しに、みこりん達を撮影。ちょっと距離があったのだが、1600×1200モードで撮っているため、拡大にも十分耐える。オートフォーカスの性能も、私がこれまで使っていたデジカメ専用機(カシオ QV-7000SX)より上なので、そのあたりも問題ない。QV-7000SXは、近距離の撮影に不都合はなかったが、ちょっと距離が離れるとピントが甘すぎて使い物にならなかった…(集合写真などは超苦手な部類に入る)。それを考えると、今のデジカメ(というかケータイ)は十分使えるのだが、…でも、やはり撮影時に目で見て細部まで確認できるデジタル一眼レフ+各種レンズ群の魅力は捨て難い。フィルムを使うタイプの一眼レフは今も臨戦体制で引き出しの中に仕舞ってあるが、PCに取り込む手間を考えると………。
 そんなことをとりとめもなく考えつつ、開場を待った。みこりんのグループは、結局、定刻より15分遅れでようやく人数が揃ったらしく、無事撮影も終了したようだ。

 開場。春の発表会は人数が多いので、大ホールが使われる。しかも今回は個人によるビデオ撮影は脚立の使用が禁止されているため(前回の発表会の時に、脚立で足をひっかけ子供が怪我をしたのがその理由)、撮影場所を必死こいて確保する必要もない。わりとリラックスムードで席をとれた。ビデオ撮影の方は、プロが全体のを通して撮影し、あとでDVDに焼いてくれることになっている。丁度今、うちのビデオカメラの録画機能が瀕死状態なので、このサービスはありがたい(DVD代3000円かかるけど)。
 座席のシート番号を、こちらに向かっているはずのLicにメールしておく。

 *

 オープニングが始まる前に、Lic到着。ほどなくホールの照明が落とされ、ブザーが鳴り響き、暗がりの舞台上ではオープニング曲を踊る子供達が整列しているようす。
 開会のアナウンスと共に、光が溢れ、舞台の上では小さな子供達が音楽に合わせてダンス。幼児科2年の子供達。みこりんがあの場所で踊ったのは、もう4年くらい昔のことになるのか。そんなことを思いつつ…。

 春の発表会ではすべてがアンサンブルなので、ソロの発表会よりは見ている方も気が楽だ。自分の子でなくても、間違ってつまったりしてるのを見ると、どきどきしてしまうし。アンサンブルなら、少しのミスがあってもチームで補うので、あまり目立たない。
 みこりん達のグループは6番目の演奏だった。
 専門コースとして演奏するのも、今回で最後。春からは、別のコースが始まる。どの道をゆくかは、みこりん次第。

 演奏曲は、去年の秋に決まったシュトラウス作曲の『こうもり』だ。家ではあまり練習してるのを聞かなかったのだけれど、演奏が始まってみると、普通にすらすらと弾いているようだ。しかもこれまでみこりんが演奏するときには直立不動なことが多かったというのに、今回は曲の流れに合わせて体が揺れている。これは大変な進歩かもしれない。
 ビデオカメラは持ってきていないが、一応デジカメで撮っておくかなと、ケータイからデジカメへと変形させ、構えてみる。しかし、照明が明るすぎた。絞り込みはどこでやるんだったかな?なんて迷ってるうちに、いつのまにか演奏終了。し、しまったぁ!DVDが届いたら記憶の補完しておかねば。

 *

 午前の部は、最終組のミュージカルコースの子供達による劇で〆。午後からは午後の部の子供達&その保護者達が入るので、我々は早々に退去する。
 午後、みこりんが観たがっていた映画『ドラえもん のび太の新魔界大冒険』には、Licが付き添い、私は家に戻った。

 花粉のせいかどうか、終日、頭痛が治まらず。庭弄りもままならない今日この頃。


2007.3.13(Tue)

爆発する…

 先日の日曜日、今週末に予定されているエレクトーン発表会のために髪を切ってきたみこりん。でも、もともと髪の毛の量が多いので、お風呂上りのドライヤーにも、コツがいるらしい。Licが美容師さんに教えてきてもらったというので、私も昨日の夜、Licに実演して見せてもらっていたのだが…。

 いざみこりんを鏡の前に立たせて、ばさばさと手で髪を揺らしながら地肌の乾燥からとやってみたものの、これがなかなか難しい。もともと私はドライヤーの方を振ってしまうタイプなので、髪の毛の方を動かすという動作にまず慣れてない。で、妙な具合に髪が乾いてきたところで、これが一番大切と教わった後ろから前へなでつけるように髪を整える…。
 整えているはずなのに、どうしたことか髪の毛はどんどんタンポポの綿毛みたいにぼよよんと膨らんでいくではないか。鏡で自分の姿を見ているみこりんも、「ばくはつしとるで、おとーさん」と不安げだ。

 いろいろと修復を試みたのだが、うまくいかず。…失敗におわってしまった。
 爆発状態のみこりんの髪の毛は、その後、Licの手により、魔法のように収まっていったのであった。んー、なかなか女の子の髪というやつは難しい。


2007.3.1(Thr)

春三月

 2月はあっというまに去り、とうとう年度末。今年の冬は、そこそこ寒い日もあったが、みこりんが楽しみにしていたほどの積もる雪は滅多に降らず(1回くらい)、スタッドレスタイヤも宝の持ち腐れ状態だった。とはいえ、過去、3月に季節外れの大雪に見舞われたことはあるので、油断大敵。でも、このまま春になってしまう予感がひしひしとする。

 春の陽気に誘われて、裏の空き地で発情した野良猫が無気味な声で鳴きながら、夜、徘徊するようになった。これがみこりんには怖い。そのせいかどうか、眠る時には枕元の時計付きCDプレーヤー&ラジオ(昔ならラジカセと表現する装置だが、今時のやつにはカセットプレーヤーが付いてないので、なんと呼んでいいものやら悩んでしまう)で、6月のエレクトーン発表会で弾くことになっている曲『交響詩「希望」第三楽章 Road of Hope』(作曲:葉加瀬太郎)をリピート&スリープモードにしてかけている。
 この曲は、たいそう気に入っているようで、何度聞いても飽きないらしい。たしかにみこりん好みな雄大な曲である。ちなみにこの曲は、ファイナルファンタジーXII メイン・テーマの一節。プロモーションムービーで聞くと、さらによし。

 そして夜、なにげなくAmazonで“火浦功”を検索してみたところ、『未来放浪ガルディーン外伝1 大出世。』に“ショッピングカートに入れる”マークが付いているのに気づく。詳細ページに飛んでみると、なんと在庫あり。しかも残り「1」。ひょっとして他のやつもいけるのではと、『ガルディーン』シリーズを超高速に調べてみた。
 『未来放浪ガルディーン1 大熱血。』、『未来放浪ガルディーン2 大暴力。』ともに買える状態になっている。これまでずっと在庫なし状態だったのに、いったいどうしたというのだろう。いやいや、そんなことを考えている間に“在庫なし”になってしまうやもしれず、やや焦りつつ、それぞれショッピングカートに入れる。そして、買う。なんか、妙に緊張した。

 『ガルディーン』シリーズは大学時代に1巻、2巻を買っていたものの、卒業と共に、いろいろ処分した本の中にそいつもまじってしまっていたらしく、行方不明になった。その後、何年かして角川スニーカー文庫で復活したのを本屋で見かけたものの、ここで油断してしまって今日までゲットすること叶わず。…、じつに長かった。20年ぶり、か。
 しかし、『ガルディーン』シリーズにはまだ、3巻と外伝2巻が存在する。いまのうちに古本で買っておかないと、数年後には入手不可能になってそうな…。


2006.12.19(Tue)

音の記憶

 先日、中古でようやくゲットしたアルバム『ソラノコエ』から、“明日へのbrilliant road”を再生していたら、みこりんがふと「これ、聞いたことある」と呟いた。でも、どこで聞いたのかはすぐに思い出せないらしく、うんうんと悩み中。

 この曲は『宇宙のステルヴィア』のオープニングであり、これが放送されていたのはみこりんが寝静まった週末の夜のことなので、みこりんとの接点はないような気もしたのだが…。
 突如、みこりんがぱっと顔を上げて、こう言った。
 「これ、おとーさんのケータイで朝、かかってたような気がする」

 ………、おぉ!そういえば思い出した。しばらく朝の目覚ましとして、メロディのみの“明日へのbrilliant road”を使ってたことがあった。たぶん2〜3ヶ月前、いや、それ以上前だったかもしれない。

 「よく覚えてたね」と言うと、みこりんは、自分は耳で聞いたメロディはわりと記憶しやすいのだと答えた。その代わり、楽譜を読むのはちょっと苦手らしい。
 いずれも音楽教室の進級試験でチェックされるスキルである。
 以前、音楽教室の先生に、みこりんは耳が良い、と褒められたことがあるとLicが言っていたように思うのだが、たしかにそういう傾向はあるようだ。クルマに乗ってるときのBGMとして流してる甲斐バンドREBECCAの、わりとテンポの速い曲を、みこりんがいつのまにか鼻歌で歌ってることもあるし。いや実際、みこりんがREBECCAの“フレンズ”など口ずさんでるのを初めて聞いた時には、そりゃドキっとしたものだ。

 この調子でどんどんいろんな曲を聞かせてみたくなる今日この頃。


2006.12.17(Sun)

子供会主催クリスマス会

 朝方、夢の中に没入していたところを、みこりんによって現実へと呼び戻された。
 窓の向こうがまばゆく輝いて、とても眩しい。でも、家の中に漂う冷気は、半端ではなかった。指先の感覚が…、消えそうなくらい寒い。
 そんな中、みこりんは一人早起きして何をしていたかといえば、今日の子供会主催によるクリスマス会の、昼食に使う米を計っていたのだった(例年、自分の食べる米は持参ということになっている)。冷蔵庫に貼ってある案内状によれば、“米1kg”と手書きで追加されている。これを忘れたら一大事だ。

 みこりんは、自力で料理用の薄型はかりを探し当てており、その上にビニール袋を乗せ、米びつからカップで1杯ほど米を移し終えていた。そして、みこりんが困ったような表情で言う。「おとーさん、1kgってどのくらいなの?」
 この料理用はかりは、最大1kgまでのものが計れるタイプだった。そこで、みこりんにも直感的にわかりやすいように、手でぐるっと円を描き「針が一周したら1kgだよ」と教えてやる。「…ふーん。じゃ、まだまだやねぇ」みこりんはさらに追加の米を袋に移し変えようと…。

 ここで、何かがおかしいと気がついた。1kg?まじで?1kgっていったら、めちゃ多くない?カップ1杯で100gほどだから、10杯分…。お昼のカレー用に一人1kgも米は必要ないような…。
 みこりんもちょっと怪訝そうな表情である。たぶん、みこりんも1kgは多いと思っているのだろう。
 そこでLicに確認してみたところ…、米1kgとLicに伝えたのは私だというのである。今明かされる衝撃の真実!
 しばし記憶をまさぐってみる…。

 そうだ、子供会の連絡網の電話を受けたのは、確かに私。そして私の耳には、「米1kg」の記憶がくっきりと刻み込まれ、それをそのままLicに伝えた。

 な、なんてこった orz...

 1kgじゃなくて1合の聞き間違いだ、きっと。
 真相が明らかになり、心配そうなみこりんの表情も、ぱっと元に戻ったような感じ。
 1合分の米をしっかりビニール袋に詰めて、準備完了。あとはクリスマス会に行くばかり、なのだが、その前にやることがあった。今日はクリスマス会であると同時に、みこりんの音楽教室の発表会が行われる日でもあるのだ。発表会そのものは午後遅くからだが、そのためのリハーサルがちょうどクリスマス会のはじまりの時間とかぶっているのだった。

 リハーサルはエレクトーン発表会には不可欠なものなので、まずこっちから片付けることにする。クルマで15分ほどの、いつもの会場に到着。分単位でリハーサルやってるので、遅れたら大変大変。リハーサルといっても、演奏者向けのものではなく、もっぱら音響効果(エレクトーンは事前に音色データをメモリに記憶しておき、演奏時に使用するため)の調節がメインのもの。
 みこりんの音色データに修正が施されることになった。それを待つ間、約40分ほど。
 書き換えの終わったメモリを受け取り、団地へと引き返し、そのままクリスマス会場の公民館までみこりんを乗せてゆく。時刻は午前11時というあたりだったので、まだビンゴ等の余興には間に合うだろうと思っていたのだが…、すでに昼食の配膳が終わったところだったらしい。なんだか展開がものすごく速いような。少々びっくりしつつ、みこりんを会場に残し、私は家へと帰還した。

 *

 12時を告げるチャイムが団地内に鳴り響いたあと、しばらくして“がちゃり”と玄関のドアが開いた。
 驚いたことに、そこにはみこりんの姿があった。クリスマス会が終わったので、帰ってきたのだという。例年、午後の2時くらいまでやってるので、かなり意表を突かれた。だいたい11時にもう昼食開始っていう時点で、すでにちょっと妙な感じではあったのだが…。まぁそれはそれとして、みこりんの様子がなんだかおかしいことに、私とLicは気付いていた。なんというか、こう、いかにも何かあったんじゃないかなと思わせる風なんだけど、みこりんは極力普通にしてようと努めてる感じの違和感があった。

 クリスマス会で何かあったのだろうか。Licがさらっとみこりん本人に質問してみたりしたものの、黙して語らず。んー、やはり何かあったんだろうなぁ。でもまぁこういう時には無理に聞き出そうとしてもうまくいかないだろうから、しばらくそっとしておくことにする。
 午後の発表会までの数時間、にゃんちくんと戯れたりなんかしつつ、静かな土曜日を堪能し。

 クリスマス会で何があったのか、何故、みこりんは妙だったのか。それは、発表会後に判明したのだった。


2006.12.17(Sun)

発表会

 15時55分、発表会開演。
 ソロ部門、総勢26人によるエレクトーンとピアノの演奏が始まった。例によって年齢の小さい順なので、今年9歳になったみこりんは、もはや後ろから数えた方が早くなっていた。たしか去年は中学生や高校生もいたような気がするのだが、今年は最年長の子でも11歳ということもあり、余計みこりんがお姉さんっぽく見える。

 みこりんがこの音楽教室に通い始めた保育園年少組さんの頃から、グループレッスンではずっと一緒だった他の二人の女の子も参加していたのだが、改めて「大きくなったなぁ」と思う。みこりんの場合は日々観察しているので、目に見えて大きな変化を感じることはあまりないが、この二人については普段見慣れていない分、この時期の子供の成長力に驚かされる。

 さて、順調に演奏は進み、ようやくみこりん達の順番が回ってきた。三脚にセットして待機していたビデオカメラを撮影モードの位置まで移動させ、録画開始。
 今回は最前列のお母さん達が、ごっつい三脚を使っていたこともあり、やや視界クリアとは言い難い条件ではあったのだが(三脚使ってる時には液晶ビューは閉じておいて欲しかった…)、比較的舞台に近い席を確保できていたので、そこそこ問題なく撮影できた。
 で、肝心の演奏は、というと…。みこりん作曲によるチョコボをテーマにした曲は、広大な砂漠を優雅に駆け抜けていくようなイメージに仕上がっていて、わりといい感じに思えた。普段、家では滅多に練習しないため、私があまり聞き慣れていなかったのもあり、よけい新鮮に感じたのかもしれないけれど。
 昨年のサンドアートにインスパイアされて完成した曲もそうだけれど、どことなくみこりんオリジナルのゆったりとした幻想的な雰囲気は共通しているような感じ。右手の主旋律はほぼみこりんの手によるもので、左手とベースは先生によって調整されているらしいのだが、たぶんこれは先生の好みというよりは、みこりんがこういう感じの曲を得意とするのだろう。同じ先生に指導を受けている他の子達も、何年か続けて聞いていると、みこりんと同じくそれぞれに独自の世界観があるみたいで、聞いていて「あぁたしかにこの子は、こんな感じの曲を創ってたな」と思い出すのだった。

 ところで、演奏がすべて終わり、最後に出演者全員が表彰されている場面を撮影している時、私は一抹の不安に突如襲われることとなる。
 ファインダーの片隅に表示されている撮影時間が、妙に短いような気がするのだ。みこりんも含めてお友達6人分を撮ったのだから、少なくとも30分くらいはあるはずなのに、今表示されているのは、わずか7分ちょっと。…ありえない。嫌な予感。

 ホールの照明が通常モードに切り替わり、皆がぞろぞろと退出を始めた時、私は席に座ったままビデオテープを巻き戻し、おもむろに再生を始めていた。
 液晶ビューに表示されている映像は、どう見てもこのテープに以前録画されていた古い映像だった。そして時折、ストライプ模様のように、今日の新しい映像が割ってはいる。………、し、失敗や orz...
 このビデオカメラを買ってから、およそ9年。これまで大きな故障もなく黙々とその仕事をこなしてくれたハンディカムにも、ついに寿命がやってきてしまったらしい。
 今日の演奏を録画できなかったショックとも相まって、私の気力メーターはほぼゼロに落ち込んでいた。HDビデオカメラが登場しつつある今日この頃、旧式のDV方式を今更どうにかしなければならないというのも、ちょっと…。しかし撮りためたテープをすべてPCに取り込んでいない状況では、これを修理するより他に方法がない。あるいはDVを再生できるマシンをどこかで安価に買ってくるか…。

 ま、保存できなかったものはしょうがない。私のリアル記憶媒体には不完全ながらも記録できているので、まったく思い出が消滅したわけでもなく。
 と思い直し、ホールを出る。演奏会を聞きに来てくれていた義妹夫婦から、冬場をしのぐ貴重な食糧のおすそ分けをいただき、感謝しつつ、それぞれに帰路につく。

 帰り道、スーパーで寄り道。軽く夕食をすますと、みこりんはファンシー文房具コーナーでの買い物に夢中になっていた。そう、みこりんが昼間、クリスマス会のあと、妙な感じになっていたのは、プレゼント交換で回ってきた品が、自分の用意してきた厳選ファンシー文房具3点セットよりも、みこりん的にポイントがかなり低いものだったかららしい。みこりんは前日プレゼントを選んでいるうちに、ついつい自分も欲しくなってしまっていたようなのだ。
 というわけで、大いに買い物を堪能させてみる。その間、私は店内を一周り、二周り、三周り、ついでに本屋で立ち読みなどしつつ、そろそろいいかなーとみこりんの元へ戻ってみると、まだまだ熱心に選んでいる真っ最中だった。
 Licは言う。「女の子の買い物は長いものなの」
 そ、そうだね。じゃ、もう1周〜

 *

 夜、みこりんはご機嫌だった。悩みぬいて選んだファンシー文房具がうれしくて仕方がないらしい。鉛筆、メモ帳、消しゴムにキャップ。昨日のよりも、ちょっとグレードアップしている。
 なかなか微妙なお年頃である。


2006.11.18(Sat)

演奏会

 5年前の獅子座流星群は、見事であった。あの時は、四捨五入して30歳という微妙な若さと、真夜中の3時頃ということもあり、時間まで起きていられたが、今年の見ごろは夜明け前、4時か5時頃というわけで、いったん寝てから起きてみる、という方法を試してみた。その結果……

 私が目覚めたときには、すでに日は昇り、夜はきれいさっぱり去っていたのだった。やはり、起きられなかったか…。
 ところが、ここで驚くべき事実が判明する。なんとLicは恐るべき執念で明け方に目覚め、みこりんと共に、流星群を堪能したらしい。私は死んだように眠っており、起こすのは断念したもよう。
 みこりんによれば、そこそこ流星は見えたそうな。「ところで流星って何?」と、みこりんが問うので、簡単に説明を試みると、映画『アルマゲドン』や『ディープ・インパクト』で表現されてたような映像(地表に落下してくるすごいやつ)を思い浮かべたらしく、「あんなのが落ちてきてたの!?」と、びびっていたのが面白かった。いやいや、あんなでかいのじゃなくて、もっとちっこくて、しかも途中で燃え尽きるから大丈夫と言うと、ようやくみこりんも安心したようだ。

 *

 さて、今日は午前10時から小学校の体育館で、ちょっとした演奏会が行われる。演奏するのは、地元の高校の吹奏楽部。みこりんはこの案内があった当初から興味津々で、速攻で申し込んでいたのだが、直前まで申込者数はかなり少なかったとみえて、PTAの連絡網で参加案内が回ってきたほどだった。

 定刻より10分前に、学校到着。駐車場に指定されていた運動場には、それでもすでに50台くらいは停まっていた。1学年に2クラス程度しかない小学校なので、思ってたよりは参加者が増えたらしい。みこりん情報によれば、申し込んだのは自分のクラスでは2家族しかいなかったと言っていたので、もっと閑散としたのを想像していたのだが、心配するほどのことではなかったようだ。

 体育館に入ると、すでに吹奏楽部の面々はすたんばっており、それぞれ楽器の微調整に余念がない。舞台だけでは足らずに、体育館の前1/3ほどまで、演奏者席が設けられていた。残りが聴衆席になるわけだが、椅子が用意されていたのは大人用のみで、子供達は、大人席と演奏者席との中間に敷かれたマットの上で聴くようになっていた。
 低学年の子もいるので、大人と同じく椅子に座ってしまうと、前が見えない可能性が高く、こうして大人と子供を分けたほうが、子供にとっては間近に演奏者を見ることができてよい、ということなのだろう。みこりんがどんな表情で演奏を聞くのか見てみたかった気もするが、まぁ仕方あるまい。

 紹介と挨拶のあと、演奏は始まった。さすがに高校レベルの吹奏楽部は使用する楽器の種類も豊富で、様々な音色が混ざり合い、折り重なり、いい感じだ。部員は総勢50〜60名といったところで、女子高かと思うほど、女子ばかりだった。男子はその存在が希薄で、かろうじて2人ほどの姿を見つけることができたのみ。すごい逆ハーレム状態だ。でもこれだけ圧倒的な人数差があると、かえって居辛かったりしそうな…

 それにしてもやはり生演奏は、ダイナミックでよい。全身に伝わってくる音波がなかなか心地よく、ついうっかり2〜3分意識を失ってしまうほどであった。音による全身マッサージといったところか。
 木管楽器、金管楽器、それに打楽器が少々。弦楽器は、でっかいコントラバスが1つ。私的には、木琴・鉄琴系を一人で担当してた女の子が、飛び抜けて上手く聞こえた。まろやかで小気味良い音を出している。人数の多いフルート、クラリネット系が、時々音を外して異音を発しているのとは対照的だった。

 プログラムによれば、終演時刻は午前11時半ということになっていたが、11時になるかならないかという頃、「それでは最後の演奏です」とアナウンスがあった。…妙に早いが。もしやこの展開…、あれか、あれをやるのか。
 そんな予感をひしひしと感じつつ、最終演奏終了。ぱちぱちと鳴り止まぬ拍手。そのうち、「もーいっかい!」という感じの手拍子に変わった。案の定だ。
 すかさず、「それでは最後にもう1曲…」とアナウンスが入り、演奏再開。
 でも、アンコールは一度きり。この演奏が終わると、子供たちの前に部員が横一列にずらっと並んだ。そして、子供たちは、それぞれ手に花を一輪持ち、お姉さん達の前にそれぞれ並んだ。

 合図と共に、いっせいに花束贈呈。拍手に包まれる体育館。ふむ、ただの演奏会かと思っていたが、細かい所に演出が施されているようだ。たしかにこれをやるのに、聴衆席ががらんがらんの空白だらけでは白けてしまう。かなり動員されたのだろう。
 そして解散。

 先に靴を履いて玄関口で待っていると、みこりんがやってくるのが見えた。運動場に停めたクルマまで歩く間、みこりんは「あのおっきいバイオリンみたいなのがすごかった」と、やや興奮気味に話してくれた。みこりんよりも大きな楽器なので、よけい印象に残っているのかもしれない。ドラムも女子がやってたし、ちょっとかっこよかったね。
 みこりんがこの先もエレクトーンを続けるのか、あるいは新たな楽器に挑戦するのか、それはまだわからないが、音楽は好きそうなので、まぁそのうち自分にあった道がみつかるといいかな、と思う。


2006.10.18(Wed)

蝙蝠

 早いもので、来春のみこりんのエレクトーン発表会用演奏曲がもう決まったらしい。たしかに季節はもうすっかり秋。カレンダーも残すところ11月と12月の2枚のみ。今月も、はや下旬に突入か。…月日の過ぎ行くスピードが、どんどん速くなっているのは、それだけ歳を重ねた結果ということだろうか。

 演奏曲は『こうもり』だと、みこりんは言った。「CDある?」と聞かれたのだが、はて、そんな曲の入ったCD持ってたかな?いまひとつ記憶にない。
 それ以前に『こうもり』って誰のどんな曲だったっけ?という謎があったことは秘密だ。
 そんな私を尻目に、LicがCDラックをがさごそと物色中。
 やがて、「あった!」とLicの声があがる。
 見に行ってみると、Licが手にしていたのはいわゆる廉価版クラシックのCDだった。ヨハン・シュトラウスとシュトラウス父の作品集だ。その1曲目に、『こうもり』が収録されていた。

 そのパッケージを見て、古い記憶が呼び覚まされる。それは私がまだ大学生の頃に買ったCDだった。かれこれ20年ほど昔のことになる。たしか大学の生協でCD販売キャンペーンがあり、市販価格よりもかなり安く買えるとあって、普段はおそらく買わないであろうクラシックのCDも、どどんと10枚ほど買ったのだった。
 それが今になって役に立とうとは…

 さっそくCDプレイヤーにセットして、再生してみる。
 あぁ、この曲が、そうなのか。聞いたことはある。しかしこれをエレクトーンでやるのは、難しそうな…。でも専門コースになって3年目のみこりん達なら、弾けるのかも。
 …ところで、たしか年末にも一度演奏会があったような気がするのだけれど、そちらの演奏曲はどうなったのだろう。一度みこりんに確認せねば。


2006.9.2(Sat)

ピアノでまどろみん

 みこりんのエレクトーン発表会の日。朝からということもあり、やや慌ただしく会場に到着。何か忘れモノをしそうな気はしていたのだが、当日のプログラムを置いてきてしまっていた。今回も、みこりんが撮っておいて欲しい曲に丸印を付けておいてくれていたのだが、さてどうしたものか。
 「会場でプログラムもらえるよ」と、みこりんは楽観していたが、あいにくそのようなサービスは行われておらず、受付に貼り出してあった大きなプログラムを見て記憶するしかなさそうな予感…

 ところがLicは自分のケータイを取り出すと、さくっとカメラ起動、プログラムを撮影した。
 そうだった。いつでもどこでもカメラがあるのを忘れていた。カメラのついていないケータイを長く持ちすぎたせいで、まだまだ感覚的にそのことについていけてないようだ。
 こうしてプログラムはゲットできた。でも、どの曲に丸印が入っていたのか?演奏者と保護者の席は離れている。みこりんに確認するにも、方法が…、なんて焦っていたら、さらさらとLicが紙に数字で番号の一覧を書いて渡してくれた。おぉぉ。

 ビデオカメラを3脚に固定し、ズームの調整。しかしコレ(SONYのハンディカム)も9年モノということもあり、周囲で同じようにセッティングされている最近のビデオカメラに比べると、ずいぶん不恰好な印象は否めない。外観だけでなく、性能の方も比較にならないし(特に解像度が低すぎる)。そろそろ買い替え時なのかもしれない。

 ところで今回は座席を4つ分確保するように言われていたのだが、あとの2つは誰が?Licによれば、義妹夫婦もみこりんの演奏を聴きにきてくれるらしい。この夏、近隣に引っ越してきたので、こうして気軽に会えるようになった次第。でも、姉妹だけあり、Licに似て朝は弱いっぽい(私も朝は超苦手)。到着は遅れているもようだ。
 そうこうしてるまに、一番目の演奏が始まっていた。はたして間に合うのだろうか。

 小さい子から順番に演奏してゆくので、みこりんの出番はだいたい真ん中あたり。Licがケータイで何かメールしてたみたいだが、間に合ったのだろうか。そんなことを思いつつ…。
 そしてついに、みこりんの順番が回ってきた。
 曲は『君をのせて』(『天空の城ラピュタ』より)。最初、曲データを読み出すのに手間取っていて、ちょっとどきどきしたりもしたが、演奏が始まると、うんうん、いつもの練習通りだなと、やや安心。
 そろそろ足鍵盤の補助具もいらなくなりそうだ。

 演奏は無難に終了した。ところで今回『君をのせて』は、もう1人エントリーしていて、こちらの方はみこりんよりも大きい子ということもあり、より難易度の増したアレンジになっていた。みこりんの曲データでは自動演奏になっている部分が、手動による演奏になってたりして、同じ曲でもずいぶん印象が変わって聞こえた。

 プログラムも後半に入ると、エレクトーンよりもピアノによる演奏が増え始め、いつのまにか私は、意識を失っていたようだ。でも演奏の終わりには、きちんと拍手は忘れなかったらしい。奇怪な。それにしてもピアノ曲になると眠くなるのは、昔からの癖のようなものかもしれない。みこりんは最近、エレクトーンよりもピアノの方がいいな、なんて言う事もあり、この癖なんとかしておかないとまずいかもしれん。

 発表会は午前中で終了した。席を立ち、出口に向かって歩いていると、後ろの方の席に見知った顔が。
 義妹夫婦だった。間に合って何より…、え?着いたのは、みこりんの演奏が終わったあと?…、じつに惜しい。でもまぁクルマで30分ほどで到着できたらしいので、思ったよりも近そうな感じ。次回の発表会にもぜひ。

 みこりんお気に入りのパスタ&ピザ屋にて、一緒にランチなど。
 お腹ぽんぽこりんになったみこりんと、胎内にみこりんの従妹(or 従弟)を宿した義妹が並んで、ちょっとお腹の出具合など比較する。みこりんの方がぽんぽこりんだった。一緒に写真撮ってあげると言ったのだが、みこりんは「いや、いい」と照れモード。こんな機会なかなかないのに、もったいない。

 別れ際、米と、干し椎茸(3年分、いや5年分くらいありそうな)をもらってしまった。ありがたやありがたや。これだけ大量に干し椎茸があると、お茶とかにも使えそうだ(実際、干し椎茸の粉末ってのは売り物になってるらしい)。いろいろ椎茸料理の研究になるかも。


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