2002.11.1(Fri)

そんな場合じゃなかろうに

“約束した?しない? 拉致被害者5人の滞在日程”(朝日新聞 11/1)
http://www.asahi.com/national/abductees/K2002110102799.html

 “犯罪者”から口八丁手八丁で人質を奪還したことの、どこが問題だというのか。“犯罪者”が約束云々を口にすることからして、笑止千万だというのに。“犯罪者”が「その人質は1〜2週間の期限付きで貸す約束だったのに約束違反だ!」とわめこうが、そんなことに構う必要はさらさらないのだ。毅然としていればよい。

 それにしても、やっぱり朝日は変わりそうにないな、この先も…。


2002.11.2(Sat)

タマネギ苗の季節

 超満員らしい小児科で、Licとみこりんが診察を待っている間に、私は手近の園芸店にて“苗”を物色していた。この時期、タマネギ苗が入荷しているので、出遅れは禁物だ。この苗をゲットできるかどうかによって、来年一年のタマネギ自給率ががらりと変わる。売り切れる前に、良い苗を選んでおこう。
 赤玉、早生、貯蔵用の3種類の苗が並んでいたが、迷わず“貯蔵用”を1束、カゴに確保。100本1束で400円。これだけあれば、我が家の一年分には充分だった(早生なんか育てても消費しきれないだろうし、赤いのは主に生食となるのでみこりんが食べられない)。

 さて、タマネギ苗を押さえたことだし、あとはゆっくり花苗でも見て回ろう。やはりこの時期は、プリムラやらガーデンシクラメンといった面々が賑やかだ。玄関脇の紫蘭の葉っぱが枯れる冬、その隙間を彩るには何がいいだろう。迷いつつ、品定め。
 ガーデンシクラメンには何度か挑戦してみたが、寒さに強いとはいへ、さすがに雪に埋もれてしまってはダメらしく、ことごとく失敗している。にもかかわらず、つい選んでしまうのは、やはりそのツンと反り返った艶やかな花弁の魔力のせいにちがいない。血のように赤い花、そしてロゼ風味のピンク色したやつの2株を選び出し、カゴに入れた。

 あとは以前から探していたレースラベンダーのポット苗を1つ2つ。やや濃い青紫の花色が、キャットテールの赤い穂にはよく似合うことだろう。玄関先に置いた寄せ植えの、縁取り用にと思って植え込んだキャットテールの生命力の強さが、そもそもの原因だった。同じ鉢に植えた他の花達は、キャットテールの勢いに飲み込まれてしまうかのように、いつのまにか枯れてしまっていることが多かった。これに対抗するには、もっと頑丈な植物でなければなるまい。そういうわけで、ずっとラベンダーを狙っていたのだが、理想的な花姿の品種になかなか巡りあえず、今日まで。中心のぽっかり空いた寄せ植え鉢も、ようやく本来の姿に戻れるというものだ。もしもラベンダーすら負けてしまった場合には……、今は考えるまい。

浴び浴び

 ヒメウズラの“ぴーちゃん”&“さっちゃん”は、もはやどこからどうみても成鳥であった。幼鳥の頃の合鴨を連想させる愛らしい模様は消滅し、いわゆるフツーのウズラ模様だ。それにしてもその体格の良さはどうしたことか。両手のひらですくって丁度よいほど肉付きがよい。ひょっとしてヒメウズラなどではなく、普通のウズラなんじゃ…という疑念が最近頓に湧いてくるのであった(露店で買ってきたやつだしなぁ)。

 さて、窓の外はすっかり冬の気配に充ちていたが、部屋の中は石油ファンヒーター様のご活躍で小春日和だ。二羽の機嫌もすこぶる良い。そのうちふっと一羽がしゃがみ込んだかと思うと、ぶわっと羽を膨らませ、ばさささささっと“砂浴び”ならぬ“チップ浴び”を始めてしまった。そ、そうか、道理でチップが外にこぼれてるわけだ。早くケージを新しいのに交換して、とっとと砂浴び用の場所を確保してやらねばなるまい。

 ところでウズラは割と人に慣れるという。子供の頃に飼っていたウズラ達になつかれた記憶はないのだが、うまくすれば手からも餌を食べてもらえるようになるらしい。現状の二羽の慣れ具合からすると、そんなシーンは永遠に来そうにもないように思えてくるのだけれど、もしかすると部屋飼いの強みでなんとかなるかも。と、ちょっとだけ期待しているのであった。


2002.11.3(Sun)

人命尊重とは

 大宅映子氏がコメンテーターとして出ているので、『関口宏のサンデーモーニング』は時々見るようにしている。今日のテーマの1つは、先月モスクワで発生した人質事件であった。その話の流れで、日本においてテロリストによる人質事件が発生した場合の対処方法に話題が及んだ時である。関口宏氏が言った“よど号事件のような(犯人の意のままにして人質の命を救う)解決のどこがいけないのか”という意味の言葉には、さすがに唖然とさせられた(いや、以前から彼がこういう偽善者ぶりっこなのは重々承知してはいるのだが)。

 人質を助けるために無条件にテロリストの要求をのむ事が、本当に“人命尊重”になっているだろうか?逃げおおせたテロリスト達は、ゲットした“資金”を元に、さらに大規模なテロを起こすだろう。釈放されたテロリストの仲間達によって“人的資源”を復活させれば、さらに理不尽な要求を拡大させるだろう。特に“よど号事件”の犯人達の場合は、北朝鮮による拉致の実行犯の一部と目されていることも忘れてはなるまい。それでも敢えて“テロリストの要求を無条件にのむ”ことを“良し”というのだろうか。

 穏便に話し合いで解決できればそれにこしたことはない。だが、サリン事件のオウム真理教に見られるように、ハナから話し合いの不可能な連中もいる。力でなければ解決しない場面に、その事実の重大さから逃れたい一心で、「いや、穏便に穏便に、話し合いでなんとかしよう」というのは、ただの現実逃避でしかないと私には思われる。

 日本でも夏の終わり頃、こんな事件があったことを思い出す。姪を人質にした男による立てこもり事件だ。なかなか突入しない警官隊に、結局、女の子は殺されてしまった。情報収集能力、“力”の実行能力、話し合いの能力、的確な決断力、いずれが欠けてもこのような人質事件では致命的だ。もしも日本で大規模なテロあるいは人質事件が発生したら…。“力”を闇雲に嫌っているだけでは、けして解決はしないだろう。“1000人を助けるために、10人の犠牲が出るかもしれない、そうしなければ1000人が皆死ぬ”という局面において、我々はどうすべきなのか、本気で考えておく必要がある。


2002.11.4(Mon)

泥で遊ぶ

 明け方は雨、その余韻の残る庭で、みこりんと共に土団子を作ってみる。材料は園芸用の赤玉土(中粒)だ。水分を含んだ赤玉土は、適度に粘っていたが、粘土ほどには柔軟ではない。おまけに中粒のため、あまり凝った細工は難しそう。

 みこりんのリクエストは“ハート形”と“星形”だった。最近、みこりんは特に“ハート形”に凝っている。折り紙を折っても切っても“ハート形”、紙に絵を描いても“ハート形。買い物に出掛けても、目敏く“ハート形”の商品を見つけてはわざわざ教えてくれる念の入れようだ。
 ハートに至るには、まず球から変形させるのが簡単っぽい。手のひらで練って練って丸くして、ころころころと球にする。そして徐々に力を加えて変形を試みるのだが、この際、あまり力を一気にかけすぎてはいけない。すぐにぼろぼろと崩れてしまうのだ。そんな調子だから、“ハート形”とはいっても、どっちかというと逆三角形のような雰囲気で落ち着いてしまう。まだバド星人の頭部の方がハート形に近いだろう。それでもみこりんには好評で、無事に“ハート形”との認定を得ることが出来た。

 続いて“星形”へと移る。これも同様に球からの変形でなんとかなるかなと思ったが、甘かった。4つ角までなら大丈夫なのだが、角が1本増えて5本になったとたんに造形が崩れてしまう。みこりんは「つのは5ほんにして〜」と言ってゆずらないし、結局“星形”は未完のままに終わった。代わりに三角錐と三角おむすび形を作ってやったら、意外に受けてくれたので安堵する。やはりみこりんのツボは、“ミニサイズ”であるらしい(いずれも1辺1cm以内にしてやった)。

 形を整えたそれらには、お約束としてサラ粉をまぶす。さらさらの石の粉だ。粉は泥の水分を吸い取り、急速に固くなってゆく。そのまま窯で焼けば、いい具合にアクセサリーになってしまうそうな感じだ。
 最後に皿に盛って完成。こうして出来上がった泥団子(団子ではないけど)は、みこりんの気の済むまで玄関に安置される。その後は、もいちど砕いて再利用されるのであった。

ヒメウズラのお引っ越し

 ヒメウズラ用の新しいケージを買ってきたので、夕食後、皆で組み立ててみた。みこりんも自発的にお手伝いを申し出てくれた。やはり自分の買ってきたウズラのことなので、気になるのだろうか。
 新ケージは、当初の予定通り、ウサギ用ケージである。幅およそ60cm、奥行き約45cm、高さが同じく45cm程度。ほどよいサイズだ。

 スノコは使わずに、底部分に直接チップを敷き詰めてみた。ヒーターも新型を投入。面積にして約3倍の広さを誇る。これで寒い冬も安心だ。餌入れと、水入れも、それぞれ新しいモノを用意してやった。ヒメウズラ達の成長速度に合わせていると、一ヶ月ほどで3種類くらいのものを準備しなければならないようだ。
 最後に、ウズラ本体の移住。暴れ回るかと思ったけれど、意外におとなしく捕まってくれた。じつは結構慣れ始めているのか。両手ですくうようにして、1匹、そしてまた1匹。じつに軽い。

 ヒメウズラ達は、新しい場所に戸惑うような素振りで、しばらくは立ち尽くしていたようだったが、そのうち馴染んだのか歩き回り始めた。ケージの隙間から時々頭を出して外を窺っている。目が合うと、ささっとすっこんでいくところが、微妙に愛らしい。
 十分ではないが、以前のケージよりはずいぶん快適な空間になったように思う。ウズラ達が駆け足しても、ケージに体当たりを食らわせずに済んでいるところが特に安心ポイント。
 古いケージはとりあえず二階へと運び込んだ。片づけはまた来週だ。Licが裁縫してくれた疑似親をどうするか少し迷ったが、立派に成長したウズラ達にはもはや必要あるまいと判断し、そのまま古いケージの中に置いた。じつはこれがないと眠れなかったりすると困るのだが…、さて。しばらくは捨てずに置いてた方がいいかもしれない。


2002.11.5(Tue)

新ケージの住み心地

 新しいケージを、ヒメウズラの“ぴー&さっちゃん”はすっかり気に入ってくれたらしい。両脚で仁王立ちしながら、逞しい胸板を見せびらかせるように、ばさばさと羽ばたいてみたかと思ったら、次には両脚投げ出して寝ころびチップに埋もれてみたりと、リラックスし放題である。新しい餌入れも、喉がつっかえることもなく丁度よい高さのようだし、鶏用の下の方に吸い口のある水入れも、それが水を飲むものであることをちゃんと識別してくれたようだし、一安心だ。
 それになにより、少々飛び上がっても頭を打たないところがとても良い。

 1つ問題があるとすれば、夜用のケージカバーである。以前のものは、小さくてすべてを覆いきることができないのだ。そのため古いタオルを3本ほど犠牲にして、のれんのように足りない部分を隠すようにしている。でもいつか散歩中のにゃんち君に「にゃ?」とか言いつつ中を覗かれてしまいそうでどきどきする。Licに裁縫をお願いせねば。


2002.11.6(Wed)

コワイもの

 ふと気になったので、聞いてみた。みこりんの怖いものなぁに?と。みこりんは一瞬真顔になって、「あらいぐま」だと教えてくれた。

 そのアライグマは保育園の遊戯室の床下に住み着いている。その事は夏に教えて貰っていたので知っていたが、みこりんは未だその姿をはっきりと見たことはないらしい。なのに怖いとは、これ如何に?不思議に思っていると、続けてみこりんから衝撃の事実が伝えられる。

 なんとアライグマは春頃にもすでに住み着いていたらしい。その時も2匹いた。しかししばらくして、その2匹は保育園の近く、いつものお散歩コースで死体となって発見されたのだという。みこりんが言うには、「はりみたいなのがささってしんでた」らしい。なにやら物騒な話である。針状のモノが刺さっていたとは尋常ではあるまい。咄嗟に脳裏を、鋭く研ぎ澄まされた銛のようなモノで串刺しにされているアライグマ2匹の図が浮かび上がった。自然死ではないだろう。何者かのいたずらで命を落としたのかもしれない。

 その後しばらくして現れたのが、今のアライグマなのだという。みこりんはアライグマの死体のイメージが、今も記憶に焼き付いているのではなかろうか。死んだ2匹と、現れた2匹。蘇る死体…、ペットセメタリー〜…
 たしかにちょっと怖いかもしれん。いや実際、オトナのアライグマはかなり怖いらしいけれど。しかし、本当に今もアライグマは遊戯室の床下にいるんだろうか。もしかして……、いや、この先は考えない方がいいようだ。みこりんが保育園に行きたくないと言い出してはたまらん。


2002.11.7(Thr)

接点

 久しぶりの東京出張である。天気予報では暖かな一日となっていたが、昼間だというのに異様に寒かった。冷気にどんどん体力を奪われ、足先から血液が凍っていくような錯覚にとらわれるほどに。目的のビルは、まだ先だった。

 背中をやや丸めつつ、ひたすら大通りを歩いたときのこと、私は一人の女性に呼び止められていた。この寒空に、えらく軽装なことに驚きつつ、話を聞いてみる。傍らにはベビーカーに乗せられた赤子が一人、すやすやと寝入っていた。寒くないのだろうか。

 どうやら道に迷ったらしい。地図を書いてあるFAXを見せられ、どっちに行けばよいのでしょうと問われた。が、私も出張で来ている身。この辺の詳細な地理は、自分が用のある場所のことしかわからない。困った…けれども、一応JRやら地下鉄の路線図を見れば、だいたいどの辺りか判る程度には知識はあったので、それに基づいた推測を答えておいた。

 互いに反対方向に分かれて歩き出す。この日一日、あの二人が無事に目的地に着けたのかどうかが常に頭の隅っこに残っていた。


2002.11.8(Fri)

翻訳機

 昨日に引き続き、東京の地にいる。天気予報では寒い一日しかも雨マークまで付いていたが、なんだかぽかぽか陽気の気配が漂う朝だった。
 さて本日の仕事は、とある企業が開催するプライベートイベントへの参加である。ソフトウェア関連の仕事をしていれば、その名を知らねば“もぐり”とさへ言ってよいであろうさる著名な人物の講演を聴講するのが主目的だ。

 定刻を少し過ぎてから、講演は始まった。同時通訳のイヤホンを耳にかける。しかし、びびびびびびというノイズしか聞こえてこない。ボリュームを上げてみると、かろうじて人の声がかすかに聞こえる。10m以上離れた場所から、ひそひそ声でささやかれているような感じだ。
 ノイズに混じって漏れ聞こえてくる通訳の声に、全神経を集中させる。その一方で講演者の生の声も、マイクを通じてがんがんと耳に届いていた。ネイティブスピーカーの英語を自力で解釈すべきか、ノイズ混じりの通訳の囁き声を必死に聞き取るか…

 通訳の声がぜんぜん聞き取れなかったならば迷うこともなかったのだが、時折明瞭に聞こえてくるときもあって、じつに悩ましい。まるでコピーガードのかかったコピー映像を見ているような気分。
 そもそも英語ぺらぺらならこんな逡巡もなかったであろうが、今はそんなことを言ってる場合ではなかった。とにかく聞き取らねばならない。幸い、講演者の話し言葉は同時通訳を意識してか、わりとゆっくりしかも文章を区切って話してくれている。なんとかついていけそうな雰囲気。でもイヤホンをずばっと外してしまえるほどには踏ん切りが付かず、結局両方を都合良く聞き分けることにした。おかげで通常の倍は神経を使ってしまったような気もするが、なんとか無事に乗り切ることが出来た。講演時間が2時間ほどしかなかったというのも幸いだった。これが夕方まで続いていたら、きっと意識は朦朧となったであろう。

 夕方からは例によって秋葉原巡り。小型キーボードを鞄に詰めて帰路につく。お土産は、Licが突っ込んでくれることを期待して“ひよこ”にしておいた。

 案の定、Licは「“ひよこ”は“東京”じゃない〜」と指摘してくれた。でも、そうは言いつつ、頭から丸かじりか、お尻から食べようかと早くも迷い始めたに違いないのだ。これはもう条件反射と言えよう。私はこうした場合、常に頭から囓るようにしている。コアラのマーチでもそうだし、キノコの山でもそうだ。ところで、みこりんはどうやって食べるのだろう。気になったが、今宵みこりんはすでに夢の中。明日にでも確認するとしよう。


2002.11.9(Sat)

仮組

 我が家の次期主力クライアントPCに必要なパーツがほぼ揃ったので、仮組を行った。結線の確認が終わると、いよいよ電源ONだ。順調に起動シーケンスが始まった…、かに思えたが、どうやら昨日買ってきた小型キーボードがうまく認識できていないらしいことに気付く。いったん抜いてから挿し直せばいいことは判明したが、これではあまりに不便すぎだ。試しにキーボードを通常タイプのものに替えてみると、問題なく使えた。……むむむ。

 さらに困ったことに、リセットで再起動できないこともわかった。リセットだけでなく、一度でも起動したあとは、メインパネルの電源スイッチでは再度起動させることができないらしい。背面のスイッチで完全に電源を切ってしまえばいいのだが、これもまた少々不便だ。なんとなく電源ユニットに問題ありそうな気もするが、確信を得るにはさらなる調査が必要だった。当面は運用でカバーするしかあるまい。もともと電源ユニットはケース込みの格安品なので、いずれ電源ユニットをグレードアップするというのも悪くない。

 とはいえ、このPCに搭載するOSを何にするか決めていないので、本格運用はまだ先の話ではあるのだが。それ以上に問題なのは、我が家にはPCの数の半分以下しかモニタがないことだった。今更CRTというのもなんだし、かといってLCDは安くなったとはいえCRTの倍はするし…。でも消費電力のことを考えると買ってもいいかな、とか、こうやってあれこれと迷っているうちがじつは一番楽しい時間なので、もうしばらくこの状況を堪能しようか、と思ってしまうあたりがなんだか本末転倒のような。


2002.11.10(Sun)

サンルームで暮らすもの

 庭の緑もすっかり色褪せ、枯葉色に染まるこの季節、サンルームに取り込んだ観葉植物の隙間には、イナゴやらオンブバッタやらカマキリやらが細々と暮らしているのが観察できる。観葉植物だけでなく、ポットで育苗中の白菜なんかもあったりするので、バッタ達も食べ物には困っていないらしい。でも、気温の低下と共に動作も緩慢になってくるようで、食事の量は明らかに減っていた。
 そろそろ白菜苗を畑に植えなければならない。しかし、全てを持っていってしまうと、バッタ達は飢え死にしてしまうだろう。そこで2株だけ残すことにした。果たしてバッタ達はこの冬を乗り切ることができるだろうか。

 白菜18株、そして100株のタマネギ苗をトランクに積み込み、市民農園へと向かう。他の区画ですくすくと葉っぱを広げている白菜と、我が家の白菜苗は、葉っぱ面積にしてすでに3倍以上の差が出来ていた。この冬の鍋に供することができるか、じつに危うい。
 白菜はピンチだが、タマネギはこれからが勝負。来年のゴールデンウイーク明けには、またころころと収穫できることだろう。ただ1つ心配なのは、この区画が2年契約になっていることだった。つまり、来期の応募人数が定員オーバーした場合、ひょっとすると選から漏れてしまう可能性があるのだ。もしそうなったら…、まぁその時はすべて掘り起こして移植するしかないのだけれど、ひたすらみこりんのクジ運の強さに賭けるほかない。


2002.11.11(Mon)

恐怖の音

 また“夜泣きラーメン”の巡回車が訪れる季節となった。真夜中、大音量のチャルメラは、オトナが聞いてもドキリとする。ましてやみこりんは、赤ちゃんの頃からこのチャルメラを大の苦手としていた。記憶にしっかと刻まれた恐怖の音は、今も現役でコワイものリストのトップにあるにちがいあるまい。

 通り過ぎていったチャルメラが、再び戻ってきた時である。階上で、カタリと物音がした。もしやみこりんなのか。それにしては泣いてないようだが…。様子を見にいったLicが、何事か話しかけている。その直後、みこりんの号泣が始まった。

 チャルメラの音に目を覚ましたみこりんは、自力で階段の途中まで降りてきていたという。去年とはひと味違うみこりんの我慢強さだったが、Licの姿を見て緊張の糸が切れてしまったのだろう。しかしこのままではチャルメラがやってくるたび、みこりんの安眠は妨げられてしまう。なんとかせねばなるまい。
 やはり一番効果的なのはチャルメラの正体を暴くことだろう。そう思ってみこりんに、チャルメラのラーメン買いに行こうと誘ってみたのだが、Licにくっついたまま首を横に振るだけであった。恐怖が好奇心を完全に押さえ込んでしまっているようだ。ここで無理強いしては、よけい悪化しそうなので今夜はやめておこうと思う。

 ところで夜泣きラーメンが死ぬほどまずかったら、みこりんの恐怖レベルは今よりもさらに跳ね上がることは必至。だいたい夜の夜中に大音量のチャルメラを流すような無神経なラーメン屋の仕事なので、あり得ないとは限らないところがかなり心配ではあるのだが。


2002.11.12(Tue)

創作絵本

 みこりんが折り紙を束ねて、「ぱちんとしたらぎんいろのがくっつくやつ(訳:ステープラー)」で留めて、何やら作っている。ペンやら色鉛筆やらで、一心不乱に描き描き描き。そっと覗いてみれば、誰かの似顔絵と、ひらがなで書かれた文字が並んでいる。しかも紙の下側には“1”“2”“3”…と、ナンバリングまで施されていた。
 どうやらみこりんは絵本を創っているらしい。

 登場人物はみこりんと、お友達、あるいは先生の時もある。保育園での出来事を綴っているのだろうか。人物が主体で、背景はあまりない。登場する人物は、すべて女の子で、皆、おさげである。ひらがなの“ひ”のような感じの顔形(髪型含む)に、鳥の足跡みたいな目(おそらくウインクしてるものと推測される)と、おちょぼ口、体は三角形で、棒のような手足が生えている。これが、最近のみこりんの人物画に見られる共通の特徴だ。夏頃に描いていた人物画とも違っていて、その変遷を記録しておかねばと最近強く思っているところである。


2002.11.13(Wed)

迷路

 近頃のみこりんのお絵描き帳には、複雑怪奇な“迷路”が緻密に描き込まれていることが多い。ほぼ全ページに渡って、迷路、迷路、また迷路だ。私もよく描くのを手伝わされているのだが、緻密であればあるほど喜んでもらえるようだ。しかし出来上がった迷路は、本来の用途である迷路として使われることはあまりない。みこりんの興味は、もっぱらその複雑な図形にあるらしい。

 もともとみこりんは迷路を辿ることは好きだった。その当時はパズル好きなLicの傾向を反映しているのではないかと思っていたが、近頃の迷路に対する執着を見ていると、どうもそれだけではなさそうな気がしてくる。複雑に入り組んだ緻密な迷路は、みこりんの想像の世界でいったいどのような展開をするのだろうか。まさかどこかからか“指令”を受けているなんてことはないだろうけど、ひたすら続く迷路のページには、なんだか未知の領域が潜んでいそうで、興味深い。
 みこりんが迷路の果てに何を見いだすのか、確かめてみたいものである。


2002.11.14(Thr)

怪音

 真夜中、膝の上で眠りこけていたにゃんちくんが、突然の物音に顔を上げる。“ぴっくるるるるぅ”と、その音は聞こえた。にゃんちくんは獣の俊敏さで床に降り立つと、そのまままっすぐに目標を目指して歩いていった。その先にあるのは、ヒメウズラのケージ。カバーがかかっていて、にゃんちくんはその中に何がいるのかは知らない。けれども、獣の勘なのだろうか、おそるべき正確さで、ケージへと向かっていた。

 そのまま中を覗かれでもしたらおしまいである。厳しい声でにゃんちくんを制止する。振り返ったにゃんちくんは、ちょっとだけ残念そうな表情を見せたが、素直に引き下がり、いずこかへと消えていった。すぐに戻ってこないところが、じつに猫っぽい。

 ところで気になるのはヒメウズラの雄叫びである。近頃時々、雄叫びをあげるようになった。どちらが発しているのか突き止めてはいないが、少なくとも1羽がオスであることは間違いあるまい。どちらもメスということで買ってきたものだが、所詮は露店のやることである。雌雄判定なぞ無きに等しいものらしい。
 Licによれば、たまに胸と胸を合わせるようにしてぶつかりあっていることがあるらしい。ケンカをしてるのだろうか。でも普段は仲良さそうに寄り添っていることもあるので、ひょっとするともう1羽はメスの可能性もある。

 ヒメウズラのペアか。有精卵を得るチャンス。でも人工孵化は結構大変らしいのだが……。それにやみくもにヒメウズラが増えてしまっても飼いきれないし(寿命は約10年)、悩ましいところだ。卵を産んだらとっとと食卓に乗せてしまうべきかもしれない。


2002.11.15(Fri)

誰が誰の意向で動いているのか

 報道の自由とか、報道の責任とかいう都合の良い言い訳が、今回も堂々と語られている。北朝鮮の主張をそのまま代弁し、彼等の意に沿うように画策する人々の事を、我々はしっかりと記憶しておかねばならない。報道の自由と称して、論理のすり替えを行い、北朝鮮(あるいは中国)といった自分たちの主義主張に合致する勢力の後押しをしている勢力が存在していることを、忘れてはならない。そういう人々が、他にどんな主張をしてきたか、あるいはこれからしてゆくのか、冷静に見てゆく必要がある。有事法制にしろ、スパイ防止法にしろ、それらに反対している人々と一致するのか否か、比べてみることが重要だ。誰が誰の意向で動いているか、一段とはっきりと見えてくるに違いあるまい。

 日頃人権人権と口やかましい社民党やら共産党が、拉致というこれほど重大な人権侵害が現在進行形で行われているというのに、まったく音沙汰がないのは何故か。これもまた、しっかりと記憶しておくべき事項である。

 それにしても北朝鮮のでたらめさ加減はどうしたことだろう。朝日新聞等のフォローもなにやら空虚に感じられてしまう。核問題にしろ生物化学兵器問題にしろミサイル問題にしろ、ここまで問題がこじれたら、もはやリセットするしか解決しないんじゃなかろうか。これがもしも交渉で解決したなら、まるで魔法でも見ているような気になるかも知れない。できればそうあって欲しいものだが、交渉に必要な駆け引きの道具を、日本は躊躇することなく使えるだろうか。注視しておこう。


2002.11.16(Sat)

命の糧

 サンルームの扉をガタガタと開け、朝の空気を取り込んでいたときのことだ。ふと足元を見れば、カマキリが一匹、扉のガイドレールのところでたたずんでいる。あやうく踏んでしまうところだった。それにしてもこんなところでいったい何をやっているのだろう?そう思いつつ顔を近づけようとして気がついた。彼女は食事中だったのだ。

 両の鎌にしっかと抱え込まれているのは、オンブバッタである。緑色の体色が全体的にくすんで見えるのが、いかにも冬の厳しさを暗示しているようで、物悲しい。
 朝の弱い日だまりの中、ひたすらバッタをかじるカマキリは、人間が近づこうが触れようが、そんなことはほとんど意に介さずに、己の空腹を満たす作業に専念していた。彼女はこのバッタで何日分の命をつなぐのだろう。サンルームに避難してきているバッタの数は、さほど多くはあるまい。バッタ1匹で1ヵ月、あるいはそれ以上を生きるのだろうか。

 お昼頃にはカマキリの姿はいずこかへと消えていた。この日、菜園2号から最後のゴーヤを収穫した。本体は明日にも枯れ果てそうな、へろへろ状態だが、しっかりとした実を4つも5つも維持していたことに驚嘆する。おそるべき生命力。これを食っていればあらゆる災厄から逃れられそうな気がしてくる。それにしてもゴーヤの実を先にかじっていく生物がいることも驚きだ。手にしたゴーヤの表皮は、小刻みにえぐられていたのだ。真に苦いのは中心の綿の部分とはいえ、豪胆なヤツもいたものである。


2002.11.17(Sun)

小鳥とパイナップルセージ

 この季節、みこりんのお楽しみは庭で咲き誇っているパイナップルセージの花を収穫してくることである。今朝もザルを片手に裏庭方面へと消えていったみこりんだったが、しばらくして「スズメがたくさんいる!」と言って駆け戻ってきた。スズメがそんなに珍しいのかと不思議に思っていると、「あそこに、ほら」と指差して見せてくれた。
 どれどれと腰をかがめて視線をそちらに向けてみる。プラムの木が生えている辺りだ。たしかにその枝先には、小柄な鳥が数羽、留まっているのが見えた。スズメ、か…?なんだか色の具合が違うような。その小鳥は、全体的に灰色が主で、頭にちょうど黒い帽子をかぶったような模様になっている。
 スズメではなさそうだ。どちらかというとシジュウカラ系なその姿。

 みこりんにも違いをじっくりと観察させてみることにした。はたしてそれがスズメなのかどうか、己自身で判断してもらうとしよう。
 食い入るように見つめていたみこりんも、やがてそれがスズメではなさそうであると結論したらしい。そうすると俄然興味が出てきたのか(どうやらスズメは苦手らしい)、ミカンの輪切りを取りに戻った私のあとを、ずーっとくっついてくる。その小鳥達がミカンを食べるかどうか定かではなかったが、何かをしきりと探している様子だったので、とりあえずミカンの輪切りを枝に挿しておくことにしようと思う。

 プラムの枝には、先ほどの小鳥のものと思われる白い糞がわりと集中してくっついている箇所が複数あった。どうやら以前からここを頻繁に訪れてくれていたらしい(去年までは気づかなかったが)。まだまだ新しい発見が潜んでいることに、感謝しようと思う。

 みこりんと一緒にパイナップルセージの真紅の花を摘んだ。普通のサルビアのそれよりも細長く、ザル一杯になると、なんだかそのまま食べられそうな雰囲気もしてくる。もしかすると食べられるのかもしれないが、我々の目的は花本体ではなく、その奥底に隠された蜜にあった。
 集めた花を、1つ1つ皿に絞り蜜を取る。1つ1つは微々たるものだが、数の威力で徐々に蜜が皿の底に溜まってくる。最後には、直径にして3cmほどの広がりをもった領域にまで至るのだが、これを一舐めするのがみこりんの至福のひとときなのであった。私もちょこっと横から指ですくって舐めてみると、ハチミツほどには濃厚ではないものの、あっさりとした甘みが舌に広がりなんとも心地よい。手間はかかるが、みこりんのこの楽しみはまだまだ続きそうである。


2002.11.18(Mon)

流星群

 今夜が土曜日であったなら、と思わずにはいられない。獅子座流星群の日本における見頃は翌朝明け方付近。しかもこんなときに限って帰りが遅くなってしまうという不運。明日の朝まで寝ずの番か、今から速攻で眠り4時ごろ目覚めるか、いずれも実行にはかなりの体力を要するだろう。

 冷蔵庫の中より寒い外に出て夜空をしばらく見上げてみたが、慢性的に霞のかかったような視界の悪さと月の明るさで、星座の形すら見分けるのが困難だった。しなしなと萎え始める気力。今年はパスするか、去年は流星雨を堪能できたことだし…、などと思い始めている。

 次の機会は30年以上先の未来のこと。そんな先の話しはわからないが、もしも運良く存命ならば、再び夜空を見上げてみようと思う。


2002.11.19(Tue)

平日

 今朝のみこりんのご機嫌は、すこぶる悪かった。何かの拍子にイライラの芽が育ってしまうと、なかなかそれを摘み取ることは難しい。ところが、そんな不機嫌の中にあっても、みこりんの好奇心はじつに旺盛であった。

 たまたま私が作業服に名札をつけたままだったのを目ざとく見つけ、「きょうはなんのひ?」と、さっきまでのむすっとした表情とは裏腹の軽快な声で聞いてきたのだ。何か特別な事の前触れではないかと期待するみこりん。みこりんもはや平凡な日常というやつに、気付き始めているのかもしれない。

 残念ながら今日は特別な日ではなかった。昨日よりは少しだけ見えるものが違うけれど、たぶんそう劇的な変化は起こり得ない。でも、もしかするとみこりんが今日保育園でアライグマと生の対面をするかもしれず、油断は禁物だ。
 もしかすると、みこりんは刺激に飢えているのだろうか、とも思う。気が付けば季節は冬。この時期にしかできないことをみこりんと共に堪能すべく、策を練ろう。


2002.11.20(Wed)

緑の“まっくろくろすけ”

 カビないようにと我が家でもっとも冷え込むであろう座敷にて保管してきたミカン達だったが、食べきる前に、ついにカビの魔の手は襲い来る。最初、ぽつぽつと綿毛のように発生していた緑色のカビは、いつのまにやらミカンの表面をあますところなく覆い尽くし、まるで緑の“まっくろくろすけ”のようである。
 オレンジ色したミカンに混じった異様なその姿に、みこりんの興味が激しく惹かれてしまうのも時間の問題であった。

 そしてついに今朝、座敷で何事か一点に集中しているみこりんの姿を見掛けたのである。そぉっと背後から観察してみると、みこりんの視線の先にあったのは、やっぱりカビカビのミカン。かなり気になっているらしい。
 いったい何をたくらんでいるのか?なおも見守っていると、やおらみこりんはその身を乗り出すと……「ふぅーーーーーーーーー!」

 意表をついたその攻撃に、一瞬、目が点になってしまったが、こ、これは一大事。カビ菌が他の無事なミカンにも蔓延してしまう。
 「ふーーー、は止めてね」と、みこりんを引き離してから、それがカビであることを教えてやった。もしかするとみこりんは、ミカンに何か緑色の粉がくっついていると思ったのかもしれない。ふーーーっとすれば、きれいになるのではないだろうかと、そう思ったとしても不思議ではなかった。

 とっととカビカビのミカン、処分しておかねば。


2002.11.21(Thr)

雌雄判別

 近頃ヒメウズラ達が、よく胸つきあわせてケンカしている。朝な昼な夕なの雄叫びも勇ましい。一方が一方の背後から乗り上げるようにしている姿をよく目撃していたので、てっきりオスメスなのかと期待していたのだが、じつは違っていたらしい。Licによれば、雄叫びを上げているのは体の大きな“さっちゃん”だけでなく、小さい方の“ぴーちゃん”も、なのだという。

 二羽ともオスである可能性が非常に高い。やはり露店の雌雄判別なぞあってないようなものなのだ。ところでウズラのオスは複数飼育には向かないという情報がある。このままではとてもまずい。
 ウズラの卵ゲット計画は、こうしてもろくも崩れ去ったのであった。やはりちゃんとした鳥屋さんで“ウズラのメス”を指定買いしてこなければなるまい。


2002.11.22(Fri)

ADVC-1394の罠

 我が家の次期主力クライアントPCの組立てに必要な、最後のパーツが到着した。シールドの施されたケーブルである。ケースを開け、既存のケーブルと取り替えれば、一通りの作業は完了だ。
 あとは各部パーツが正常に作動しているかどうかの確認である。CD-R/RW(プレクスター製:PX-W4824TA/NE)は、とりあえず音楽CDを再生してみて、ついでにサウンドカード(オンキョー製:SE-80PCI)の具合も同時にチェック。スピーカーから音楽が流れ始め、無事に作動していることが確認できた。CD-Rへの書き込みと、サウンドカードへの入力の動作確認もやっておくべきだが、それよりも先に気になっていたDVコンバータ(カノープス製:ADVC-1394)のチェックに移る。
 DVコンバータとは、その名の通り、デジタルビデオを直接入力するだけでなく、アナログ映像入力をも可能としており、我が家のビデオテープ削減のための重要なパーツである。このボードとビデオデッキ(あるいはチューナー)を接続することで、映像(むろん音声も)をハードディスクにコピーすることが可能となる。
 さっそくビデオデッキを繋ぎ、正しく映像が取り込めているか確認した。付属のソフトでプレビューさせてみた限りでは大丈夫そうに見える。次に保存形式をDV TypeIIにして、ハードディスクに録画開始。無事に記録されているだろうか。30秒ほど流したところで停止。ファイルが作成されていることを確認すると、おもむろにダブルクリック。メディアプレーヤーが起動して、先ほどの映像が再生され始めた。ふむふむ、順調じゃないか。…と思いかけたが、重要な事に気が付いていた。画像のサイズが小さすぎやしないか?録画形式は720×480のはずなのに、縦横共に半分程度にしかなっていないような。

 その後、何度手順を繰り返してみても再生サイズに変化がない。だんだん不安になってきた。もしやこのDVコンバータは720×480のサイズでは画像を取り込めないのではなかろうか。Webを漁ってみると、同じような現象に遭遇している人を少なからず発見してしまい、いよいよ不安はピークに達する。こ、このままでは使い物にならない…。無駄金使ったとあっては、Licの頭に角がにょきにょきと生えてくることは必至。なんとかせねば。心臓ばくばく、冷や汗たらりで、必死にWebを探って行く。

 やがて、720×480でも再生できたという記述を、とあるサイトで発見。しかしその方法が今一つ我が家のPCでは再現できない。使っているソフトが違っているので、設定項目がどれに相当するのか不明なのだ。メディアプレーヤーの設定項目はあまりに初心者向けに偏りすぎていて、少しも定量的でない。いったいどこをどういじれば目的を達することができるのか、次第にイライラはピークに達しようとしていた。

 もうじき夜明けである。今日のところは諦めて、また明日(といってもすでに今日だが)、頭をすっきりさせた状態でやり直した方がいいのかもしれない。そう思いかけて、ふと、カノープスのサイトの調査がまだだったことを思い出す。メーカーサイトのQ&AあるいはFAQは、これまでほとんど役に立ったことがなかったのでハナから気にしていなかったのだが、万が一ということもある。
 製品ごとのFAQの中から、ADVC-1394のところをクリック。登録数は2件、しかし、そのうちの1件がまさに目指す解決策なのだった。書いてあるとおりにメディアプレーヤーの設定を変更し、いざ再生。……お、おぉ、ちゃんと720×480のサイズで再生されるではないか。しばらく呆けたように画面をただ漠然と見つめていた。
 よかった、ほんとうによかった。この時の私は、ただひたすらに勝利を確信していたのであった。


2002.11.23(Sat)

冬支度

 秋明菊、孔雀草、レモンバームに虎の尾といった花壇の草花が、すっかり冬支度をはじめている。長く伸びた花茎やら枝は枯れ果て、冬を土中で過ごすもの、あるいは地表にわずかばかりに葉っぱを残して越冬するものと、その姿も様々に変化しつつあった。庭を整理するには絶好の季節だ。
 さっそく剪定ハサミ片手に、枯れた枝葉をじょきじょきと刈り込んで行く。それを見ていたみこりんも、自らハサミを持ち出してきてお手伝いを申し出てくれた。庭の草花の背丈が低くなって行くのがうれしいらしい。みこりんの背丈だと、これまでは目線の高さよりも高い位置まで植物が茂っていて、花壇に踏み入ることも難しかったのだ。徐々に開けて行く視界に、みこりんのハサミもうなりを増していった。

 やがて、夏の頃とはまったく異なる広々とした空間が出現していた。みこりんにも、歩きやすいと好評である。来年は、背の高いダリア等をもっと隅っこに移植して、みこりんにも親しみやすい花壇にせねばなるまい。
 さっそくみこりんが南天の赤く熟した実を集め始めた。花壇の中に入っても大丈夫になったので、取り易くなったらしい。それを横目で見ながら、私は通販で届いていたタメトモユリの球根を、花壇の南の端に深々と植え付けていた。背の高いユリを背景に、その前の方には一年草の花々を展開する。それが来年の作戦であった。

分断

 ケンカの絶えなかったヒメウズラ達に、ついに平穏が訪れることとなった。Licの工作によって、ケージが2分されたのである。バーベキュー用の金網で、斜めに仕切ってあるだけの簡単なものだったが、効果は絶大だった。

 “ぴーちゃん”も“さっちゃん”も、それぞれ自分用の区画で久しぶりにゆったりとくつろいでいるように見える。餌入れだけは、金網の下を通して共用になっているが、彼らは特に気にしてはいないようだ。少々広さが犠牲になってしまったが、仕方あるまい。彼らがヒメウズラではなくウズラであることがわかればそのまま屋外用ケージを新築してやれるのだが、その判断ができない現在、このままでいくことになるだろう。

 ところで近頃みこりんは、ヒメウズラに触りたがっている。ケージの扉から手を差し入れて、触れようとするのだが、みこりんの手の長さでは、ケージの奥まで届かない。ヒメウズラ達はパニックになることなく、余裕でかわしているように見える。なかなか肝の座った奴等である。そこで、みこりんのために1匹さくっとすくって触らせてやった。あっけなくつかまってしまうのは、彼らが人をあまり恐れていないからだろう。
 翼を広げてやって「はい、これが翼」とか、脚をにょーんと伸ばしてそのひんやりとした感触を味あわせてやったり。でもみこりんは頭をなでなでするのが一番やりたいことらしい。このときばかりはヒメウズラ達も激しく首を上下させて逃げるので、なかなかうまくいかない。

 そうやってるうちに、気づいたことがある。ぴーちゃんの足の爪先が、1本を除いて爪がないのだ。途中で指が切断されてしまっているような感じで、歩き方もどことなく不安定っぽい。傷口は、もはやわからないほどにきれいに塞がっているので、もしかすると雛の頃から、あるいは生まれつきそうだったのかもしれない。こういうことってよくあるんだろうか。ちょっと心配。


2002.11.24(Sun)

3本のバラ

 我が家の門扉脇には、ちょっとした花壇スペースがある。この家を建てた当初から、その場所には3本のミニバラを植えていた。両端が黄色いバラ、真ん中が赤いバラだ。毎年、チュウレンジバチの幼虫に丸坊主にされてしまい、お世辞にも美しいとは言い難い状態だったが、何年も一緒にいると何やら離れがたい愛着みたいなものもあって、それなりに気に入っていたのだ。
 ところがである。真ん中の赤いバラが、とうとう枯れてしまった。枯れたのは夏の頃、病気が発生したうえに、やはりチュウレンジバチの幼虫が大発生して葉っぱも丸坊主にされてしまい、結局復活することなく立ち枯れてしまった。

 枯れたからといってもすぐに抜き取ってしまっては、空いた土の部分がすかさず猫どものトイレにされてしまうため、そのままにすること数ヶ月。見苦しいことこのうえない状況だが、猫糞にまみれるよりはなんぼかましである。しかしそんな日々も今日でおしまい。ようやく代りの品が届いたのだ。
 届いたのはミニバラ“オーバーナイトセンセーション”、スペースシャトルで宇宙に行ったといういわくつきの品種である。花色は、ピンクに薄く紫を混ぜたような微妙な色彩。香りはフルーティ。

 今度は枯らさないようにしなければ。

 夕方、表の落ち葉掃き。みこりんの木であるハリエンジュの葉っぱが、ばさばさとかなり散っている。きれいに掃き清めて、根元に積み上げてみると、ふかふかの厚みになってしまった。そのまま火をつければ焼きイモの3つ5つくらいは軽くできてしまいそう。……ということは、放火魔にも理想的な状態ではなかろうか。早めに堆肥にするなり、イモを焼くなりして、表通りから見えないようにしておこう。


2002.11.25(Mon)

やはり2号が好き

 サンダーバードといえば、2号と4号のプラモデルを作った記憶がある。弟が1号だったか3号だったかを持っていたので、サンダーバードごっこをするには、じつに都合が良かったものだ。

 ではLicはどうだろう。サンダーバード・メカのうち、どれが好きかな?と聞いてみたところ、「さんだーばーどってなに?それっておいしい?(意訳)」というような答えが返ってきたではないか。…な、なんてこった。
 さっそく教育だ。せめて1号と2号の違いが分かる程度にはしておかねばなるまい。
 スターウォーズは数年前に旧3部作のLDを見せて教育した。ブレードランナーはつい最近DVDで教育した。あと抜けているものはないか、気がかりである。


2002.11.26(Tue)

みこりんのサンタさん

 みこりんがサンタさんにお願いしていたのは“色ペンセット”だったはずなのだが、いつのまにかエレクトーンが代りに我が家に到着した。みこりんによれば、エレクトーンは重いので、サンタさんが事前に組立てて送ってくれたのだという。そのように電話して依頼したのだそうな。そういえば日曜日、みこりん用のケータイ(模造品)で、サンタさんに電話していたような気もする。

 一ヶ月早いクリスマスプレゼントで、みこりんはさっそく大好きな曲を弾いて感触を確かめている。部屋の片隅にはクリスマスツリー。ツリーを飾っていないとサンタさんはやってこないというので、急遽セッティングされたものだ。

 こうしてみこりんのサンタさんはやってきた。“色ペンセット”は、別のサンタさんが用意してくれることになっているらしい。みこりんのサンタさんは数多い。じつにうらやましい限りである。


2002.11.27(Wed)

ドングリの居場所

 天気雨の午後、今にもミゾレに変わりそうな冷気が吹き抜けている。とても寒い。
 朝、宅急便で届いたユリの球根を植えてみた。背の高いソルボンヌは、前回植えたタメトモユリの隣りに、もう1つ、背の低い笹ユリは、花桃の足元に。この笹ユリをどこに植えるかは、最後まで迷った。目立たないところにさりげなく、けれどもあんまり目立たなすぎるところでは、咲いたかどうかもわからないうちに終ってしまう可能性もある。存在をでかでかと主張するような花ではないので、そこらへんのバランスが問題だった。

 ところで1つだけ心配なことがある。笹ユリを植えたすぐそばに、つまり花桃のすぐそばに、ドングリの苗が植わっていることだ。みこりんと拾ってきたドングリを植えたのが2年前、いまでは地上5cmほどに育っている。この生長の遅さが正常なのかどうか定かではないのだが、このままもしもドングリが育ってしまったら、この場所は花桃とドングリとが激しく競合してしまうことになるだろう。笹ユリの存在など消し飛んでしまうほどに。
 ドングリを植えたときにはあまり気にせず場所を決めてしまったことを、今更ながら後悔している。手におえる今のうちに、どこか別の場所に移してやるべきではないか。そう、寒いこの季節のうちに。でも、どこに植えればよいのか。じつに悩ましい問題だった。

 ドングリが大木に育つ頃、きっとみこりんはこの家を巣立ってしまっていることだろう。だからこそ、あとで伐採なんてことにならないような場所に植えて、しっかりと残しておきたいと思う。


2002.11.28(Thr)

ほかほかご飯

 いつものように、朝、弁当箱にご飯をつめようと炊飯ジャーを開けてみる。ぶわっと白い湯気とともに、香ばしいお米の香りがもわもわ〜っと立ち上る…、はずだった。が、その中を見て愕然とする。

 「な、なんじゃぁこりゃぁ!」

 水だった。水の底に、米が沈んでいる。炊けてなかったのだ。
 ふ、不覚。昨夜、米を洗ったあと、炊飯ジャーにセットしてからタイマーを設定し忘れたようだ。あまりのことに、すきっ腹が異様な音を発した。

 こういうときに限ってレンジでチンのご飯もない。米のありがたみが身にしみた朝のことであった。


2002.11.29(Fri)

エンコードしてみる

 DV形式の動画は、美しいのだがサイズがでかい。そこでMPEG2に圧縮することになるのだが、ボードに付属のWinProducer3DVDでは、なぜだか変換開始時にいったんCtrl+Alt+Delキーを押さなければ、処理が進まない。そのせいか画像の出だしがちょっと切れる。おまけに音もずれてしまっていた。いちおう最後まで変換はできるのだが、これでは使い物にならない。というわけで、この分野ではかなり有名なTMPGEncを試してみることにした。

 こちらはわりと順調に進んでいるように見えた。ところがである。突然“モジュール’TMPGEnc.exeのアドレスxxxでxxxに対する読み込み違反がおきました。”というエラーが発生して止まってしまった。その後、何度やり直しても、同じエラーが発生してしまうことがわかった(場所は不定)。これでは役に立たない。途中まで変換されたMPEG2形式の画像を確認してみたところ、たしかに映像は美しかったが、もったいないことである。サポート掲示板でも同様のエラー報告がなされているのだが、製作側の積極的な対応は示されていないようなので、改善は期待できそうにない。まぁたしかにこの手のエラーは、製作側で現象が再現できなければ原因を特定するのが困難ではあるのだが。
 結局、TMPGEncの使用は諦めることにした。これ以上、時間を無駄に使うこともあるまい。

 その外のエンコーダでは、honestech MPEG Editor4.0mpEGG!DVD Encoderを試してみた。いずれも試用版なので、変換時間が限られているのだが、途中で落ちてしまうことはなかった。が、前者の方は画質に難あり。後者は良好。Webで評価を調べてみても、わりといいようである。これを買うのが早道かもしれない。で、結局DVDドライブも早晩入手せねばなるまい、と思っているところである。このままではハードディスクがいくらあっても、足りないことは目にみえていた。


2002.11.30(Sat)

熟考

 みこりんとLicを音楽教室に送っていったあと、ホームセンターにて花苗を物色してみた。寒い冬の間、玄関前を彩る寄せ植え用だ。屋外の園芸コーナーでは、同様の思惑を秘めた人々でごったがえしており、じっくり選ぶのも困難なほどだった。しかし、ここで安易に妥協してしまっては、ワンシーズンが無駄になってしまう。機敏に慎重に、事を運ばねばならない。

 クリスマスシーズンを控え、それっぽい常緑の小木苗も多かった。寄せ植えの中央を飾るに相応しい候補には、やはりそうした背の高いものがよいだろう。まずはそこから攻めてゆくのがよさそうだ。色の豊富な花モノの色彩を先に決めてしまうと、あとで収拾がつかなくなる恐れがあった。
 コニファー系は数多かったが、これはあとで始末に困る。できればずっとこじんまりとしてくれそうなものがいい。様々な柊にもちょっと惹かれたが、苗の具合がどれもいまいちで、元気がないので諦めて…、結局、エリカに決めた。すっと1本だけ伸びる姿が凛々しくもあり、淡いピンクの花も愛らしい。欲を言えば、葉っぱのボリュームがもう少しあってもよかったのだが、直径40cmほどのテラコッタに植えることを考えればこのくらいが丁度良いのかも。

 中央は決まった。あとはこれに似合う花だ。主力はパンジーもしくはビオラになるだろうか。ジュリアンあるいはポリアンサでは、ちょっと派手すぎる。私のイメージするところの寄せ植えは、落ち着いた雰囲気でありながら、どこかに力強い色彩を秘めたさりげない美しさ、だ。そういう意味では、初恋草はなかなか素晴らしいバランスを保っていた。花姿が朧でありながら、色彩がはっきりしているので、緑の葉の中に浮かび上がったイルミネーションのようでもある。花色は、黄色に赤に青と、3種類あったが、中でも黄色が群を抜いて元気そうだったので、これに決めた。ツンツンとした濃い緑の葉っぱとのコントラストがじつに美しい。
 ここまでで約30分を要していた。みこりん達のお迎えまで、あと30分。果たして間に合うのか。高速でパンジー&ビオラ棚を彷徨い歩く。

 俗に言う“三色スミレ”タイプのパンジーは、苦手だった。どうも模様がはっきりしすぎていて、コワイ。その他にも黒い筋が毛細血管のように入ってるヤツは、きっとLicが嫌がるだろう。Licはこの手のパターンに弱い。かといってオレンジ単色や黄色単色では、あまりに色彩が主張しすぎている。やはり縁取りがヒラヒラしてるタイプが良さそうだ。
 パンジー単独でならば、きっとブルーのヒラヒラにしたと思う。しかし、今回は寄せ植えである。エリカを中心としたハーモニーで勝負せねばならない。花が大きい分、色が主張しすぎていてはいけないのだ。
 色々なポットを手に取り、脳内でテラコッタに配置し終えたシミュレーションを繰り返す。あんまり悩んだものだから、ついパンジーを諦め、ミニバラにはしってしまおうかと考えてしまったほどだった。しかし、ついに閃きが訪れたのだ。これしかあるまい。満を持してつかみ上げたのは、赤紫色のふりひらタイプ。白と黒の混ざり具合も、なかなかよい。水彩画ではなく、油絵風なところも、冬にお似合いっぽい。

 ところが問題が1つ。いったいこのタイプを何個揃えればよいのか。よくよく考えてみても、パンジーをこれ1種でまとめてしまっては、あまりに不自然すぎるではないか。少なくともあと2〜3種は別のものを混ぜておくのがいいのでは…。
 色の組み合わせ問題は、一気に複雑さを増してしまった。倍増どころではない。こういう問題はきっとLicの方が得意なのだが、助言を得ようにも今ここにいないのではどうにもならん。私一人でなんとかせねばならなかった。

 水色単色と、黄色のふりひらタイプを両手に持ち、じっくり悩んでいると、ポケットのケータイがぶるぶるし始めた。む?もしや時間か?とりあえず両手のそれをカゴにつっこみ、電話に出ると、やはりお迎え時間到来である。しかもちょっと過ぎている。急がねば。
 寄せ植えのための苗選びは、これにて中断。あとから悩めばもっとよい案も出てくるかも知れない。

 みこりんとLicは、待ち時間を八百屋で過ごしてくれていたらしい。幸いなことに、今日は昨日よりも幾分暖かだ。少しの遅刻は、大目に見て貰えたのであった。めでたしめでたし。


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