U's aquarium.
〜水のある生活〜
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月 2003 お魚日記
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ひみつ日記読む!

2003.1.1(Wed)

“底”の必要性
 紅白の金魚が悠然と泳ぐ正月仕様に妙にマッチした熱帯魚水槽では、もはや中央付近の水草は、ほぼ抜き去られていた。金魚たちの仕業である。
 広くなった水底で、ゆるやかに砂粒をもぐもぐやったりなんかして、やたらとリラックスして見える。やはり“底”があるというのは彼らにとっても安らぐものなのかもしれない。大地を踏みしめる“足”はないが、ぽわぽわの水草の上よりも、しっかりとした“底”が欲しかったのだろう。

 ところで昨年は、わりと水槽が苔まみれになることは少なかった。水槽の数を減らしたのが功を奏したようだ。今年も引き続き、苔掃除と水換えはしっかりやろうと思う。そのためにも、まずは水中ポンプ用のホース買ってこなくては。


2003.1.2(Thr)

硬質な音
 何の気なしに、窓際に近寄った時のこと。

 かちゃ

 という“硬質”な響きが、下の方から届いて来る。
 はっとして下を見ると、陸ヤドカリのケージの中で、一番大きな緑色の貝殻をしょったヤツが、水入れの中で逆さまになっていた。どうやら天井を伝っていたらしい。私の接近に驚いて、ささっと手足をひっこめた途端、自由落下してしまったのだろう。

 水入れの中には、ほとんど水が入っていなかった。部屋の中の乾燥具合がよくわかる。さっそく補充しておいてやらねば。


2003.1.3(Fri)

稚魚のその後
 産卵ケースから60cm水槽へと移住した稚魚のその後が気になったので、気配を悟られないようにそっと姿を隠しながら、覗き見ていると……
 苔むした岩の中ほどを、流れに逆らいつつ定位置をキープして泳いでいる。やがて、すいっと岩の方へ体をスライドさせた稚魚は、「はむっ」と岩肌に生えた苔を舐めるように食べたのであった。舐めたというよりは、むしったという表現が近いかもしれない。そんな動作を何度となく繰り返している。

 昨年の初夏の頃、長良川の水中で見た魚達の様子とほぼ同じ光景に、この稚魚の元気の素を垣間見たような気がした。やはり産卵ケースの中ではなく、このようなより自然に近い環境が、彼等には必要だったのだろう。返す返すも決断の遅れを悔やむ。
 それにしてもこの稚魚が、どんな魚に育つのかが気になるところだ。タナゴと混泳しつつ、小川で戯れる細身の魚…、春にはおおよその見当がつくくらいには育っていることを期待しつつ、そっとその場を離れるのであった。


2003.1.5(Sun)

カスミチョウの食事
 冬休み最終日の今日、ゆったりとカスミチョウ達に餌をやる。こうしてのんびりできるのも、今日で最後。次回は1週間後だ。長い、長すぎる。

 ぱらぱらっとシュアーの粒を水面に落とす。沈下性の餌なので、すぐに落下を始め、それを目掛けてすごい勢いですっとんでくるカスミチョウ。その脇で、ちょっと控えめにおこぼれにあずかっているのはケラマハナダイ。かれらもずいぶんと大きくなった。やや体表のピンク色が薄くなったような気もするが、気になるほどではない。

 さらにシュアーをばらまいてやる。一度に少しずつ、残り餌が出ないように、慎重に。ちょびっ、ちょびっとやってゆく。そのうち、カスミチョウが餌に向かって来るスピードが落ちて来る。そろそろ満腹かな?
 なおも餌をついばむカスミチョウが、突然「ぶはっ」と餌を吐いたりなんかして。あんまり急いで詰め込んでいたものだから、とうとう苦しくなってきたのかもしれない。そろそろ限界のようだ。本日の餌やり第一回目、終了。


2003.1.7(Tue)

リンゴの味
 冷蔵庫の中で忘れ去られつつあったリンゴに、ふと目が留まったのが先週のこと。半切れのリンゴ、これをここに入れたのはだいぶまえ、たぶん去年の12月の最初の頃か、もしかすると11月だったかもしれない。
 切り口はしなしなに変色していたが、肌の張り艶など、皮の部分の見た目はさほど悪くない。押してみても、しっかりとした果実に充実ぶりを感じ取ることができる。しかし、さすがに生食するのは少々勇気が必要だった。でも、ハムスターや陸ヤドカリの食事に供するのであれば問題なさそうな気もする。

 というわけで、ナイフできれいそうな果肉部分を選んで切り分け、やってみることにしたのだ。
 ハムスターには結構好評だった。入れたとたんに、大好物のキュウリそっちのけでリンゴにかぶりつくほどだ。では陸ヤドカリはどうかというと、やはりリンゴは好きらしい。ケージに入れてしばらく見ないふりをしてやってから、そろぉっと覗くと、しっかりリンゴの上に乗っかってもしゃもしゃとやっている。ニンジンの切れっ端の時とは大違い。
 リンゴが尽きるまでは、食べさせてやってみようと思う。


2003.1.9(Thr)

識別
 朝、魚達の食欲はすさまじい。カスミチョウや金魚といった面々は、私の姿を見掛けると、一斉に寄ってきて激しくアッピールしてくれるので、ついつい忙しい時でも餌やりを優先してしまうのだった。
 彼等が私ではなくLicでもそうなのかといえば、結局まだきっちりと確認できてはいない。でも魚は意外と目がいいらしいので、もしかすると人を見分けているかもしれない。ぜひとも実験してみなければ。

 ところで極寒の川魚水槽では、少々様子が違ってくる。さすがに動きが鈍くなっているのか、人影を見ても、目玉をぎょろりと動かすだけだ。室温が5度を切るような毎日では、それも仕方のないことか。水温む季節まで、ゆっくりと待とう。


2003.1.11(Sat)

当たる確率
 海水にクリルを砕いてやると、細かくなった肉片が水流に舞って水槽中に行き渡る。すると、海水R360水槽のヤドカリ達は、急に動きが激しくなるのだった。

 かさささささと、水槽の縁にそって水底を激しく走り回り、少しでも多くの肉片をキャッチしようと一生懸命だ。大きい肉片に当たるかどうかは、運次第。いじわるな水流は、あっというまにヤドカリのそばから肉片を転がしていってしまうのだった。
 そうやってふわふわと運ばれていった肉片は、やがて岩陰へとすっと消える。ヤドカリがそれを発見する前に、突如出現する大きなハサミ。
 もしかすると、カニが一番おいしいところを持っていってしまっているのかもしれない。じっくり待つタイプの方が当たりがよいのが、どうやらこの水槽の理らしい。


2003.1.13(Mon)

水換えの気力
 今日こそは水換えをしようと思い、その気持ちはお昼を回っても少しも揺らぐことはなかった。…が、ちょいとヤボ用を片付けている間に、いつのまにか時間は超高速で過ぎ去り、あっというまに夕方に。
 おまけに今日はひどく寒く、薄暗い。

 体調が万全ではないことも手伝い、あっというまに気力は萎え、水換えのスケジュールは来週末へと延期されたのだった。


2003.1.15(Wed)

こっそり稼動しているヒーター
 温度センサの数値が、微妙に上昇していた。25.9度で安定していた海水2m水槽だったが、今は26.3度である。その差、コンマ4度。とはいえ、水量700リットル超、しかも室温21度の現状では水温が上昇する必然性はほとんどない。
 というわけで、とっととアングル内部の露出にかかる。水温上昇の原因といえば、おそらくこれしかあるまい。

 案の定、濾過槽の水位は1/5まで減っていた。サーモスタットのセンサ群が、水中から露出しかかっている。ここ最近冷え込む日々が続いていたので、室内の暖房器具をフル稼動させていたため、予想外に早いスピードで蒸発が進んでしまったのだろう。
 さっそくバケツで3杯、真水を追加しておいた。

 濾過槽の吸い込み口前にライブロックを設置したことで、水位低下時の不快な“ぎゅるぎゅる音”からは解放されたものの、このようについうっかり水位低下を見逃してしまう事態になってしまうのは痛いところだ。細めなチェックが欠かせないが、アングル前にウズラのケージを設置したことでパネルへのアクセスが悪化したのが災いしてしまっている。やはり水位低下検出器でも装備しておくのがよさそうだ。完成するのがいつになるかは、まったく不明だけれど、自作リストの上位に入れておこう。


2003.1.16(Thr)

2匹のカニ
 珍しくカニが2匹、岩陰から表に出てきていた。海水R360水槽でのことだ。
 灯りを点けても逃げる気配がない。ひくひくと触覚をわななかせて、じっとこちらを見つめているような…、気がする。そこで、さらに顔を近づけて観察してみることにした。

 2匹とも、甲羅の横幅が1.5cmほどである。手前の方が、やや明るめのオレンジっぽい体色で、甲羅がワタリガニ系な形状をしていた。ちょっとオシャレなカニである。その向こうにいるやつは、けっこう毛深いタイプで、甲羅も角張っている。私の好みでいうと、手前のカニのほうがいいかな。
 なんて思っているうちに、毛深いカニが突然息を吹き返したかのように、ささささっと岩陰にひっこんでいってしまった。残った美麗な方のカニに動きはない。体表にアクセントのように生えた毛を、水流に揺らしながら、微動だにせず。

 あまりに動きがないので、だんだん心配になってきた。水槽をコツコツとノックしてみても、無反応。ガラス面に目玉をくっつけるようにしても、まったく反応がない。こ、これはもしや……
 長い棒で、つっついてみることにした。

 くたっと、糸の切れた操り人形のように、脚がだらりと垂れ下がる。そのカニは、とっくに事切れていたのだ。
 するともう1匹のカニはいったい何をやっていたのだろう、ということが気になってきた。もしや死体を食おうとか…?

 この水槽の習わしに従い、死体はそのまま他の生物のために残しておいた。おそらく明日には外骨格だけになっていることだろう。


2003.1.17(Fri)

現われた、カニ
 予定どおり、カニの死体は外骨格のみとなり、弱い水流にゆらゆらと揺れている。だがその奥に、外骨格とそっくりな色カタチの甲羅を持ったカニが、1匹潜んでいることに気付いたのだった。見れば見るほどうりふたつ。しかも色彩の鮮やかさは、これまでのどんなカニよりも優る。

 ここで私は1つの可能性に思い至る。またしてもだまされたのかもしれない。死体だと思ったが、じつはこいつはただの抜け殻だったんじゃぁあるまいか。
 脱皮後のカニは、それはそれは美しい(直後は白っぽいけど)。無垢の甲羅表面の滑らかさと、発色の良さは、苔むした岩肌に、不自然なほど映えるのだ。今、外骨格の奥でこちらを覗き見ているカニが、まさにそんな感じだった。

 美しいカニが生きていた。その事実は凍てついた冬にあっても、心をおだやかに暖かくしてくれる。あぁ、ほんとうによかった。


2003.1.19(Sun)

今年最初の水換え作業
 ついに水換えを実施した。今年初めての水換えである。対象は熱帯魚水槽と、海水R360と、この2つだけだが、いずれ海水2m水槽も実施しなければなるまい。

 熱帯魚水槽では、金魚に引き抜かれていた水草を取り除き、水底を少し整理してみた。少々金魚が暴れても大丈夫なように、余裕をもって空間を広げる。抜き去った水草は、環境に慣れれば凍てつく水中でも大丈夫なことは実証済みだが、ここで突然川魚水槽等に移すのは危険だった。熱帯魚水槽は常に25度をキープしているのだから、温度変化がいくらなんでも急すぎる。
 というわけで、小さいバケツに水を張り、そこに移しておいた。徐々に水温は外気温にまで低下してゆくだろう。こうして慣れた頃、川魚水槽に移植だ。

 海水R360水槽では、水換えの真っ最中に、ヤドカリが慌ただしく別の貝殻を値踏み中。慎重にハサミで中を探っている。引越ししそうな気配だ。
 その瞬間を見てやろうと思っていたのだが、わずかに目を離したその隙に、引越しは完了していた。早業である。ヤドカリもこちらの気配をうかがっていたのかもしれない。

 でも結局、夕方には元の貝殻に戻っていた。もしや毎日こうして貝殻を代えているのかも。引越しというよりは、気分転換のような…


2003.1.21(Tue)

生きている岩
 少し時間に余裕があったので、海水R360水槽にクリルをやってから、しばらく観察してみることにした。
 流れに乗って、細かなクリルの肉片が水槽中に広がって行くと、岩しか入ってないような水槽が、俄然賑やかになって来る。

 小さな無数のトビムシ達は言うに及ばず、岩に巣食ったあらゆる生物達が一斉に動き始めるのだ。細い透明な触手を伸ばすもの、おいでおいでするように岩の表面をかきとってゆく箒のようなヤツ、ゴカイの類等々。そんな岩陰から、突如、ぬっと現われる大きな影。見えたのは2体。カニだ。もっと潜んでいるはずだが、残りは慎重に警戒しているのかもしれない。

 カニ達はせいいっぱいハサミを水中に突き出し、微動だにしない。あれで獲物を捕らえられるのだろうか。そんな心配をしてしまったが、カニにはカニなりの考えがあるのだろう。もしかすると、ハサミ表面に生えた無数の毛に、微少な肉片を付着させようとしているのかもしれないし。

 やがてカニ達は申し合わせたかのように、ほぼ同時に岩陰へと消えていった。満腹したのだろうか。それにしては彫像のように動かないままだったが…
 ところで近頃、岩にくっついている二枚貝がやたらと元気である。管を膨らまし、元気に水を出し入れしている。何を食べているのか以前から気になっているのだが、この水槽ではプランクトンの量も貝を生存させるに十分なほど供給されているのだろうか。ちょっと顕微鏡で覗いてみたくなったが、あいにく我が家にはそんな便利なアイテムはない。でも、欲しい…。みこりんのためにも、買ってみてもいいかな、と、ちょっと思っているところである。


2003.1.23(Thr)

水温上昇
 海水2m水槽の水温が、あやしげな上昇を見せている。現在26.4度。濾過槽の水位はさっき確認してみたが、特におかしな点はない。サーモスタットのセンサは正しく水中に没していた。

 サーモが壊れたなら際限なく上昇していきそうなものだが、このあたりが限界のようで、それ以上は高くはなっていない。26.4度でぴたりと安定したかのように、温度センサの数値は動かなかった。あるいはクーラーの能力が勝っていて、ここで安定してしまったのかもしれないが。

 いったい何が起きているのだろう。もしやモーターの異常加熱か、と思ったが、特に異音は発生していない…。でも確認しておくべきかもしれん。


2003.1.25(Sat)

穴の奥
 川魚達の動きに活気がある。餌への食いつきも、いつになく良い。
 そう、今日は少しだけ暖かい。外は青空、太陽がまぶしい。

 ただ、気になることがある。ウグイが4匹いるはずなのに、その姿を最近あまり見掛けないような気がするのだ。さっき1匹出てきていたが、それでも足りない。残りはいったいどこにいったのか。
 岩穴の奥深くに潜んでいるのかもしれない。彼等はそこが大好きだった。昼でも薄暗い穴の中は、4匹が入るには少々狭いのだが、ぎゅうぎゅうと上になり下になりして、はまり込んでいたものだ。

 今もそこに、彼等はいるのではないだろうか。ぐぐっとガラスに顔を近づけてみたが、いるようないないような…。もう少し水温がぬるくなってこないと、真相はわからないらしい。


2003.1.27(Mon)

冬ごもり
 毎朝、リビングの室温は6度〜8度となっている。ここで石油ファンヒーターを作動させれば、一気に20度付近まで上昇するのだが、この室温をもってしても、陸ヤドカリ達の眠りをさますことは難しくなってきた。昼間無人のこの部屋では、すぐに冷え込んでしまうのだから無理もない。

 餌として入れているニンジンの薄切りも、齧られた様子はなく、そのまま縮んでしまっている。本格的な冬眠状態に入ってしまったようである。
 2年目の冬を、彼等は無事にやり過ごすことが出来るだろうか。固く閉ざされた貝殻の奥で、ひっそりと眠る陸ヤドカリ達。春に、また元気な姿を見ることができますように。そう願わずにいられない。


2003.1.29(Wed)

水温上昇の謎
 海水2m水槽の水温が、26度を大きく越えて、26.7度になっていた。念のため、濾過槽に淡水をバケツに1杯ほど補充しておく。すると、水温はコンマ2度ほど低下した。あまりに敏感すぎやしないだろうか。700リットルの水量に対して、わずか15リットルの追加なのに…。

 妙だった。だいたい室温よりも水温の方が高く、それなのにヒーターが作動している形跡がないというのは、どういうことか。
 もし有り得るとすれば、じつは室温は石油ファンヒーター付属の温度計が表示するよりも、高温になっている場合だ。夜間、石油ファンヒーターと、隣りの部屋でストーブを燃やしている状態で、室温は約23度。水槽の位置は、床上1m10cm以上。室温は天井に近いほど上昇する。その差が4度あったとしたら……。有り得ない話しではないかもしれない。
 だが、1つだけ腑に落ちない点がある。水温は、明け方でも26度を越えているのだ。もちろんこの時には室温は10度を切っている。いくら水の比熱が大きいとはいえ、下がらなすぎのような。

 謎は解決しないままである。


2003.1.30(Thr)

貝のお散歩
 ふと、苔取り貝に目が留まった。海水2m水槽に1匹だけ入れている貝だった。
 この水槽のレイアウトは、左右に2つの山を作っているので、間にはただアクリルの底が1mほど空いている。これまで貝は左側の山ばかりで目撃していた。ところが、今夜見つけたのは右側の山だった。いつのまに移動していたのだろう。

 ちょっと遠出をしてみたい気分だったんだろうか。それとも左の山には食べるべき苔がなくなってしまったとか(そんな風には見えないが)。
 でも元気そうでよかった。この調子で生存記録を伸ばして欲しいものだ。

 ヤドカリは、いまだ姿を見せず。


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