U's aquarium.
〜水のある生活〜
Top

TopicLog
Diary お魚日記くらげ日記
Essay #1 #2 #3 #4 #5 #6 #7
Link
A q u a D i a r y −

月 2002 お魚日記
PrevNext最新の日記Index
ひみつ日記読む!

2002.5.1(Wed)

半透明な玉
 みこりんの捕まえてきたカワニナが飼われているプラケの中に、Licが変わったモノを見つけていた。なんというか半透明なBB弾のような小さな玉が、5〜6個転がっていたのである。これは……どう見ても何かの卵のような。

 プラケの入り口はメッシュになっていて、外部から何かが侵入するのはおそらく不可能。となれば、この物体はカワニナの卵である可能性が高い。生物は命の危険を覚えると子孫を残そうとするという。もしやこのカワニナもそうなのか。…たしかに狭いプラケでは快適とは言い難い。川魚水槽への移住を考えるべき状況だ。問題は少々数が多いこと。みこりんに半分ほどを返してくるよう言わねばなるまい。


2002.5.2(Thr)

消えた玉
 玉が消えていた。より正確に言うならば、玉のほとんどが消滅し、1つが破れた状態で転がっていたのだ。そして直径1.5ミリほどの小さな貝が1匹増えた。…孵化したとしか思えない状況である。昨日の今日というのがなんとも不思議な感じがするが、もしやこの卵はすでに親貝の中ですくすくと大きくなりつつあったのかもしれない。

 ところで貝にも何か食べ物を与えなくては。というわけで、庭からブロッコリーの葉っぱを一枚ちぎって持ってきた。さぁお食べ。
 が、葉っぱは一向に沈まない。気泡が付着しているだけでなく、比重がそもそも水よりも軽いものと思われる。みこりんは「いしでおさえたらいい」と、もっともな事を指摘してくれたのだが、じつは明日から家を空けることを思い出し、やっぱり葉っぱを沈めるのは止めておくことにする。留守の間に葉っぱが腐ってしまっては大変だ。

 貝といえば、川魚水槽で転がったままの大きなタニシのその後。どうも落ちてしまったっぽい。でもいまだに入り口はぴたりと閉じられたままで、確証はないのだが。


2002.5.3(Fri)

留守の前
 今日からの三日間、留守にする。といっても夏場ではないので、エアコンを全開にしておく必要も、扇風機で空気を動かす必要もそれほどない。水槽用のクーラーが故障してしまったら大変だが、こればかりは祈るより他にない。
 いつもと同じように普通に餌をやり、普通に覗き込み、……そして観察だけは念入りに。

 昨年からずっと拒食のままのブラックゴーストとカイヤン君のことは、留守中にもしものことがあったらという心配はあるのだが、今現在は目立った変化はないように見える。

 照明用のタイマーがついていない水槽のライトをすべて落とし、玄関を出た。何事もなければよいが。


2002.5.5(Sun)

留守のあと
 渋滞に絡め取られて、帰宅できたのは日付も変わった真夜中過ぎのこと。がちゃりと玄関を開けると、暗がりの向こうから聞き慣れた低いモーター音が届いてきた。異常はないらしい(クーラーが止まってなければ、だが)。

 クルマから荷物を運び降ろし、一息入れる。落ち着いたところで、魚達の様子を確認した。ほとんどの魚はぐっすりと眠りこけているようだったが、ブラックゴーストは元気なのか弱っているのかよくわからない動きで彷徨っていた。何かしなくてはいけないような気がしていたが、どうにもならない疲れと睡魔に取り憑かれた私は、そのまま寝る体勢へと移行する。明日はGW最終日。早い、早すぎる…


2002.5.7(Tue)

オイカワ・ジャンプ
 フレークをあらかた食い尽くした頃を見計らって、クリルを投下する。これが川魚水槽への餌やりパターンだ。もはや60cm規格水槽では狭すぎるほどに、びゅんびゅんと水中を駆け抜けて食事にいそしむ川魚達。横から眺めるのもよいが、やはり上から見るのが自然っぽくてよい。

 上からといっても、水槽にはプラケ用の大きな蓋をすっぽりと被せてあるので、中を覗き込めるのは狭い開口部からに限られる。その5cm四方ほどの四角い空間を、魚達が一瞬にしてよぎってゆくのだ。そして水面に浮いたクリルが波紋と共に消滅する。

 旺盛な食欲に満足しつつ、クリルを再び千切って落とす。指先を離れたクリル片が、まだ空中にあるときにそれは起きた。まるで指先を掠めるかのように、魚がその身を踊らせたのだ。見事な空中キャッチであった。

 指から直接食べてくれるようになるのも、時間の問題かもしれない。


2002.5.9(Thr)

落ちた幽霊
 出勤前の慌ただしさに、うっかり見逃すところだった。茶苔にかすれていまいち見通しのよくない淡水90cm水槽に、異変があった。
 いつものように立ち泳ぎしている体勢のブラックゴーストだったが、その場所がいつもとは違っている。しかもよくよく見れば、体表になんだか白い膜のようなものがところどころ付着していた。エラの動きはない。退化しつつある小さな目にも、明らかに輝きが失われてしまっていた。

 ブラックゴーストは死んでしまった。


2002.5.12(Sun)

カイヤン君の危機
 ブラックゴーストのいない水槽は、やはりなんとなくもの悲しいものがある。あのコミカルな泳ぎは、もう見ることが出来ないのだ。そう思って水槽を見ているうちに、カイヤン君の怪しげな挙動に気が付いた。まるで鼻上げしているように、水面に顔を接するように斜めになって泳いでいる。こ、これはぁ……、大変じゃ。

 超高速で水換え準備に取りかかった。苔掃除は後回し。今はとにかく水を換えるのが先決だ。
 およそ80リットル、水槽の約半分の水を換え終えるのに、さほど時間はかからなかった。いつもならば、新しい水を入れるたびに暴れやしないかと慎重にしているところを、今回はほどほどに急いで一気にざばぁとやったのも影響しているだろう。そうしている間も、カイヤン君は鼻上げ動作をし続けていた。よくよく見れば、大きな尾ビレや腹ビレ、そして胸ビレに背ビレと、各ヒレに充血が確認できる。しかもヒレの先端がバサついているではないか。ブラックゴーストが落ちたとき、しばらく気付かず放置してしまった可能性が高い。それで水質が悪化してしまったにちがいあるまい。運の悪いことに、この水槽は現在ポンプが1基故障していて、片肺運転中だ。処理しきれなかった可能性が高い。
 あとはもう見守ることしかできないが、なんとか生き延びてほしいと思う。
 水換えついでに、川魚水槽もバケツに1杯、約15リットルの水を新しいものに換えた。苔掃除をしている間、魚達は岩陰に身を潜め、おとなしくしてくれていた。
 きれいな水になったところで、みこりんが「かいぬしさん」と名付けて飼っているあのカワニナ達を、移住させてやる。この水槽ならば、まだ生き延びる可能性は高いはずだ。

 ところでもう1つ気になる水槽がある。玄関の靴箱の上に置いてある海水60cm水槽だ。下の枠に沿って、なんだか水漏れが発生しているような感じなのだった。じわじわと、滲み出てくるような具合に、ゆったりとゆっくりと、しかし確実に漏れ出してきているように思われる。とりあえず一度ティッシュと布でキレイに拭いておいた。これで改めて水漏れの状況を確認して、どうするか決めよう。もしも水漏れしているようならば、この水槽はもちろん廃棄ということになる。中の魚は幸いにして1匹だけ。スズメダイの仲間というのが少々問題ではあるが、まぁどこかの水槽に移住は可能だ。玄関の上には、川魚水槽を移動してくれば寂しくなることもあるまい。


2002.5.16(Thr)

カイヤン君の危機は去ったか
 ばたばたと慌ただしく過ぎてゆく日常に、ついカイヤン君のことも忘れがちになっていた。だからいつのまに彼の斜め泳ぎが治ったのか、じつのところ定かではない。茶苔にかすむガラスの向こうで正しく水平に戻った体のカイヤン君の姿に、なんとなく今回の危機は去りつつあるような気がしていた。
 とはいえ、ヒレの先端には部分的にカビのような物体が発生しているので、油断禁物だ。たしかグリーンFゴールドが余っていたはずと、水槽道具入れを探ってみたが、結局見つけることができなかった。必要な時に見つからず、どうでもいい頃にふっと出てくるのはよくある話で。

 海水60cm水槽の水漏れは、たしかに徐々に発生しているのは間違いないようだった。が、大慌てで何か手を打たねばならないほどに緊迫はしていないように見える。いましばらくは様子見といこう。
 川魚水槽に移ったみこりんの“かいぬしさん”達は、皆、元気に岩に貼りつき苔を食べてくれているようだ。みこりんは貝達がいったい何を食べているのかしきりと知りたがっていたが、岩に苔が生えるという状況がいまひとつ納得できないのか、私の説明にも合点がいっていないらしい。もしかするとみこりんの目には、貝達が岩を食べているように映っているのかもしれない。たしかにそれは奇怪に見えることだろう。一度みこりんにはプラケで岩だけを“飼育”してもらうというのもいいかもしれないな、と思う今日この頃である。岩の入ったプラケを庭にでも置いておけば、苔発生の理解も深まることだろう。


2002.5.17(Fri)

陸ヤドカリの脱皮
 ここ最近、一番大きな陸ヤドカリが、仲間達の寄り集まっている水入れの下を離れて、反対側の端っこでうずくまっていることが多かった。いや、多かったというより、常にそこにいたというのが正しい。まるで微動だにせず、貝殻だけが存在しているかのように。………まさか。

 今夜、あまりに不安になってしまったので、ひょいと貝殻を持ち上げてみると、ハサミやら胴体の殻が砂の上に残ったので驚いてしまう。一瞬、悪い予感が現実になったかと思いかけたが、すぐにこれは脱皮殻だと気が付いた。その証拠に、貝殻の中には、一回り大きくなった彼がいた。妙に白い。

 まだ完全には固まっていないらしい。もうしばらくそっとしておいたほうがいいようだ。そっと砂の上に戻してやった。


2002.5.18(Sat)

陸ヤドカリの脱皮その2
 陸ヤドカリのケージには、住み替え用に貝殻を何個か入れてある。だから、すっかりそれなんだろうと思っていた。しかし水入れの下の貝殻を数えてみたとき、ヤドカリの数が1匹足りないのに気が付いたのだった。あとの1匹はいったいどこに。潜れるほどには砂は深くないので、貝殻が消えて無くなるはずはない。住み替え用にと入れておいた貝殻も含めて、1つ1つ確認することにした。

 昨日脱皮を確認した大きなヤツのすぐ隣に、白くて小さな貝殻があった。それをひょいと持ち上げた時のことだ。あった、ここにも。ハサミやら甲羅の残骸。もう1匹も脱皮したらしい。だが、今度のヤツは姿が見えなかった。手の中の貝殻は、空っぽだったのだ。

 ケージ内をくまなく探した。貝殻の数を何度も確認した。でも、やっぱり1匹足りない。…脱皮に失敗して消えてしまったのだろうか。それにしては何の痕跡もない。そういうのはアリなのか。
 目の前で超常現象が発生したかのような気になりかけていたが。ふと気になったので、もう一度さっきの白い貝殻を持ち上げてみた。奥底をじぃぃっと覗き込む。…と、いた。そんなところに隠れられるのかと思うくらい、貝殻の中の方に引っ込んだヤドカリの姿がそこにあった(ハサミしか見えてないが)。魔法を見ているようだ。胴体はいったいどうなっているのか。とても収納できるとは思えないのだが。
 もしややっぱり死んでしまっていて、固いハサミの部分だけが残っているとか…。またしてもそんな考えが沸き起こってくる。

 貝殻の奥底に向かって、水をちょこっと掛けてみた。…反応無し。やはりそうなのか。そっと貝殻を置いた。


 十数分後、なんだか見られているような気がして顔を上げる。すると、視線の先に白い貝殻からちょびっと顔を覗かせているヤドカリの姿があった。生きていたのだ。彼も妙に白っぽかった。ハサミも顔も、お化粧したかのように白かった。まるでキレイに生まれかわったかのように。

 あぁでもよかった。ほんとうによかった。


2002.5.20(Mon)

見上げる魚
 海水60cm水槽唯一のお魚(スズメダイの一種)には、いつもフレークしか与えていたなかったのだが、今朝はふと思いついたようにクリルをやってみることにした。口がわりと小さめなので、適度に砕きつつぱらぱらと、ガラス蓋の隙間から落としてやる。
 彼はその様子を岩陰からじっと見上げていたが、これまたいつものようにすぐには餌に食いついてくることなく、奥の方へと消えていった。いつのまに餌を食べるのか定かではないが、やがてそのうち水面に浮かんだフレークはきれいさっぱりとなくなってしまう。ずっと以前はこうではなかったはずなのだが、気が付いたときには食事する姿を見せてくれなくなってしまっていた。

 そして夕方、まだ煌々と点いていた水槽のライトを消そうとしたときのこと。水面にはクリル片だけがほぼそのままの状態で残っていた。彼はクリルがお好みではなかったらしい。代わりに、ガラス面との境界付近にたまったクリル片を、がつがつとむさぼり食っているやつがいた。魚ではない。貝だ。ここ久しく姿を見ることはなかったが、数年前にライブロックを入れたときからくっついてきていた巻き貝が1匹、ぺたっとガラス面に貼りついてクリル片を抱き込むようにしていたのだった。

 じつに美味そうに食べている。その様子を、やっぱり岩陰から見つめているスズメダイ。少しは食べてみようという気になっただろうか。
 でもやっぱりクリル片は、真夜中過ぎになっても、そのままにあった。クリル片は貝にゆずることに決めたかのようだった。


2002.5.23(Thr)

足元にトノサマガエル
 玄関開けたら、足元にプラケが1つ置いてあるのに気が付いた。な、何やつ!と覗いてみれば、若く逞しいトノサマガエルが1匹、ちんまりと座っているのだった。そこへみこりんがやってきて、プラケを奪い去ってゆく。保育園に持っていくのだと言った。

 地域によってはトノサマガエルはすでに絶滅危惧種らしいが、この辺にはまだまだ豊富に生息しているようだ。保育園の靴箱の上でも、わりとポピュラーな顔である。
 みこりんもカエルは好きなので、トノサマガエルに限らずいろいろとカエルを捕まえたりしているのだが、やはり餌に困ってしまうのが難点だ。子供がきちんとカエルに餌を与えられるかというと、なかなか難しい…。カエルどころか、“かいぬしさん”のことも、すでに忘れている節があるし。

 ところでカエルといえば、我が家のウッドデッキの下に巣くってるはずのヒキガエルは、今年まだ姿を見せてくれていない。彼の安否の方も気がかりな今日この頃である。


2002.5.25(Sat)

湿気の原因
 川魚水槽の魚達に餌をやっていると、なぜかみこりんがよく通りかかる。玄関前の廊下という、我が家のメインストリートに位置しているため、当たり前といえば当たり前なのかもしれないが、ただの偶然にしてはなんだか頻度が多いような…。
 そして必ずみこりんは、自分も餌をやるといってお手伝いしてくれるのである。フレークとクリルと2種類を、私がやってるのと同じように水槽上部の開口部から指先でつまんでぱらぱらと。ブルーギル幼魚がまだ小さかった頃は、クリルを細かく砕く必要があって、その時の教えを今でも時々思い出すのか、みこりんの指先からは今でもたまに粉みじんのクリルが出てくることがある。そんなときにはすぐに訂正してやるのだけれど、なぜか上書き消去が不完全らしい。今日も粉々のクリルが水面を舞った。
 みこりんはよほど「粉々に」というのが気に入ったとみえる。

 2種類の餌のうち、今日はフレークを新調した。以前のやつが、どうも湿気てきたような気がしたので、早めに交換しようと思ったのだ。やはり新しいフレークは“ぱりっぱり”で指先にも心地よい。
 ところで、湿気の原因なのだが、どうもみこりんにあるような気がする。ぴっちぴちの若さを誇るみこりんの皮膚からは、生命の源たる水気が常に染み出してきているのではないかと思うほどよく潤っているし、手が小さいので餌缶の中にすっぽりと突っ込まないとフレークがつまめないという2つの要因により、フレークは除々に湿気を吸収していったのではなかろうか。

 今にして思えば、フレークをいったん蓋に受けてから取らせればよかったのだ。その方がみこりんも上手につまめることだろう。

 川魚達の食欲は、日々増進中。じつに頼もしい。


2002.5.27(Mon)

苔の生え方
 前回の水換え&苔掃除から、もうずいぶん経ったような気がするのだが、海水2m水槽は、他の水槽ほどには苔っていない。以前ならば同じようにぺったりと茶苔が視界を遮っていたように思う。ところが、今水槽に発生しているのは、同じく茶苔ではあるものの、なんだかスプレーで吹き付けたような具合に広がっていて、ぼかし状態になっている。

 ロングフィンスナッパーが落ちてからは、この水槽でクリルをやることがなくなった。粒状飼料のシュアーだけとなってからは、残り餌がほとんど発生していない。そのあたりに理由があるのかも。
 もっとも、こんなに苔が生える前に、ちゃんと苔掃除すべきなのだが…


2002.5.28(Tue)

真夜中に「こつこつ」と響く音
 真夜中、聞き慣れない異音が発生しているのに気が付いた。何かが壁をノックしているような、硬質な響きがリビングに届いてくる。音の間隔は不定期で、なんとなく生物的な感触があった。
 私はTVを消し、ついでにPCの電源も落として、耳を澄まし、発生源を探った。いったいどこからこの音はやってくるのだろうか。

 何度も耳に手を当て確認したのだが、「そこっ!」という場所が特定できない。ただ、水槽方面、海水2m水槽の付近からしているらしいことはわかった。濾過槽の前面パネルをすべて取り外し、頭を中につっこんで聞き耳をたててみる。「う、うるさい…」モーター類を屋外に出しているとはいえ、配管の振動やら激しく落下してくる水の音などで、とても異音の発生源を探る状態ではなかった。

 いったん頭を引き抜き、モーター類の電源を落とす。ぎゅるぎゅると濾過槽の水位が上がり、やがて水槽は完全に沈黙した。おそるべき静寂に包まれるリビング。これならば大丈夫だろう。

 こつこつという“音”は、さっきよりも明確に意志を現したかのように、目の前に出現していた。じつにリアルな音だ。明らかに何モノかがいる、そう思わざるを得なかった。しかし、どうも奇妙である。音源がやはり定まらないのだ。正面奥のパネルでもなく、濾過槽本体からでもなさそうだし、水槽底部とも異なっている。床下というのも考えたが、響きが違う。なんというか水槽の背後に、隠れたドアがあって、その向こうからノックされているような漠然としたものだった。それでいて、ふいに耳元で「こつこつ」と音がしているようで……、ちょっと怖い。丑三つ時だし。

 水槽内にカニやらシャコやらの類が潜んでいた場合、暗くなってからごそごそと活動をはじめて音がするというのはよくある話しだが、この水槽にはここ数年ライブロックを投入していないため、そういう生物の可能性はかなり小さい(小さかったヤツが成長したという線はあり得るけれど…)。やはり水槽外の生物というのが、もっとも説得力がありそうな予感がする。ちょうど水槽背面にはエアポンプの電源ケーブルを垂らしてあり、そのプラグ延長部分が何かの拍子に揺れたら、「こつこつ」いうのではないだろうか。ちょうど濾過槽の後ろに位置するため、音源が特定しにくいことの説明にもなりそうな。問題は、“何”がケーブルを揺らしているのか、だ。

 私の推測はこうだ。“ねずみ”ではなかろうか、と。昨年からウッドデッキで発生している“
サヤエンドウ消失事件”や“干し柿盗み食い事件”等の重要参考生物として何度も脳裏に浮かんでは消えていった生き物が“ねずみ”なのである。昨年はウッドデッキに大量の糞があったのだが、今年はなかった。住居を室内へと移したのではあるまいか。そう、水槽の裏側へと。そして気の向くまま、電源ケーブルで遊ぶに違いない。

 「こつこつ、こつこつ」と、音はしばらく続いていたが、やがて唐突に鳴りやんだ。遊び飽きたのだろうか。
 もしも“ねずみ”じゃなかったら……、怖い考えになりそうだったので、この夜はもう寝ることにした。


PrevNext最新の日記Index

ご感想などは、こちらへお気軽にどうぞ
メール宛先
blue@type-u.org