2000.6.1(Thr)

やっと発芽

 今年は発芽率がとても悪くて、悔しい思いをしていたけれど、最近の陽気のせか、1ヶ月近く経過してようやく、ポットからちょこんと黄緑色の芽を覗かせるものが続々だ。やはり5月は全般的に気温の低い日が多かったのかもしれない。とにかくこれで、ほとんどの種が発芽した。ちょっと遅れてスタートだけど、秋頃には夏野菜も鈴なりに違いない(うーん季節感が・・・)。
 ただ、茄子2種類だけがまったく芽を出さないので、変わった茄子とトマト、それにバジルを使ったパスタ料理をワイルドにやろうという野望が、風前の灯火である。家庭菜園の本などを見ても、茄子は難しいので苗を買って育てましょうってことになってるし。はたして無事、茄子達は芽を出してくれるだろうか。まだまだ試行錯誤の日々である。

 陽気がいいといえば、ここ数日、田植えの光景をよく見かける。去年までの記憶では、田植えって5月ごろにはほとんど終わってたような気もするのだが、気がするだけでちっとも正確に思い出せない。1つだけ“田植え5月説”の根拠らしきものを挙げれば、それはツバメの巣材に田圃の土が使われていたはず、というのがある。ツバメは4月には渡ってきていて、あちこちで巣材を物色している気配だったが、肝心の田圃がからからに乾いたままなので、材料に困り、近所ではまだツバメの巣が完成したのを一度も見ていないのだった。普通ならツバメの一番子は、もうかなり大きくなってるはずなのに。

 今年の夏は、あっというまに終わってしまうのではないかという、漠然とした思いにかられるのだった。


2000.6.2(Fri)

瓜二つ

 ふとアドレスを打つ指がすべって、こんなところに行ってしまった。
 http://www.amazone.com/。一瞬、あの Amazon.com(http://www.amazon.com/) かと思わせるアドレスだが、実際は同業者の bn.com(barnes&noble)なのだった。
 それにしてもこの2つのオンラインブックストアは、瓜二つである。デザインはたしかに違うけれど、操作性や読者レビュー、★マークの評価などなど、怖いくらいに酷似している。ディスカウントの仕方まで似通っているのは、消費者にとってはありがたいところ。おまけにAmazon.comの“ワンクリック”特許をものともせず、遠慮なく使い続けているし、ここまでやってくれると気持ちいいくらいだ(bn.com がロイヤリティを払って使っているかどうかは未確認)。

 最近また Amazon.com は、既知の技術で特許を取得したようである。ちょっとやりすぎだ。だから今日は Amazon.com じゃなくて、bn.com で本を買うことにした。一文字打ち間違えたのも、何かの縁だ。それにしても、この規模のオンライン本屋が2つもあるアメリカの本屋事情は、かなりうらやましい。日本にも早くできないかな、、、と思っていたら、Amazon.com の日本支部がすでにサイトをオープンしていた。
 といっても、ほとんどが本国のページに飛ばす作りになっていて、まだまだ未完成のようだけど、こいつが完全日本語対応&日本の本対応になれば、じつに頼もしい限りである。できれば対抗して bn.com なんかも進出してくれれば面白いんだが。


2000.6.3(Sat)

霧雨

 茄子の種。もはや今年は駄目かと思っていたけれど、なんと1ヶ月の沈黙を破り、今朝、無事に発芽していた。これでもう何も思い残すことはない。あぁそれにしても、イヤな雲行きである。いつ、ぽつりと来てもおかしくない。
 午後、シロアリ業者が床下で作業する間、私は庭で草をむしっていた。Licとみこりんがお買い物に行き、シロアリ業者が作業を終えたころ、雨は霧のようにやって来た。
 草むしりマシーンと化して黙々と抜き去っていると、いつのまにか夕方である。まだ霧雨は続いている。やがてLicとみこりんが戻ってきた。私へのプレゼントが2つ。待望の雨合羽と、そして『スーパーロボット対戦α』。雨合羽の初陣もそこそこに、スパロボαを起動した。

α

 一気に10話ほどを終え、もはやF完結編には戻れないことを悟っていた。戦闘グラフィックをカットできる機能は、やはりすさまじい威力である。さくさく進む。ここぞという場面には、グラフィック・オン。ローディング時間がやたら長いので、この機能がなかった場合のことを考えるとぞっとする。
 細かいユーザーインタフェースの改善が心憎い。武器改造、ユニット改造、強化パーツ設定などが格段にやりやすくなった。だが、そういうシステムの変更点よりもなによりも、αのすごいところは本編のシナリオだと私は思う。オリジナルストーリーと、それぞれの作品とが、絶妙の融合を果たしている。サイバスター出現のシーンなど、思わず鳥肌が立った。登場人物達の台詞が、そうとう練られているのだと思う。上手い小説が見せてくれる“臨場感”を、このαにも感じた。
 このまま続けるのが怖い。こんな思いは、昔、神林長平の「あなたの魂に安らぎあれ」を読んで以来かもしれない。このレベルがラストまで続くことを祈る。


2000.6.4(Sun)

無数の物体

 まばゆい朝陽の中、苗達をせっせとポリポットへ移植する。今日もモンシロチョウがうるさいくらいに舞っていた。小さな苗に点々とうつってゆく様を見ていて、突然、ある事実に気がついたのだった。そのことを確認すべく、キャベツの苗を手に取り丹念に見ていると、予感は事実であったことを知る。葉っぱの表裏に、無数の小さな黄色いものがびっしりと付着していた。卵だ。キャベツ、コールラビなどを、正確に狙い打ちしている。双葉しか開いていない幼苗にも、卵はあった。こんな場所で孵化されたらひとたまりもない。ただちに撤去にかかる。
 それにしてもモンシロチョウ達は、どうやって幼虫の食料となる植物の種類を探知するのだろう。青虫が食べない種類の苗には、卵は1つもついていなかった。Licは“匂い”ではないかと言う。たしかに双葉しかないやつを、他と見分けるには“匂い”というのは説得力がある。キャベツ系は、幼いころからキャベツ系の匂いを発しているのだろう。匂いでなければ、分泌される何らかの化学物質を知覚しているのかもしれない。植物が他とのコミュニケーションに、化学物質の分泌を利用するとかどこかで聞いたような気もする。
 これから毎日、卵チェックが欠かせなくなるだろう。やはり虫避けネットを買っておくべきかもしれない。

葉っぱもの収穫

 菜園2号では、あっというまにレタス2種、ホウレンソウ2種が収穫時期を迎えていた。適期を逃してはならんと、今朝はさっそくサラダで食うことにした。
 みこりんにレタスを収穫してもらったところ、根こそぎ一株抜いてくれた。し、しまった。ちゃんと言うのを忘れていた。レタスは外側の葉っぱから数枚ずつ採らなくちゃ。お手本を見せてやって、無事、それ以降は根こそぎっていうのはなくなった。
 みこりんは大の野菜好きなので、かなり大量に収穫しても大丈夫。一枚ずつ洗って皿に盛り、ドレッシングを少々加えて、食卓へ。やはり採ったばかりというのは、気分的にも良いものだ。いくらでも食べられそうな感じだった。種類によって味が違うのも楽しい。“オークリーフ”はサラダ菜のような苦味があって、“グレートレーク”は香ばしい歯触りだった。来年は、もっといろんな種類に挑戦してみようと思う。

 お昼、再びレタスサラダ。でも、まだまだ残ってる。栽培面積の具合も、次回はうまくやらなくては。


2000.6.5(Mon)

ぴかぴか

 そろそろじゃなかとLicが言うので、クルマを止めた。団地の麓にある小川には、去年“蛍”がいることを発見していたのだった。灯台もと暗し。蛍を探して、さんざん遠くの川まで出向いていたのが、よもやこんな場所で蛍に出会えるとは・・・。昨年は、すでにシーズンも終わりだったので、あまり蛍を見ることはできなかったが、今年は違う。怠りなく数日前からチェックしていた。
 クルマのライトを消すと、濃厚な闇に包まれる。暗がりに目が慣れるまでもなく、清冽なライムグリーンの明滅があちらこちらに確認できた。蛍のシーズン到来である。


2000.6.6(Tue)

蛍と星

 毎年恒例の、研究成果報告会が開催された日。昨年に引き続き、発表形式がパネルセッションだったので、午後からずっと立ちっぱなし、喋り通しだ。喋り通しとはいっても、私のやってる研究モノはそれほど派手ではないので、まだマシかもしれない。人気のブースは人だかりが絶えず、一時も休まる気配を見せていなかったのに比べると、ほどよく客が途切れてヒートアップした頭を冷ます余裕はあった。

 冷ますといえば、今年は大型エアコンの吹き出し口の真ん前が割り当てブースとなってしまい、長袖でも寒いくらいだった。おかげで夜になっても偏頭痛が治まらない。ヘンに頭の半分を冷風に直撃されていたのが原因だろう。だから今夜はまっすぐ家に帰り着きたかったけれど、みこりんが蛍を見たい一心で、くっつきそうな瞼を一生懸命見開いているとなれば、話は別だ。蛍の寿命は短い。今見逃せば、二度と2歳の記憶に留めることは叶わぬかもしれない。

 蛍の光は、闇雲に散らばっているのではなく、いくつかの集団に分かれているようだった。ときおり、別の群れに移動してゆく軌跡が長く伸びたりしていて、さらに小川はにぎやかになっていた。
 ふと、みこりんが頭上の星空を指さし、“似てる”と言った。田舎のくせに汚れた夜空だけれど、今夜は少しだけ星の数が多いような気がする。私はまだみこりんに、降るような満天の星空を見せていない。この夏の最優先課題である。


2000.6.7(Wed)

明け方の地震

 眠る機会を逸してしまい、結局朝まで起きていた。すっかり夜明けも早くなって、5時過ぎには外で活動できるほどだった。ここ数日忙しくて、ゆっくり庭を見ている余裕もなかったので、今朝は存分に庭仕事するとしよう。で、庭を巡っていたところ、急に背後で物音がしたので振り返ったらなんと、猫がいた。野良猫だ。水槽用のモーターを屋外設置している棚から、這い出してきたところらしい。
 猫は、あっというまに視界から消えた。だが、ここに棚がある限り、また戻ってくるだろう。我が家では、野良及び放し飼いの猫は問答無用で“敵”と見なす。思った通り、棚のそばの花壇には、出来立ての猫糞が土に半分埋まってた。このまま放置すれば、花壇はたちまち猫のトイレと化してしまう。“絶対”阻止だ。

 問題の棚は、ちょうど5cmくらいの隙間が、壁との間にあって、そこから猫は出入りしていたようである。ならば、ここを塞いでしまおう。入れなければ、棚に居着くこともあるまい。塞ぐといっても、密閉してしまうのはダメだ。中のモーター類の発熱は、ハンパじゃない。風通しを維持したまま、猫だけ入れないようにするには・・・・、荒ゴミで捨てるつもりだったハムスターケージが役に立った。これをバラして長く伸ばせば、いい感じに柵ができた。ぴったり棚と壁の隙間に装着してやる。これならば猫は入れない。そのうえ風通しは抜群だ。

 作業の途中で、なんだか大地が揺れてるような気がした。地震かな?と思っていると、Licがひょっこりリビングから顔を出した。その後ろにはみこりんまで起き出してきてた。やはり地震だったのだ。けっこう長く揺れてたらしい。時刻はまだ6時台。こんなに早く、我が家が活動を始めるのはいまだかつてなかったかもしれない。
 朝ご飯を食べたあたりから、猛烈な睡魔に襲われてしまった。今日は一日、仕事にならない予感。

未知への扉

 案の定、眠気に耐えきれず、早々に仕事を終えた私は、夕方とはいえまだまだ日の高い庭で、朝の続きをやっていた。みこりんも、一人でいずこかえと消えていった。道路に出た気配はないので作業を続けていると、ふらっとみこりんが戻ってきた。何か報告してくれるらしい。手を止めて聞いてやると、虫が出てきたのだという。穴の中から虫が出てきたと言うのだが、はたして我が家にそんな穴なんてあったかな?と不安になった。とにかく、現場を見せてもらおうと、みこりんに導かれるまま玄関方面へ移動する。

 玄関から庭へと続く煉瓦のアプローチには、ところどころウッドパネルになってる箇所がある。その1つがめくられているのにまず気づいた。みこりんが「これこれ」と言いながら指し示すのは、まさにそのめくられたパネル付近。「ここに穴があるよ」とみこりんは言った。
 なるほど、たしかにそこには“穴”がある。パネルの下には水道の元栓が格納された“穴”があった。それをみこりんは発見してしまったようだ。パネルの下の格納庫、その扉を、みこりんは慎重に上げていった。まるで秘密基地への入り口を案内してくれているかのよう。穴の底には、水道の元栓がぽつんとあって、なんだか妖しげな雰囲気である。私でもそう思うのだから、みこりんにしてみればとてつもない発見だったに違いない。奥底を指さし、虫が這ってると教えてくれた。ただのダンゴムシだったけれど、きっとみこりんには見たこともない奇怪な“虫”に見えているのだろう。かなり興奮しているのがわかる。
 明日もきっと、みこりんは未知への扉を探して、庭の石やら葉っぱやらをひっくり返すにちがいあるまい。


2000.6.8(Thr)

そう来たかっ

 今夜の『α』は、エヴァのシナリオから。『F』でのエヴァよりは、かなり丁寧に扱われているため、いらいらすることもあまりなかった。ストーリーに深く絡んできそうな展開なので、登場理由に疑問符がつかないってのが評価できる。ひとつ気になるのは、エヴァのシナリオだけで数話分という分量が、これからの他シナリオとマッチングするのかどうかということ。最後までこの丁寧さでいくとしたら、『α』はこれまでのスパロボシリーズ最長にならなければバランスがとれないような気がする。ラスト付近、はしょってなければいいのだが・・・。
 いったん、エヴァのシナリオが終了したあと、大きな分岐点が登場した。リガミリティア・ルート(ガンダム系)、極東ルート(スーパーロボット系)、南アタリア島ルート(それ以外)、という大まかな分類と思われるが、これには迷った。シナリオの新規性なら南アタリア島ルートがいいけれど、随行ロボット群がたいそう貧弱になってしまう。アムロとクワトロが残っているというものの、主力級メカはほとんど残っていない。だが結局、私はこのルートを選択した。なによりも南アタリア島には、SDF-1マクロスがいるはずなのである。この誘惑には勝てなかった。
 と、ところがっ・・・・・・・

 どっかで聞いたことある効果音だな、と思ったら、アーガマもろともバイストンウェルに飛ばされていた。そ、そうか、そうくるか。この展開はまったく予想してなかったので、かなり驚いた。しかもこのあと数話分、バイストンウェルのシナリオは続いている。素晴らしい。これだけ丁寧にやってもらえると、ダンバインの登場理由にもおおいに納得できるというものだ。このあとゴラオン登場ののち、いっきに“浮上”へと進んでいくのだろうか。ただ、今でも地上は敵味方入り乱れてのてんこ盛り状態なのに、さらにバイストンウェルの軍勢まで加わって、ほんとうに収拾がつくのか“少々”心配ではあるけれど。


2000.6.9(Fri)

3ルート同時に

 みこりんを寝かしつけてたらうっかり一緒に寝入ってしまい、起きたらすでに午前3時。このままでは、金曜の夜が“なかったこと”になってしまう。1週間のうちで、もっともリラックスできるこの時間帯、ここで気力回復していなければ、翌週に多大な影響が出るのは必至。寝ている場合ではなかった。このまま朝まで起きていよう。幸い、今夜は早めにみこりんを寝かしつけることができたので、睡眠時間をすでに5時間強は稼いでいる。眠気はすぐに消えるだろう。

 というわけで『スパロボα』を起動する。じっくり朝まで堪能できるかと思うと、それだけで満ち足りた気分になれた。わずか7000円ほどで、1週間分、いやそれ以上のストレス解消ができるとは、F完結編を中断してでも買った甲斐がある。
 さて、昨日3ルートに分岐して、迷った末に“南アタリア島ルート”を選択したけれど、やっぱり残りの2ルートが気になるので、同時並行で3つのルートをやっていくことにした。メモリの空きがないので、3ルートそれぞれ1箇所しか記録できないという怖さはあるものの、逆にそれが“いい”緊張感をもたらしてくれるかもしれない。

 【リガミリティア・ルート】
 カミーユがフォウと街で出会うシーンに、BGMがZのオープニング『水の星へ愛を込めて』に替わるのが効果的。つい、この音楽がリアルタイムに流れていた時代のことなどを思い出してしまった。
 それにしてもシナリオ部分(マップの前後にある会話の部分)の絵柄が、キャラによって当たり外れが大きすぎるのが気になる。ファなど、まるで小学生が描いたのかと思うほどの酷さだし、シュラク隊のお姉さま達も、見るのが痛いほど下手くそだ。とてもプロの仕事とは思えない。顔アイコン(っていうか、戦闘中のヘルメット着用の図)が、どれも美麗であるのとは対照的。
 ZからZZへの繋がりが、じつに自然っぽくてよい。いつのまにか加わっていたVガンダムの存在が、ますます不自然に見えてくる。

 【極東ルート】
 つ、ついにダンクーガになった。
 ボルテスVとコン・バトラーVの絡みなど。スーパーロボット系は、初登場のときに合体シーンなどの映像が流れるのはお約束だけど、今回すべてCGで作り直されているのがいい感じにはまっている。・・・・ただ、マジンガーZの映像がないのは腑に落ちない。何故だ、何故、あの巨大ロボットモノの原点とも言うべき発進シーンが収録されていないのだ。云々・・・・

 こうして金曜の夜は過ぎてゆく。


2000.6.10(Sat)

水の中から・・・

 昼間、洗面所で水槽の水換えやってるのを、みこりんは時々覗きに来ていた。その時、風呂場に見慣れぬものがあるのをめざとく見つけたみこりんは、それが何なのか気になって仕方がない様子だった。でも夕方遅くまで水換え道具が広げられていたので風呂場には行けず、みこりんがそれを手にしたのは夕食も終わって、お風呂タイムになってからのこと。

 お風呂に入るや否や、さっそく壁に吸盤で取り付けられた“それ”を手に、湯船で“実験”を始めていた。それはLicが取り付けたのであろうゴミ取りネットの、“網”の部分だった。まだ一度も使われていないので湯船につけても今は平気だけれど、いちおうそれがゴミゴミぽぃするところだよと教えておく。“実験”に熱中するみこりんの耳に届いたかどうかは定かではないけれど。
 お湯を汲めば全部メッシュから流れていってしまうのに、浮かべてみると沈まないのがみこりん的には疑問らしい。何度も浮かべては何事か考えているようだったが、結論は出なかったようで実験は終了した。

 ところでみこりんには、赤子の時から怖いモノがあった。それは、私の人差し指と中指とで作る“歩く指”だった。今もこれは怖いらしい。効果音もつけてやると怖さ倍増。最近は、これの改良型として、主に湯船で“指アノマノカリス”を使っている(“歩く指”のほうは、効果音のフレーズから“ちゃっちゃらっちゃ”と呼称)。人差し指と中指を使うのは同じ。違っているのはその動作。V字型に開いておいて、くぃっくぃっと曲げてやる。
 お湯の中を深く深く潜行して行き、みこりんの周辺で時折“浮上”などさせつつ(姿を完全に見せないように気をつけながら)、接近させるのが効果的だ。乳白色系の入浴剤などが入っていると、より“見えない恐怖”を演出できて言うことなし。あいにく今夜は入浴剤が入っていないので、ストレートに接近するとしよう。
 本気で怖がらせない程度に抑えることも重要だった。パニックになってしまっては、遊びが台無しだ。くぃっくぃっと泳がせていると、気配を察知したみこりんがさっそく警戒モードに入ったようす。今夜はいつになく警戒厳重のようで、なかなか接近できない。6回チャレンジして諦めた。こういう日もたまにはある。
 肩まで湯につかって腕の筋肉をほぐしたりなんかしていると、みこりんがふっと湯の中に視線を走らせるのが見えた。なかなか慎重でよろしい。そろそろ次バージョンを考えなければならないようだ。

やられたっ

 今回の『スパロボα』には驚かされることが結構ある。今夜は“グレートマジンガー登場”にしてやられた。子供の頃、あのシーンに釘付けとなった経験のある人ならば、ニヤること間違いなし。今回のCGは、相当にクールだ。
 ただ、味方の機体がだいぶ強力になってきているので、戦闘獣の強さがほとんど実感できないのは、玉に瑕。たしかに機械獣より戦闘獣のほうが、HPも武装もグレードアップしてはいるのだけれど・・・。もっと早い段階でグレート登場の見せ場を作ってれば、効果的だったかもしれない。


2000.6.11(Sun)

大誤算

 先週も土曜が雨で、日曜が晴れだったような気がする。晴れの休日にやることといえば、やはり“庭いじり”、今日は苗床で大きくなってきた茄子苗などを、ポリポットへ移植するとしよう。
 なかなか芽が出ず諦めかけていた茄子だったけれど、今では初回と第二段の両方から芽吹いて、元気に双葉を開いている。第二段の種など、芽が出ないのは種にばらつきがあるからかもしれないと、必要以上に数を播いた。数打てば1つくらい芽を出すやつが出てくるかも、と期待したのだが、今ではこれが仇となってしまっている。全部芽吹くとは、うれしい誤算。いや、あまり喜んでばかりもいられなかった。茄子2種類だけで20本から育っているのに、我が家の狭い庭では全部を植える場所がない。

 茄子だけならまだしも、赤&黄ピーマン、赤&黄トマト、キュウリ2種類などなど、同じく第二段で大量に播いてしまった種が、順調に育っている。明らかにキャパシティオーバーだった。レタスやキャベツ類はプランタに移動させるとしても、巨大に生長する実物は、やはり地植えにしたい。そのためにも余剰株は、ある程度まで大きく育てたら、保育園のバザーなどで配りまくるのも手か。

 最悪、庭をもっと花壇&菜園用に開墾しなければならないかもしれない。みこりんの遊ぶスペースがなくなってしまったりして。まぁしかし、これで各野菜の発芽率など、だいたいのことは学習できた。来年はもっとうまくやれるだろう。

恐るべき駄洒落

 午後、苗の植え替えやってると、みこりんの呼ぶ声が聞こえてきた。最初、何を言ってるのかわからなかったけれど、ふいに合点がいって、たまげたのだった。みこりんは、「おとーよん」と繰り返していた。“おとーさん”の末尾の“さん”を、数字の3とかけて、4に入れ替えた言葉遊びに違いない。たぶん自力で編み出した駄洒落だろう。なんと初々しい駄洒落であろうか。こんな駄洒落をオヤジが発したら空気が凍るが、みこりんの駄洒落生活はまだまだこれからだ。今後どれほどレベルアップした駄洒落をかましてくれるのか、目(耳)が離せない。

季節の終わり

 夕食後、団地の下の川まで蛍を見に出かけた。小さな橋の上には、すでに人の気配がちらほらと。今夜も期待できるかなと、一瞬思った。しかし、川面を見やりつつ歩いてみた結果、すでに蛍の季節は終わったことを知ったのだった。
 数えるほどしか光点が見えないのは、昨日の雨のせいだけとも思えない。光り方も、なんだか弱々しくて、いまにも消えそうな頼りなさ。今夜は風も強かった。しかもかなり肌寒い。梅雨の到来とともに、蛍達は消えてゆくのか。
 見知らぬ人が、みこりんに蛍を1匹手渡してくれた。みこりんが生まれて10ヶ月くらいの時に、遠くの川まで蛍を見に連れていったことがある。その時も盛りを過ぎていて、蛍の光はまったく見えず、それでもようやく1匹見つけて、手のひらで光らせてやった。たぶん覚えていないだろう。みこりんの記憶力をもってしても、あのときは赤ん坊すぎた。

 じっと蛍に魅入るみこりん。光っている姿をデジカメで撮っておこうと、マクロモードの距離合わせをする私。その瞬間、蛍は風に乗って去っていってしまったのだった。


2000.6.12(Mon)

何の音?

 昨日の夜、またしても私はみこりんと一緒に眠り込んでしまっていた。起こしに来てくれたはずのLicまで、つられて眠ってしまって、もはや我が家で起きて活動しているのは暗闇で瞳を光らせる“にゃんちくん”(メス猫2歳)と、回し車を爆走する“ちゃっぴー”達ねずみ類のみ。水槽の魚も熟睡中だ。

 突然みこりんが泣き出して、私は現実世界へと戻ってきた。もうじき午前2時。普段なら、まだ起きている時刻だったけれど、いったん深い眠りに入っていては、起きあがるのも容易ではない。いけない、今夜は庭の“なめごん捜索隊”をやる予定なのに・・・起きなければ、起きあがらねば。

 どうにか体を起こし、支度をすると、そっと階段を下りる。にゃんちくんが階段の途中の窓枠にうずくまり、静かに外を眺めていたが、私が通り過ぎるとき、瞳をこちらに向けると小さく鳴いた。
 ヘッドライトを装着し、いざ出撃。そろぉっと玄関を開け、音をたてないように閉める。おそらく遠くで針が落ちてもわかるほどの静寂に包まれた闇があった。人狼のように足音を忍ばせ、昨日、植え替えたばかりのポット苗を見回りにゆく。狙われるとしたら、そこがもっとも可能性が高い。

 すっとしゃがんでヘッドライトの光軸を向けると、やはりいた。本葉が出始めたばかりの千日紅“ストロベリーフィールド”が食われていた。箸で撤去、瞬殺。撤去、瞬殺。撤去・・・
 そのうち私の耳に、かすかなノイズみたいな響きが聞こえるようになった。意識を向けていないと、あっというまにぼやけてしまうほどの弱い音波。でも、意外に音源は近いような気がした。両耳をつかって発信源を探る。だんだん音の細部にまで意識が向くようになってくる。

 しゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃ・・・・・・

 音から類推される状況。何かの咀嚼音だろうと結論するまで、さらに2〜3分。夏の虫のように、接近しても音は止むことはなかった。虫(成虫)ではないようだ。すると夜盗虫の幼虫?あるいは・・・・

 夏ほど夜が騒がしくない季節だからこそ聞こえる音。こういう静けさも、たまにはいいかもしれない。


2000.6.13(Tue)

やはりあった

 『スパロボα』デモセレクトより“グレートマジンガー登場”のCGムービーをLicに見せた夜のこと、ついにLicも参戦を決意したようである。私が気がついたときには、すでに主人公設定が終わりつつあった。前作『64』に引き続き、スーパーロボット系を選択しているらしい。私がいつもリアルロボット系なので、変化を持たせようというのだろう。
 私がみこりんを寝かしつけに行ってるうちに、1面も終盤にさしかかっていた。パイルダーで無事クリアして、2面目へ。光子力研究所がピンチである。数ターンののちに、パイルダー到着。こ、この展開は・・・・もしや。

 パイルダーが“プール”上空にたどり着いたとき、期待したとおりのことが起こった。マジンガー発進のCGムービーは、やはり収録されていたのだ。茜色に染まった空というのも心憎い。スーパーロボット関係には、すべてCGムービーが存在するのだろう。
 予想どおり、次の面ではゲッターロボが、1〜3まで合体分離を披露してくれた。ならばマクロスの主砲発射もしくはトランスフォーメーションも、きっとあるに違いない。私が今25話まで進んでいるので、もうじきそれも確認できる。案外、あっというまにLicが私を追い越して、さくっと明日あたりムービーを見せてくれたりして。なにしろLicはゲーマーなのだから。


2000.6.14(Wed)

“処分”

 仕事場のマシンルーム(電算実験室)で“処分市”が開かれた。償却期間の過ぎたハードウェアや、各種ソフトウェア、書籍類などが対象だ。ここで見つけたお宝は、その個人が責任を持って“処分”することができるのである。さて、どんなモノが出てくるだろう。山と積まれた段ボールを、皆で物色開始する。
 NEC製PC9801用のモノが、ごろごろ飛び出してきた。トラックボール、プリンタ切り替え器、各種ケーブル類、そしてMS-DOS3.3〜5.0に至るOS群、DOS用一太郎やら怪しげなアプリケーションまで多彩である。案の定、誰も欲しがらない。なので私は遠慮なく“処分”する役目を引き受けた。アプリケーションは自宅にまだ残ってるはずなので、おもにハード関係を“処分”してやろう。

 めぼしいものを漁っているうち、なんと奥の方からPC98のノート型が2台も出てきたではないか。PC98NS/A(i486SX-33MHz,8MB)と、PC98NS/E(i386SX-16MHz,3MB)だ(98の機種一覧ページを発見)。な、懐かしい〜。さっそく電源を入れてみると、DOS5が起動した。こいつは使える。デスクトップ型なら邪魔なだけだが、ノート型は今でも役に立つ。現在のVAIOなんかと比較すれば、いかにも鈍重だし、液晶はモノクロだし、画面は狭いし、バッテリーも弱ってるだろうけれど、我が家のPC群はLicの古いFM/Vしかノート型がないので、有効に“処分”することができるだろう。テキストエディタとして使うには必要にして十分。“ながら打ち”できるのが、ノート型の魅力だし。これで拡張BOXでもあれば、言うことなしなんだが・・・。
 98が2台あれば、さきほど「要らない」と箱に戻したRS232Cの高速転送ソフトが活きてくる。MAXLINKでないのは残念だったが(MAXLINKは98用とPC/AT用の2種類のソフトを同梱したものが当時売られていた)、遅いのを我慢すればPC/ATとの通信は標準で問題ないので、まぁよしとする。

 98以外では、AT用のサウンドボードが出てきたので、これも“処分”させてもらうことにした。デュアルMPUのマザーボードなんかもあったけれど、Socket5ではちょっと中途半端すぎたので見送った。あとはUNIX関係の雑誌類。連載記事で資料的価値のあるものが散見されたため、これも確保する。
 それにしてもノート98は掘り出し物だった。もはや壊れたらそれでおしまいという骨董品だが、昇天するまで“処分”するとしよう。


2000.6.15(Thr)

梅雨の晴れ間

 気が付いたら“朝”だった。昨夜の記憶は曖昧だが、夜中にみこりんが泣いたのを覚えている。状況からみて、みこりんを寝かし付けると同時に、自分も爆睡してしまったようだ。たしかみこりんと寝室にやってきたのが、午後10時ちょうどくらい。すると、軽く10時間は眠った計算になる。
 ここのところ『スパロボα』やら海水魚データベースの入力作業で夜更かしが定常的になっていて、午前3時過ぎまで起きているのはざらだった。その反動が来たらしい。しかしなんだか喉が乾く。おまけに首のあたりが痛いような重いような〜・・・。いやな可能性が頭をかすめたが敢えて気づかないふりをしよう。

 それよりも今朝の晴れ具合は、まったく素晴らしい。一昨日からの雨で湿気たあらゆるものが、ごうごうと湯気をあげて乾いているかのよう。梅雨の晴れ間か。この街では上水道は地下水とかで、あまり梅雨の影響を受けないらしい。毎年香川県あたりが渇水しているのとは対照的だ。私も高校までは香川県のすぐお隣に住んでいたので、渇水の経験は少なからずある。真夏に水道が自由に使えないのは、不便もさることながら、精神的にかなりプレッシャーになった。当時はミネラルウォーターなど今ほど手軽には入手できなかったから、冷蔵庫いっぱいに麦茶を冷やして蓄えたものだ。
 梅雨は梅雨らしく、夏は夏らしく。今年の夏が、昔のように夕立のある“乾いた夏”でありますように。

また既知のアイディアが・・・

 『仮想現実の街ドットシティ』って、発想そのものは昔からSFなんかでは普通に使われてたアイディアだけど(内田美奈子の『BOOM TOWN』とか)、感覚器まで接続するテクノロジーはまだ一般的ではないので、とりあえずチャットの延長上で“より”グラフィカルにしてみましたというものだろう。チャット世界に“背景”(商店など)を持ち込むのは、一歩前進。まぁそれはいいんだけども、この手法をビジネスモデルとして特許出願中っていうのがイヤらしい。ぜんぜん先進的ちゃうがな。あえて特許の可能性があるとすれば、仮想現実で多数のエージェントを作動させるためのソフトウェア特許くらいじゃないのか(UltimaOnlineなどですでに実現してるけど)。
 こうして恥ずかしげもなく既存アイディアを特許の対象とするのは、別に“ビジネスモデル”に限らず技術系の特許では、けっこうあったりする。しかし、そういうものは当然のごとく特許としては認められてこなかったため、それほど問題が表面化しなかっただけで。アメリカで破綻しつつあるこの分野の特許システムが、日本にも波及しないことを祈るのみ(時間の問題のような気もするが)。厚かましいヤツが得をする不条理さは、気色悪すぎる。


2000.6.16(Fri)

夜明けまで

 どうも金曜の夜は、無意識のうちに緊張の糸がずばっと断ち切れてしまうようだ。今週もみこりんと一緒に眠り込んでしまっていた。気がついたときには、またもや深夜。今から金曜の夜を楽しんだとすると、明け方まで起きてしまう可能性がとてもとても高い、微妙な時間だった。もちろん、起きてる方を選択する。まずは、ずばばっと海水魚データベースの“チョウチョウウオ分類”をナ行まで入力。百里の道も一歩から。そして、『α』を起動した。
 『スーパーロボット大戦α』、3ルート当時進行で進めていたが、2ルートでそれぞれ合流に至っている。残るは宇宙のリガ・ミリティア・ルートを待つばかり。をを、シーブック登場。F91が手に入った。宇宙でやることはようやく終わり、こちらも南アタリア島へと降下する。シュラク隊のお姉さま方とは、ここでお別れ。また出会えるのだろうか。
 第一話で生死不明になっていた主人公の恋人が、予想どおり“敵”として登場する。伏線が徐々に姿を現しつつある気配。そしてついに、マクロスへとたどり着く。

 窓から差し込む薄明かりが、どことなく寂しげな雰囲気だった。午前6時過ぎ。そろそろ土曜の朝が始動する。うっかり気を抜くと、そのまま睡魔に連れ去られそうだったので、少し庭を歩いてみることにした。やはり雨が降っている。か細い雨だったが、手にしたノートを濡らすには十分すぎる雨。この1週間、平日は植物の生長記録をつけられなかった。傘をさし、1つ1つ庭の植物達の変化を観察して、ノートに記す。この季節、植物にとっては、一日が通常の5〜6倍の速度で流れているかのようだ。先週とはあまりに違うその姿。チコリの薄紫の花がいつのまにやら咲いていて、しっとり雨を含んでいる。さて、チコリってどこを食べるんだったっけ?と思い出そうとしたけれど、眠たい頭ではそれも叶わず。やがて一人起きてきたみこりんが、私を捜して泣き出したので、家の中に戻った。“金曜の夜”は、終わった。


2000.6.17(Sat)

『スーパーロボット大戦』

 みこりんは保育園に。外は雨。明け方よりも激しく降っている。Licと二人、『α』の続きなど。
 マクロスがようやく浮上。ヴァルキリー隊が、スカル小隊だけというのが、かなり寂しい。ところで『α』にマクロスが出ると知ってから、気になっていたことが1つある。たぶん多くのマクロスファン&スパロバーも、気になっていたことだろう。一条輝の声を、どうやって再現するのか、ということだった(声優さんが他界しているため)。
 作品中からコピーしてくるかな?と少し期待していたが、『α』での“声”を聞いた瞬間、のけぞった。に、似てねぇ・・・。新しく起用するのはいいけれど、もう少し似せてほしかった・・・。次作のスパロボでは、先日他界した塩沢さんの声も、こういう扱いになってしまうんだろうか。それはあまりにわびしすぎる。

 ところで、リアル系を選択しているにもかかわらず、ここのところスーパー系なやつらが大活躍である。もちろん主人公は出しているが、それ以外でリアル系ロボットというと、Rシリーズの面々くらい。あとはほとんどスーパー系。たまにクリスやルーあたりを出撃させるくらいで、アムロやクワトロさんはすっかり現役を引退したかのようだ。前作までのスーパー系とは比べものにならない運動性、強化アイテム『高性能照準器』の装備、攻撃されても滅多なことでは落ちない硬い装甲、ゆえにいきなり最前線でも大丈夫と、もはやリアル系の出る幕はあまりない。これが本来の『スーパーロボット大戦』の姿か。

饗宴

 珍しくみこりんがお留守番するというので、今日のお買い物はLicだけで。みこりんは、半分寝ている私をあの手この手で起こそうと画策し、私もなんとか起きていようと頭を捻る。立ち上がる気力がすでにないので、起き上がらなくてもみこりんと遊べる“技”を見つけなければ。
 “床から何かがやってくる”パターンを思いついた。座布団をどけたら、そこに何ものかがせり上がってくる設定。“何もの”の名称は、“山姥(やまんば)”にしよう。だが、これは本命。こいつが現れたらゲームオーバーなので、尖兵を用意する。“こなき爺”がいいだろう。きな粉みたいで、おいしそうだし。
 床のものをいちいちどけては、こなき爺を発見するみこりん。逃げたら大変と、おもちゃ箱をひっくり返して、その中に閉じこめたりなんかして。2匹、3匹と、こなき爺が溜まってゆく。そろそろ変化が欲しい。このまま採集ばかりでは、おもちゃ箱がすぐにいっぱいだ。

 なぜそれを思いついたのか、いまでは何も思い出せない。とにかく眠かったのだ。だから、その時、目の前に出現したこなき爺を、私は無造作に掴んでいた。激しいアクションで目を覚まそうとでもいうかのように、握りしめた手の中で暴れるそいつを、頭からかぶりつき、食いちぎった。「美味い。」そう言って、みこりんに発達した犬歯をぎらりと見せた。Licが戻ってくるまで、二人の饗宴は続いた。


2000.6.18(Sun)

今日の園芸

 午前中は夏を思わせる素晴らしい天気。ここぞと植物達の写真を撮りまくる。あっというまにフラッシュメモリが一杯になり、PCに転送している10分ほどの間に天候急変、またたくまに薄曇りが空を覆い、太陽は隠された。これからチコリの可憐に美しい花を撮ろうという時に、なんという不運。愛用のデジカメは青色にはよく反応するため、思いっきり晴天下で撮りたかったのだが。曇天で撮影するなら赤。でも今は、赤色の花はほとんど見あたらない。それでも雨が降るよりはマシなので、一通り生長記録用の撮影を済ませてしまう。

 さて、今日はやることがたくさんある。梅雨の晴れ間にやっておかねばならないことは、確実に潰していかないと去年のように後手後手になってしまって、よろしくない。まずは大きくなってきたポット苗を、地植えにしよう。しかし現状ではスペースが圧倒的に不足しているので、花壇(菜園)造りから始めなければ。菜園1号2号に続く、新たなる菜園、その名を今“サイド1”“サイド2”と名付けよう。
 場所はウッドデッキに沿って、中央の階段部分を挟んだ両サイドに。向かって右が“サイド1”だ。幅1.5m、奥行き40cmほどが予定区画で、以前、ここには花壇があった(4年前のこと)。ゆえに、耕すのも容易のはず。

 目論見通り、労せずクワは地に刺さり、さくさくと進む。だが問題は深さ方向にあった。4年前は、ほんの地表付近をなでるように終わっていた。今ではそんなハンパな真似はできようもなく、最低でも30cmは掘る。たちまち石やら岩やらが、ごろんごろん出てきてしまった。それらを丁寧に取り除き、発酵鶏糞を少々、買ってきた培養土を25リットル、そして再び埋め戻す。地表と同じ高さになったら、庭の真ん中の雑草置き場をひっくり返し、いい感じに出来上がった“土”を用意。こいつを高さ10cmほど積み上げて、さらに元の土で覆えば完成だ。雑草から作った土は、丸々太ったソーセージのようなミミズが大量に棲息していて、申し分ない出来具合。ここに至るまで、庭の一等地を雑草の山で占拠されてしまうのが難点だが、雑草を捨てていた昔に比べれば、かなり節約になっている。

 植えるべき苗を選んでいると、みこりんが気配を察して寄ってきた。穴に植えるという作業は、みこりんのお気に入りだ。あまり大きくならず、丈夫でみこりんにも楽しい植物がいいだろう。となれば大玉西瓜か花びら型の実がつくズッキーニ。苗の数の多いほうということで、ズッキーニに決定。みこりん用と、私の分と、2株、それぞれ植え込んだ。あとはキセランセマムなどの花苗を縁取りに。
 次に“サイド2”に取り掛からねばならなかったが、途中、土を買い出しに入ったり、つい昼寝をしてしまったりと、時間が足りなくなっていた。今一度、作業項目の重要度を設定しなおし、何をすべきか再検討しよう。

 結局、既存菜園への苗移植を優先した。だいぶポット苗は片づいたが、まだ十分ではない。しかし、時間切れだ。夕闇に包まれてゆく庭で、私は1つの計画を思いついていた。来週になったら7月目前。“時間”が何よりも貴重な季節だった。

謎の生物

 何気なく、菜園1号方面を見たその瞬間、何かが動いたのを見つけてしまった。黄土色で細長く、波打つようにインゲンの葉っぱに隠れていったが、それは明らかにカナヘビ君の尻尾と類似性があった。1つだけ違っていたのは、それがカナヘビ君のものより、数倍大きく、長かったことである。
 尻尾だけでは断定できないが、爬虫類系なのは確からしい。爬虫類、細長い尻尾・・・もしや、もしかするとアレは、“コモドドラゴン”の幼体ではあるまいか。陸イグアナという線も捨てがたいが、動きに軽快さがなかったことを考慮すれば、イグアナ系ではなく、はいずり系のドラゴンが相応しい。どこかで飼われていた個体が逃げ出したに違いなかった。
 いかん。このまま庭で育ってしまうと、みこりんでも丸飲みにされかねない。なにしろ我が家の庭ではカナヘビ君が大量に棲息している。爬虫類にはじつに“住み良い”環境らしいのだ。庭の片隅で、こっそり大きくなってしまう可能性は、0%ではあるまい。な、なんとかせねば・・・。あぁLicの視線が痛い、突き刺さる。

主砲発射・・・あれ?

 マクロスがフォールドして冥王星軌道に到達。たちまちゼントラーディ軍に取り囲まれてしまった。硬そうな戦艦がずらっと並ぶ。
 事前情報によれば、ここでブリタイ艦を倒せば熟練度が大幅アップするらしい。スーパー系な面々で、突撃開始。
 最深部に位置するブリタイ艦にたどり着くには、戦艦の包囲網を無傷で突破しなくてはならない。そのうちマクロスが主砲を撃つと言いだし、トランスフォーメーションのカウントダウンが始まった。しきりに主砲軸線上から待避せよとアナウンスがあったが、こちらはブリタイ艦を倒すのに気力も体力も温存してきたのだ。いまさら逃げることなどできはしない。主砲でもなんでも撃つがよい。スーパー系がすべて破壊されると、いったい修理費にいくらもっていかれるのか計算するのも怖いが、熟練度アップは逃せないところだ。

 ブリタイ艦はHP復活を駆使するらしいので、波状攻撃が不可欠と思われた。敵戦艦の集中砲火を浴びるゲッター、ライディーン、ダンクーガ、コン・バトラーV。なんとかしのいで、まずは1回目のHP回復が起きるまで削ってやる。・・・あれ?情報とはちょっと違う展開だ。少々とまどいつつも、なんとか主砲発射までにブリタイ艦を沈めることに成功した。そしてついにマクロスがトランスフォーメーション。あ、あっけない。あっけなさすぎる。期待したムービーは、始まらなかった。別ルートならあったんだろうか・・・。でも結局、スーパー系なみなさんは、破壊されずに済んだのであった。めでたしめでたし。
 熟練度+4。


2000.6.19(Mon)

サイド2

 カーテンを開けると、まばゆいばかりの晴れ。念のため、西の空の向こうまで見渡してみても、雲ひとつ無し。つい、顎の先を、親指と人差し指で撫でていた。計画を実行すべきと空が告げている。
 Licが慎重にも天気予報を確認せよと促すので、電話してみたところ、午後から「ところにより一時雨か雷雨」などと言っている。少しだけ迷った。だが、わずか20%の降水確率のために計画を取りやめるには、今日はあまりに天気が良すぎた。よろしい、当初予定通り、計画を実行しよう。決めたら即、実行。仕事場に有給休暇の連絡を入れ、みこりんとLicをそれぞれ送っていったあと、作業開始。

 もし今日“晴れ”たら、“仕事”を休んで、“庭仕事”をやろうと計画していた。“サイド2”の開墾など、やらねばならないことは目白押しだったから。太陽が沈むまで、およそ9時間弱。有効に使わねば。
 なにはともあれ、“サイド2”だ。ウッドデッキに向かって左側、長さ約2.5m、奥行き40cmの細長い領域を、開墾する。昨日のサイド1と違って、ここは一度もクワを入れたことがない。わずか十数回クワをふるっただけで、流れ落ちる汗は目に痛いわ、腕の筋肉は笑い出すわ、さんざんである。体力なさすぎ。このままでは“じじぃ”への道、まっしぐらだ。

 デッキに腰掛け、息を整える。悲観しそうになると同時に、なんかヘンだとも思った。冬、菜園2号を開墾したときには、もうちょっといけたはず。何かが間違っているのかもしれない。干してあったタオルで汗をぬぐうと、熱せられた髪が指にあたって“じゅっ”ときた。暑い、暑すぎる。でも暑いのは大好きだ。これでこそ“夏”!(まだ梅雨だよ)。そこで気づいた。帽子が必要だと。
 毎年、麦わら帽子を買おうとするのに、時期を逸していまだに私は自分の帽子を持っていなかった。仕方がないので、Licのチューリップハットを借りることにする。おしゃれな白いチューリップハットに鯨のTシャツ、膝丈のバミューダに、靴下着用の上、いかついトレッキングブーツという、みょーないでたちのまま、作業を再開。やがて、クワを持つ手を大きく上に振り上げて落とすという、重力をとことん活用する方法を思い出していた。そう、たしか冬はこのフォームでやってたはずだ。さっきまでの疲労感が嘘のように、さくさくと耕せるようになった。あいかわらず地面は固いものの、力加減がわかれば攻略するのも時間の問題だ。
 帽子とフォーム改善のおかげで、サイド2は気温のもっとも高くなる時刻に完成した。何を植えるかは決めてある。今年種から育てた各種野菜を、それぞれ1種1本ずつ並べるのだ。黄色いトマトの“レモンボーイ”、赤いピーマン“カリフォルニア・ワンダー”、緑のシシトウ“伏見甘長”、黄色いピーマン“黄金ピーマン”、イタリアンな茄子“フローレンス・ラウンド”、長茄子“久留米大長”etc... 縁取りにはアスター・ノバ。無事、大きくなってくれますように。

 この日、太陽が山の向こうに没するまで、思う存分、土と戯れることができた。多少、残ってしまった作業もあるけれど、許容範囲だ。これでいつでも夏を迎えることができるだろう。それにしても蚊取り線香の匂い、とてつもなく夏っぽいな。

父の日

 午前中、庭で作業していたら玄関の方で人の気配がする。呼ばれたような気がしたので駆けつけてみると、宅急便屋さんであった。受け取りのはんこを押して差出人を見たところ、Licからだった。宛先は私になっている。ほほぅ?品物は「パジャマ」とあった。
 父の日のプレゼントだ。母の日、なんにもしてないんだけど、ありがたく頂戴しよう。やはり送り主の目の前で開けるのがいいかなと、そのままにしておいたが、Lic的には、一人で開封して驚いてほしかったらしい。パジャマと書いてあったのは、じつは罠だった。夜、Licが戻ってきてから箱を開けると、中から出てきたのは和風の上下。シースルーのすけすけタイプ。名称をど忘れしていたが、Licに教えられて思い出した。これは『甚平』だ。しかも扇子付き。
 以前からこういうタイプのが欲しいと言ってたのを、覚えてくれていたらしい。洋服売場では、この手のが大量に並んでいたそうなので、また流行ってるのかも?さっそく着替えて着心地を確かめてみる。
 おぉぉ、足元がすーすーする。この上下で、手ぬぐいなどを頭にかぶって庭仕事でもすれば、さぞや涼しいことだろう。うーん、日本の夏、金鳥の夏・・・。
 あと足りないのは、襷と草履、かな。私が和風になるのと併せて、Licも思いきって普段着を着物にすればいいのにとも思ったり。みこりんはさっきから甚平に興味津々で、自分も着たいと騒いでる。ちょうど去年、ばぁばが作ってくれたやつがあるので、Licが着せてやっていた。みこりんのは真っ赤な甚平。私のは群青。やはりLicも和風になるべきだ(着物を買ってあげないとなぁ)。


2000.6.20(Tue)

冷え冷え

 仕事場にクーラーが入るようになってはや二十日。相変わらず温度設定が低すぎて、春よりも厚着の毎日をおくっている。不条理な。
 それでも、今年は不況の影響で、頻繁に社内放送が入るようになった。外気温に連動して、クーラーを付けろとか切りなさいとか。定時を過ぎたら無法地帯に逆戻りではあるが、多少は冷えすぎにブレーキがかかる。でも、こんなアナウンスするより、設定温度を高くすりゃいいのに。なんのための自動温度調節機能なんだか。


2000.6.21(Wed)

ちゃっぴーの危機

 夜、いつものように砂ネズミとドワーフハムスター(ロボ)達に餌をやろうと、ケージを並べていたときのこと(普段は積み重ねているので)。砂ネズミのちゃっぴーが、なんだか元気がないのに気が付いた。しかも左目付近に血の痕跡!こ、これは尋常ではない。怪我したんだろうか?とりあえず餌を入れてみて、様子をうかがうことにした。
 ちゃっぴーは、餌に気が付くとさっそくキュウリを手に取り、囓り始めた。その様子はいつもと違って、なぜかとても痛々しく見える。囓り方にも元気がない。いや、元気がないだけではなく、囓り方がどこかおかしい。キュウリをまるで舐めるようにしているではないか。ここにいたって私は、ようやくちゃっぴーの歯が大変な事になってるのを発見していた。口の中が歯で一杯になってしまってて、キュウリを囓ろうにも囓れないのだ。

 齧歯類の歯は、一生伸び続ける。だから、飼育下では時にこのように歯が伸びすぎてしまうことがある。というのを知識としては知ってはいたが、これまで飼ってきた齧歯類でそういう事態になったことがなかったので、すっかり油断してしまっていた。とにかくこのままでは命に関わる。歯がどんな状態になっているのかよく調べようと、キュウリを舐め続けるちゃっぴーをつかみ上げた。
 砂ネズミはじつにおとなしい動物だ。ハムスターなら抵抗して噛むこともあるが、砂ネズミで噛みつこうとしたのは、少なくとも我が家の歴代砂ネズミにはいなかった。ちゃっぴーも、多少は逃げようと穴掘り動作をするくらいで、おとなしく手の中にあった。
 親指と人差し指の隙間から顔を出させて、歯の様子を観察した。およそ2cmくらいはあるだろうか。口を楊枝でつっかえ棒されてるような感じ。下の歯か、上の歯か、咄嗟には判断できないくらい、上下にみっちり塞がっている。さらに詳しく調べたところ、下の歯が伸びているのだとわかった。2本あるうちの片方は、すでに半分ほどに折れていたが、残りが上顎に達して、もしかすると突き刺さっているかもしれない。これでは元気が出ないのは当たり前だ。最近、柔らかい餌ばかりを食べていたことの理由は、これだったのか。もっと早くに気づいておくべきだった。

 明日、動物病院で歯を切ってもらうよりも、一刻も早く楽にしてやりたいと思った。歯を適当な長さにまで切りつめるだけだ。私でもなんとかなるはず。Licにニッパーを取ってきてもらった。
 私がちゃっぴーをつかんでいたので、最初はLicに切ってもらおうとしたのだが、やはり持ち手と切り手が別々では、タイミングが難しい。やはり自分でやろう。右手にニッパー、左手にちゃっぴーを確保し、慎重に狙いを定めた。どのあたりで切ればよいのか、専門的な知識はないが、ハムスターの本などの知識を思い出しつつ、8mm付近で切断することにした。ニッパーの切れ味はよい。一瞬で切り落とすことに成功。爪を切るよりも、柔らかいイメージさえあった。ヘンにぐらつかせると、下顎の骨にまで影響を与えてしまいそうだったので、垂直に刃をあてて、すぱっといったのがよかったのかも。

 とにかくこれでちゃっぴーの危機は脱したはず。そろぉっとケージに戻してやると、ちゃっぴーはしきりに歯を“ぐつぐつ”噛み合わせているようす。歯の長さは元に戻ったが、大きく左右に開いてしまっていたので、まだ固いモノは難しいだろう。柔らかいトマトをやってみることにした。
 トマトに気づいたちゃっぴーは、かぶりつくように食べ始めたのだった。今度はちゃんと果肉を囓れており、徐々にトマトは小さくなっていく。ついにトマトを食べ終えると、毛繕いなどを始めてくれた。ひと心地ついたのだろう。さっきまでの弱々しさが、微塵もない。左目もちゃんと開いて、両眼に生気が戻ってきた感じだ。
 さらに見守っていたところ、以前から気になっていた前足の爪も、この際、切っておいてやろうと思い立った。爪の中に血管が通っているのかどうかが問題だったが、見た限り先端までは来ていないようだ。小鳥の爪を切るよりは、やりやすいかもしれない。でも砂ネズミの前足はかなり短く、思ったほどは簡単ではなかった。元気な時だったら、もっと苦労したかもしれない。

 ついでにチップも換えてやった(古いチップも少しだけ残しておく)。
 以前は、ケージの底などを激しくひっかいたりしてたので、爪が伸びすぎることもなかったのだろう。それに、木のおもちゃを囓ることで、歯の伸び過ぎも防げていたのだろう。囓って小さくなってしまった木のおもちゃを、取り出したままにしてたのが、すべての元凶だ。というわけで、ロボが使ってた木のおもちゃを入れてやった。ロボ達のほうにも、新しい木のおもちゃを買ってやらねば。ちゃっぴーはまだ大きいから、歯を切るのも、爪切りするのも、比較的大丈夫だったが、ちっこいロボでは手に余るかもしれない。
 なんにしても、もっと日頃からよく観察してれば、こんなにひどい状況になるまえに気づいてたはずだ。慢心と油断は絶対禁物と、改めて思うのである。


2000.6.22(Thr)

『スパロボα』

 マクロスのストーリーに沿って、木星圏から火星圏へ。映画版同様、捕獲されてしまう輝とミンメイ、その他の面々。ここの音声で気になったのが、輝の声が、どうも映画からの取り込みも併用しているのではないかと思われる点だ。音の雰囲気がそこだけ違うような気がした。
 そしてブリタイ艦内からの脱出時、ミリア登場のシーンでも同様の思いを抱いた。ところでミリアはマックスで倒すのがお約束。あとで仲間になってくれるのを楽しみに待つとしよう。ここは常道を行ったが、ミンメイと誰がキスするのかを選ぶ場面では、輝を選択。この結果、ミンメイただ一人がボドル旗艦へと連れ去られてしまった。この結果がどんなふうに影響してくるのか、気になるところ。

 Licがゲッター対ゲッターGにさしかかった。ゲッターGのムービーも、かなり気合いが入ってて良し。

ワープロ専用機

 東芝がワープロ専用機から完全撤退か。私がワープロ専用機を使っていたのは1991年から1992年ごろまでのことなので、最近のワープロ専用機事情には疎いけれど、当時すでにPCのアプリケーションソフト並(ときにはそれ以上)に機能肥大に陥っていた。もしかすると最新機種では、ワープロ専用機とはいいながら、なんでもありのパーソナルコンピュータに近くなっていたのではあるまいか。10年前、データベースや表計算、家計簿から、パソコン通信、あやしげなゲームなども付属していたのだから、今ではメールソフトやらWebブラウザなども搭載されていたに違いあるまい(東芝ルポのサイトを見てみると、やはりできるようだ)。

 日本語環境が電源ONで整い、しかも煩雑な設定不要でネットにつながる。今のPCなんかと比べても十分競争力はありそうに思うけれど、なぜにこうも差がついてしまったのか。いろいろ理由を考えてみたけれど、どうも技術的課題というより、“ワープロ”という名称が駄目だったんじゃないかという気になってきた。仕事以外でワープロを使う場面って、趣味で文章を書く人以外に、どのくらいあるのだろう?パソコン通信全盛期の頃から、むしろワープロとしてより、テキストエディタとして使ってる人のほうが圧倒的じゃなかったのかな?実際、現代のケータイ文化は、音声通話とデータ通信は拮抗しているようだし、流れるテキストはプレーンなものだ。電子メールがその最たるものであることは、もはや説明すら不要な社会現象であろう。

 メモ帳代わりにいつでも電源ON(起動時間コンマ何秒の世界)で日本語がちゃちゃちゃっと打てて、それを適当に保存できて、ついでにメールで送信もできて、さっと検索できるようなマシンだったとしたら・・・。って、こういう仕様のマシンは、携帯端末(ザウルスとかPalmとか)として大盛況だなぁ。“書院”の Sharp はザウルスがあるからいいとして、その他の NECとか東芝とか富士通とか、“ワープロ専用機”の呪縛から離れられなかったのが、運の尽きだったのかも。不思議とこの3大メーカーは、日本のPC3大メーカー(もはや“過去の3大メーカー”と言えなくもない)というのが、なにやら興味深い。社内の政治的駆け引きの顛末が、なんとなく想像できてしまいそう。

 ところで私のワープロ専用機(NECの文豪mini5RD)は、今でも押入に眠っている。プリンタ部分が壊れているものの、文章入力に支障はない。昔、書きかけだった小説の続きがあったりするので、未だに捨てられないのだった(テキストだけならDOSフォーマットにすることはできるけれど、書式やらなんやらを変換するのが面倒なので、あえて残してある)。
 このワープロ専用機のどこが気に入ってるかといえば、プリンタだ。独特の48ドットのフォントが、ころっとしててちっこくて、洗練されすぎてなくて、好きなのだ。でも、早めに修理しておかねば、そろそろ補修部品が危ないはず。できればこのプリンタ部分だけでも、PCから使えるようになればなぁ(電気的な接続はたぶん大丈夫だけど、問題はやはりドライバ・・・)。


2000.6.23(Fri)

最近わくわくしたこと

 火星に水の可能性。はたして現在進行形のものなのかどうかが気になるところ。
 もし今も大量の水が火星に残ってるんだとしたら・・・。あぁ妄想はどんどん膨らむ一方だ。


2000.6.24(Sat)

雨上がり

 金曜の夜から明け方まで『α』に浸る。途中、何度も夢の世界を彷徨ったりしてしまったので、布団へと引き上げた。小雀のさえずりなどを聞きながら、少し眠ったなと思ったら、みこりんに起こされていた。最近みこりんは、休日でなくとも早寝早起きだ。そろそろ夏に向けて、私も夜型から朝型に切り替えたほうがいいかもしれない、と思いつつ。

 みこりんを保育園に連れて行ったあとは、ずっと雨上がりの庭で過ごした。昨夜は激しい雨と風だった。真夜中には雷まで鳴っていたのだが、今朝は一転してお天道様の機嫌はすこぶる良い。ただ、庭の排水があいかわらず悪いので、足元は快適とは言い難い。そのうえ、風の置きみやげも、あまりうれしくない。あろうことか“ゴッホのひまわり”が数本、倒れ伏していたのだった。
 地上2m近くに達しつつあった“ゴッホのひまわり”は、頭頂部にぎゅっと詰まった蕾があって、開花までもう少しというところだった。茎も太く、直径は軽く2cm〜3cmというところ。これが倒れたのだから、周囲の草花にも被害甚大だった。幸い、ほとんどが根本から倒れていて、支柱を立て直せば復旧したが、ただ1つ、一番太くて立派なやつが、地上30cm付近でぽっきりと折れていた。じつに惜しい。これ1本なくなるだけで、群れ咲く“ゴッホのひまわり”の印象ががらっと変わるだろう。要の位置が抜けたのは、かなり痛い。まぁ自然のやったことなので諦めは早いけれど。

 痛んだ箇所を修復しつつ、徐々に観察の目を周囲に広げていくと、風船かずらに小さな花を発見した。地植えに移してから、どの植物も育ちが早くなったようだ。さすが地力。ノートに記し、デジカメで接写。記録はどんどん溜まってゆく。それにしてもケーブルのないデジカメはじつに機動性がいい。地面が濡れているので、延長コードが危なくて使えないのをいいことに、久しぶりに電池単独で作動させているのだった。ただ、電池だとわずか20分ほどで事切れてしまうのが難点ではあるが。

 お昼前、セントポーリアへの水やり。ストレプトカーパスに花が!それに比べてセントのほうは、かなり悲惨な状況だ。冬の痛手と春の害虫の被害から、立ち直ることなく消滅する株があとを立たず。一度しきり直しが必要だ。
 そろそろ正午。みこりんを迎えに行き、昼ご飯にする。みこりんはお昼を食べてきたはずなのに、私が食べているとやっぱり欲しくなるらしい。その習性を見越してちょっと多めに素麺を茹でていたので、飢えることなく空腹を満たすことが出来た。

 午後、雑草置き場を移動することに。そろそろ庭の一等地を明け渡してもらおう。移転先は東の隅がちょうどいい。でも、東側は今、雑草が勢力を回復しつつある。まず、それから手をつけねばなるまい。土が見えないくらい蔓延った雑草達。恐るべき生命力だ。先週はこんなではなかったはず。今のうちにやってしまわねば、来週にはもっと怖いことになるだろう。ひたすら手を動かし、抜く。抜く。抜く。
 たっぷり夕方までかかった。新しい雑草置き場は、すでに山。これが土に還る頃、季節は秋だ。また有効に活用させてもらうとしよう。
 これで雑草は片づいた。残るは剪定した枝だけだ。これを短く切ってしまえば、春からの積み残し作業はほぼ終わる。デッキでお昼寝中のみこりんを起こさないように、枝を静かに刻んでゆく。桜にクコに、プラムの枝。乾燥しやすいように長さ5cmほどに切ってから、ずた袋に詰めてガレージへ。ここでからっからに乾かしてから、燃やすのだ。枝は灰にして再利用する。
 タイミング良く、みこりんが目覚めた。今日の庭仕事は、これでおしまい。

プール

 じりじりと、夏のような日差しだったので、みこりんに“プール”を出してやることにした。“プール”とっても、あの空気で膨らますビニールのやつではない。買う予定には入っているけれど、今日には間に合わないので、去年と同じく、赤ちゃん用お風呂を使った。
 みこりんはまだオチビなので、赤ちゃん用お風呂でも、まだまだ大丈夫。といっても“ワニさん歩き”には、少々手狭な感は否めないが。

 水浴び大好きなみこりんは、たっぷり一時間以上浸かっていた。一時間どころか二時間近かったかもしれない。そろそろ上がるといってLicに拭いてもらってるみこりんには、かなりくっきり焼け跡ができていた。首が痒いといっている。帽子をかぶせてはいたけれど、ちょうど太陽に背を向けるようにして座っていたので、特によく焼けているらしい。日頃よく焼いているみこりんでさえそうなのだから、普段日光から遮られた環境で過ごす私など、ひとたまりもない。今日一日庭仕事していて、腕やら足やら、すっかり赤く焼けてしまった。
 あと1週間で7月か。早い、な。


2000.6.25(Sun)

真夜中の攻防戦

 昨夜というか今朝早くというか、とにかくまた夜更かししてしまった。昨日の疲れがあったので早めに寝ようとは思ったのだけれど、思わぬ事態に予定は四散したのだった。
 いつも寝る前にはにゃんちくんをケージに戻している。念のためだ。なにかの拍子に網戸が外れたりして外に出てしまっては大変だし、砂ねずみや水槽の魚にいたずらしないとも限らない。だからケージに戻す。

 にゃんちくんの名前を呼んでみたけれど、なぜか今夜はいつものように寄っては来なかった。それどころか声1つたてず、リビングの隅っこでじっと丸まっている。おいで、とそばに近づくと、低くうなり声を上げるにゃんちくん。な、なんてこった。
 まったく手を触れさせようとしないにゃんちくん。こういう状態で、無理やり捕獲するのはかなりやばい。眠いのでイライラがつのったが、なんとか押さえ込んで、文字尾通り“猫なで声”でにゃんちくんに再接近を試みる。姿勢を低く、じりじりと。なんとか50cm手前まで近づくことが出来た。でも、これからあと1cmでも動けば、たちまち逃げていきそうな気配である。ここは慎重に行かねばなるまい。
 まず、何を怒っているのかわからないが、とにかくその警戒心を解かねばならない。何か“ねこじゃらし”になるものはないかと、横目で探り、見つけたタマネギネットをちょいちょいと、軽〜く、繰り出してみた。

 最初は冷ややかな目で見ていたにゃんちくんだが、徐々に本能がうずくのか、落ち着きがなくなってきたように見える。やがて、猫ぱんちを食らわすようになってきた。はっしと押さえ込み、噛んだりなんかし始めたので、そろそろネットの先を耳やら喉やらに触れさせるようにしていった。堅かったにゃんちの雰囲気が、すこーしだけ和らいだ気配。でもまだ油断は禁物。さらにさらに時間をかけてじゃらしてゆく。
 そろぉっと接近を再開したのは、たっぷり1時間後のことだ。ゆっくりゆっくり、驚かせないように音を立てず。じゃらし用のネットに重ねるように、手を添え、じわじわとにゃんちに触れてみた。ん〜、堅い、なんて堅いんだ。いつものにゃんちとは比較にならない身の堅さ。人間の女を相手にする以上に優しくソフトに、愛撫を始めた。

 さらに1時間が過ぎていた。途中、睡魔に意識をもっていかれたこともあったが、今、にゃんちくんはようやく自ら身を擦り寄せるまでにうち解けてくれていた。もう大丈夫だろう。ようやく私はにゃんちくんの体を抱き上げ、ケージへと向かう。おとなしいにゃんちくん。やっと眠れる。
 ここ最近、『α』に入れ込み、にゃんちが寄ってきても相手にしてなかったのがまずかったのかもしれない。少し反省。・・・・でも、すぐに忘れてしまいそう。

選挙へGO

 さて、今日は衆議院議員選挙。もちろん夕方、投票に出かけた。ベストな選択肢がないのは当たり前。世の中、なにもかもベストが選べるほど甘くはない。だから少しでも良くなるように、悪くない選択をする。選挙権があるのに行使しないヤツは、一生誰かに甘えて寝てるがいい。
 小選挙区では、この地域では与党が盤石だ。ベテラン議員は、あらゆる意味で強い。対抗馬の野党民主党の若手議員ではいかにも力不足だったが、今回は民主党議員に1票。共産主義者でなければ、選択肢のうちに入る。“錆び付いた保守”には、引導を渡さねばならない。
 比例区、ここは少し悩んだ。森氏のような知性の足りない迂闊モノを首相にしておいて平気な与党には、当然入れない。かといって基本政策のふらつく民主党にこれ以上力添えするのも、いかんだろう。というわけで、今回は自由党へ。

 さて真夜中、結果を確認。与党の絶対安定多数か。与党勝利はいいとして、首相の森氏続投は止めて欲しいんだがな。あれよりましな議員は、他にもいるだろうに。だいたい絶対安定多数とはいえ、30議席以上も減らしてるんでは明かな敗北じゃないのか。それにつけても、野党第一党の民主党はふがいない。これほど好条件が揃っていながら、政権を奪えないとは。多数に隠れて利権をむさぼる旧社会党左派の妖怪どもを、さっさと始末すべきだった。
 共産党が議席を減らしたのは、まあ当たり前ではある。めでたいことだ。誹謗中傷ビラが原因だみたいなことを書記長がほざいてたが、そんな言い訳を平気でできる神経を疑う。


2000.6.26(Mon)

巨大野菜の謎

 本日は急遽、有給休暇にした。天気は悪いし、いいこともないのだけれど、なんとなく気が乗らなかったから。気晴らしにホームセンターなどをはしごすることにした。買わなきゃいけないものもあったし、人混みの少ない平日だし、たっぷりと見て回ろう。
 探していたのは水槽用の新しい砂だった。でも、どういうわけかお目当ての品が見あたらない。探し回るうちに、カゴの中は優先順位の低かった別の品物で埋まっていった。いかん、このままではいらないものまで買ってしまいそうだ。ただ幸いなことに、カード決済用のレジがどこも休止していたので、結果的に無駄遣いは避けられたのだが。

 あっというまに午後夕方。Licとみこりんを迎えに行く。
 みこりんがニンジンを持って帰ってきてた。保育園で育てていたらしい。我が家で収穫したのと、どっちが大きい?と聞いてみたら、「ほぃくぇんの〜」と即答されてしまった。ら、来年こそは負けんぞ。いやそれどころかお化けカボチャにお化けピーマン、お化け茄子にお化け西瓜で勝負してやる。巨大野菜に囲まれた“ミクロの決死圏”な気分を園児達に味合わせてあげよう。
 巨大野菜といえば、私には忘れられない記憶がある。父方の本家に置いてあった、大きな松ぼっくりやキノコの数々(野菜か?)。旧家らしく怖いほど広い客殿(と呼んでいた)があって、そこの床の間に置物としてカゴに入れられていたのだった。
 あらゆる水分が干からびたような、ミイラのような色彩と手触り(実際にミイラを触ったことはないけど)に、なんだか触れてはいけないものと対峙している緊張感があった。いったい何十年前の代物だろうと、盆暮れに遊びに行くたび思ったけれど、なぜか聞けずに今日まで。いまでもアレがあるのかどうかは、わからない。

 松ぼっくりは、子供の両手で捧げ持つのにちょうどいい大きさだった。そんなに大きなやつは、大人になった今でも他に見たことがないが、松かさの間にこれまた巨大な種が残っていたので、作り物ではなく本物だとわかった。種を植えてみようかと、どんなに思ったことだろう。こんな大きな松ぼっくりができる松だ。途方もない大木になるに違いない。見てみたい。そんな変わった松を、ぜひ生きてる状態で触ってみたい。あぁしかし、大木なんか庭にできたら大変だ。やめとこう。というわけで、種もどこかへいってしまった。もし今その種を手に入れることができたなら・・・、私は誘惑に負けそうな気がする。

 そしてキノコだ。硬化してしまってて、まるで石のようだった。椎茸なのか何なのかは不明。子供心に勝手に“椎茸”だと決めつけてたような気もするが、今思えば“巨大”すぎる。傘の直径だけでも、25cmはあった(昔の記憶なのであまり当てにはできないが)。でも椎茸以外のキノコなら、25cm級の傘を持つやつはありそうな気もするなぁ。まぁしかし、わざわざ置物にしてたくらいだ。やはりその種類のキノコとしては、巨大な部類だったと考えるのが自然か。
 巨大松ぼっくりに巨大キノコ。山にあったのをそのまま持ってきた感じに素朴だった。もし現存するのなら、『なんでも鑑定団』に出してみたい一品だ。ただ最近、別の可能性に思い至っている。もしかすると、あれは非常に精巧に作られた木彫りかもしれない。だとすれば、種まで再現しているところに、私は感動を禁じ得ない。ただの巨大野菜(野菜?)か、それとも精巧な彫刻か。いつか調べてみなくてはなるまい。

真夜中の爆音

 深夜、飛行機の音を聞いた。旅客機ではあるまい。もう午前0時が近いのだから。たぶん自衛隊機だろう。もしや三宅島で動きがあったのか?すかさずTVのチャンネルを切り替える。噴火はまだしていないようだ。でも、救援物資や災害派遣用に、C-130を移動させている可能性は高い(小牧基地は、ここからさほど離れているわけではない)。

 真夜中、飛行機の音を聞くのは久しぶりだ。以前、松本サリン事件のあの日も、やはり真夜中、飛行機の音が聞こえた。もっと昔には、日航機が山腹に墜落したときにも聞いた。偶然にしても、なにやらぞわぞわする。
 黒いヘリコプターでもあるまいが、これからも何か大きな事件が起きるたび、私は飛行機の音を聞くのではないかという予感がする。


2000.6.27(Tue)

覚え間違い

 うっかり書くのを忘れていたけど、最近みこりんはまた新しい言葉を覚えてきたようだ。初めてその言葉を聞いたとき、私は耳を疑った。なんと言ったのか“音”としては認識できたものの、意味を理解するまでに数十秒が必要だった。みこりんの発した言葉とは、これである。

 「いぬーぴー!」

 いったい何のことかこれだけで分かった人は、かなり素晴らしい直感力の持ち主といえよう。私はみこりんが指さしてくれなかったら、気づけなかったかもしれない。指さす先にあったものは、タオルケットだ。そして注目すべきは、その絵柄にあった。そこにでかでかとプリントされていたものは、、、『スヌーピー』、あまりに有名すぎる“犬(いぬ)”の寝ころぶ姿だった。

 いぬ + すぬーぴー = いぬーぴー

 『イヌーピー』と信じて疑わないみこりんは、「“すぬーぴー”だよ」と教えてやっても「ちがう〜、これ、いぬーぴぃ!」と譲らない。でも、『くろべとななのたっきゅうびん』が、いつのまにか『くろねこやまとのたっきゅうびん』になったように、いずれ『スヌーピー』ということに気づくのだろう。はたしてそれが何時になるのか予想するのも難しいが、いましばらくは「いぬーぴー」で楽しませてもらうとしよう。


2000.6.28(Wed)

バイク

 バイク関連のかなり大がかりなサイトが2つばかり立て続けにオープンするとか。
 「Net Riders」と「RISYS(Riders Information SYStem)」。どちらも7月1日オープンという奇妙な符号に、水面下での連携などがあるのではと思ったりもし。
 先行する『DigiBike.com』と併せて、どういう展開になってゆくのかとても気になるところだ。私としては、古いバイクの部品などが、ショップ横断的に一気に検索できたりして入手しやすくなってくれればたいへんありがたいのだけれど。

 メーカーでは川崎重工のアメリカ現地法人カワサキモータース社が、「BuyKawasaki.com」を立ち上げた。細かな部品などがオンライン販売可能な点で、従来のメーカーサイトよりも機能アップしているようだ。ただ国内ではメーカーのオンライン販売は困難らしいので、他メーカーの追随はあまり期待できそうにない。個人的には YAMAHA がこういうサイトにバージョンアップして欲しいんだけどな。
 ところでバイクの販売台数は軽二輪車・小型二輪車の新車販売台数の年別推移(社団法人 全国軽自動車協会連合会)を見れば一目瞭然、90年代からほぼ一貫して減少の一途である。大型バイクが一時期多少伸びたものの国内では再び不振に陥っているし、はっきりいってかなりやばいような気がする。メーカーは国内で減った分、輸出で稼いでいるからいいようなものの、ショップのほうは相当淘汰されてしまうんではなかろうか。今でもうちの近所じゃ片道1時間かけないと修理にも出せない状況なのに、ますます不便になっていきそうな予感。マイナーな趣味を持った者の宿命だのぅ。


2000.6.29(Thr)

変わった植物

 『国華園』から秋の園芸カタログが届いたのは、昨日のこと。ここの発行するカタログには“変わった植物”が掲載される傾向が強く、今回も思わず唸ってしまうものが少なからず発見できた。変わり種に弱い人にはうってつけのカタログといえよう。
 私がまず惹かれたのは、“マンモスシリーズ”である。月曜の日記で書いたとおり、私はこういう変わった(巨大な)野菜にことのほか弱い。“重さ13kg以上!直径45cm!!”マンモスキャベツとか、“球重3kg以上!!”マンモス玉葱とか、“とっても重い!!1本で2.5kgもあるの”というマンモスリーキとか(ところでリーキってどうやって食べるんだろう)、“全長2〜2.5m!!みんなでわいわい鍋にする?”マンモス葱とか。くらくらしまくりだ。おまけにどいつもこいつも収穫まで7ヶ月以上かかるというのが、マンモスさを強調しているではないか。菜園もマンモス級じゃないと、ちょびっとしか育てられないのが弱点だけど。1種類くらい買ってしまいそう。

 そして極めつけはコレだ。“山火事に何度遭っても決して枯れない縁起樹!”との謳い文句で紹介されている“千年草(XANTHORRHOER)”。オーストラリアに自生するということだが、たしかその地域に自然発火の山火事が多いっていうのは、私もドキュメンタリー番組などで見たような記憶がある。燃えないと発芽しない種とか、山火事の多さに順応した植物なんかもあったはず。“千年草”は、燃えないことで火災に対応したらしい。その証拠に“お届けする全ての樹は何度も山火事に遭遇したもので、表面がまっ黒に焦げています。”とのこと。じつにリアルである。物珍しさについ手が出そうになるが、“約200年生・枝分かれモノ”で198万円という値段に、打ちのめされるのであった(約100年生だと15万円)。野生種っていうだけでなく、現地でも稀少な植物だったりして。採っていい植物なんだろうかと、よけいな心配までしてしまった。
 他には、花粉症に効くというので最近人気の“甜茶”が登場してた。もちろん茶葉に加工されたやつじゃなくて、本物の生きてる“甜茶”だ(一株1500円)。木イチゴの仲間なので、ラティスなんかに這わせるといいかもしれない。なにしろ我が家では今年からお茶といえば、ずっと“甜茶”を飲んでいるため、自分ところで茶葉がとれたら家計も助かる。麦茶に比べて甜茶は、割高だし。ただ、自家栽培するとしても、問題はやはり1本からどのくらいの茶葉が収穫できるかだなぁ。
 また当分、カタログとにらめっこの日々が続きそうだ。

最近ちょっと気になる

 歌手がいる。SkyPerfecTV!の5分枠“SPARK!”でPVが流れていたのを見つけてからというもの、音と映像がことあるごとに頭の中で再生されてしまうのである。
 その歌手の名前は、“矢井田瞳”。PVは『How?』という曲のものだった(ちなみにここでPVの一部を見ることが出来る)。名前を手がかりに、彼女の公式サイトも発見した。うちのような田舎で、インディーズデビューマキシシングル『Howling』(含む『How?』)を手に入れるには、ここの通信販売を利用するしかないようだ。間髪入れずに申し込んだのは言うまでもない。
 サイキンノヤイコの、大阪弁な書き言葉も親近感があってよし。今後の活動も要チェックだ。


2000.6.30(Fri)

PCセッティング

 不況のおり、新型マシンが職場に登場することもめっきり減った。なのでOSのインストールなどもここのところご無沙汰である。そんな中、なぜか続けて3件のPCセッティングをせねばならなくなった。ここにも連鎖が…。

 今夜はその1件目。起動しなくなったPCを引き取ってきた。仕事じゃないので、夜なべということになる。このPCのオーナーは、職場こそ同じものの一般事務職ということで、PCも同僚にセッティングしてもらったものだった。セッティングした本人はといえば、去年イギリスへと留学してしまったために、私にお鉢が回ってきたというわけである。ありがちな話だ。
 で、問題は来週あたりに到着するであろう2件目と3件目だ。こちらのオーナーは、私とはこれまで面識はまったくなかった。職場の同期が長期出張中に懇意にしていた上司なので、というわけで間接的に依頼があったものだ。その同期とは友人でもあるので、引き受けたものの、やはりなんだか釈然としない。なぜなら、彼も私と同じくこの道のプロなのだから。組み込み系が多いとはいえ、10年前ならともかく、このご時世、PCのセッティングくらいはできないとまずいのでは。実際、今の仕事でも搭載用のコンピュータの1つはPCだ。というか彼が担当してるコンピュータは、CompactPCI なもののPC互換品だ。OSが窓系ではなく、組込用リアルタイムOSという違いはあるけれど。でも組込用リアルタイムOSの面倒を見るだけのスキルがあれば、窓系などちょろいはず。まぁ少なくとも彼は自分でできることを他人に押しつけるようなヤツではないので、本当にPCが苦手なことは間違いないのだろう。今まで一度もPCで仕事をしたことはないらしいし(書類作成などは除く)、PCが絡んだ仕事は微妙に避けて通ってるふしがあるし。でも、そろそろ食わず嫌いをなんとかしないと、技術屋としてやばいような気がするなぁと、友人としては心配になってしまうのであった。


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