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〜水のある生活〜
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月 2000 お魚日記
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ひみつ日記読む!

2000.9.1(Fri)

夜な夜な食う
 明け方にはなんと24度を切ってしまうほど冷え込みが激しくなってきた。そろそろヒーターの設定温度を上げておいたほうがいいかもしれない。
 高水温の心配をしなくてもいい季節まであと少し。

 朝晩は冷え込むとはいっても、昼間はまだまだうだるような暑さが残る。先週水換えしたばかりの海水36cm水槽など、はや緑苔がガラス面を覆い尽くそうとしている。明日は苔掃除せねば手遅れになりそうだ。
 でも今夜、その苔をばりばり食ってくれてる頼もしいヤツが、ガラス面にぺたっと貼り付いていたのだった。そいつの名前は「うにうに君」という。当初からライブロックにくっついて我が家にやってきていたのだが、まだまだ健在のようである。少し前に砂の上を彷徨っていたので行方が心配だったけど、無事ライブロックに戻ってきていたらしい。そこを拠点に、こうして夜な夜な苔を食ってくれてたのだろう。
 苔取り貝ほど強力ではないが、まぁこういうのは気持ちの問題だし、うにうに君の行為がこれからも続くことを祈るのであった。


2000.9.2(Sat)

気になる口先
 先週あたりから少し気になっていたのだが、どうも竜之介の口先が白っぽくなってきているようだ。最初はほんの少しだけ先端の色が薄くなってるだけだったのに、今でははっきりと白いのがわかる。幅も3mmほどに広がった。さすがにこれは気になってしまう。体色が抜けるのは、たいていよくない兆候だったし。
 よくよく観察してみれば、口の向かって右側が、やや変形しているような感じだ。以前はしっかり口が閉じていたのに、その変形のせいで常に半開きになっているような印象である。考えられる原因としては、何か固いものを無理に食べたような…。もしや冷凍イサザアミをやるときに使ってるピンセットのせいだろうか。食いつきが良すぎて接触したことは、あったような気がするけれど。
 さてどうしたものだろう。幸い、食欲はあって、コンスタントに冷凍イサザアミを日に5匹は確実に食べてくれるようになった。活きイサザアミでも確認したいところだが…。まずは食べさせて体力をつけさせておかねば。


2000.9.3(Sun)

水換え&苔掃除
 日曜の恒例行事、水換えの始まり。
 淡水30cmを3本ざざっとやったあと、金魚水槽へ。少し水中に異物が舞ってるようなので、丸洗いすることにした。濾材も軽くゆすいでおく。新入り金魚2匹は、まだまだ元気そうだ。このまま無事に大きくなってくれればいいが。
 そうやって水換え作業をやってると、みこりんが様子を探りにやってきた。ちょうど金魚水槽が終わったところで、ガラス面についた水滴などをティッシュで拭いていたのだが、これをみこりんもやりたいと言う。いい機会なので手伝ってもらうことにした。こうして幼少のころより水換え作業をやらしておけば、いずれ習慣づいて頼もしい助っ人に育ってくれるはず…という思惑もあり。

 ひさびさに淡水90の水換えも行う。カイヤン君用のプレコタブレットの破片が少々堆積していたのでそれも吸い出しつつ、約60リットルの交換。最近、昼間でも泳ぎ回っていたブラックゴーストだが、水換えの気配を察知したのか岩穴へと待避している。その岩肌にもやや茶苔が見られるので、取り出してブラシでごしごしやっておいた。隠れ家を取っ払われたゴーストは、大慌てで水槽の隅っこにあるストレーナに寄り添うのだけど、垂直にピンと立っていられるのはゴーストならではだなぁといつも感心して見てしまう。まるで黒いヘコアユのようだ(ヘコアユ:いつも立ち泳ぎしている海水魚)。

 こちらも久しぶりの“ざり水槽”。先日、猫の“にゃんちくん”が散歩中にガラス蓋を踏み外し、底面濾過のパイプを抜いてしまっていたので、それを挿し直すのである。根元から抜けてしまっているため、まず底面の砂を穴の周囲だけ抜かねばならない。ついでなので水換えも一緒にやってしまおう。灯油ポンプでごきゅごきゅと砂もろとも水を吸う。つるつる〜っと大磯砂がなだれ込んでくるのは、なかなか気持ちよいものだ。つい、抜きすぎてしまうところだった。
 無事、パイプを立て直し、水も30リットルほど新しくなって苔掃除も終わった水槽は、また一段と美しく…。最近、ざり達の成長速度が落ちてきてるような気がするのは気のせいだろうか。今年の冬も、無事越せればよいのだが。

 さて、水換えは以上で終了。あとは苔掃除だけだ。海水36cmと海水2m。あいかわらず海水36cmは、すぐに苔まみれになってしまう。でも底面の砂はそれほど苔に覆われないのは、砂の中の無数の住人達と、やりやり君らのおかげだろうか。それと最近目立つようになったのだが、紫色の海草(海藻かも)が勢力を拡大しつつある。若布の紫版みたいなやつが、ライブロックの一部と、砂の一部に群生しているのだ。どこまで育つのだろう。やはり直射が影響してそうな予感。
 海水2mを終えれば、今日の水槽作業はおしまい。ロングフィンスナッパーが悠然と泳ぐ様は、じつに威風堂々としていて見応えがあるなぁ…と、見通しのよくなった水槽を見て思うのだった。

吸い込み失敗
 なんと竜之介が、今夜は冷凍イサザアミを食べてくれなかった。いや、正確にいうと、食べようとしたのだけれど、吸い込み力が弱すぎて、失敗したのだ。
 口先の白く色の抜けた部分が、いよいよ気になってきた。口の中がぼぉぉっと丸見え状態になっていて、太さも増したような感じ。デバがさっきから何度も口先をつっつきに来ている。これまでになかった行動だ。弱っている部分を、なぜか魚はよく知っている…。デバを海水60にでも移動させたほうがいいかもしれない。


2000.9.4(Mon)

竜之介の危機
 今夜も竜之介は冷凍イサザアミを食べることが出来なかった。昨夜はまだ食べようと言う意志が感じられたが、今回は枝にとまったまま微動だにせず。とてつもなくヤバイ雰囲気……。
 気がついたことがある。それは、目の周囲の肉が、もこっと盛り上がるようになってることだ。いつもはこんなに肉厚ではなかったはずだ。今の状態は、まるで縁のぶっとい丸眼鏡でもかけてるような、そんな状態になっていた。目玉は肉に埋もれるように、もはや輪郭がわからないほどに。奥深くで竜之介の瞳は、ただじっと一点を見据えるように動かない。手をかざしても、ピンセットで気を引こうとしても、無駄だった。
 心配なのは、以前買ってきたメスのイバラタツも、落ちる数日前にはこのように目の周囲がぼこっと膨らんでいたことだ。しかも口先が白っぽくなった上に、口の内部が空洞のようにのぞき込めるような点までも共通している。これはタツ特有の現象なのだろうか。病気にしろなんにしろ、弱っていることは間違いあるまい。
 餌を、なんとか活きイサザアミを食べさせてやりたい。APNからは相変わらず入荷のメールが来ないままだ。となれば日海センターか。できればAPNが日海センターから大量購入してくれたらいいんだけど……。なにか取引できない理由でもあるのかな?今度聞いてみよう。


2000.9.5(Tue)

ゴーストか?
 むむ!?ブラックゴーストが餌を食べ残すとは珍しい。いつも夜中にシュアーMを付属のスプーンで1杯やってるのだけれど、毎日すさまじい食欲で食べ尽くしていたというのに。
 カイヤン君にも見られた拒食の始まりとか…。まぁ一日だけではなんとも判断のしようがないので、今夜一日絶食させて明日、もう一度様子を見よう。何ごともなく、すぱすぱ食べてくれることを期待して。
 ところで同居のパールグーラミィの体表の一部に、何かで擦り取られたような傷が出来ていた。……まさか、ゴーストが……。


2000.9.6(Wed)

竜之介
 昨夜遅く、竜之介の口先はじわじわと崩壊を始めていた。メスのイバラタツが落ちたのと、ほとんど同じ状態である。そして今朝、竜之介の長い口は、ほとんど表皮が剥がれ落ち、真っ白な骨格だけになっていた。先端付近は、もはや形状も定かではないほど崩れている。それでもまだ竜之介には息があった。

 昔、サラサハタという中華料理では高級食材になる海水魚を飼っていたことがある。体長30cmほどでまだ小型だったが、愛嬌のある大きな胸鰭と、水玉模様がお気に入りだった。それがある日突然、半身不随になってしまった。おそらく水槽内の岩組が地震で崩れ、その下敷きになったためではないかと推測したのだが、その日からサラサハタは胸鰭だけで這うようにしか動けなくなっていた。それから数日が経ち、サラサハタの今後を憂えるのも一段落したころのこと。同居していたカニが、ついにサラサハタを餌食に選んでしまったのだった。気づいたときには半身を食われている真っ最中…。それでもしばらくサラサハタは生きていた。

 竜之介の今の状態は、そんなシーンを思い出させるに十分な痛々しさであった。もはや回復の術はないのだろう。このまま海水から出してやれば、数分後には楽になる…。瀕死の魚を安楽死させることは、小学生のころ熱帯魚を飼い始めて以来、ただの1度しかない。生物の死に際からは、出来る限り目を背けないようにしてきたけれど、それでもどうしても耐え難い場面というものはある。…竜之介、あれほど元気だったのに。
 だがしかし、今回も手は出せない。

 仕事から帰ると、竜之介は横たわるように息を引き取っていたのである。


2000.9.8(Fri)

ハオコゼ登場
 数日前にAPNから新着魚のメールがあって、その中に、“ハオコゼ”の名前を見つけていたので、今夜、引き取りに行ってきた。
8月18日に我が家のハオコゼが落ちてしまい寂しかったので、注文しておいたのだった。
 どこにいるかと見てみれば、最上段、右端の展示水槽に隠れていた。デカい。思わずのけぞってしまうほど、でかかった。ハオコゼにしては、という意味だが。
 以前飼ってたやつは、体長3〜4cm。今、目の前にいるやつは、体長8cmはあるだろう。ほんとうにハオコゼなのか。ハオコゼに似た別種の可能性も考えられるが。ハオコゼは確かこんなに大きくはならないはずだ(記憶によれば)。
 でも姿はそっくり、ハオコゼだった。でも、その大きさゆえ、背ビレの棘がやたらと目立つ。まるでタテガミオコゼを彷彿とさせる禍々しさだ。じつにいい感じである。
 いちおうクリルは食べたそうなので、餌付けのほうも安心できそう。で、気になるお値段だが、780円だった。まぁこんなものだろう。

 ついでにイサザアミのことを聞いてみたが、やはり入荷の予定はないらしい。漁師のほうが、イサザアミが獲れない、あるいは送っても死んでしまうとの理由で、入荷がないそうである。お店でリースしているタツ達も、危機的状況になってるらしい。お客さんの中でも、ばたばたと落ちているので、店で一時的に引き取ってきたタツまでいた。店のライブロック水槽ならば、自然発生するヨコエビなどで食いつなぐ可能性はある。
 それにしてもここまでイサザアミが不足しながら、日海センターからは取れないとは、ますますその理由が知りたくなってしまうのだった。

 ハオコゼは、帰宅後、海水60水槽に投入した。さっそくダムセルが尻尾でもって威嚇にかかる。でも、まったくそれには動じず、悠然と居場所に落ち着くハオコゼである。なかなか肝の据わったヤツらしい。


2000.9.09(Sat)

活岩
 真夜中、歯磨きのついでに出窓の海水36cm水槽を眺めていると、うねうねとざわつく無数の触手が、砂の表面、あるいはライブロック表面から伸びているのに気づく。こんなときには、つい餌をやりたくなってしまう。彼らは何を好むのだろう。我が家の餌で、一番気に入ってもらえそうなものは、やはりクリルだろうか。冷蔵庫のドアを開け、冷えたクリル缶を取り出し、1匹、食い応えのありそうなクリルを選んでやる。それを丸のまま水槽につけ込み、ゆるやかに揉むと、適度に砕けた肉片が、ゆるゆると落下してゆくのだった。ライブロックに降り注ぎ、砂地にも多数、舞い降りる。しばらくすると、触手の数は倍増し、別の動くモノも登場する。得体の知れない生き物たち。げに面白きはライブロック。


2000.9.13(Wed)

跳躍
 出張から戻ってみると、Licが妙なことを言う。昨夜、川魚水槽の水換えをやったかと問うのである。海水2mならともかく、普通の水槽を真夜中にどうこうすることはしないようにしているので、否と答えたところ、ティッシュにのっけた干物を差し出してきたのだった。

 お、おぉぉぉ……

 淡水30cm、川魚水槽でヨシノボリに次いで大きくなっていた川魚が1匹、干からびてそこにあった。さきほど風呂場にて発見したという。水槽から風呂場まで、直線距離にして1.5mほど。跳ねていけない距離ではない。
 惜しいことをした。水槽には隙間を作らないよう、蓋の上から網を被せていたのだが、どうやったか抜け出てしまったようだ。元気に育っていたのに、残念でならない。網の上に乗せていた重石の位置を、ちょこっと修正した。これで被害がなくなればよいが。
 残りの川魚は、ヨシノボリの他には2匹だけとなってしまった。


2000.9.14(Thr)

ハオコゼの餌やり
 朝、順繰りに水槽を回って餌をやっていたところ、海水60水槽のハオコゼが、物欲しげに見上げているのに気が付いた。これまでライブロックの影に潜むばかりで、餌をやろうにもターゲットを絞りきれず、以前のハオコゼにやるのと同じく、無差別投下していたのだが、体長にして2倍の身体を維持するには足りなかったと見える。あるいは、環境変化に慣れて、積極的に出てくるようになっただけなのかもしれないが。
 ハオコゼは、水槽前面のガラスと砂との境界線上に居を構えたもようである。側にはライブロックの裾が届いており、ちょっとした庇にもなっているのが気に入ったのだろうか。この位置なら、いつも観察できるし、餌をやるにもやりやすい。よい場所に来てくれたものだ。
 さっそくクリルを千切って投下してやった。ピンポイントにハオコゼを狙った。水底のハオコゼは、こちらの指の動きをじっとトレースしており、水中をゆらゆら落下するクリルにも、ばっちり狙いを定めている様子。いよいよ着底という瞬間、すばらしい瞬発力で彼は食いついてきた。さすがに肉食魚の食いっぷりは豪快だ。轟々と、喉の唸りまで聞こえてきそう。
 続けてクリル片を投下。これもまた、ハオコゼの腹の中へと消えていった。次のクリル片は、水面化で水分吸収させている間に、ハオコゼが間近まで接近してきて食われてしまった。あやうく手に食いつかれるところだった。すっかり人間には慣れたらしい。ずっと以前から水槽で飼われていたかのようである。こうして都合、丸1匹分のクリルを食べさせたところで、今日の食事はお仕舞い。
 しかしこれだけ慣れてしまっては、水槽のコケ掃除の時が大変かもしれない。以前のハオコゼも執拗に腕に接近してきたし、今回のヤツはそれを上回る体躯のため、接触の危険は倍増だ。ゴム手袋でも用意しておいたほうがいいかもしれないなぁ。


2000.9.15(Fri)

靴の底には…
 玄関に置きっぱなしだった古いトレッキングシューズに、なにやら怪しげな物体が付着していた。茶色のフェルトで出来た帯状のもの。最初、生地の内部が弾けて露出しているのかと思ったのだが、それは明らかに外から貼り付いているようだった。まったく心当たりがなかったので、きっとゴミがくっついたんだろうと思い、べりっと剥がそうとしてみたのだが……。
 一皮剥けたその内部には、思わず鳥肌が立ってしまうほど、「うぉぉぉぉ〜」と唸ってしまうほどに、びっしりと金属色の光沢を持った無数の丸いモノが整然と並んでいたのだった。直径にして2〜3mm。人工物ではあるまい。くっついてる場所が靴だということを忘れれば、このような形状には覚えがあった。たとえば葉っぱの裏側にびっしりと貼り付いてれば、これはいかにもそれっぽく見えるだろう。そう、これはおそらく昆虫の卵に違いない。
 とにかくこんなところで孵化でもされたら大変だ。それが芋虫形態だったりしたらと思うと、指先にも力が入る。一粒たりとも残さぬように剥がしてしまってから、靴を外に運び出した。明るい場所に持ってくると、靴の中に何か潜んでいるのに気が付いた。
 「毛虫だ!」そばで見ていたみこりんも、のぞき込んでおののいている。巨大な毛虫の残骸が、靴の中にはあった。そして、これまた巨大な“さなぎ”…、すでに羽化したあとのように見える。そして、虫の残骸が溜まっていた。巨大な蛾か何かのように思われる。
 たぶんこれが卵の親に相違あるまい。毛虫状態から、羽化に至るまで、よくもこれまで気が付かなかったものである。まぁ生きた毛虫状態で発見しなかっただけでも、よしとせねば(私はなにより芋虫形態が苦手なのである)。

 と、ここまで読んできて、いったいこれのどこが“お魚日記”なのかと不審に思った方もいらっしゃることだろう。大丈夫、オチはちゃんと用意されているのでご安心いただきたい。その虫の残骸をどかしてみると、なんとそこには変わり果てた姿のブラックネオンが1匹、横たわっていたのであった。乾燥具合から見て、数日というレベルではなく数週間あるいは数ヶ月前に、この場所に落下したものと推測される。真上には、淡水60水槽と海水60水槽の乗った靴箱が…。
 これまで2年以上、1匹も欠けることなく10匹の群で泳いでいたブラックネオン。ついに、9匹になってしまった。残念なことである。


2000.9.17(Sun)

消えた海草
 土曜が雨模様だったので、本当は昨日のうちに水槽の水換えをやっておきたかったのだが、ついつい怠惰な一日を過ごしてしまい、今日に持ち越しとなってしまった。案の定、こういう日に限って晴天だ。ここのところ雨続きだったので、ちゃきちゃき水換えして、お天道様の下で遊ばねばもったいない。
 というわけで、いつものように淡水30cm水槽4本分を、ざざざっと水換え。ダブルソードの唯一のメスが、病気らしい。残りはオス2匹だけ。新しいメスが来なければ、ここの水槽も絶えてしまう。どうするかLicと相談せねば(このグッピーはLicのもの)。

 水換えのあとは、海水36cmの苔掃除。これまたいつものごとく。
 でも、苔の生え具合が少々おとなしくなってきたような気もする。太陽光線が真夏のそれから、徐々に秋の穏やかさに変わってきたからかもしれない。
 その他に気が付いたのは、ライブロックにもわもわっと生えていた赤い海草の束が、根元を残して消滅していたことだ。ここのところ、夜な夜な透明な何かが乗っかって、がじがじ囓っていたのを覚えている。その結果なのかもしれない。水底に生えている海草は、まだ無傷。おいしそうな海草サラダにできそうな気さえする。捕食者も、いずれこちらを見つけるだろう。食うものと食われるモノ。うまくバランスしていればよいのだが。


2000.9.18(Mon)

金魚の餌
 淡水60水槽のコンゴーテトラが、なんとなくお腹を空かせているような気がしたので、ためしに金魚の餌をやってみた。いつもはフレークをぱらぱらさせているのだが、あの紙のように薄い餌では、体長7cmほどに育った彼には足りないかもしれない。そう思ってのことだった。
 金魚の餌は浮遊性の顆粒状ゆえ、沈んでしまう心配がないのでやりやすい。この水槽の連中は、浮いてる餌のほうが食べやすそうだし丁度いい具合だった。コンゴーテトラは餌を発見すると、真下からジャンプでもするかのように急上昇してきて、餌を含み、あっというまに反転急降下。何度も何度も、その動作を繰り返していた。フレークを食べる時よりも、かなりアグレッシブな動きである。顆粒状の餌のほうが食が進むのだろうか、見ていてもおいしそうに食べていた。
 これからはコンゴー君には金魚の餌を食べさせることにしようと思う。


2000.9.19(Tue)

怪しげなるモノ
 今夜は洗い物しているときに、そいつを発見してしまった。出窓に置いた海水36cm水槽には、底面フィルタ用にパワーヘッドが装着されているのだけれど(フィルタとパイプを繋ぐ位置にある)、その上になにやらもこもこした物体が乗っかっているのだった。ウズラの卵くらいの大きさで、スポンジのようにも見えるが、じつは無数の細い糸がこんがらがっているようにも感じられて、手を触れるのもためらわれる怖さがある。よくよく見れば、無数の光る小さな目玉のようなものまで見えてくる気がして、ますます現実離れしてくるのだった。
 懐中電灯で照らしてみても、なんだかよくわからない。でも、汚れが堆積しているのとは違うようだ。そういう密な溜まり方ではないように思える。海草が玉になったらこんな感じかな?というのが一番イメージに合っているけれど、1つだけ違うのはコレがなんとなく動物的なことだった。無数の触手のようなものが揺れている感じがする。
 いったいなんなのだろう。水槽内のパワーバランスが崩壊しなければよいが。


2000.9.21(Thr)

ハオコゼ命名
 ところでハオコゼの背中あたりに、真っ黒い斑紋があるのに気づいていた。赤や茶色、それに白などが混ざった紋様にそのような斑紋とくれば、なんとなく“木星”を連想してしまうのだった。それを思った瞬間、安直な私のネーミング回路はハオコゼの愛称を決定していたのだった。

 命名『ジュピター』

 すっかり手から餌を食べるのにも慣れた“ジュピター”。長生きして欲しい。


2000.9.22(Fri)

脱皮のあと
 ここ数日、ライブロックと砂地に挟まるように、じっと身動き1つしていなかった“やりやり君”、転がっていた脱皮殻がもしかすると脱皮なんかじゃなくて中身の詰まった屍だったりして……と不安な日々を過ごしていた。それが今朝、何事もなかったかのように元気な様子で岩登りに興じているのを発見、安堵するのだった。やはり脱皮殻は、正真正銘“脱皮殻”であったようだ。
 別の“やりやり君”も、こうして脱皮直後に数日間ほど沈黙を守ることがあったような記憶もあり。ヤドカリには、普通に見られる現象なのかもしれない。でもまれに、本当に落ちてしまってる場合もあるので、注意が必要だ。


2000.9.24(Sun)

クーラー修理完了
 クーラーの修理ができたというのでAPNまで取りに行ってきた。晴れている今の内に、取り替え作業を済ませてしまおう。
 結局、修理は基板まるごと交換となり、修理費用は見積もり通りの2万円也。箱の中には取り外された古い基板がリクエスト通り入れられており、しばらく回路チェックなどをやってしまう。予想どおり簡単な回路のようだ。案外VRを取り替えたらあっさり治ったりして、と思ってしまうほどの構成であった。
 故障個所をいちいち特定するよりも、丸ごと交換してしまったほうが安上がりということなのだろう。基板の実費が千円かそこらと思われるため、修理代2万円の大部分は工賃ということになる。通常の電化製品だと、これはものすごく高い!…わけだが、観賞魚業界ではこれが通例なんだろうか。
 まぁいい。次回からはメーカー修理には出すまでもないということで。

 代替品を取り外し、戻ってきたクーラーを取り付けて、再始動。温度調整部分は誤作動なく動いているようだ。しばらくは油断できないけど。でも、季節はすっかり秋本番、もはやクーラーの不可欠な季節でもない。完全に直ってなくても不具合を見つけられない可能性もある。
 二度と煮魚にはするまい。

カイヤン君の食欲
 カイヤン君の餌が切れていたので、プレコタブレットを新しく買ってきた。最近カイヤン君は食欲旺盛で、消費が早いのだ。
 暗くなるのを待って、さっそく3枚ほど落としてやってみたところ、ゆらぁと接近してくるカイヤン君!さすが、匂いで敏感に察知しているようだ。口元の髭は伊達じゃない。
 そのまま水底をあさり、3枚ともあっという間に食べてしまった。全長40cmのカラダを維持するには、3枚じゃ足りないだろう。というわけで追加で6枚ほど入れてみた。これも残さず食べてくれたようだ。
 拒食期間と、飽食期間を繰り返すカイヤン君には、まだまだ隠された秘密があるような気のする今日この頃であった。


2000.9.25(Mon)

パールグーラミィ落ちる
 仕事から戻ってみると、玄関の淡水90水槽の真ん中あたりで、まっさかさまに白いモノが生えてるのを発見した。異物混入か!?と一瞬思ったが、これはパールグーラミィが落ちている図であった。
 買ってきてからおそらく4〜5年が過ぎていたはず。最初からあまり餌をたくさん食うやつじゃなかったけど、今日までよく生きてくれた。一時はグーラミィばかり集めてみようかなと思ったこともあるこの水槽だが、いまとなっては何もかもみな懐かしい思い出だ。この水槽はいずれ廃棄されることになる。カイヤン君が奥行き方向につっかえるようになったら、生け簀に移動だ。それまであと5cmほどの猶予がある。来年か、再来年か、それまでに生け簀、なんとか準備してやらねば。


2000.9.26(Tue)

朝の時間
 思いっきり寝過ごしてしまったので、今朝は魚の餌やりが一部に留まってしまった。どいつが割食ったかといえば、ハオコゼとロングフィンスナッパーである。いずれもクリルを主食としているところが共通だ。そう、冷蔵庫からクリル缶を出して、1つ1つ千切ってやるには、ちょっと時間が足りなかったという次第。
 最近は帰りも遅いので、夜にやるわけにもいかず、今日一日ひもじい思いをさせてしまったなぁ。明日は余裕の起床で対処せねば。


2000.9.29(Fri)

水中洞くつ
 今夜のBS2で放送された『体感紀行 地下水中洞くつを行く〜アメリカ・フロリダ〜』は、圧巻だった。とてつもない透明度を誇る湖、そして水中洞くつ、こんな場所が地球上にあるということに感謝したい。珊瑚礁の圧倒的な生命力に溢れた海と正反対な、闇と静寂に包まれた水の世界。狭い洞くつを抜けた向こうに広がる巨大な地下空間……どれをとっても一級品。素晴らしすぎる。
 ケイブダイビングという言葉は聞いたことがあったけれど、これほどのものとはまったく予想していなかった。こりゃ“はまる”にちがいない。
 水中洞くつレイアウトっていうのは、初めて熱帯魚を飼い始めた子供の頃から私の夢でもある。その最高の実例が、次々に画面に流れてゆくのだから、見ているだけでも背筋がぞわぞわ落ち着かない。それにしても、水が透明すぎて、水中というより、まるで宇宙空間を漂っているような感じだ。あるいは、これが木星の衛星エウロパの海を探査しているところだと言われても、違和感がなかったりして。
 そしてこういう場所にもやっぱり生き物がいる。真っ白なザリガニとか、たぶん大昔に彼等の先祖はこの水中洞くつ奥深くに彷徨いこみ、出られなくなってしまったのだろう。そこで絶えることなく、命をつないだ生命力には、ただ感嘆するほかない。
 アメリカン・イールというウナギが大量に潜んでいる図では、つい昔読んだ本『長鼻君というウナギの話』を思い出した。たしかこのお話に登場するウナギも、地下水脈に迷いこんでしまう。まるで自分がそこにいるかのような狭さと圧迫感、暗闇、冷たい水、それらを巧みに描写した文章に取り憑かれ、この本は図書室で何度も何度も借りて読んだものだ。私が水中洞くつに異様に惹かれるのは、こうした記憶があるからかもしれない。

 水中洞くつには潜れそうにないが、いつかこれらの湖を実際に訪れてみたいものである。


2000.9.30(Sat)

午後はまるまる水槽メンテ
 先週は天候不順で水換えの気力がどうしてもわき起こらず、先延ばしにしてしまった。だが今日もまた雨。しとしと冷たい秋雨である。どうも最近は週末は雨と決まっているかのよう。
 他にやりたいことを思いつかないうちに、とっとと水換え実行だ。
 そろそろ気温が20度付近なので、ヒーターを入れていない淡水小魚水槽と金魚水槽から先にやる。魚の調子はいずれも良さそう……と思ったら、水換え直後の金魚水槽で、あやしげな雰囲気のヤツが1匹。先月(
8月26日)みこりんがすくってきたフリヒラのやつだ。ぼぉぉぉっと水底付近を彷徨う感じに生気が失せていくような感じ。まさか水換えのショックで……。
 心配しつつも先に進む。ヒーターありの淡水30cmを2本やったあと、久々に淡水90も水換えしておくことにした。若干、カイヤン君の食べ残しが堆積しているようなのと、ブラックゴーストの住処となってる石の苔が目立つようになってきたからだ。水を抜き始めると、ついついはまってしまって結局100リットル近く交換することになってしまっていた。思わぬタイムロス。これから海水3本のメンテも待っているのに。

 海水36cm水槽は、太陽光線が弱まってきているため以前ほどは苔らないのだが、さすがに2週間経つと、中の様子がほとんど見えないくらいになっている。できるだけ水を汚さないように苔を落とし、生物のチェック。デバ3匹健在、やどかりOK、ケヤリの赤ちゃん大丈夫、その他もろもろの蠢くものたちも生存しているようで一安心。動かないものたちも、順調に大きくなっているように見える。
 そして海水R360。そろそろクーラーを取り外さねば時期を逸する。少々苔ってもきているようだし、まずは苔掃除から。デバ2匹、ラプリピンク・ラスsp.、それにちっちゃなヤドカリも、みんな元気なことに安堵しつつ、潮ダレなどもきれいに拭いておいた。
 クーラーの取り外しは、付けるときよりも簡単だ。電源とセンサを抜いて、水をこぼさないように注意しつつ入出力用の2本のホースを外したらおしまい。真水で内部を洗浄したあと、物置部屋へ。来年はたぶん、イサザアミ水槽に使ってそうな予感(またタツに挑戦したい)。

 最後に残った海水2m水槽。苔掃除だけでなく、濾過槽のウールマットもがしがし洗った。ウールマットの新品がなくなっていたのを忘れていた。注文しておかねば。モーターを止めたついでにSAP−2も真水で洗浄。すべてが終わったとき、時計の針は午後6時を回っていた。午後一番に始めてこれか。今日は一日水槽メンテで終わってしまったなぁ。

栗サイズ
 キレイになった海水36cm水槽の中、今夜はウニに注目したい。最初、ライブロックにくっついていた時は直径1cmあるかないかというサイズだったのだが、いまでは棘も5mmを超えるかと思われるほどに伸び、直径も2cmに到達しようかという勢いである。この調子でいけば、春を待たずに“クリ”のようになってしまうのではないだろうか。
 彼の旺盛な食欲を支えていたライブロックやら砂上の海草類も、太陽光が穏やかな日差しになるにつれて生長速度が落ちてきている。そろそろ海草(海藻)サラダなどを使ったほうがいいかもしれない。いずれにしても、あと1〜2個は、ライブロックを増やしてやりたいと思う。岩を飼うのは、じつにエキサイティングだ。


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