2003.9.1(Mon)

古本

 先日、内田美奈子の新刊を買ったから、というのもあるのだが、ちょっと気になったので既刊本で買い逃しているものはないかと調べてみることにした。これまでにも思い出した時にはオンラインの古本屋でチェックしていたのが功を奏したか、残り2冊ということがわかった。
 たまたまAmazonの検索一覧で、その2冊とも古本ということで出ていたため、買ってみることにする。Amazonそのものが古本を売ってるのではなく、登録業者の在庫も検索結果に含めるようにしてあるのと、購入手続きがAmazonで一本化できるのがこのシステムの利点のようだが、少々送料が高いのが気になる。本の本体よりも送料の方が高いというのはなんとも…。銀行で少額を送金したとき、手数料の方をがっぽり取られるのと似た心境である。

 まぁなにはともあれ、これで単行本化されているやつが全部揃うのなら、よしとしよう。なんて思ってると、やがて1通のメールが届いた。さきほどの古本業者からのものだ。曰く「Amazonから依頼のあった本のISBNコードが間違っており、件の本はすでに在庫切れです」。がーん。

 残り1冊、なんとかして入手せねば。


2003.9.2(Tue)

 Amazonの検索結果に、DVDも含まれることに気づいたのが運の尽き。いつのまにやら、懐かし作品を4つほど注文してしまっていた。
 もともとはβテープに保存してあったのだが、肝心のβデッキを故障でなくしてしまったので、もはや二度と見ることもあるまいと思っていた作品だけに、それがDVDとして復活していたのを知ったのは幸運であったかもしれない。気づかねば、またしても廃盤として入手不可能になってしまうところであった。

 でも、なんかAmazonの“おすすめ機能”の罠に落ちた可能性もあり。金のないときには、あまり触れてはいけないシステムのようだ。


2003.9.3(Wed)

似て非なるモノ

 今でもふっと思い出す出来事がある。遠い遠い記憶の中で、その部分だけが妙に輪郭が鮮明なのだ。おそらく、この記憶は私が死ぬまで保持し続けるのではないかと思われる。

 小学校の3年だったか4年だったかの頃だ。翌日を写生大会に控え、黒板の明日の予定欄には、その行き先である“ぼくじょう”というのが書いてあった。まだ“牧場”という漢字を知らない子供達のために、先生はわざわざ平仮名で書いたのであろう。それが悲劇の元となるとは、その時、誰も予想だにしなかったのである。

 翌日、いよいよ写生大会当日である。画材を持って登校した子供達の中で、一人だけ“墨汁”を持参してきた子がいた。そう、“ぼくじゅう”である。たった1字違いの言葉だが、“ぼくじょう”と“ぼくじゅう”では、えらい違いだ。
 その子は、自らの誤りに気付き、焦ったのか、つい墨汁をこぼしてしまった。どばーっとである。白い制服から机から床から、墨汁まみれ。…悲惨だった。

 当人にしてみれば、苦い思い出に違いあるまい。私の記憶の中では、それが誰であったのかはすでに霞んでしまっているのだが、やはりその子もこうして時々当時の出来事を思い出すのだろうなぁと思うと、少し気の毒に思う。
 それにしても、“ぼくじょう”と“ぼくじゅう”を取り違えたのは、もしかするとその子の親だったのかもしれない、と今では思う(連絡帳に書き写された“ぼくじょう”という字が、その時すでに誤って“ぼくじゅう”になっていた可能性も捨てきれないが)。写生大会ということで、墨絵という連想はあり得る。子供はたぶんそういう連想はしないだろう。親が我が子のために、わざわざ墨汁を持たせた可能性は高い。私もみこりんの連絡帳をチェックするときには、よく気をつけておかねば。


2003.9.4(Thr)

似てるモノ

 今でもふっと思い出す出来事がある。遠い遠い記憶の中で、その部分だけが妙に輪郭が鮮明なのだ。おそらく、この記憶は私が死ぬまで保持し続けるのではないかと思われる。

 小学校の5年だったか6年だったかの頃だ。大掃除当日、私は後ろのロッカーを拭き掃除していた。そのロッカーの上に、黄色いボンドが1つ、ぽつんと残されているのに気が付いた私は、思わず手にとっていた。誰かが忘れていったのだろうか。そう思いつつ、よくよくボンドを見てみると、黒いマジックで“ジェームズ”と書き加えられていたのである。ジェームズ…、ジェームズ・ボンド。

 やられた。思わず笑ってしまった私は、これを書いたであろう誰かの罠に、まんまとひっかかってしまったのであろう。今思い出しても、苦笑を禁じ得ない記憶である。


2003.9.5(Fri)

再生

 先日、Amazonで注文したDVD達が、続々と到着しつつある。それにしても、DVDだけのために、段ボール箱に梱包するのは、ちょっと過剰包装のような気もする。箱の形態をしてるほうが運搬に向いてるからだろうか。でも、同じDVDでも、段ボールっぽい材質の封筒で送付されているのもあって、その使い分けに一貫性がなさそうなのも気になるところだ。もしや担当者の好み?

 さっそく一枚再生してみる。80年代後半のOVA『ロボットカーニバル』だ。オムニバス作品なので、当たりもあれば外れもあったりする。が、当時はビデオテープだったので、延々とBGVとして流していた。今ではチョイスして再生というのがカンタンになったので、じつに気楽。いやしかし、なんとも懐かしいことよ。こういうのは音楽と同じで、当時リアルタイムで見聞きした時代の記憶まで再生されるため、ひとときのタイムトリップを味わうにはうってつけだ。
 でも資金に余裕ができたら、もう少しコレクションを増やしてみてもいいかな、と思っていることはLicには内緒だ。


2003.9.6(Sat)

便利なコントローラ

 PC用の『FINAL FANTASY XI』は、PS2用のコントローラでも操作できるため、Licはもっぱらそちらを使っている。我が家にPS2用のコントローラは1つしかないので、私の方はキーボードで操作することになるわけだが、まず操作時の姿勢からして異なるので、疲れる。常時キーボードに張り付いてないといけないので、肩が凝る。それに長時間やってると、キーボードの誤操作の危険があり、あぶなっかしい。コントローラだと、そういうのがないのでとってもラクそうに見える。
 というわけで、もう1台コントローラを買うことにした。

 みこりんとLicを音楽教室に送っていったあと、とある家電量販店で物色。黒色だとLicのと区別がつかなくなりそうだし、かといってばりばりのスケルトンは格好悪いので、ほどほどの透け具合の青いヤツに決めた。コントローラとUSBの変換アダプタはLicが使ってるのと同じものを選択。これならば使い勝手もよくわかってるので不安がない。

 帰宅後、さっそくコントローラで操作してみたのだが、やはり圧倒的にラクであることがわかった。特に便利なのは、移動操作中にでもチャットが可能ということ。これまでは移動中にチャットしようと思ったら、いったん立ち止まるしかなかったのだが、パーティの移動中にそんなことしようものならおいてけぼりを食ってしまう。よって移動中は常に無口であり続けたわけだが、もはやそんな心配はしなくてもよい。じつに便利である。
 あとは時間さえたっぷりとあれば、と思うのだが、こればかりはどうにもならない。時間倍増スイッチが欲しい今日この頃。


2003.9.7(Sun)

散歩

 みこりんが「さんぽにいこう」と言うので、いつものように水筒を準備して家を出た。どこに行くかは秘密なのだという。なので、みこりんと手をつないで、てくてくと、とりあえず歩く。道すがら、保育園での出来事とか、諸々のことを話しながら。

 やがて団地の入り口まで降りてきてしまった。なるほど、川に向かおうとしているのか。そう思った時、みこりんがまさに「どこにいくかといったらー、“かわ”でしたー」と言った。すでに夕刻、陰った陽光が背後から差し、二人の影を長くアスファルトに映している。団地の下を流れる川は、もうすぐそこに迫っていた。
 川の水が冷たいんじゃないかと思ったが、みこりんは平気な様子でじゃぶじゃぶと入っていく。私はサンダルが濡れてしまうと、乾かすのがやっかいだなと思ったので、その姿を川縁から見守ることにした。みこりんのサンダルは替えがあるけど、私のはこれ1つなのだ。暑い夏ならともかく、今からだと明日も湿ったままになる。

 川には、先客が二人ほどいた。いずれも若いお母さんといったところだが、子供の姿はない。オトナ二人が、手にタモ網とプラケを持ち、しきりと川の中を探っている。魚かザリガニを捕まえに来ているらしいが、なぜ子供がいないのか?オトナだけで魚獲りというには、少々不似合いな感じだが。
 みこりんもその二人が気になるのか、ときおり視線を送っている様子。でも、やがて自分の遊びに熱中し始める。といっても、じゃぶじゃぶ川の中を歩いてるだけなんだが、それでも面白いらしい。みこりんはとにかく水遊びが大好きなのだ。

 川の中には、魚影がちらほら。5cmほどに育ったものから、メダカの学校サイズにちっこいやつまで様々だ。こんなことならタモ網とバケツでも持ってくればよかったかな、と思いつつみこりんを見る。みこりんには魚の姿はあまり見えていないような感じ。魚が素早く動くので視線が追いついてないというか、魚影がどんな風に見えるのかがまだよくわかっていないのかもしれない。

 やがて6時のチャイムが鳴り始める頃になったので、帰ることにする。帰り際、川岸に放置してあったレジ袋が気になったので、一緒に持ち帰ることにした。中にはお菓子の空き箱が詰まっている。そして先ほどの二人連れが置いていったのであろうタモ網を包んでいたビニール袋も、気になったのでゴミと一緒に袋に入れた。こういうのはオトナが率先してやらねば、子供にも身に付かない。そういう躾をオトナがやらないから、子供が平気でこうやってゴミを捨てるようになるのだ。
 帰り道、目に付いたゴミを次々に袋に詰めていったが、半分がタバコ系で、残りがお菓子系であった。タバコのゴミは、大半が近くの専門学校の学生の仕業と思われる。歩きタバコしている姿をよく目撃するので、間違いあるまい。子供がタバコを吸うということからしてすでに間違っているのだが、こういうのも親の躾がなっていないのだろう。
 ゴミ拾いはみこりんが率先してやってくれた。手を触れるのがはばかられるようなばっちいゴミまで拾おうとするので、そういうのは次回、ちゃんと装備を持ってきてからにしようと言わねばならないほどに。

 公園でも、わりとお菓子系のゴミが目立つ。ここでも躾の行き届いていない子供が、少なからずいるということだろう。このような細かい躾ができているかできていないかは、わりと重要なことだろうと私は思う。小事を見逃すと、いつのまにか大事に至る。小事のうちから芽を摘んでおく必要があるのではないか。少年犯罪の減少には、そういう細かいところから取り組んでいく地道な努力が欠かせまい。子の不始末は、親の不始末。親が関係ないなんてことはあり得ないのだ。


2003.9.8(Mon)

ナナフシのいる生活

 夕方のことである。ウッドデッキからリビングへと戻り、網戸を閉めたその眼前に、なにやら細長い物体が張り付いているのに気が付いた。枯れ枝のような形態だが、左右対称で妙にまっすぐなのが異様といえば異様。
 よくよく見れば、ナナフシであった。夏頃に庭で見つけたやつよりも、ずいぶんと小柄ということは、やはりこの庭でナナフシが繁殖している証かもしれない。それにしても網戸の部屋側に張り付いているとは、どういうことだろう。いったいどこから侵入してきたのやら。

 庭に戻しておこうと手を伸ばす。持ちやすそうな胸のあたりをつまんだのだが、長い手足をくねくね動かすので、ちょっと不気味。あんまりきつくつまむと潰れそうなので、そぉっと扱ったのがまずかった。途中でぽとりとウッドデッキに落ちてしまった。
 でも、体重の軽さが幸いしたか、無傷らしい。ところで、落ちた先でもやっぱり枝に擬態してるものだから、目立つことこのうえない。おまけにウッドデッキの真ん中でそうやっているものだから、誤って踏んでしまいそうである。さっさと自力で逃げればよいのにと思ったが、彼等ナナフシには、危険が迫ったときにはとりあえず擬態というのが刷り込まれているのかもしれない。やはり私が庭まで連れて行ってやらねばならないようだ。

 こうして若いナナフシは、庭の雑草の上へとやってきた。草の上に乗っかっても、やっぱり枝のふりをしている。でも、緑の草なので、茶色いナナフシはとても目立った。彼等は周囲の色を認識しないのかもしれない。周囲の色彩に合わせて己の体色も変化させられれば面白いのだが、そこまでの芸はなさそうな。
 私が子供の頃は、図鑑でナナフシという虫の存在を知ってからというもの、ずっと見たいと思いつつ、子供時代にはついにその願いは叶わなかった。でも、こうして当たり前にナナフシがいる生活を送っていると、ナナフシって、いわゆる普通の虫なんだなぁと、しみじみ思う。慣れとは、恐ろしいものである。


2003.9.9(Tue)

連鎖

 みこりんも『FINAL FANTASY XI』で遊ぶのは好きらしいのだが、それと同じくらいはまっているゲームがある。Webブラウザで遊べる“さめがめ”タイプのものだ。このゲームに使われている駒(といっていいのかどうか)が、『FINAL FANTASY XI』に登場するタルタルなところが、みこりんの興味を惹いたのだろうと思われる。なにしろみこりんはタルタルが大好きなのだから。

 ところでこのタイプのゲームは、先を見越してうまく駒を消していかないと、消せない駒が大量に残ってしまう。みこりんは、まだそこまでの技は持ってないらしいので、とりあえず目に留まったところから次々に消していく状況だ。いずれ何手先かまで読むようになるのだろうが、私がこの手のゲームに弱いため、よいお手本を示してやることができないのが悩ましい。今はまだ私の方が勝ってはいるが、いつのまにかみこりんに抜かれてしまう日もそう遠くない将来、やってきそうな予感である。


2003.9.10(Wed)

みこりんの苦手なもの

 ナナフシの苦手なみこりんだが、じつはクモにもかなり弱い。でっかいジョロウグモは言うに及ばず、家の中によくいるハエトリグモのようなちっこいものまで、同じように怖がるのだ。小さい虫は大丈夫なはずのみこりんだが、なぜかクモだけはダメらしい。あのぴょんぴょん跳ねるように移動していく動作が、みこりんの恐怖心をかきたてるのか、それとも八本ある足がいけないのかは定かではないが、我が家にはクモの類は結構いて、見つけるたびに大騒ぎになるので、大変である。

 クモの存在そのものが怖いというより、どっちかというとクモがみこりんの持ち物に触れるのを嫌がっているような感じがする。もしや以前、クモが乗っかったままのオモチャとか服をそのままつかんでしまって怖い思いをしたことがあるのかも。これまで、怖がる理由をちゃんと聞いたことなかったので、一度じっくり話を聞いてみるべきかもしれない。


2003.9.11(Thr)

電源交換

 なかなか時間がとれずに延び延びになっていたのだが、今日の夕方、ようやくLicのPCの電源を交換することにした。
 箱から出した真新しい電源を、まずはじっくりと観察。やはり高価な電源は、ケーブルのシールドからして違うのだな、と妙なところで感心したり。ファンも2つ付いているので、ケースにファンをわざわざ取り付けなくても排気は十分そうなところもいい。

 交換作業そのものは5分もかからずに終わった。もともとHDD1基とマザーボードにしかケーブルを接続していないので、カンタンだ。ところが問題はそのあと起きた。電源ケーブルも、ふっといヤツになるため、元の電源ケーブルを抜こうとして、別のPCのやつを間違ってぶちっと抜いてしまったのである。
 そのPCは起動中だったのでちょっと焦りつつ、もう一度コンセントに挿し直し、おもむろにパワースイッチを投入…、だが、何も起きない。何度スイッチを入れても、起動しなくなってしまったのだ。ま、まさか壊れたのか?そんな馬鹿な。ものはためしにと、電源交換した方のPCの電源ケーブルを接続してみると…、おぉ無事に起動するではないか。これは如何に。

 ちなみに間違って抜いた電源ケーブルと、電源交換した方の電源ケーブルは、別の電源タップに刺さっている。となると、疑うべきは電源タップの方かもしれない。同じ電源タップにつないでいる別の機器を操作してみたところ、案の定だ。こちらも死んでしまっている。どうやら私は誤ってケーブルを抜いたと同時に、電源タップのスイッチまで切ってしまっていたらしい。通常このスイッチは電源ONで点灯するようになっているのだが、いつのまにか壊れていて常に消灯状態だったのもまずかった。スイッチが切れていることに気づかず、延々と電源投入を試みていたとは。

 電源タップのスイッチを入れると、さきほどまでの悪戦苦闘が嘘のように、すんなりとPCは復活した。電源交換した方のPCも、無事に起動を果たした。
 Licによれば、その後、何時間か使ってみたが、問題のPCは一度も電源が落ちることはなかったという。やはり電源が問題であったらしい。少々高い買い物だったが、安定して使えるようになったのであれば、よしとしよう。
 ところで、動画録画中に、たまに再起動する私のPCも、もしかすると電源に問題が…。今回余った電源は、私のPCの電源よりも大容量なので、ひょっとすると交換したら安定したりして。試してみなくてはなるまい。


2003.9.12(Fri)

“にょ”

 仕事先が同じ方向なので、いつもLicとは一緒にクルマ通勤である。今日はLicの運転だ。
 とある信号待ちで、前方に“工事中”の看板が立っていたのをぼんやり見ていた私は、Licが発した言葉に一瞬耳を疑った。いまたしか「工事中だにょ」と言わなかったか?

 果たしてLicは、大きく頷いたのである。“にょ”はLicをも蝕んでしまっていたとは。おそるべし。みこりんが一時期“にょ”に感染していた時には、どうしたものかと思ったものだが、最近は収束傾向にあったので安心していたら、次はLicか。

 しかし問題の番組滅多に見ないのに、なんで“にょ”がうつっとんねん。謎である。


2003.9.13(Sat)

壊れた雨樋

 みこりんとLicが音楽教室に行ってしまったため、一人で留守番をしていると、突然、窓の外がにわかに怪しくなってきた。こいつは一雨来るかもしれない、と思う間もなく、どざざざざっと降り始めた。まさに天に穴が開いたかと思うほどの、すさまじい降りだ。

 このままではサンルームに干した洗濯物もピンチかもしれない。そう思って外に出てみると、雨音とは別に激しい水音が轟いているのに気が付いた。音のする方向に顔を向けてみると、そこには“滝”が出現していたのである。

 一瞬なにがどうなったのか理解できない状況だったが、どうやらこれは雨樋からパイプが外れてしまっているのだと気が付いた。それで雨樋に溜まった大量の水が、一気に落下してきているのだ。
 落水の下には、屋外設置してある水槽のモータが収まったワーディアンケースがある。囲いをしてあるとはいえ、どきどきの光景だ。ちょっとでも水が中に侵入したら、ショートしてしまうかもしれない。

 見守っているうちに、やがて雨足は弱まり、やがて完全に落下は収まった。通り雨、か。
 それにしてもこいつはちょっと危険すぎる。はやく雨樋直しておかねば。


2003.9.14(Sun)

庭の状況

 一夏ほったらかしにしていたのは、市民農園ばかりではない。庭の花壇の方も、ほとんど手入れをしていなかった。その結果、雑草がものすごい勢いではびこり、虫達の天国である。
 そもそも花苗が、天候不良もあってほとんど大きくならなかったのが痛かった。今年は花一杯にしようと企み、苗だけは大量生産したものの、その後、定植してからがさっぱりで、いつのまにやら消滅したものが多い。その代わりに、名も知れぬ雑草達が花壇の土を占拠した。

 菜園1号&2号の方も、トマトが強風で横倒しになったまま、無造作に枝を茂らせたままだ。最初のうちは、こまめに芽欠きをしていたのだが、いつのまにか忘れてしまってこのありさま。実の方も、ぽつぽつと付いてはいるようだが、とても食卓を賑わすほどの量ではない。ピーマンも、花が咲いたのが2ヶ月ほど前だというのに、実の方はまだピンポン玉サイズ。とても食べられたものではない。
 ブドウにしても、3房ほど実がついたものの、なんというか色付かないまま時がただ過ぎているだけのような気もする。木イチゴは、収穫の季節が早かったので天候不順の影響はまぬがれたものの、その後、幹の中に虫の幼虫が侵入してしまって大部分が枯れてしまった。

 ひどいありさまである。が、このままにしておくと、状況は悪化する一方に違いない。せめて雑草だけでもなんとかせねばと思っていたが、庭いじりの気力が湧いてこないので、今日もまた見ないフリ。このまま秋を越え、冬に至る可能性、とても大。


2003.9.15(Mon)

FAXにはまる

 実家にFAXが導入されたとかで、最近、みこりんはFAXで手紙を送ることに熱中している。なんでも、上手に字を書けたらご褒美上げるとか言われたらしくて、一生懸命文字盤とにらめっこして、書いているのだ。その甲斐あってか、これまで鏡文字になっていたものも、かなり改善しつつあるようだ。

 FAXを送信したあと、わざわざ実家に電話をかけて届いたかどうかを確認する念の入れよう。しばらくすると、実家から返事がFAXで届くので、みこりんはうれしそうにそれを読む。

 こうしてFAXの面白さは理解できたみこりんだったが、1つだけ謎なことがあるらしい。それは、どうやってFAXは届いているのか、ということらしい。もしかして転送装置をイメージしてるのかもしれないが、現物がそのまま届いているわけじゃないってことは、みこりんにはまだ理解できていないにちがいない。情報が符号化されて送受信されているということえを、どうやってみこりんに伝えよう。やはり簡単な模擬実験してみせるのが、わかりやすそうだ。紙と鉛筆で、情報伝達の実験してみせれば、FAXがどんな仕組みで作動しているのか理解してくれるにちがいない。これが理解できれば、インターネットでどうやってFINAL FANTASY XIとかのゲームができるのかというのも、同じく理解してもらえることだろう。ぜひ試してみなくてはなるまい。


2003.9.16(Tue)

ムカデ屋敷

 家の中で、ムカデをよく見かけるようになった。昨年はほとんどその姿を見なかったので、撲滅できたかと安心していただけにショックも大きい。彼等は密かにどこかで棲息を続け、虎視眈々と勢力拡大のチャンスを狙っていたに違いあるまい。
 ムカデザウルス級の巨大なやつには、まだ一度しか出会っていないが、その子分とも言うべき、10cmクラスのヤツには3度ほど遭遇した。それよりもワンランク下のヤツには、それこそ数限りなく、という状況だ。そして今年はついに、10cmクラスのムカデに、とうとう噛まれてしまったのだった。

 あれはそう、先週の土曜日の夜のこと。風呂上がりでパジャマのまま、FINAL FANTASY XIをやってる真っ最中、突然、脇腹に“ちくり”とした微妙な痛みが走ったのだった。その時にはそれがムカデとは思わず、反射的に手で払いのけたところ、何か細長いものが暗がりの中、すっとんでいったのが見えた。その時初めて、もしやムカデではあるまいか、と思ったのだが、なにしろパーティで戦闘の真っ直中でもあり、その真相をすぐには確かめることができなかった。ようやく一息ついたところで、さささっと座布団の下とかめくって探してみること十数秒、いた、やはりムカデだ。
 ティッシュを3枚重ねで、圧殺。今でも手に残るあのぶにょっとした感触が気色悪い。できればムカデはビニール袋に追い込んで、足で踏むのがラクでいい。

 それにしてもムカデに噛まれたというのに、なぜかその時はあまり痛みを感じなかったのだった。以前、庭で噛まれたときにはたいそう毒がしみたものだが、もしかしてムカデの種類によって痛みに大きな差があるのかも。とはいえ、痛みが少ないからといってムカデを放置するわけにもいかない。あんなのが夜、寝ているときにぞぞぞぞぞぞっと鼻の穴とか口とかから入ってきたら…、と想像するだに恐ろしい(そんな映画があったような…)。

 やはり庭が雑草まみれというのも大きな要因になってそうなので、秋の終わりを待たずにしっかり草引きやっておこう。ムカデ屋敷はもうこりごり。


2003.9.17(Wed)

片づけ

 来月には、みこりんの保育園で運動会がある。保育園最後の運動会ということで、みこりんも双方のじじばばに電話でお誘いに余念がない。それはそれでいいのだが、もし双方の実家から来る、ということになったら、客室の準備が大変だ。座敷の他に、もう1部屋用意しないといけないのだが、1階で空いてる部屋はもうないため、必然的にみこりんの部屋を使わざるを得ないのである。

 ばぁばが来てくれるならと、みこりんも自分の部屋を貸すことには比較的好意的である。布団を敷くためには部屋の片づけも必要だということで、今朝などは珍しく自分からいらないオモチャとか絵本とかを物置に持っていくと言い出したほどだ。

 あぁ、みこりんがやる気になっている。がしかし、問題は2階の物置部屋がすでにいっぱいで、みこりんの荷物をこれ以上運び込むことが困難だということだ。みこりんの部屋の片づけの前に、まず物置部屋の片づけが先らしい。これがまた大仕事になりそうで、これまで見て見ぬフリをしてきたのだが、そろそろ限界っぽい。来月までに間に合うだろうか。というか物置部屋の荷物を減らすには、もはや捨てるしかないのだが、粗大ゴミの日はすぎてしまったような気もするし、もはや如何ともしがたいのが悩ましいところである。


2003.9.18(Thr)

ぶら下げる

 私を迎えにきたクルマの中で、すでにみこりんは寝入っていた。首からは、携帯型の扇風機をぶら下げている。羽根の部分が柔らかな素材で出来た、幼児にも安心なタイプのオモチャなのだが、なぜかみこりんはこれが気に入ってしまったらしい。去年買ってもらってからというもの、事ある毎に持ち出してきては首からぶら下げているのだった。

 思うに、首からぶら下げられるというのがポイント高いのだろう。みこりんはこれに限らず、首から何かをぶら下げるのが好きだ。自分で編んだ三つ編みとか、自分で作った首飾りとか、etc...
 そしてまた、回転するものも好きなみこりんである。この2つの条件を併せ持った携帯型扇風機は、みこりんのお気に入りになるには十分だった。

 家についてからも、みこりんは目覚めなかった。おそらくこのまま朝まで寝てしまうにちがいない。そっと布団に寝かせてやったが、扇風機はとりあえずそのままにしておいた。無理にとろうとすると、起きてしまいそうだったから。
 やがて、寝返りを打ち始めるみこりん。扇風機が背中側に回って、なんだか首が苦しそうな…。そしてまた、体が元に戻ったとき、扇風機は背中の下敷きになっていた。さすがにこれでは寝にくいだろうと思ったので、首から扇風機を取り外してやった。

 ところで首からぶら下げるといえば、私には痛い思い出がある。幼稚園だったか、小学校低学年だったかの頃、音楽会の練習があるのでハーモニカ(鍵盤ハーモニカに非ず)を首からぶら下げていた。いちいち手に持って移動しなくても便利なように、という親心であったのだろう。ところが私は、ついうっかりそのまま壇上からジャンプして飛び降りたのだ。これがただの紐であったなら、なんの問題もなかったであろう。しかし、ハーモニカはゴム紐でぶら下がっていたのだ。そう、ジャンプして着地した直後、ゴム紐の反動でハーモニカは、そのままものすごい勢いで私の顔面を直撃したのである。それはもう、目から火花が出るほどに痛かった。
 教訓。首から何かをぶら下げるときには、ゴム紐は危険だ。伸びないものにしよう。みこりんに何かをぶら下げてやるときも、ゴム紐だけは絶対に使わないようにと、今でも心に固く誓っているのである。


2003.9.19(Fri)

金曜日

 7つの曜日の中で、どれが一番好きかと問われれば、私の場合は“金曜日”ということになる。時間帯指定できるなら、“夜”だ。なにしろ翌日もそのまた翌日も(たいていの場合)休日になるので、精神的にも肉体的にも、もっともリラックスできるひとときだから。

 みこりんを寝かしつけながら、今夜はなにして過ごそうかな…、と考える時間は、まさに至福の時である。FINAL FANTASY XIでパーティするのもいいし、部屋の片づけするのもいい、ぼーっと懐かしいDVDでも鑑賞するものいい、なんてことをつらつらと考えているうちに、いつのまにやら自分も爆睡してしまっていた、らしい。
 こうして金曜夜の時間は、あっさりと消滅した。

 ちょっともったいなかったかな、と思いつつも、それだけ体が睡眠を欲していたのだということで納得することにしよう。無理して起きてると、あとでひどいしっぺ返しが来るかもしれないし。


2003.9.20(Sat)

段ボール工作

 段ボール箱に、マジックで碁盤の目状に線を引き始めたみこりん。いったい何を作り始めたのかなと思って見ていると、「コンピュータつくってるの」と、うれしそうに教えてくれた。なるほど、キーボードを描いているのか。
 マス目1つ1つに文字を記入する段階になって、みこりんは「なんてかけばいいの」と困惑した表情を浮かべている。1つ1つの言葉としては覚えているけれども、全部でどれだけの言葉があるのか、というのが思い出せないらしい。たしか4歳頃には“あかさたなはまやらわ”を暗唱できていたはずだが、と思ったのだが、すっかり忘れてしまっているようす。いまいちど、五十音を教えてやらねばならないようだ。みこりんが小さかった頃に使っていた文字盤(ボタンを押すと合成音でしゃべってくれるやつ)を部屋から発掘させて、文字の種類をおさらいした。

 次にみこりんは、モニタの製作にとりかかった。段ボールの上下に切れ目を入れ、そこに紙をはさむと、好きな絵が表示できるという仕組みらしい。しかもロール紙のように紙を長くつないで様々な絵を描いておき、そいつをスクロールすることでいろんな絵をすぱすぱと表示できる工夫も凝らしてあった。

 いよいよ完成したらしいので、出来映えを披露してもらう。段ボールコンピュータの前に座ったみこりんは、モニタの紙をずずっと引っ張って、「いま、ふぁいなるがんたじーやってるの」と言う。紙には、確かにモンスターと、戦うみこりんの図が描かれていた。他の絵も、全部FINAL FANTASY XIからのものであった。みこりんはよほど、あの世界が気に入ったとみえる。
 ここまで熱心だと、ついみこりん用にもアカウントを作ってやりたくなってしまうが、そんなことをしたが最後、みこりんは本物のコンピュータの前から離れなくなってしまうかもしれない。こうやって工夫して工作してるレベルで留めておくのが吉であろう。


2003.9.21(Sun)

かくれんぼ

 “かくれんぼ”しようとみこりんが言うので、家の中でやってみることにした。この日は朝から部屋の片づけをやっていて、みこりんも一緒になって自分の部屋を片づけたため、どうやら隠れる場所が出来たらしい。

 まず私が鬼で、10数える。「もーいーよー」と、案の定みこりんの部屋方面から声が届いてきたので、ゆっくりとそちらに向かった。部屋に入ってすぐ、みこりんがどこに隠れているのかわかったのだが、すぐに見つけてしまっては面白くない。わざと反対方向を向いて、「どこかな〜?」なんて探すふりをする。背後では、みこりんが「くすくす」と笑い声を必死で噛み殺しているのが、微笑ましい。さて、そろそろ仕上げだ。
 くるりと向き直り、ちょっとだけ探すような仕草を見せてから、「みーつけた!」

 こんなことを5回ほど繰り返すハメになった。私が隠れる場合も、みこりんが隠れていた本棚の隅っこをわざと選んだ。そこはとても狭くて、私では完全に体がはみ出してしまうのだが、あえてそのままに。これもまた、みこりんにはおおいに受けてもらえたらしい。きゃっきゃと喜んで見つけてくれた。
 こんな遊びでも面白いのだなぁと、妙に感心した日曜の午後であった。


2003.9.22(Mon)

赤いトマト

 朝、みこりんに朝食の準備をしていたところ、ふと、庭の菜園のことが気に掛かったので、外に出てみることにした。たしかトマトが2つほど赤くなりつつあったような…
 菜園1号は、密集したトマトの枝で通行も困難なほどである。その緑の隙間に、ちらりと覗く赤いもの。やはり2つあった。そっと近寄り手に取ってみる。食べられるかな?
 あいにく1つはすでにひび割れて食用には適さない状態だったが、残る1つは大丈夫そうだった。完熟というにはちょっと赤味が足りないような気がしたが、9月も下旬に入ってしまっては、これ以上ここにくっつけておいても無駄なだけのように思える。というわけで、1つ収穫。

 かなり大きい。片手で余るほどだ。これが真夏に収穫できていればどんなにかよかっただろうと、今更ながら悔しく思う。6株もトマトがあって、無事に実ったのが、たったの2個とは。…が、もはや過ぎたことを悔やんでもどうにもならん。特にお天道様のこととあっては、我々人類では為す術もない。

 収穫したトマトは、みこりんの口にも合うように小さめに切ってサラダにしてみたのだが、みこりんは「おっきくてたべれん〜」とかなんとかいって、結局1切れしか食べてはくれなかった。小さかった頃は、庭のトマトを収穫して丸かじりするのがあれほど好きだったのに…。
 来年の夏こそは、トマト鈴なり状態にしたいものだ。この異常気象が今年だけのものでありますように。


2003.9.23(Tue)

朝のこと

 いつものように目覚め、みこりんに朝ご飯を食べさせ、保育園に行く準備をしようと忙しく部屋の中を駆け回っていると、ふいにみこりんが言った。「きょう、ほいくえんおやすみ〜」

 え?しばし頭が空白状態に。……そ、そうか、今日は祭日だったか。仕事があるのは、私一人というわけだ(夏休みの振り替え出勤)。どうりでLicが昨夜、夜更かししていたわけだ。なんだかとっても損をしたような気になった朝である。


2003.9.24(Wed)

寝癖

 起きてきたLicが「にゅー」とか言っている。見れば、髪の毛が大爆発しているではないか。昨夜、みこりんを寝かしつけているうちに、自分も寝入ってしまったLicは、十分に髪を乾かすことができなかったらしい。ヘンに寝癖がついているのが、そこはかとなく可笑しい。

 昔ならば沸騰した湯をタオルにぶっかけて、あっつあつのやつを頭にのっけなければならなかったが、今では“髪水”とか、いろいろと寝癖直しのいいやつができているのでそのへんは心配ない。じつに便利になったものよ、と思うが今でも時々あの熱い蒸しタオルの感触が思い出されるのである。寝ぼけた頭が、しゃきーんと一気に目覚めるあの熱さも、案外捨てがたい、かも。って、もしやそんなことして寝癖直ししていたのは、うちの実家だけだったり?


2003.9.25(Thr)

FAXの謎

 昨夜のことになるのだが、寝る間際、灯りを消した寝室で、みこりんが突然こんなことを質問してきた。「ばあちゃんちにおくったファックスにも、テープついたままなの?」と。

 事情はこうである。以前、みこりんはFAXで手紙を送ったのだが、その手紙が紙の上端ぎりぎりのところから書いてあったので、別の紙に貼り直して送ったことがあるのだ。その時、テープで留めたのだが、そのテープがFAX送信先でどうなってしまうのか?というのがみこりんの疑問である。やはりみこりんは、FAXを物質転送機のように想像していたらしい。

 FAXで送信できるのは情報だけである。そのことをどうやって説明しようかと、しばし黙考。やがて、カメラを引き合いに出したらみこりんにも納得してもらえるんじゃないかと思いついたので、そのように話して聞かせてやった。FAXではまずカメラで写真をとって、ばあちゃんちのFAXで現像されて出来てくるのだよ、と。伝送路を情報がどうやって流れるのか、というあたりの説明を省いたことがちょっと気に掛かったが、みこりんはそのことには特に触れず、「そっかー」と納得した様子である。
 今度、実家に帰る時には、事前にFAX送っておいて、それがどんな風に届いているのか確認させてみることにしょう。そうすれば、みこりんにもより実感できるのではないかと思われる。電子メールを普通に使うみこりんだが、やはりモノが実際に動くFAXによる情報伝達という体験は、新鮮な驚きをもたらしたようだ。これまでほとんど使ってなかったFAXだが、あってよかったかなと思った瞬間である。


2003.9.26(Fri)

金策

 金曜の夜ということもあり、久しぶりに『FINAL FANTASY XI』でパーティを組み、じっくりとレベル上げ。その甲斐あって、あと1レベルでかなり有用な魔法を使えるところまで到達した。が、問題が1つ。
 資金である。その魔法はこれまで買った、どの魔法よりも高かったのだ。現在手持ちの資金を、5倍にはしないと買えそうになかった。というわけで、金策に走ることとなる。

 ゲーム内で資金を得るには、モンスターを倒してアイテムをゲットし、合成するなりして付加価値をつけ競売(あるいはバザー)にかけるか(そのまま売ってもいいけど)、ミッションとかクエストと呼ばれる“ある試練”を達成するという、おもに2つの方法がある。前者は運がよければ一攫千金も夢ではないのだが、どツボにはまると何時間やっても目指すアイテムがゲットできないこともある。それでも出やすい無難なアイテムをこつこつと売れば、じわじわっとではあるが資金はたまる。でも運任せなところはどうしてもある。後者のミッションやクエストをこなす方法は、確実に資金をゲットできるが、連続で消化できるものは得られる資金も低めに設定されている。
 どうすべきか。私の場合、平日やれる時間は限られているうえ、一攫千金を狙うには長時間狩り場に留まらねばならず、現実的ではない。となれば、安物アイテムをこつこつ積み上げるか、短時間で達成できるクエストを連続でこなすしかない。というわけで、クエストを主体として、その合間にアイテムも狙うという折衷案をとることにした。

 数あるクエストの中から、そこそこ手軽でそれでいて比較的得られる資金も多そうなものを厳選し、スタートした。とはいえ、このクエストだけで目標金額に到達するには、120回もの繰り返しが必要という、ゴールは果てなく遠く感じられたが、やるしかない。千里の道も一歩から。チリも積もれば山となる、だ。アイテム売却も含めつつやれば、うまくすればこの半分くらいで済むかもしれないし。

 私はひたすら走った。街を出て、岬の突端にある灯台裏まで行き、そこにあるアイテムを置くと、モンスターが出現するのでそいつを倒し、得られたアイテムを街まで戻って依頼者に渡せばクエスト1回完了だ。時間をはかってみたところ、2時間で12回ほどこなせることがわかった。ということは120回だと、20時間、か。ま、一日2時間走れば、10日後には、確実に必要な資金は溜まる。なんとも気の長い話だが、どこの世界でも金を得るのはそれなりに大変ということのようだ。現実世界でも、こういう具合に臨時収入を確実に稼げればと、ふと思ったことはいうまでもない。


2003.9.27(Sat)

もうすぐ一年生

 小学校の運動会に、みこりんが招待されていたので、朝からお出かけである。たまたまこの日は、Licが自衛隊のヘリに体験搭乗する日でもあったので、先にLicを基地まで送っていってからのことになったのだが、小学校周辺の道路はすでにクルマで満杯だった。駐車禁止もなんのその状態である。そもそも専用の駐車場がないのだから、こうなることは目に見えており、それゆえに毎年大目に見てもらってるのかな、と思いつつ、停められる場所を探した。
 小学校から離れるにつれて、徐々に空きスペースが見られるようになってきたので、どうにか駐車完了。みこりんと手をつないで、秋空の下を歩いて向かう。あぜ道には鮮やかに曼珠沙華が群生していて、いい雰囲気だ。

 小学校到着。門を入ったところで“鯛焼き”と“かき氷”の出店があったのには、ちょっと驚いた。最近はこういうのもアリなのか。
 みこりんの出番まで1時間弱。しばらく競技をぼぉっと眺める。みこりんはさっそく遊具に上って遊びを開始。今日は保育園がある日なので、同い年の子はやや少な目だ。

 プログラムに書かれた座席表によれば、児童席は1年生から4年生までしか確保されていない。5年生と6年生はいったいどうしたのか。気になったので注意して見ていると、どうやら高学年はみんな、運営スタッフに回っているらしい。各学年2クラスしかない状況では、これもまた必然なのかも。そのせいか高学年の出場種目は、かなり少ないような気がした。徒競走などもないようだ。運動会を純粋に楽しむのは、中学年まででおしまいということなんだろう。

 やがてみこりん達、来年一年生になる子供達の出番が近づいてきた。出場ゲートに向かっていると、子供達をひきつれて園長先生が現れた。小学校と保育園は隣同士なので、はやめに保育を終えて、やってきたのだろう。これならみこりんをわざわざ休ませる必要もなかったかな、と思いつつ、園児達の輪の中にみこりんを放出。わらわら群れている園児達を取り囲むように、4年生の子供達がやってくる。すると、徐々に輪が崩れ、一人また一人とお兄さんお姉さんに手を引かれて園児達は整然と整列を終えた。さ、さすがは4年生。かなりしっかりしてる。

 さて、みこりん達の競技そのものは、一人10秒ほどで終了した。20メートルほどを走って、おみやげをもらったらおしまいというものだ。気になるおみやげの中身だが、風船と鉛筆、それに自由帳。いかにも小学校らしい品物である。
 帰りのクルマの中で、さっそくみこりんは「こうやって、べんきょうするの?」とか言いつつ自由帳になにやら字を書いている様子。一年生になるまで、あと半年。年長さんになって、はや半年。近頃は特に日々の過ぎるのが加速しているような気がする。ふっと気が付いたら、いつにまにかみこりん中学生になってるんじゃなかろうか、という夢も、たまに見たりするありさまだ。少々落ち着きが必要なのは、私の方かもしれない。


2003.9.28(Sun)

草に埋もれて

 バーベキューしたいというみこりんのために、庭の雑草をどうにかすることにした。早く終われば今日できるし、今日がだめならまた来週、ということで二人して始めた草引きは、案の定、長期戦の様相を呈してくる。
 それでもチリも積もればなんとやらで、次第に庭が広々と解放されてゆくのが感じられて気持ちよい。ところが、ふっと足下に目をやれば、なんだか茶色っぽい物体がころころころりと転がっているではないか。な、なにやつ?

 軍手をしているので、わりと無頓着につまみあげてみたところ、どうやらそれは何かの幼虫らしいことがわかった。丸まっているが伸ばしたら全長5cmくらいはありそうな、踏んだらちょっとキモい感じの大きさだ。蛾の幼虫っぽいが、いったい何の子供かはまったく不明。みこりんが「ちょうだい」と手を出してきたので、幼虫を2〜3匹のっけてやった。みこりんも同じく軍手をしているので、けっこう平気そう。
 うにょーんと幼虫が体を伸ばして、軍手の上を這いだし始めると、さすがに怖くなったか、「おーしまい」とまた土の上に戻している。踏んだら大変なので花壇の方にぽいぽいしてから、草引き再開。でもよく見れば、そんな幼虫はいたるところにいたのであった。おそらく20〜30匹はいるんじゃないかと思われる。草を抜いてしまうと、彼等の行く末がちょっと案じられてしまうのだが、かといってこのまま雑草生え放題にしとくわけにもいかない。完全なる草引きではなく、ほどほどに留めつつ、庭を整理していった。

 花壇の方の草引きにも着手する。今は秋明菊と孔雀草、それに秋桜が花盛りとなっているが、手入れをしてないので、花壇というよりは野草のようなワイルドさが漂っていた。今年の春に苗木を植えたサクランボの木は、すっかり雑草に覆われて姿が見えず。失敗したかも。植えた場所もちょっと悪かったかな、と反省。運良く生き残っていたならば、周囲の草花を少し整理しなければなるまい。
 だが今日はそこまで踏み込めず、草引きは終了となった。とりあえず来週みこりんお待ちかねのバーベキューできる程度には片づいたので、よしとしよう。

黄昏の公園

 夕暮れ迫る午後5時。お散歩行きたいというみこりんのために、外出する。
 近頃みこりんは家で自転車にほとんど乗らなくなった。春頃まではあれほど執着していたのに、どうしたことだろう。聞いてみると、補助輪がなくなったので、スタンドをつけて欲しいのだと、みこりんは言った。そういうものなのかなぁ…、と思いつつ、承諾。来週、さっそく買ってこなくては。

 この団地には公園が2つある。1つはかなり大きめで団地の中心部にあり、もう1つはほどほどの大きさで辺境にある。遊具の数も種類も後者の方が少ないのだが、家から近いというメリットがあるため、今回の目的地もそこになった。

 誰もいない公園。翳りゆく陽光が、いかにも弱々しくて、もの悲しい。黄昏色の空気の中を、みこりんと一緒にブランコをこいで過ごした。ブランコを大きく揺らしてやると、背中が後ろの大きな杉の木に当たるのが面白いらしく、きゃっきゃと喜ぶみこりん。こんなことでそんなに喜んでもらえると、なんだか得した気になってくるではないか。

 ブランコに飽きると、今度はジャングルジム。私も一緒に上り、ちょいとした鬼ごっこ。うっかりすると落ちそうになるスリルが、忘れかけていた子供時代の記憶を呼び覚ます。あぁ、ジャングルジムで遊ぶのなんて、何十年ぶりだろう。いつもはみこりんが遊ぶのを見てるだけだったのだが、今日はちょっと一緒に遊んでみたかったのだ。これもみこりんには好評であった。

 やがて、午後6時を告げるチャイムが鳴る。ふっと我に返ると、輪郭がぼやけ始める暗がりに覆われつつあった。さ、かえろ。


2003.9.29(Mon)

不覚

 朝からなにやら体に違和感があった。腹の辺りとか、脇腹付近に、重いしこりのような感じのもの。いったいどうしたことだろう。………ま、まさか。あまりのことに、私は苦笑を禁じ得ない。

 昨日、みこりんと公園で遊んだのが、今日になって筋肉痛となって現れたとしか思えなかった。な、なんと弱々な。たかがブランコとジャングルジムだけで、これとは。よっぽど日頃運動してないかってことの証明でもある。やはり休日は、みこりんと一緒に公園で遊ぶのがいいらしい。


2003.9.30(Tue)

冷気

 ふっと目が覚めた。部屋の中は暗く、まだ真夜中といった雰囲気である。それにしても、この冷たさはなんとしたことだ。まるで冷蔵庫の中にいるようではないか。薄い掛け布団を被ってはいたのだが、そんなものの存在などまるっきり無視したかのように猛烈な冷気が、部屋中に満ちていた。おそるべき秋の深まり。

 このままでは寝られそうになかったので、冬用の分厚い掛け布団をひっぱり出してきて、潜り込んだ。冷気はすぐには消えそうになかったが、徐々に体温が周囲に暖かな空気の層を作ってゆくのが実感できる。もはや夏の名残は完全に消え去ったのだと思うと、寂しくもあり。

 ふと、みこりんのことが気になった。この寒さで凍えていないだろうか。隣の布団を見やると、掛け布団をけっ飛ばして、パジャマのまま横たわるみこりんの姿があった。寒かろうと、布団をかけ直してやったのだが、すぐに蹴り蹴りと跳ねとばしていってしまう。それでも何度かチャレンジしたが、その度に布団を蹴飛ばしてしまうので、最後はあきらめた。
 子供の持つエネルギーというのは、オトナのそれを遙かに上回っているのだろうか。気になるが、赤ん坊の頃、みこりんは真冬でも布団からはみ出して、冷え冷え状態のまま平気で寝ていたような。意外に寒さには強かったりして。


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